ジャンル : 外国の小説
最愛の夫だったーー 陰で裏切られていたと知るまでは。 3年前、ジョアンナの幸せだったはずの結婚生活は、 夫の浮気相手が現れ、妊娠したと告げたことで破綻した。 心の片隅に居座る彼の影が消えなくて、それからずっと胸が苦しかった。 そして今、彼女は元夫のロリーが社長を務める会社を訪れた。 もし彼と再会しても冷静でいられたら、私はつらい過去を乗り越え、 新しい未来に向かって歩きだせると思えるはずだから。 けれど、事業に成功して確かな自信をまとったロリーを見たとたん、 ジョアンナの胸は情けないほど高鳴り、頬も赤く染まった。 だが、ロリーはかつての別れ際を思い起こし、蔑むように言い放った! 「あのとき、あれほど誇り高く拒んだ金を、今さら欲しくなったのか?」 お金のために結婚したのでも、離婚したのでもないと答えたジョアンナが、別の人と再婚すると知らせたとたん、ロリーの顔色が一変。「ぼくをもう愛していないかどうか知りたいなら、はっきりさせてあげるよ」そう言って、彼は巧みに元妻の唇と理性を奪って……。
家も頼りも未来も失った元令嬢は、 血も涙もない大富豪に拾われ……。 父と婚約者を同時に事故で亡くしたアンドレアは、 残された借金を返すため屋敷を手放さざるをえなくなったうえ、 傲岸不遜な辣腕実業家ライナスの秘書になるしかなかった。 けれど、次々に恋人を替えて独身貴族を謳歌しているボスを、 アンドレアはなぜか嫌いになれずにいた。 不幸のどん底でうちひしがれる私に救いの手を差し伸べ、 励ましてくれたのは、ライナスだったから……。 あるとき出張先のスコットランドで猛吹雪に見舞われたアンドレアは、 ボスと小さな宿で2晩を過ごすことに。しかもシングルベッドの寝室で! 不安しかない。27歳を目前に、私はまだ男性を知らないのだから……。 Amazonランキング第1位を記録するなど、今なお絶大な人気を誇るUSAトゥデイのベストセラー作家キャロル・モーティマー!そんな彼女がハーレクイン・レーベルで書いたボス秘書ロマンスを《キャロル・モーティマー・コレクション》からご紹介します。
最高の読後感をお約束する、 年の差ロマンスの名作! 10代の少年ニッキーに対するレイチェルの感情は、 憐れみと、母性にも似た慈しみ以外の何物でもなかった。 ロンドンのナイトクラブで歌う25歳のレイチェルは、 ニッキーがすっかり自分に夢中だと知ってはいたけれど、 孤独な少年の心を思うとむげに突き放すこともできずにいた。 ニッキーは石油王マーク・ハモンドの跡継ぎで、 聞くところによると、マークは冷酷無慈悲な大実業家らしい。 ある朝、そのマークがレイチェルの前に現れた。 そして、青みがかった黒髪に青い瞳の大富豪は傲慢に言い放った! 「息子から手を引くには、いくら欲しい?」 読者の方からの熱いリクエストにお応えして、大作家シャーロット・ラムの名作が復活! レイチェルと傲慢富豪マークはまるで水と油のようですが、ぶつかり合ううち、彼女の心にはしだいに惹かれる気持ちとそれを抑えようとする思いが交錯し始め……。
銀の匙をくわえて生まれたのに、 私は社交界からこぼれ落ちた……。 親の反対を押し切って駆け落ち同然に結婚したエマは、 社交界に身を置けなくなり、実家の援助も受けられずに暮らしてきた。 4年前に夫を亡くし、今、エマの生活は困窮を極めていた。 子供を学校にやるのはおろか、新しい靴を買ってやることさえできない。 そんなある日、エマはダンディな侯爵ハントと出逢い、 高潔で知的で優しい彼にまたたく間に惹かれていった。 やがて、跡継ぎが必要な彼から結婚を提案され、エマは胸を高鳴らせた。 ところが、折しも母からハントの“最新の愛人”と揶揄されたうえ、 自分の父親が誰なのか本当は不明だと知ったエマは、ハントに告げた。 「私、あなたと結婚はできません」彼の名を汚すわけにいかないから……。 Amazonの読者レビューで高い評価を受ける本作は、社交界からこぼれ落ちて社会の片隅に生きるヒロインの物語。ダンディな年上侯爵ヒーローは、彼女の灰色の地味な服を見て、社交界に出入りしていないと悟りつつも、自分の求める妻にふさわしいと確信し……。
