著者 : 西加奈子
ジャンル、国境を越える豪華執筆陣の文芸誌 紙を愛してやまない《ヤギ》にちなんで名づけた、《Greatest Of All Time(=かつてない)》文芸誌が誕生! ジャンルや国境を越えて豪華執筆陣が集結しています。 ○特集「愛」 【小説】 西加奈子 小川哲 市川沙央 パク・ソルメ 島本理生 冲方丁 麻布競馬場 葉真中顕 芦沢央 チョン・ヨンス 長塚圭史 嶋津輝 戸田真琴 【対談】 Awich×細谷功 小池真理子×東出昌大 藤ヶ谷太輔×川村元気 【短歌】 朝吹真理子 小佐野彈 高瀬隼子 スケザネ 【 詩 】 最果タヒ 井戸川射子 大崎清夏 水沢なお 小原晩 青松輝 【哲学対話】 永井玲衣×『GOAT』編集部 【エッセイ】金原ひとみ アフロ(MOROHA) 塩谷舞 チョン・セラン 町田そのこ ワクサカソウヘイ 【インタビュー】 一穂ミチ ○『GOAT』×monogatary.com 文学賞 [選考委員長:加藤シゲアキ] 総応募数753作から大賞受賞作を誌上で発表! ○私の「GOAT本」 上白石萌音 けんご 斉藤壮馬 鳥飼茜 夏川草介 三宅香帆 ○出せなかった手紙 彩瀬まる 佐原ひかり ○短編小説 尾崎世界観 蝉谷めぐ実 安壇美緒 乗代雄介 八木詠美 大木亜希子 野崎まど 〇特集「読書バリアフリーをめぐる旅」 稲泉連 滝口悠生 その他、特大企画多数! 【編集担当からのおすすめ情報】 定価は「GOAT」(ゴート)の名にちなみ、510円(税込)。 読者プレゼントとして、野崎まど×GOATコラボの「ゴートくんブックエンド」も! 本書はアクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。本書巻末よりお申し込みください。
『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。 この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。 「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。 わたしを生きるための言葉。#Imissme --わたしに会いたい。 コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。 ・「わたしに会いたい」--ある日、ドッペルゲンガーの「わたし」がわたしに会いに来る。 ・「あなたの中から」--女であることにこだわる「あなた」に、私が語りかける。 ・「VIO」--年齢を重ねることを恐れる24歳の私は、陰毛脱毛を決意する。 ・「あらわ」--グラビアアイドルの露(あらわ)は、乳がんのためGカップの乳房を全摘出する。 ・「掌」--深夜のビル清掃のアルバイトをするアズサが手に入れた不思議な能力とは。 ・「Crazy In Love」--乳がんの摘出手術を受けることになった一戸ふみえと看護師との束の間のやり取り。 ・「ママと戦う」--フェミニズムに目覚めたママと一人娘のモモは、戦うことを誓う。 ・「チェンジ」(書き下ろし)--デリヘルで働く私は、客から「チェンジ。」を告げられる。 【著者プロフィール】 西加奈子(にし・かなこ) 1977年イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪府で育つ。 2004年に『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年に『サラバ!』で直木賞を受賞。著書に『さくら』『円卓』『漁港の肉子ちゃん』『ふる』『まく子』『i』『おまじない』など多数。23年4月に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題。
直木賞作家が5年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
「文藝」86年ぶり3刷の2019年秋季号特集小説がパワーアップ!日韓最前線、12人の作家たちが響きあう。ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュが贈る、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、覆面SF作家デュナ、松田青子による初邦訳作&書き下ろしを収録した決定版。
アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。 内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。 なのに、自分は恵まれた生活を送っている。 そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。 けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開けるーー たとえ理解できなくても、愛することはできる。 世界を変えられないとしても、想うことはできる。 西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。 累計21万部!巻末に又吉直樹氏との対談を収録 残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が、与えてくれました。--又吉直樹 読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。--中村文則
