ジャンル : 外国の小説
◆荒俣宏氏 「1ペニー恐怖文庫(ドレッドフル)」?!──近年、これが英語圏で大復活している。19世紀に大流行した娯楽小説群は、一般市民に読書という新趣味を広げる原動力となった。日本でいうなら、まさしく、山東京伝の黄表紙・曲亭馬琴の合巻にあたる。怪奇も残虐も色恋も陰謀も、同時代に生きた作者でないと書けない生々しさで、よみがえる。そしてついに、その代表作が、日本語で読める日が来た! ◆1516年、ドイツ〈黒き森〉。嵐が吹きすさび、あたり一面を異様な轟音が覆いつくす漆黒の夜、老醜の境にあるヴァグナーは見知らぬ人物の訪問を受け、奇怪なる契約を交わす。それは、若さと美貌、富と不死の命を手に入れる代価として狼に変身する運命を背負うというものであった。それからおよそ5年後、フィレンツェでも指折りに大きな城館の、贅を尽くした家具調度の揃う一室で、リヴェロラ伯爵アンドレアは死の牀にあった。父に寄り添う二人の姉弟ニシダ姫とフランシスコに伯爵は、自らとリヴェロラ家にかかわる秘密を明らかにしてくれるものが収められているという秘密の衣裳室の鑰を渡し、フランシスコが婚姻を果たすその日に扉をあけるよう遺言を残して息絶える。父の死を看取り二人はそれぞれの寝所に戻るが、ほどなくして、艶やかな黒い瞳に不吉とも言える異様な光を宿らせたニシダ姫は、フランシスコの部屋に忍びこんで鑰を盗みだし、秘密の衣裳室へ歩を進めていく。数日後、伯爵の葬儀が執り行なわれ、そこに若さを取り戻したヴァグナーの姿があったーー交錯する愛憎と怨恨、野望と戦乱、フィレンツェ、コンスタンチノープル、エーゲ海のロードス島、さらには地中海のいずことも知れぬ孤島を舞台に繰り広げられる、ゴシック・ロマンスの後裔ともいうべき波瀾万丈の物語がここに開幕!
《ベルギー幻想派の最高峰》 ジャン・レー/ジョン・フランダースの決定版作品集! 現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作『マルペルチュイ』待望の新訳に加えて、ほとんどの収録作が初訳となる、幻の本邦初紹介短篇集2冊、枠物語的怪奇譚集『恐怖の輪』とJ・フランダース名義の幻想SF小説集『四次元』を収録。 飽くなき生への歓喜と病的でグロテスクな想像力を混淆させ、幻怪で濃密な文体によって独自の世界を創造した、作者絶頂期の精華を集大成。 *** 【収録作】 『マルペルチュイ 不思議な家の物語』 Malpertuis: Histoire d’une maison fantastique 大伯父カッサーヴの奇妙な遺言に従い、莫大な遺産の相続と引き換えに〈マルペルチュイ〉館に住まうこととなった一族の者たち。 幽囚のごとき彼らが享楽と色恋に耽る一方、屋敷の暗闇には奇怪な存在がひそかに蠢き、やがて、住人たちが消える不可解な事件が立て続けに起こる。 一族の若き青年ジャン=ジャックはこの呪われた館を探索し、襲い来る幾重もの怖ろしい出来事の果てに、カッサーヴの末裔たちが抱える驚くべき秘密と真実に辿り着く…… 満を持して新訳となる、ジャン・レーの代表作にして、『ゴーメンガースト』『アルゴールの城』に比肩する現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作。 『恐怖の輪 リュリュに語る怖いお話』 Les Cercles de l’épouvante 中世騎士の義手が引き起こす怪、ディー博士の魔術道具の呪い、怪鳥ヴュルクとの凄絶な戦い…… 幾重もの恐怖の輪が環をなす、収録11篇中10篇が本邦初訳の、父が愛娘に語る枠物語的怪奇譚集。 『四次元 幻想物語集』 Vierde Dimensie: fantastiche verhalen 自動人形に宿った死刑囚の魂の怪、顕微鏡の中に現れた小さな老人の化物、奇妙な逃亡呪術を用いる殺人犯を追う刑事…… 収録全16篇が本邦初紹介となる、ジョン・フランダース名義のオランダ語怪奇幻想・SF・ミステリ短篇集。 *** 装幀:坂野公一(welle design) 装画:ジャン・デルヴィル「メドゥーサ」(1893) 扉画:フェルナン・クノップフ「ブリュージュにてーー正門」(1904頃)