“あなたみたいな家の子なんて” 不当に格下扱いされた壁の花の物語。 放蕩伯爵デベン卿、30歳。いよいよ、跡継ぎが必要になってきた。 久々に舞踏会へ足を運んで妻にふさわしい相手を見つけようとしたが、 蜜に群がる蜂のように玉の輿狙いの令嬢ばかりが寄ってくる。 うんざりした彼が大広間からテラスに逃げだしたところ、 妖精のような娘、ヘンリエッタと出逢った。 田舎から出てきたばかりの彼女はロンドン社交界から冷遇され、 テラスの鉢植えの陰で涙に暮れていたようだった。 デベン卿はヘンリエッタを妻にしようと心ひそかに決め、 放蕩者として悪名高い彼を警戒する彼女に問いかけた。 「きみを助けてやる。光り輝く社交界の華になりたくないか?」 リージェンシーの旗手アニー・バロウズの大ヒット作! ヘンリエッタは植木の陰に隠れて泣いていたため、社交界デビューに定められた白いドレスには苔で汚れたしみ、乱れた髪には枯れ葉が。けれど、ほかの令嬢と違って邪気のない彼女に、伯爵は興味を持ち……。
「さあ、いいか、これでオレは地獄行きだぁ!」 トム・ソーヤーとの冒険で大金を得たハックは、まっとうな生活を送っていたけれど、金目当ての飲んだくれの父親が現れた! ハックは黒人奴隷のジムとともに、筏でミシシッピ川を下る冒険に出かける! トウェインのあの名作を、生き生きした新しい訳で読み直してみませんか? 描き下ろしのイラスト多数掲載!
女性はなぜナチスに斬首されたのか。真実を求め「あなた」は歴史を越える。占領下のブリュッセルでナチスの将校を単身で襲い、斬首刑に処された女性。抵抗運動の最初の狼煙をあげながら、女性であったが故に歴史から消されたその生涯を調べる著者の「あなた」もまた、女性として抑圧や差別を経験してきた。彼女の人生を甦らせるのは「あなた」しかいないーー史実を元にし、それを踏み越える小説。
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第5期第1回配本! アメリカン・ホラーの巨匠、マンリー・ウェイド・ウェルマンが贈る幻の連作、遂に邦訳! 魔人、ヴードゥーの精霊、異形の存在〈ショノキン〉…… 得体の知れない魔物に、論理と魔術と肉体の力で挑む ハードボイルド探偵、登場! 人ならざるものの恐怖に向き合う 珠玉の8編! ================= 暗い部屋が泳いだ──文字通りに。 サンストーンの頭の上のどこかから、生あたたかい水しぶきが降ってきた。 透過性のある、蛇の群れを思わせるものが現れた。 身を守るため、サンストーンは本能的に両手を挙げた。 右手にはパイプがあり、パイプはまだ煙をあげていた。 水は火を制す!──しかし、本当の水ではなく、水の感触だけだった。 そこにサンストーンの付け入る隙があった。 〈ショノキン〉の魔術から抜け出す隙だ。 捻じくれ、のたうつ触手が迫る中、サンストーンはパイプを咥え、煙を吹かした。 部屋が祓われた。 何事もなかったかのようになった。 サンストーンはパイプから灰を落とし、煙草を詰めてから、火を点けた。 ================= 「いいや、まだ先がある」ノービエは反論すると、読み進めた。 「ここを見てほしい。第六節が始まるところを。 『ここにひとりの人があって、神からつかわされていた。 その名をヨハネ(John)と言った……』」 ジョン(John)・サンストーンは手を伸ばすと、聖書を閉じた。 「私はずっと、自分の名に恥じぬように努めてきた」 彼の言葉は優しかった。 「いつか、この志を果たせるかもしれない。