ジャンル : 外国の小説
「捨ててやった、クロードを。あのフランス人のドブネズミ」 あらゆるものに牙を剥き、すべての人間を敵に回す わきまえない女ハリエットの地獄めぐりがいま始まる…… 伝説の作家アイリス・オーウェンスの最高傑作にして 40年の時を超えて現代を撃つ、孤高の問題作! 〈この凄い小説の破天荒な語りを日本語にできるのは 渡辺佐智江さんしかいないと思い、薦めたらたちまち意気投合、 二人でオーウェンス・ファンクラブを結成した。 ぜひあなたも本書を読んで仲間入りを!〉若島正 真夏のニューヨーク、ハリエットは同居するクロードと仲違いしてアパートを追い出される危機に陥る。身を守るために悪戦苦闘する彼女を待ち受けていたさらなる地獄とは……速射砲のように放たれる、宗教・人種・セックス・フェミニズム等々のあらゆる問題を無差別攻撃した過激なセリフ、知的で過剰なユーモアにあふれた筆致で描かれる一人の女の残酷物語。『ロリータ』の版元オリンピア・プレスでポルノ作家として活躍し、スーザン・ソンタグをして「彼女は最先端(ヒップスター)」と言わしめた伝説の作家の鮮烈な第一長篇がついに邦訳!(1973年作)
韓国で20万部突破のエッセイ! 「完璧でなくても平気。 それでもうまく回るから」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 著者はメチャメチャに散らかったキッチンを見て、まるで自分の心と同じだと告白する。 床に落ちたガラスの破片で足を切りながらも、子どもを安全なところに移す……。 そして浴室で泣きだしたらとまらなくなり、「私に必要だったのは涙だったんだ。つらい気持ちを吐き出す涙だったんだ」と気づく。 泣きたいときに泣ける秘密の場所をもつこと。 人のつまらない言葉は聞き流すこと。 SNSと距離を置くこと、たまにはひとりで映画を見に行くこと。 少しずつの積み重ねで、自分の人生は取り戻せる。 完璧でなくても大丈夫。 「良い妻」「良いママ」にならなきゃという強迫観念を捨てよう。 いつも周りのために頑張って、ほったらかしにしていた自分自身に、あたたかい言葉をかけてあげよう。 第一章 他人の視線から自由になる 第二章 やりたいことが何だかわからない私へ 第三章 君に会って知ったこと 第四章 寂しさにとらわれないために 第五章 自由に生きるために 第六章 自分と一緒にずっと幸せになる
お母さん、聞こえますか? 私はこうして生きています。 幼少期、海外養子縁組に出されたナナは、フランスで役者兼劇作家として暮らす。 そんな彼女に突然、人生を変える2つの知らせが届く。 別れた恋人との間に子どもを妊娠したことと、韓国から来た、自分の人生を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼と。 生みの親を知らないナナは、生まれてくる子どものためにも自分が“誰なのか”を見つけようとソウルへ向かう。そして、思いもしなかった人たちとの出会いから、35年前、駅に捨てられた暗い記憶の糸が少しずつほぐれていき……。 海外へ養子に出された子どもたち、米軍の基地村で生きた女性たち……。 現代韓国の歴史の中でなきものとされてきた人たちに、ひと筋の光を差し込む秀作長編小説。 第27回大山文学賞受賞作 韓国系国際養子のルーツ探しというこの小説の「特殊な」主題が、日本の読者の方々に「普遍的な」ものとして届くようにと、そして誰かがこの作品を読んでいるとき、生命への尊重や人と人との絆への信頼という明かりが灯ってくれたらと願っています。(「日本の読者のみなさまへ」より)
大規模な反乱が勃発し、トマス・クロムウェルは奔走する。しかしヘンリー八世は彼に不信感をいだく……。庶民の生まれながら自らの才覚で一国の宰相となり、陰謀と欲望に満ちた16世紀イングランドを生きた男を新たな視点で描く傑作歴史小説三部作、ついに完結
三番目の王妃ジェーン・シーモアは、ヘンリー八世が熱望する男児を産むものの、直後に世を去る。ふたたび国王の結婚問題に直面したクロムウェルは、国家の安定を支えるような縁組を整えようとするが…。諸外国の思惑と、貴族たちの陰謀が錯綜するなか、時に自問自答しながらも、彼は自らの信じる道を進んでいく。己の手腕だけを頼りに生きたトマス・クロムウェルの人生を、新たな視点で描いた傑作歴史小説三部作、ついに完結。
俺は時間の王だーー自分の人生のあらゆる時間を自由に通り抜けられる。些細な事故に遭ったせいで思い出した瞬間に戻ることができる能力を手に入れた主人公は、子供のころに会った少女の命を救おうとするのだが……。中国SFの新星による7篇を収録した傑作集
分岐点は2008年、資本主義の終焉?交換価値と経験価値、新しい社会主義?デジタル化はプロレタリア化…そこで何が起きた?衝撃のストーリー!
ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う 『蛇座 Le serpent d'étoiles』、 そして彼が生まれ育った町について愛着をこめて書いた 『高原の町マノスク Manosque-des-Plateaux』を収める。 見習いの羊飼い、そして羊飼いたちを率いた親方。 羊飼いたちは年に一度、マルフガス高原に集まり、演劇のようなものを 上演する。海や山や河や風などに扮した羊飼いが壮大なドラマを演じる のである。題名『蛇座』は松明で煌々と照らされた広場で行われる夜を 上空から見守っている星座「美しくねじれた蛇座」から取られている。 モンドールの丘、デュランス河、ヴァランソル高原、アッス渓谷、 地元の人々…。ラルグ川で溺れそうになった娘との会話や村の公証人宅 での食事風景など、自然や人間についての描写がせまる。 その想像力を奔放に発揮したジオノが、空想の「マノスク」を語る のである。創作の準備倉庫とでも形容できる地元マノスクの内と外が 入念に紹介されるのが『高原の町マノスク』だ。 作家ジオノの懐をうかがうように読み進めることができる作品である。
不条理な時代にあらがう悲憤のさけび、希望の詩。彼らは日本で何を感じ、何を見たのか。日本留学経験のある朝鮮の代表的な詩人、尹東柱、沈熏、李相和、李陸史、韓龍雲、趙明煕6人の代表作を収録したアンソロジー。ハングル原文も収載したK文学の原点。 序にかえて 尹東柱 自画像/恐ろしい時間/夜明けが来る時まで /十字架/序詩/もう一つの故郷 /風が吹いて/道/たやすく書かれた詩/懺悔錄 沈熏 その日が来れば/春の序曲/玄海灘/さよなら、わがソウルよ/朝鮮は酒を飲ませる/山に登れ/故郷が懐かしくても/草地に横たわって/初雪/痛哭の中で 李相和 奪われた野にも春は来るのか/詩人に/朝鮮病/慟哭/緋音─緋音の叙事/先駆者の歌/独白/逆天/雨あがりの朝/嵐を待つ心 李陸史 青ぶどう/絶頂/広野/花/喬木/湖/一つの星を歌おう/鴉片/失われた故郷/子夜曲 韓龍雲 山村の夏の夕暮れ/ニムの沈黙/服従/道が塞がれて/分からない/渡し舟と行人/讃頌/愛する理由/忘れよう/いっそのこと 趙明煕 成熟の祝福/火の雨を降らせなさい/友よ/春の芝生の上で/わたしの故郷が/赤ん坊/因縁/市街の人々/無題/朝 詩人の生涯と活動
私を愛していない男性にすがる。 12月の寒空、ほかに方法はなかった。 犬23匹に猫6匹、うさぎ2羽。解雇され、住まいも失ったのに、 この子たちの行き先を見つけ、生活費も稼がなくてならない。 しかも今、エイミーは妊娠していた……富豪セヴの子を。 天涯孤独な動物看護師の私にやさしく声をかけ、誘惑したのは、 プレイボーイのセヴにとって、ただのゲームにすぎなかった。 でも愚かで無垢な私は舞い上がり、すてきな彼に夢中になって、 一夜をともにした。愛されている、幸せになれると思って。 愛を否定された心の傷は、まだ癒えていない。 だが追いつめられたエイミーは、震えながら彼に助けを求めた。 ヒーローに初めての恋をしたヒロイン。しかしヒーローの目に彼女は、彼の妹を妊娠させて捨てた既婚者の隠し子としか映っていません。父親の顔も知らなかったヒロインは、愛する男性から衝撃の事実を聞いて、悲しみと絶望の淵へたたき落とされるのでした。