老い、病、性のきらめき、言えなかった秘密、後戻りのできない人生の選択。 「世界最高の短篇作家」による珠玉の10作品。 人生には完璧な絶望も、澄みきった希望もない。 パールマンの短篇集にちりばめられた無言の種は、あなたのなかで芽吹いて、やがてぞっとするほど優雅な花を咲かせるだろう。 ーー松家仁之(作家) 愛おしさ、愚かしさ、優しさ、酷たらしさ、善意と悪意、救済と断罪etc. 人間のすべてを知り尽くした作家、それがイーディス・パールマンだ。 ーー豊崎由美(書評家) なにかを諦める。苦く、みじめで哀しい一瞬ーーそれらひとつひとつを柔らかい布で磨きあげ、息を呑むほど美しい宝石に変えてしまう。人生の粋を極めた短篇集。 ーー倉本さおり(書評家) 本書は、原書Honeydewのうち『蜜のように甘く』(亜紀書房、2020年刊行)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版です。ぜひ『蜜のように甘く』もご覧ください。 ■ 介護生活 ■ 救済 ■ フィッシュウォーター ■ 金の白鳥 ■ 行き止まり ■ 斧が忘れても木は忘れない ■ 静観 ■ 花束 ■ 坊や ■ 幸いなるハリー
ドイツの実力派による〈トーマス・マン〉賞受賞作 大学を定年退官した古典文献学の教授リヒャルトは、アレクサンダー広場でアフリカ難民がハンガーストライキ中とのニュースを知る。彼らが英語で書いたプラカード(「我々は目に見える存在になる」)について、リヒャルトは思いを巡らす。 その後、オラニエン広場では別の難民たちがすでに1年前からテントを張って生活していることを知る。難民たちはベルリン州政府と合意を結んで広場から立ち退くが、彼らの一部は、長らく空き家だった郊外の元高齢者施設に移ってくる。 難民たちに関心を持ったリヒャルトは、施設を飛び込みで訪ね、彼らの話を聞く。リビアでの内戦勃発後、軍に捕えられ、強制的にボートで地中海へと追いやられた男。命からがら辿り着いたイタリアでわけもわからず難民登録されたが、仕事も金もなくドイツへと流れてきた男。 リヒャルトは足繁く施設を訪ね、彼らと徐々に親しくなっていく。ドイツ語の授業の教師役も引き受け、難民たちとの交流は、次第に日常生活の一部となっていくが……東ドイツの記憶と現代の難民問題を重ね合わせ、それぞれの生を繊細に描き出す。ドイツの実力派による〈トーマス・マン賞〉受賞作。
What is pride? It is like the root of a tree, an invisible part that is neither a branch, or leaf. It is an unseen thing like leadership and determination. Pride determines whether a person's behavior is beautiful or unsightly. Read the author's essay summarizing a life in which he is proud of.
智異山周辺で独立運動が新たな局面に入ろうとしている 吉祥の帰還で物語はどう動くのか 14巻 あらすじ 吉祥が出獄する直前、西姫は東学の流れを汲む運動の資金として新たな土地を提供した。智異山周辺での活動を再開した寛洙は官憲に居場所を知られる危険が生じ、釜山を離れる前に娘を連れてカンセの家に行く。 緒方次郎、柳仁実、趙燦夏の三人は晋州の崔参判家に吉祥を訪ねた足で、統営郊外の学校に行き、教師となった明姫に会う。悲惨な結婚生活からは逃れたものの、明姫は心の平穏を得られずもがいていた。 仁実と緒方は愛し合っていることを確信しながら、その関係に混乱するばかりだ。金持ちになったが親や本妻を粗末に扱う斗万に、父は意外な通告をする。日本で働いていたヤムはやつれきって平沙里に帰ってきた。 第四部 第二篇 帰去来 六章 誕生祝い 七章 寂寥 八章 母と子 九章 二人の女 十章 縁のない衆生 十一章 洗濯場 十二章 生き残るには 第四部 第三篇 明姫の砂漠 一章 姉妹 二章 ヤムの帰郷 三章 対面 四章 興味深い人物 五章 愛 六章 汚れなき愛国者 七章 父と娘 八章 晋州への旅 九章 儒者と農民、武士と商人 十章 明姫の砂漠 第四部 第四篇 仁実の居場所 一章 輝の葛藤 二章 初夜 訳注 訳者解説