多少なりとも、ね」 ================= ーーーーーーーーー ◎目次 「ヴードゥーの踊り子イリュリア」 「ジョン・サンストーンが遺贈されたもの」 「死人の手」 「魔人ロウリー・ソーンふたたび」 「〈ショノキン〉ども」 「きわめつけの困難」 「〈ショノキン〉の街」 「ダ・ヴィンチの円盾」 コラム=〈ショノキン〉とジョン・サンストーン/渡辺健一郎 解説=ハードボイルド心霊探偵ジョン・サンストーン、ここに見参!/岡和田晃 ーーーーーーーーー 「ヴードゥーの踊り子イリュリア」 「ジョン・サンストーンが遺贈されたもの」 「死人の手」 「魔人ロウリー・ソーンふたたび」 「〈ショノキン〉ども」 「きわめつけの困難」 「〈ショノキン〉の街」 「ダ・ヴィンチの円盾」 コラム=〈ショノキン〉とジョン・サンストーン/渡辺健一郎 解説=ハードボイルド心霊探偵ジョン・サンストーン、ここに見参!/岡和田晃
韓国のベストセラー童話作家・権正生(クォン・ジョンセン)最後の作品。500年後の地球を見まもる「ランラン星」からやってきたテテロンの物語。500年前と500年後の社会を同時に描いた、地球と宇宙の子どもが交流するファンタジー。 ◆主な目次 ランラン星はほんとうにあるの 紙ひこうき 日記帳 みんななかよくランラン星へ 500年前の子ども、ポータル おしっこしてつかまっちゃった テテロンのさいごのプレゼント
《宇宙がまだ今日ほど乱れていなかった頃、すべての星はきちんと並んでいたので、左から右に、または、上から下に容易に数えられたし、大きめで青い星々は別個にひとかたまりになり、小さめで黄ばんだ星々は二級天体として隅っこに追いやられ、宇宙空間にはいかなる埃も塵も星雲ごみも見当たらなかった、そんな古き良き時代、〈永久全能免許状〉を持つ建造師たちが時折旅に出ては、遠く離れた人々に親切な忠告や助けをもたらすのが通例であった》 かくて全能のロボット建造師トルルルとクラパウツィウスのふたり組は、中世の騎士のごとく広大無辺の宇宙を隅から隅まで旅し、行く先々で権力に貪欲な惑星の王たちや、暗黒に住まう未知の怪物からつきつけられるとんでもない難題の数々にぶち当たる羽目に。──そんなふたりの奇想天外、奇妙奇天烈、抱腹絶倒の冒険を、諧謔と風刺、機智とユーモア、パロディに言語遊戯、文体実験や文明論的批評などを交えて寓話風に描いた愉快な連作短篇集。 邦訳版『宇宙創世記ロボットの旅』には未収録だった作品を精選増補し、新訳および本邦初訳でお届けする決定版。 【目次】 いかにして世界は助かったか トルルルの機械 大いなる殴打 トルルルとクラパウツィウスの七つの旅 探検旅行その一、あるいはガルガンツィヤンの罠 探検旅行その一A、あるいはトルルルの電遊詩人 探検旅行その二、あるいはムジヒウス王のオファー 探検旅行その三、あるいは確率の竜 探検旅行その四、あるいは、トルルルがパンタークティク王子を愛の苦悩から救わんがため、いかにオンナトロンを使用したか、そしてその後いかに子供砲を使うようになったか 探検旅行その五、あるいはバレリヨン王のおふざけについて 探検旅行その五A、あるいはトルルルの助言 探検旅行その六、あるいは、トルルルとクラパウツィウス、第二種悪魔を作りて盗賊大面を打ち破りし事 探検旅行その七、あるいは、己の完璧さがいかにしてトルルルを悪へと導いたか ゲニアロン王の三つの物語る機械のおとぎ話 ツィフラーニョの教育 ロボットの旅、言葉の冒険ーー『電脳の歌』訳者あとがき(芝田文乃) 解説 トランスヒューマンが人間を逆照射するーー『電脳の歌』の詩学と記憶の考古学(沼野充義)
対独抵抗運動に挺身した「闘士」の作家ピエール・エルバールーー無人島で営まれる少年同士の同性愛的な友情を活写するBL小説『アルキュオネ』、スターリニズム下の若き反抗者たちの同性愛と政治参加を巧みに描いた、エルバールの私小説的作品『力線』の2篇を収録。本邦初訳。