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・直木賞作家・西加奈子「サラバ」「i」に続く、待望の短編集反響続々! ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「人はいなくなっても、言葉は残る。誰かの言葉に縛られる絶望は、誰かの言葉に守られている希望に替えていけばいい。本書の物語は、そう力強く告げている。」--文月悠光(詩人)「「燃やす」を読んで、自分の中にいた小さい頃の自分を思い出して泣きました。」 (読者) 「誰にも知られない苦しみによりそってくれる、おまもりみたいな本」 (読者) 大人になって、大丈夫なふりをしていても、ちゃんと人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんあるーー。それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す「魔法のひとこと」を描いたキラメキの8編。「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」--西加奈子【収録作品】1 燃やす「あなたは悪くないんです。」2 いちご「東京ちうたら、とちおとめとあまおうがしのぎを削っとるとこじゃな。」3 孫係「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。」4 あねご「あなたがいてくれて、本当に楽しいです。」5 オーロラ「戻って来るのはあんただよ。」6 マタニティ「弱いことってそんないけないんですか?」7 ドブロブニク「おめでとう。」8 ドラゴン・スープレックス「お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん。」 1 燃やす2 いちご3 孫係4 あねご5 オーロラ6 マタニティ7 ドブロブニク8 ドラゴン・スープレックス
累計百万部突破!第152回直木賞受賞作 僕はこの世界に左足から登場したーー。 圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。 そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
2015年本屋大賞2位!作家10周年作品 両親の離婚、そして帰国。母の実家のそばに住む母子三人は、次第にバラバラになっていった。 母は頻繁に恋人をつくり、サッカーに興じる歩は高校で同級生の須玖に影響を受けていく。姉は、近所に住む矢田のおばちゃんが宗教団体の教祖のように祀り上げられていくなか、次第にそこに出入りするようになった。 そして、阪神淡路大震災が起こった。それは歩の生活にも暗い影を落とし、逃げるように東京へ向かう。脳が蕩けるような学生生活を経て、歩はライターになった。だが、その先で、ある取材を依頼される。そこには変わり果てた姉が絡んでいた。
これは、あなたを魂ごと持っていく物語 姉・貴子は、矢田のおばちゃんの遺言を受け取り、海外放浪の旅に出る。一方、公私ともに順風満帆だった歩は、三十歳を過ぎ、あることを機に屈託を抱えていく。 そんな時、ある芸人の取材で、思わぬ人物と再会する。懐かしい人物との旧交を温めた歩は、彼の来し方を聞いた。 ある日放浪を続ける姉から一通のメールが届く。ついに帰国するという。しかもビッグニュースを伴って。歩と母の前に現れた姉は美しかった。反対に、歩にはよくないことが起こり続ける。大きなダメージを受けた歩だったが、衝動に駆られ、ある行動を起こすことになる。 【編集担当からのおすすめ情報】 解説は又吉直樹さんが執筆くださいました。
個性あふれる作家陣が、大人への階段を上ろうとする人生の一瞬を鋭くとらえた短編作品10本を集めたアンソロジー。大人未満な時期のほろ苦い記憶と重ね合わせて楽しんでほしい一冊。(解説/三田誠広)
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とはーー。 太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活にーー。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編!
「ときどき何だか恋しくなって、うっかりページをひらいてしまう」(朝吹真理子選「親友交歓」)、 「悲嘆にくれながら笑い、怒りながらおどける。背反を抱え、そのまま抱きしめ続ける人」(滝口悠生選「葉」)、 「儚くて、かわいくて、切実で」(西加奈子選「皮膚と心」)-- 三十八歳で歿した太宰の短篇を、七人の現代作家が同世代の眼で選んだ作品選。 新樹の言葉 青木淳悟・選 親友交歓 朝吹真理子・選 トカトントン 佐藤友哉・選 葉 滝口悠生・選 駈込み訴え 津村記久子・選 皮膚と心 西 加奈子・選 おさん 村田沙耶香・選 太宰治年譜 選者略歴
池井戸花しす、二十八歳。職業はアダルトビデオへのモザイクがけ、趣味はICレコーダーでの隠し録り。「いつだってオチでいたい」と望み、過去を愛おしみ、誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日だった。だがそんな彼女に訪れた変化とはー。過去、現在、そして未来が、新しい「今」とつながる、奇跡の物語。
【文学/日本文学小説】書籍編集者の鳴木戸定。彼女は幼い頃、紀行作家の父と行った旅先で特異な体験をする。不器用に生きる定はある日、自分を取り巻く世界の素晴らしさに気づき、溢れ出す熱い思いを止めることができなかった。第1回河合隼雄物語賞受賞作。
西加奈子作家生活10周年記念作品 1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。 父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。 イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。 後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずにーー。
本年度最大の衝撃と感動。 一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。 ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。 絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。