こんな形で婚約指輪をはめるなんて……。 彼女は人生の残酷さに涙した。 家が隣同士の幼なじみであるイブとゲイジは、 周囲の反対を押し切り駆け落ちしたが、仲を引き裂かれた。 イブの父の悪巧みで、ゲイジが若い娘を騙したという噂を流されて。 7年後、イブは一族の会社を倒産の危機から救うため、 冷酷な富豪となったゲイジに助けを求めるほかなくなった。 彼が提示した条件はーーイブが彼の婚約者を演じること! 取引先の企業の経営者が厳格な人物のため、 自分のいわれなき汚名をすすぐ必要に迫られたという。 イブは、かつての愛情ではなく怒りの宿る彼の目を茫然と見つめた。 『大富豪と折れた翼の青い鳥』で華々しく日本デビューを飾ったカリー・アンソニー。今回お届けする彼女の作品は『ロミオとジュリエット』と『嵐が丘』のいいとこ取りのような贅沢でドラマティックなロマンスです。大型新人作家の第2弾をご堪能ください。
夫は言った。妻の務めだけでいい。 愛も世継ぎも、欲しくはない、と。 王子ガンナー・フォン・ビョルンランドの類いまれなる容貌は、 北欧の神の化身とも称されるほどだが、彼は放蕩者でもあった。 女王に仕えるラティカは、そんなガンナーが苦手だった。 青い炎のようなまなざしを向けられるだけで、体が熱くなる。 だから、彼を落ち着かせるための花嫁探しが始まったとき、 ラティカは安堵した。彼が結婚すれば、心を乱されずに済む……。 盛大な舞踏会が開かれ、世界中から大勢の美女が集められた。 だがその夜、ガンナーはなんとラティカとの婚約を発表する。 そして彼女を我が物顔で抱き寄せると、濃厚なキスをしてーー。 『誘惑のドレスに隠した無垢』にも登場した、神と崇められるほどの美貌を誇るガンナー王子のロマンスをお届けします。メイシー・イエーツといえば大胆なプロットと生き生きとした描写力が持ち味ですが、ホットでスリリングな誘惑シーンにもご注目ください。
19歳のファラは父親が会社の金を使い込んだことを知り、父親の勤め先である新聞社のオーナーのもとへ駆け込んだ。「父は病気の母のためにやってしまったんです…お願いです、父が刑務所に行かずに済むのなら、私はなんでもします!」必死に訴えるファラを、若き敏腕経営者のジョエルは興味深そうにじっと見つめていたが、やがて口を開いた。「それなら、僕の恋人を演じてくれ」彼は淡々と説明した。新しい恋人ができたふりをして、今の恋人と別れたいんだ、と。そんなお芝居、私にできるの…?ファラは不安におののいた。
レイシーは大実業家のジョンを本気で愛し、子を授かった。愛ゆえの結婚を望む彼女が妊娠を告げずに求婚すると、「きみとは究極の快楽で結ばれた関係だけにしたい」と断られた。失意のレイシーはジョンと別れて密かに娘を産んだが、今ふたたび彼が現れて…(『ギリシア富豪に追われて』)。アナリアは愛のない政略結婚を憂えて、せめて今夜だけはと、仮面舞踏会へ。黒髪の美男に強く惹かれ、仮名を名乗って情熱を分かち合った。翌朝、我に返って逃げ出した彼女だったが、数週間後、実は大富豪だった“サーシャ”の子を身ごもっていることがわかる!(『ヴェネツィアの秘夜』)。どうしても赤ちゃんが欲しい。そう願うキャロルは、産むなら、別れてもいまだ愛している元夫スティーヴの子しか考えられなかった。彼にもう一度会って、新しい命を授かれればーでも彼にそれを告げるつもりはない。独りで産み育てる覚悟はできているから(『赤ちゃんはキューピッド』)。「命の恩人よ」出産を終えたベスは、路上で陣痛に襲われたところを助けてくれたジャクソンに言った。薄情な元恋人とは大違いね。なぜかジャクソンにもっとそばにいてほしい。だがベスはまだ気づいていなかったー彼が、ハリウッド随一の独身貴族とは!(『ハリウッドに恋して』)。J.ルーカス、A.グリーンの新作を含む、シークレットベビー物語など人気の名作集!
