著者 : 西永良成
自責の念に苛まれる復讐者、エドモン・ダンテス。許嫁を攫った男の極悪非道の蛮行を暴き、ついに自らの正体を明かした彼は、残る二人の復讐へと取りかかる。だが、綿密な計画が果たされようとするとき、彼の足元に懐疑と悔恨の深淵が口を開ける……。 自由も未来も愛も希望も奪われたのち、ふたたび生を取り戻す日は来るか。かつて船乗りだった男の復讐の旅の果て。 【目次】 93 ヴァランティーヌ 94 告白 95 父と娘 96 婚姻契約書 97 ベルギー街道 98 「鐘と壜」のホテル 99 法律 100 幽霊 101 ロクスタ 102 ヴァランティーヌ 103 マクシミリアン 104 ダングラールの署名 105 ペール・ラシェーズの墓地 106 分配 107 ライオンの堀 108 判事 109 重罪裁判 110 起訴状 111 贖罪 112 出発 113 過去 114 ペッピーノ 115 ルイジ・ヴァンパの献立 116 赦し 117 十月五日 訳注 訳者解説 93 ヴァランティーヌ 94 告白 95 父と娘 96 婚姻契約書 97 ベルギー街道 98 「鐘と壜」のホテル 99 法律 100 幽霊 101 ロクスタ 102 ヴァランティーヌ 103 マクシミリアン 104 ダングラールの署名 105 ペール・ラシェーズの墓地 106 分配 107 ライオンの堀 108 判事 109 重罪裁判 110 起訴状 111 贖罪 112 出発 113 過去 114 ペッピーノ 115 ルイジ・ヴァンパの献立 116 赦し 117 十月五日 訳注 訳者解説
青白い肌に残忍な目をした復讐者、エドモン・ダンテス。社交界で地歩を築き、仇討ちの準備を整えた伯爵の周囲に、ついに、ひとり、またひとりと死者が出はじめる。遠い国の王女の胸張り裂ける記憶、あこぎな盗人の手元できらめく短刀、鎖かたびらを身に纏う神父…… ゆらめく憎悪の炎に罪なき青年が犠牲になろうとする刹那、かつて愛した女が、ひとりの船乗りの名を叫ぶーー 【目次】 70 舞踏会 71 パンと塩 72 サン・メラン侯爵夫人 73 約束 74 ヴィルフォール家の墓所 75 調書 76 カヴァルカンティ息子の進歩 77 エデ 78 ジャニナ発の通信 79 レモネード 80 告発 81 パン屋の隠居部屋 82 押し込み 83 神の手 84 ボーシャン 85 旅 86 審判 87 挑発 88 侮辱 89 夜 90 対決 91 母と子 92 自殺 訳注 70 舞踏会 71 パンと塩 72 サン・メラン侯爵夫人 73 約束 74 ヴィルフォール家の墓所 75 調書 76 カヴァルカンティ息子の進歩 77 エデ 78 ジャニナ発の通信 79 レモネード 80 告発 81 パン屋の隠居部屋 82 押し込み 83 神の手 84 ボーシャン 85 旅 86 審判 87 挑発 88 侮辱 89 夜 90 対決 91 母と子 92 自殺 訳注
異邦の大富豪を演じる船乗り、エドモン・ダンテス。「シンドバッド」として恩人一家を救ったのち、奴隷をしたがえ、舞台はパリへ。無尽蔵の富と滔々たる弁を武器に人心を惑わし、モンテ・クリスト伯として、かつて己を陥れた人物たちと再会する。謎のギリシャ美女、毒薬の秘法、血腥い館…… 巧妙に仕掛けられる復讐の罠に、社交界の名士たちの運命が狂いはじめる。 