小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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公爵への二度目の初恋公爵への二度目の初恋

忘れられなかった初恋の人に、 妻をあてがう立場となって再会しーー 結婚仲介人として生計を立てるアメリアは、 新しい顧客である美しい令嬢を連れて、舞踏会に出席した。 そこで彼女は独身主義者と悪名高いストーン公爵と再会する。 社交界デビューの年、アメリアは彼にひと目で惹かれたが、 ひどく冷たくあしらわれ、初恋は無様に砕け散ったのだった。 あの公爵も、ついに花嫁を探すことにしたということ? アメリアが顧客の令嬢を紹介すると、意外にも彼はとても優しく、 その紳士的な態度はお目付役のアメリアに対しても同様だった。 公爵は令嬢を気に入っているようだわ……。喜ぶべきことなのに、 なぜか彼と目が合うたび、その熱いまなざしに心がざわめきーー。 アメリアがストーン公爵に手ひどい失恋をしてから数年。再会時、公爵は彼女を覚えてすらいませんでした。顧客の幸せを願い、公爵との結婚を後押ししようとするアメリアですが、それが実現しそうになったとき、まだ自分が公爵を愛していることに気づくのです。

麗しの貴婦人と介添えの娘麗しの貴婦人と介添えの娘

目の見えないあなたに、純潔を捧げた。 かつてあなたの許嫁でしたと言えぬまま。 エリザベスは夜会で魅力的なサー・リチャードに再会し、言葉を失った。 親に決められて、少女の頃から密かに憧れる彼の許嫁となったが、 16歳のとき、彼に愛されていないことを知って結婚を断ったのだ。 今、麗しい淑女に変身したエリザベスに、彼は目を奪われている。 けれど、彼女の心は喜びよりも、不安でいっぱいだった。 じつは1年前、軍人の看護をしていたとき、偶然彼と出会っていた。 傷ついて一時的に視力を失ったリチャードに素性を隠したまま尽くし、 救いを求める彼の腕を拒めず枕を交わしたのだったーー ああ、どうか今あなたの目の前にいる私が、 あの愚かな看護師“メアリー”だと、気づかないでください……。 引っ込み思案で冴えない少女だったエリザベスは、かつてリチャードが自分よりも美しい姉のほうに惹かれているのを知って傷つき、身を引いたのでした。それでも彼への愛は消えず、誰に知られることなく想いを遂げたはずが……まさか再会する運命だったとは!

記憶をなくしたシンデレラ記憶をなくしたシンデレラ

身ごもった夜の出来事を、 すべて忘れてしまったなんて……。 考古学博士のエヴァは、一人旅の途中で事故に遭い、 目覚めたときには1週間分の記憶を失っていた。 そして2カ月後、自分が妊娠していることに気づいたーー 美しいドレスを着て舞踏会に出席した自分の写真以外、 小さな命を授かった一夜の手掛かりは何も残っていないというのに。 まったく自分らしくない行動とその結果に戸惑いながらも、 エヴァは子どもを独りで産み育てる決心をした。 そんなある日、エヴァが歴史ある子爵邸で発掘の指揮を執っていると、 実家に立ち寄ったというすばらしく魅惑的な男性ハリーが現れた。 彼はエヴァを見ると顔色を変え、傲慢ともいえる態度をとって……。 素知らぬ顔で挨拶したエヴァを、ただの尻軽女だったのだと軽蔑するハリー。しかし彼女が記憶を失い、さらには妊娠していると知り、なんとかして恋に落ちた夜の記憶を呼び覚まそうと試みますが……。せつなくもドラマチックなすれ違いロマンスをお楽しみください!