ナイジェリアの貧しい養鶏家の青年チノンソは、富裕層の女性と恋に落ちた。彼女と結婚するため全財産をなげうってキプロスに向かうが、そこで待ちうけていた運命とはーー。チノンソの守り神は天界の法廷で神々に彼の人生を語りはじめる。ブッカー賞最終候補作
1989年、パリ14区に実在する老人養護施設“ティエル=タン”。そこに鋭い目つきの長身の老人がいたー。ジェイムズ・ジョイスとの友情など、事実を基にしたエピソードをちりばめて描かれる、ノーベル文学賞作家の人生最期の日々。記憶をたゆたいながら、諧謔と憂愁に溢れた声が響く。サミュエル・ベケットの強烈な個性を再現しながらも、死を待つ人間の普遍的な姿を浮き彫りにした著者の鮮烈なデビュー作。ゴンクール賞最優秀新人賞受賞。
ひと味ちがう「怖い!」「不思議?」中国歴代の怪談・奇談集10作品に収められた怪異譚・奇談61話。鬼、鬼女、妖怪、死者と霊魂、不思議な現象など、日本の怪異妖怪にも通じる興味津々の内容。好評だった2002年のオリジナル版に新たに20点の挿画を加えた。
『堆塵館』でごみから財を築いた奇怪な一族の物語を語り、『おちび』でフランス革命の時代をたくましく生きた少女の数奇な生涯を描いた鬼才エドワード・ケアリー。その彼が本国で発表し、単行本未収録の8編(『おちび』のスピンオフ的作品含む)+『もっと厭な物語』(文春文庫)収録の1篇に書き下ろしの6篇を加えた、日本オリジナル短篇集。書き下ろしイラストも多数収録。ケアリーらしさがぎゅっと詰まった、ファン垂涎の一冊。
熾烈な現代社会を生きる人間の愚かさや滑稽さ、哀しさや愛おしさを、種の変化を予感させる特異な兆候をもつ人々“シントマー”を通してユーモラスかつスリリングに描き出す。現代韓国を代表する人気作家による、奇想天外なオムニバス風長編小説。 第一部 キャビネット 第二部 天国の街 第三部 ブービートラップ 訳者あとがき
私たちはみんなテスラの子供 後編 セルビア文学界において押しも押されぬ大御所、 ゴラン・スクローボニャ氏の社会派超大作 「私たちはみんなテスラの子供」の完結編。 物語は1919年6月、コラーラツ記念館・儀式の間で開催されている マックス・プランク教授(ノーベル物理学賞受賞)の講演会で 教授が「テスラ氏は学問の父」と発言し、 テスラの業績を格調高く賞賛するところから始まる。 講演を終えたプランクと講演を見ていた女スパイのアンカ・ツキチは ミリヴォイェヴィチに誘導されるかのように白蓮の間に入れられ、 プランク教授は暗い人影の手により何かを顔に押し付けられ倒れ、 アンカも同じ手口により虚無の彼方へと溶けていった。 プランク教授に忍び寄る影の正体とは? 天才的科学者ニコラ・テスラとの初会談は実現するのか……。 そしてアンカは忍び寄る影に対抗できるのか!? 手に汗握る歴史改変SF小説。(SVA TESLINADECA gy Goran Skrobonja)
カリスタは働いていた父の会社をくびにされ、車に放りこまれ、引きずられるように宮殿へ連れてこられた。なによりも権力を望む父が、大金を払って縁談を用意した?ごく平凡な容姿の私が、君主の花嫁になって子供を産むですって?精悍で男らしいオリオン王に初めて胸のときめきを覚えたときも、カリスタは父の道具となった自分がみじめでたまらなかった。でも王の氷の視線にも、私はひたすら耐えるしかない。逆らえば、ずっと守ってきた盲目の妹を家から追い出し、二度と会えないようにしてやると、父に脅されているのだから。
父のために見知らぬ人と結婚はしても この無垢な体まで捧げはしない。 会ったこともない公爵の妻になれですって? 困窮し、 父の介護に明け暮れるウィローは、突然の結婚話に動揺した。 その昔、父と先代の公爵との間で交わされた約束だという。 とにかく話を聞こうと領主館に赴くと、待っていたのは 数日前、領地の森の湖で裸で泳いでいた美しい青年ーー わたしの唇を盗んだ彼が第7代オードリー公爵だったなんて! 「結婚して跡継ぎを産んでくれるなら、莫大な報酬を授けよう」 体の不自由な父との困窮生活から抜け出せるなら……。 無垢なウィローは結婚の条件として人工授精を提案するがーー。 公爵の子を産むためだけの結婚をやむなく受け入れたヒロイン。結婚してもベッドは共にしないとかたくなに拒みます。でも、世にも美しい公爵に、初夜だけは共に過ごそうと迫られて……。スリリングな作風で人気急上昇中、ジャッキー・アシェンデンが綴る逸作!