パーティに向かうリムジンに乗った秘書のフェイスは落ち着かなかった。 社長レンツォが恋人と今朝別れたので、私は単なる身代わりだけれど、 彼は地味な秘書の変身ぶりに、少しでも気づいているかしら……? もちろんフェイスは、レンツォのこの個人的な頼みを断ろうとしたが、 結局、彼の押しの強さに負けて押し切られてしまったのだった。 レンツォの下で働いて半年、なんとか彼の魅力にあらがってきた。 しかし今夜、ドレスに着替えた秘書に興味を引かれたレンツォは、 さらなる要求を突きつけてフェイスを驚かせるーー 故郷のイタリアへ一緒に来てほしいというのだ! 彼の屋敷に住んで24時間一緒に仕事をこなす、個人秘書として。 〈日陰の花の恋心〉と題して、ふだんは目立たぬ存在のヒロインが、想いを寄せるヒーローを振り向かせる夢のシンデレラストーリーをお贈りします。言い寄ってくる女性を蹴散らすために恋人役を頼んだつもりのレンツォでしたが、フェイスを見る目の色が変わり……。
牧師の父と古風な母に育てられたレティシアは、初めての恋に破れて以来、男性には心を開けなくなっていた。そんなときに出会ったのが、知人宅に滞在しているヤソンだった。35歳のオランダ人医師はとても背が高く、ハンサムで、警戒心をあらわにするレティシアに優しく言った。「いつの日か、きみは誰かを好きになる。そしてその誰かは、きみが世界でいちばんきれいだと気づくんだ」事情を知る彼の、なぐさめの言葉でしかないことはわかっていても、レティシアはしだいにヤソンに惹かれていくのを感じた。夏の恋のはじまりーそれは、眠れない夜のはじまりでもあった。
「僕は昔、君と宮殿で遊んだアレックス。行方不明のヘレニア王子だ」長身で黒髪の男性がー途方もなく美しい男性が静かに告げた。金髪碧眼の変装を解いた彼の姿に、ジャンニーナは呼吸を忘れた。3年前、出会った瞬間に私の心を奪い、突然去っていったフィリップが、アレックスー少女の頃に憧れていた黒い瞳の王子様だったというの?ある命の危険から身を隠さなければならなかった日々が終わった今、アレックスはヘレニア国に新国王として迎え入れられるらしい。彼は積年の嘘と不義理を謝罪し、ジャンニーナに求婚した。私が愛していたのはフィリップだし、平民の私が王妃だなんて…。あまりの出来事に混乱し、ジャンニーナの意識は遠のいた。
花売り娘だったマギーが優しい老富豪に拾われ、屋敷で働き始めて2年。その雇主が突然帰らぬ人となり、マギーは悲しみに暮れた。遺言状には、広大な屋敷は孫息子のボウが相続すること、家族同然の使用人たちを1年間は雇い続けることが記されていた。つねに海外にいる実業家のボウはやがて屋敷を売り払うのではーそう危惧した使用人たちは、マギーがボウの子を産めばいいとけしかける。会ったこともない人と結婚して跡継ぎをもうけるだなんて、私には無理。一方ボウは、祖父が“乳母”なる名目で雇い入れたマギーに眉をひそめた。子供のいない家に乳母とは!祖父との関係は?財産目当てか?疑ったボウは彼女を前に思わず口走った。「君は妊娠しているのか?」
ヘザーが目覚めるとそこは、真っ暗な病室のベッドの上だった。 歌手になる夢を抱いて耐えてきた下積みの苦労がようやく実を結び、 大舞台のチャンスをつかんだ矢先に、交通事故に遭ったのだ。 そのショックから、彼女は事もあろうに声が出せなくなってしまった。 不安と孤独に苛まれたヘザーは、心の中で最愛の義兄の名を呼んだーー コール、コール……コールさえここにいてくれたら! でも、わたしの夢に反対するコールとは、いまだに仲違いしたまま。 とてつもない大富豪の彼の傲慢さは半端ではないと巷でも恐れられている。 そんな彼がここへ来てくれなかったとしても、しかたがないわ……。 すると病室のドアが開けられ、コールが怒りの形相で入ってきた! ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊の企画《プレミアム・セレクション》では、大御所作家の上質で芳醇なロマンスを厳選してお届けします。本作は、ダイアナ・パーマーの初期の名作と名高い珠玉作です。