【目次】 46 無制限融資 47 連銭葦毛の馬 48 観念論 49 エデ 50 モレル一家 51 ビラムスとティスベ 52 毒物学 53 悪魔のロベール 54 高値と安値 55 カヴァルカンティ少佐 56 アンドレア・カヴァルカンティ 57 ウマゴヤシの囲い地 58 ノワルティエ・ド・ヴィルフォール氏 59 遺言 60 通信機 61 桃を食べるオオヤマネから果樹園主を守る方法 62 幽霊 63 晩餐 64 乞食 65 夫婦喧嘩 66 縁談 67 王室検事の執務室 68 夏の舞踏会 69 情報 訳注 46 無制限融資 47 連銭葦毛の馬 48 観念論 49 エデ 50 モレル一家 51 ビラムスとティスベ 52 毒物学 53 悪魔のロベール 54 高値と安値 55 カヴァルカンティ少佐 56 アンドレア・カヴァルカンティ 57 ウマゴヤシの囲い地 58 ノワルティエ・ド・ヴィルフォール氏 59 遺言 60 通信機 61 桃を食べるオオヤマネから果樹園主を守る方法 62 幽霊 63 晩餐 64 乞食 65 夫婦喧嘩 66 縁談 67 王室検事の執務室 68 夏の舞踏会 69 情報 訳注
無実の罪で投獄された船乗り、エドモン・ダンテス。牢獄で出会った神父の導きにより脱獄し、巨万の富を手に入れた彼は、モンテ・クリスト伯と名乗り、自分を陥れた者たちの捜索と復讐に取りかかる。 孤島の淫靡な洞窟、謝肉祭に沸くローマの街と、舞台は移り変わり、巧妙に張られた復讐の網にさまざまな人物が交錯する。 【目次】 27 物語 28 監獄の記録 29 モレル商会 30 九月五日 31 イタリア──船乗りシンドバッド 32 目覚め 33 ローマの盗賊 34 出現 35 撲殺刑 36 ローマの謝肉祭 37 サン・セバスティアーノの地下墓地 38 訪問の約束 39 会食者たち 40 午餐 41 紹介 42 ベルトゥチオ氏 43 オトゥイユの家 44 復讐 45 血の雨 訳注 27 物語 28 監獄の記録 29 モレル商会 30 九月五日 31 イタリア──船乗りシンドバッド 32 目覚め 33 ローマの盗賊 34 出現 35 撲殺刑 36 ローマの謝肉祭 37 サン・セバスティアーノの地下墓地 38 訪問の約束 39 会食者たち 40 午餐 41 紹介 42 ベルトゥチオ氏 43 オトゥイユの家 44 復讐 45 血の雨 訳注
漆黒の髪に黒い瞳の船乗り、エドモン・ダンテス。船長への昇進が決まり、美しいメルセデスとの婚約も果たし、目の前には明るい未来が広がっているはずだった。だが、その幸せを妬む者たちの姦計により、無実の罪を着せられた彼は、島の牢獄へ送られ、幸福の絶頂から一転、地獄に突き落とされる。ああ哀れ、エドモン・ダンテスの運命やいかにーー 暗く孤独な牢獄の一室から長い長い復讐の物語が始まる。 【目次】 1 マルセイユーー帰還 2 父と子 3 カタルーニャ村の人びと 4 陰謀 5 婚約披露 6 検事代理 7 尋問 8 イフ城 9 婚約式の晩 10 チュイルリー宮殿の書斎 11 コルシカの鬼 12 父と子 13 百日天下 14 怒る囚人と狂う囚人 15 三十四号と二十七号 16 イタリアの学者 17 神父の牢 18 財宝 19 三度目の発作 20 イフ城の墓場 21 ティブラン島 22 密輸業者 23 モンテ・クリスト島 24 眩惑 25 見知らぬ男 26 ポン・デュ・ガールの宿屋 訳注 1 マルセイユーー帰還 2 父と子 3 カタルーニャ村の人びと 4 陰謀 5 婚約披露 6 検事代理 7 尋問 8 イフ城 9 婚約式の晩 10 チュイルリー宮殿の書斎 11 コルシカの鬼 12 父と子 13 百日天下 14 怒る囚人と狂う囚人 15 三十四号と二十七号 16 イタリアの学者 17 神父の牢 18 財宝 19 三度目の発作 20 イフ城の墓場 21 ティブラン島 22 密輸業者 23 モンテ・クリスト島 24 眩惑 25 見知らぬ男 26 ポン・デュ・ガールの宿屋 訳注