心をなくした王の、 容赦なき独裁愛。 路地裏の少女リビアが、マテオ王に拾われたのは17歳のとき。 今では王の秘書として、公務や外交のすべてを管理している。 冷徹で傲慢なマテオ王のどんな要求にも応え、尽くしてきたが、 ある日、決して従うことのできない命令が下される。 それは、マテオとの結婚ーー秘書から王妃への“昇進”だった。 求められるのは常に職務だけ。王が孤児を愛することなどない。 わかってはいても、リビアの秘め続けた愛は、もう限界だった。 初めて命令に背いた彼女に、マテオは冷たく言い放った。 「君ははじめから僕のものだった。断ることは許されない」 『野獣王子と、兄王の許嫁』の続編をお贈りします。路上で拾われた日からずっとマテオ王だけを愛し続けてきたリビア。求婚を拒み逃げ出しますが、彼はすぐに追ってきて熱く誘惑するのでしたーー君が欲しい、僕の妻になれ、と。情熱ほとばしるロマンスです。
母の再婚を知ってスーザンの胸に湧いた喜びは、相手がスローンの父親とわかるなり、ショックに代わった。シドニー随一の富豪スローンとは結婚の約束をしていたが、名家の彼に私は釣り合わないと、別れを告げたばかりだった。だが何も知らない母から、二人で式に来て、と頼まれてしまう。スローンは言った。僕らは親の幸せに水を差すべきじゃない。結婚式が終わるまでは、恋人同士のふりをしていよう、と。彼の目が意味ありげに光り、その意味を知る体が反射的に震えた。何を企んでいるの…?私たちの関係は、もう終わったのに。
最初で最後となったあの一夜に、 愛されぬシンデレラが見た夢は……。 幼い頃に父を、学校を卒業してまもなく母を亡くしたシルヴィ。 今、ヴィラを改装したホテルでウエディングプランナーの仕事を得て、 ようやく安らげる居場所を見つけたような気分を味わっていた。 特に、経営者であるイタリア富豪エンツォのパリ出張に同行し、 彼に純潔を捧げた夜は夢のようだった。密かな想いが実ったのだから。 だが2週間後、シルヴィはエンツォの態度に戸惑っていた。 彼はよそよそしいだけでなく、ホテルを閉める意向を示したのだ! 家も仕事も恋も失う三重苦にさらされたシルヴィに、さらなる試練がーー 落馬事故で病院へ担ぎ込まれ、立ち会ったエンツォとともに、 医師から驚きの一言を告げられた。「赤ちゃんの様子を診てみましょう」 実のところ、エンツォは仕事仲間であり友人でもあるシルヴィとの一夜を後悔していました。そんななか判明したシルヴィの妊娠。彼は子供への責任は果たしても、結婚は考えられず……。本作は『星と花火とガラスの靴と』『愛の迷い子と秘密の日記』の関連作です。
とびきりハンサムでセクシーな社長ガイの秘書を務めるサマンサ。胸に秘めたボスへの切ない想いがいつか報われる日を夢見てきたが、彼はサマンサとは正反対な女性との戯れの恋にうつつを抜かしてばかり。見向きもされないことに耐えきれず、ついに彼女は退職を願い出た。その数日後、父親の入院騒ぎに動揺したガイに、妙なことを命じられる。「結婚する気はないが、僕の子供を産んでくれる女性を探してほしい」サマンサは満面にガイへの愛をにじませたが、彼が気づく様子はない。もう!でも、もしこのチャンスを逃したら、一生後悔するわ!彼は愛や結婚を申し出ているのではないけれど、それでも…。勇気を振り絞ると、サマンサは言った。「だったら…私ではどう?」