著者 : 逢坂剛
長崎奉行手附出役として、天領・長崎で縦横無尽に事件解決に当たる近藤重蔵。そんな重蔵の前に現れたのは、江戸の地で最愛の人、音若を無残にも殺した仇敵りよだった!りよはなじみの悪党・喜兵衛の一味と行動を供にし、長崎でも悪事の限りを尽くす。重蔵は音若の仇を討つことが出来るのか。傑作時代小説シリーズ第五弾。
死せる禿鷹、生きるキャリアを走らす!史上最悪の悪徳警官が、死を賭して守った署内裏帳簿のコピー。それが、警察庁幹部によって葬り去られようとしていた。南米マフィアの復活と共に、血腥い暗闘の火蓋が切って落とされる。
あんたの仕事は、ハゲタカを消すことにある。そう、神宮警察署の悪徳刑事・禿富鷹秋を狩り立て、この世から抹殺するのだーヤクザも南米マフィアも手玉にとるあの極悪刑事の前に、最強の刺客が現われた。巧妙に仕掛けられた執拗な罠を、果たして潜り抜けることは出来るのか!?息を呑む展開の警察暗黒小説、シリーズの白眉。
渋六興業と禿富鷹秋の癒着関係を暴き、警察組織から追い出しにかかるーハゲタカを執拗に追い回す敵は、同じ神宮署生活安全特捜班に所属する、屈強でしたたかな女警部、岩動寿満子だった。寿満子は渋六の野田に、チャカ五挺と引き換えにある裏取引を持ちかけるが…稀代の悪徳刑事を衝撃のラストが待つ。
六尺豊かな巨躯と鋭い眼光、二十六歳の若さながら博学と豪胆さを持つ傑物・近藤重蔵は長崎奉行手附出役に抜擢され、天領・長崎へ赴任する。抜荷(密貿易)と切支丹を取り締まり、縦横無尽に事件の解決に当たる。忍び寄る薩摩の影。オランダ甲比丹の企みとは!?舞台を長崎に移しての傑作時代小説シリーズ第4弾。
英国将校の死体が身につけた“機密文書”の真偽を探れ!無条件降伏を突きつけられたドイツ。ヒトラー最後の望みは、地中海沿岸に上陸する連合軍の返り討ちのみ。枢軸国と連合国、史上最大の欺瞞工作が始まった。時代のうねりに引き裂かれる北都昭平とヴァジニアの愛の行方は?傑作長編、イベリア・シリーズ第4弾。
「わたしは、情報員である前に人間でありたい」。第二次世界大戦下のスペイン・マドリードで、敵同士ながらも愛し合う北都昭平とヴァジニア。二人をつけ回すゲシュタポ将校ハンセン兄弟の魔の手。二人はその愛を全う出来るのか。そして和平への糸口を見つけ出せるのかー。愛と諜報の壮大な歴史サスペンス。
インディアンに育てられた少女、ジェニファ。クールな賞金稼ぎ、トム・B・ストーン。白刃一閃で相手を倒す日本人、サグワロー。舞台は開拓時代の大西部。『アリゾナ無宿』で誕生した、あの奇跡のチームが帰ってきた。コマンチが攫った娘を探し、ロッキーを望む荒野を三人が駆ける。月夜に轟く銃声、風を切り裂いて迫るトマホーク…。至福のウエスタン・ハードボイルド。
寛政の江戸を跋扈する悪党どもに立ち向かう、若き火盗改・近藤重蔵。猿遣い名人、お高祖頭巾の大年増、鍵言葉に突っ転がし、さらに、重蔵なじみの飯屋に因縁の謀が。世を騒がせる怪事件を、冴え渡る推理で解決する。そして、重蔵の身辺に忍び寄る女の影…。痛快無比、大評判の傑作時代小説シリーズ第三作。
フリーのPRマン・漆田亮は、得意先の日野楽器から、ある男を探してくれと頼まれる。男の名はサントス、二十年前スペインの有名なギター製作家ホセ・ラモスを訪ねた日本人ギタリストだという。サントス探しに奔走する漆田は、やがて大きな事件に巻き込まれてゆく。直木賞を受賞した、著者の代表傑作長編。第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回冒険小説協会大賞受賞作。
サントスとダイヤが埋められたギター「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡った漆田は、ギター製作家ラモスの孫娘・フローラが属する反体制過激集団FRAPのフランコ総統暗殺計画に巻き込まれる…。スペイン内戦時の秘密を軸に、日本とスペインを舞台に展開される、サスペンスにみちた国際冒険小説。第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞受賞作。
渋谷の利権を巡り、渋六興業と敵対する組の幹部を南米マフィア・マスダが誘拐した。三つ巴の抗争勃発も辞さない危うい絵図を描いたのは、なんと神宮署生活安全特捜班・ハゲタカこと禿富鷹秋。狙いは一体何なのかー己の欲望のままに拳をふるい、敵味方なく外道の道をゆく稀代の悪徳警官シリーズ第三弾。
ついに日米開戦。マドリードで日系ペルー人として諜報活動を続ける北都昭平とイギリス秘密情報部のヴァジニアとの関係は、困難なものとなる。そんな二人の前に一人の日系米国人女性があわられる。第二次大戦下のスペインを舞台に白熱する情報戦を描いた、『イベリアの雷鳴』『遠ざかる祖国』に続く長編第三弾。
コマンチにさらわれた娘を奪還せよ!砦から砦へ、サボテンの荒野を抜け、凄腕の賞金稼ぎと謎のサムライ、そしてしたたかな小娘が、アリゾナを出発し、遙かな大西部をゆく…。気高くも勇敢なる男たちが対峙するとき、裏切り者が姿を現した!西部劇のエッセンスと現代エンターテインメントの技、ここに結晶。
一九四一年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。日米開戦の阻止に動く大物日本公使、日本の暗号の解読疑惑、ナチス内部の暗闘…。現代史の裏面を織り交ぜながら、第二次世界大戦を圧倒的迫力で語るエンタテインメント大作。
「いやはや、とんでもない女と組んだものだ」ハッタリと出任せには俺も自信があるが、相方は一枚も二枚も上手。ヤクザの香典はパクるわ、地上げ屋の眼前でストリップショウを企むわ、欲深い奴らを手玉にとって涼しい顔。「四面堂遙」この女、タダモノではない…。要領よし、逃げ足早し、正義感少しあり、腕力なし。世渡り上手の世間師コンビが大活躍するウィットたっぷりの痛快短編集。
火盗改・近藤重蔵、二十一歳。強者揃いの御先手鉄砲組でも際立つ偉丈夫。傍若無人の言動で毀誉褒貶半ばする。ロシアの謎の大男、美女のかたき討ち、茶屋の狂歌殺人事件…。寛政の世を揺るがす怪事件を型破りの手法で重蔵が解く。後に北方探険家として名を馳せた奇才を主人公に描く、著者初の本格時代小説。