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高校生なのにヤクザの組長、しかも超能力者、そのうえすごいハンサムの裕次郎が足走学園に転校してきた。実はこの学校を「地上げ」しようという計画なのだ。ところが校内で殺人事件が起こり、いつのまにか犯人探しをすることになってしまった。怪しい奴はたくさんいるが…?爆笑ギャグ満載の学園ミステリアスコメディ。
江戸に幕府を開いた家康の封建政治はようやく人々の理解を得て根づくかに見えた。日本は世界一の進歩国として世界に知られ,国内では秀忠に嫡子竹千代が生まれて徳川の基礎も固まった、と思われた。が、次期政権を望む淀君と秀頼にとっては竹千代出生は大きな不安の種となり、再び乱世のきざしが。
土から離れ、切り割りされた都会の空間で“生”を営む現代の姿を、ワンショットで捉えた断片を積み重ねるという斬新な手法で描いた表題作に、生の飢餓感を満たそうと彷徨う“性”の実相を見事に浮彫りにした中篇「裸」を収録。
夜更けに天麩羅を揚げて食べる隣家の活気にむせるアパートの住人たち。ナマケモノで鼻つまみの男がホトケとなり、同じアパートに住むよしみで、葬式を手伝うことになった若い夫婦の姿を鮮やかに描いた表題作ほか、淀みかかった生活の活力を描き出した短篇連作。
吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う”うつけ者”。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。 吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う”うつけ者”だが、燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄(きょうゆう)斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
立正安国は法華経にあり!南無妙法蓮華経!捧げるは男の情熱。信ずるはその一念ー安房国の小湊の漁家に生を享けた善日丸は幼くして清澄山に入った。以来、救国の道を求めて懸命に切磋琢磨、勉学に励む。だが時の政権も民衆もいっかな眼を開こうとしない…迫害を超えて、信念を貫く炎の聖者の半生。
電話こそ知恵の根源であり、電話コードこそ人間の連帯の具現である。-現代人の絶対的交流を電話コードを通して実現しようと企てる〈電話男〉たち。現在が孕む人間の閉塞を、斬新な文体と想像力で描き出した表題作と姉妹篇「純愛伝」を収録。
天窓からの光が、いま体じゅうに降り注いでいる。「聖霊」がぼくの中に入りこんでくるーコンクリートガレージの宇宙船に乗りこんだ少年が、異界の光と交感する幻想的な都市小説の表題作ほか、無人世界の不思議な力と感応して現代文学に新たな地平を切り拓いた6篇を収録。
誰が運命の〈明日〉を予測しただろうか。原爆投下の前日、長崎の人びとは迫りくる死の影も知らず、いつものように愛し、傷つき、生きていた…。核時代の〈今日〉を鮮烈に問う。(解説・秋山 駿)
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に…大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。