白衣の下の片思い白衣の下の片思い

忘れたかった、哀しい片恋。 でも心は、忘れていなかった……。 「町の向こう側の子か。御用聞き用の出入り口を使うべきだ」 仕立ての仕事をする母の使いでメリック邸を訪れたマーゴの胸に、 密かに憧れていたジョーダンの言葉が突き刺さった。 裕福な家に生まれた彼と、そうでない自分ーー それを痛烈に意識させられ、17歳のマーゴの心は深く傷ついた。 注文の品を届けに来ただけなのに、こんなふうに言われるなんて……。 彼女の淡い恋はその日、無残に砕け散ったのだった。 ところが7年後、看護師となったマーゴに皮肉な運命が降りかかる。 以前よりはるかに魅力を増したジョーダン・メリックが、 彼女の働く病院に、上級外科医としてやってきたのだ! かつてジョーダンに純真な恋心を踏みにじられたマーゴは、いまだに痛む心の傷を隠すように、そっけない態度をとろうと努めます。けれどもジョーダンの補佐をするうち、有能な彼を尊敬し始め……。Y・ウィタルが描く、甘酸っぱくて切ないシンデレラ・ストーリー!

土のひとがた土のひとがた

豚飼いマニュエルは金髪碧眼の美丈夫、母の教えに従っておのれの理想の姿を土の人像(ひとがた)に映すべく、日々黙々と土をこねては人像作りに精を出す。そこへ怪しき老人が現われて、「邪悪な魔法使いに拐かされた姫君を救って妻となせ」と、マニュエルに一振りの魔剣を与えた。いざ魔法使いを打ち倒さんと旅立ったマニュエルだが、途中で出会った男装の乙女に恋をして、魔法使い成敗はそっちのけ、肝心の姫君には目もくれず、乙女と手に手を取って意気揚々と帰還する。めでたしめでたしーーと思いきや、死神があらわれて愛しい乙女を冥府へと連れ去った。かくして若きマニュエルの真の旅が始まる。相も変わらず土の人像を作りながら「自分の考えと自分の望みに従う」をモットーに進むマニュエルの前に広がる世界は迷宮のごとく怪異と魔法に充ち満ちて、想像を裏切る途方もない出来事が数々待ち受けていた……。時空を超えて連綿と続く英雄一族の始祖ドム・マニュエルがいかにして生まれたかが語られる、これは始まりの物語。 挿絵:フランク・C・パぺ 装画:木原未沙紀 装丁:山田英春 【シリーズ《マニュエル伝》とは】 豚飼いからポアテム国の救世主となったドム・マニュエルを始祖とする23代9世紀にわたる壮大な年代記。夢想の異世界を巡るロマンスをベースとした冒険喜劇で、原書はエッセイや詩を含む全18巻からなる。本シリーズでは特に評価の高い3冊『ジャーゲン』『イヴのことを少し』『土のひとがた』を刊行する。

イスラーム精肉店イスラーム精肉店

〈僕は自分の体に残っている傷跡の起源を知らない。〉 「僕には故郷がない。 懐かしい原風景もなければ、見慣れたものにまつわる記憶もなかった。 だから、どこにいても僕にとっては故郷であり母国だ。 誰であろうと僕の旧友であり家族だ。」 その日、僕はこの世界を養子に迎えることにしたーー。 朝鮮戦争の数十年後、ソウルのイスラーム寺院周辺のみすぼらしい街。 孤児院を転々としていた少年は、精肉店を営む老トルコ人に引き取られる。 朝鮮戦争時に国連軍に従軍した老人は、休戦後も故郷に帰らず韓国に残り、敬虔なムスリムなのに豚肉を売って生計を立てている。 家族や故郷を失い、心身に深い傷を負った人たちが集う街で暮らすなかで、少年は固く閉ざしていた心の扉を徐々に開いていく。 「僕はハサンおじさんに訊きたかった。 僕の体にある傷跡は、なにを守ろうとしてできたものなの? 僕にも守るべき魂があったの? もしあったとしたら、僕の魂はなぜいまも貧しいの? なぜ僕は肉体も魂も傷ついたの? 僕の魂は肉体を守ってやれなかったし、肉体は魂を守ってくれなかった。 ということは、僕の魂と肉体はずっとばらばらだったのだろうかーー。」 韓国でロングセラー。英語版とトルコ語版も翻訳出版された話題作

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