コゼットを思いながら、政府軍との死闘に身を投じるマリユス。バリケードには幼きガヴローシュの姿もあった。そこに吸い寄せられるように現れ再び相まみえることとなったジャン・ヴァルジャンとジャヴェールー。生けるもののごとき巨大なバリケードと下水道の果てにすべての惨めな者たち(ミゼラブル)の運命が交錯し、壮大な物語は完結する。
七月革命後の混迷をきわめるパリ。ジャン・ヴァルジャン父娘の住むプリュメ通りの家での逢瀬を重ね、マリユスはコゼットとの愛を着実に育んでいく一方で、“ABCの友の会”の反政府活動に加わり、仲間とサン・ドニ界隈へ出入りするようになる。恋人たちの運命にテナルディエ夫婦のこどもたち、エポニーヌとガヴローシュが交錯する。バリケードのなか、壮絶な市街戦の結末は…。
王党派の祖父に育てられた青年マリユスだが、皇帝から男爵位を受けた父の真実を知り、深く煩悶したすえに、決然と家を出てしまう。孤高の清貧生活を送っていたある日、ついに運命の人コゼットを見初めることに。いっぽう、皮肉な巡り合せによってジャン・ヴァルジャン父娘の正体を見破ったテナルディエがまたもやふたりを陥れる。一触即発の危機を見守るマリユスだが…。
のちの重要な伏線となるワーテルローの戦い、その重厚な歴史語りをはさみ物語はつづく。ファンチーヌとの約束を果たすべくジャン・ヴァルジャンは脱獄、守銭奴テナルディエ夫婦の狡知からついにコゼットを救いだす。パリへの逃避行とジャヴェールの追跡、ふたりに刻々と迫る警察の完全包囲網、絶体絶命の苦境からの奇跡の脱出劇。
極貧のさなか、たった一片のパンを盗んだがため十九年ものあいだ獄に繋がれねばならなかった主人公ジャン・ヴァルジャン。出獄後の世の厳しさのなか、唯一彼に深い慈悲をほどこす「正しい人」ミリエル司教。改心しマドレーヌ市長に変貌した主人公を執拗に怪しみ追いつづけるジャヴェール警部。ただ一度の「純愛」から悲惨な短い生を終える哀れなファンチーヌ。そして、残された娘コゼット。
世界的な名作『レ・ミゼラブル』を通読した読者は少ない。原因はその長大さばかりでなく、「哲学的部分」と呼ばれるユゴーの膨大な「蘊蓄」にある。しかし、「哲学的部分」こそ実は一番面白い。作品の成立の過程を辿り、歴史的背景を参照しつつ、作品に込められたユゴーの思想を読み解く。
翻訳者がみた作家・作品を介した対話。「近代のイメージとモデル」であった小説に賭け、「実存の未知な部分」を探ろうと果敢な挑戦をつづける「反現代的なモダニスト」の半世紀の軌跡。ほとんどの作品を訳したからこそ書きえた「個人的」クンデラ論。
パリの社交界で、金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた美貌の高級娼婦マルグリット。純粋でひたむきな青年アルマンに出逢い、その深い愛情に心うたれた彼女は、都会での享楽的な生活を棄て郊外へと向かった。だが、セーヌ左岸の村ブージヴァルの別荘で、二人だけの生活が始まった矢先、アルマンの父親が二人の仲を引き裂くためやってきた。アルマンを心より愛するマルグリットは、苦渋の選択を迫られることになるー。
絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせる。十数年後、男は復讐をもくろむが…。愛の悲喜劇を軸にして四人の男女の独白が重層的に綾をなす、クンデラ文学の頂点。作家自らが全面的に手直ししたフランス語決定版からの新訳。一九六七年刊。