シリーズ第6巻「赤ずきん」は、表題作のほか、「オオカミとん七ひきの子ヤギ」「おくさま狐の御婚礼」「狐と猫」「ネコとネズミのいっしょ」「うさぎとはりねずみ」「みつばちの女王」「白ヘビ」など19篇を収載している。「赤ずきん」は、今でも世界中で愛され続けているグリム童話の代表作の一つである。ほかにも短い物語が多く読みやすく、世界で最も多くの言語に翻訳され、最も多くの人々に読まれた「グリム童話」の作品の数々が楽しめる。 赤ずきん オオカミと七ひきの子ヤギ おくさま狐の御婚礼 狐と猫 ネコとネズミのいっしょのくらし うさぎと はりねずみ みつばちの 女王 白ヘビ かわいそうな粉ひきの若いものと小猫 いさましい ちびの仕立屋さん 天国へいった仕立屋さん 死神の名づけ親(第一話) 死神の名づけ親(第二話) 子どもたちが屠殺ごっこをした話 ルンペルシュチルツヒェン 「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」 りこうもののエルゼ 忠義者のヨハネス にいさんと妹
現実は、ディストピア小説よりも恐怖なり!? 狂信的な全体主義国家に変貌した近未来のアメリカを舞台に、女性の性と生殖に関わる権利がことごとく剝奪された恐怖社会を描いた小説『侍女の物語』(1985)。トランプ政権の成立以降、アメリカ、そして世界中で強まる右傾化や全体主義的傾向を予見した書物として、改めて注目を集めている。そして社会の不安が高まるなか、15年後の未来を描いた『誓願』(2019)が刊行。第二次トランプ政権が始まり、フィクションを越えるような事態が現実に起こりつつある状況下で、この鋭いディストピア小説を読み解き、自由とは何か、抑圧的な体制や政治手法に抗するにはどうすればよいのかなど、「今そこにある危機」について思索する。
現代キューバの磁力とディアスポラ 《ジャーナリストとして鍛錬を積んだパドゥーラがその教えを忠実に守り続けていることは、小説の執筆に臨む際の入念な調査にはっきりと感じられる。》(フアン・ビジョーロ) 2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは…… 祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
家族の絆、イスラム世界の抑圧と西洋への憧れ 「僕は牢獄にいた、ますます牢獄の中に。西洋には自由があるって? どんな自由が?」 母や兄への官能的な親密さに満ちた幼年時代を通りぬけて、フランス語の知に魅惑されたモロッコの若者は地中海の両岸で「他者」となる。 南でゲイであること、北でアラブであること、そして自分と世界を知る旅。
基準の判断が難しい定番の名作を“ブックガイド類での掲載数”を元に選定した、明確な指標による名作案内。2000〜2024年に刊行された、絵本・児童文学・YA文学を紹介するブックガイド・あらすじ本等を対象とし、掲載されている作品を集計、掲載数が多い505作(絵本213作、児童文学・YA文学292作)を紹介する。「作品別ブックガイド一覧」「作者名索引」(国別)、「対象年齢別索引」付き。
銀河系内の数万の言語が同時翻訳されている時代。辺境の惑星の、翻訳機では解読できない本を販売する書店にやってきた女性の、意外な目的とは……(表題作)。長篇『派遣者たち』の原型となった「沼地の少年」を含むレトロテイストなショートストーリー14篇!
60年代ロンドンで異端児と呼ばれた精神科医。彼の伝記を書く作家宛てに、ある女性の日記が届く。そこには、姉の自殺と精神科医の治療の関連を疑い、真相を明らかにすべく偽名で治療を受けた女が次第に我を失っていく様が描かれ──。ブッカー賞候補の実験小説
《みなさんの感情や意見には一切口出ししません。手紙の書き方、つまり文章の書き方を教えるのがわたしの役割です》北フランスのリールで書店を営むエステルは、亡くなった父を偲んで手紙教室を開くことにした。参加者を募る新聞広告を出すと、5人から応募があった。孤独な老婦人、重度の産後うつに苦しむ夫婦、仕事にやりがいを見いだせないビジネスマン、そして進路に悩む青年。性別も年齢も異なる参加者とエステルは、手紙のやりとりを通して新しい言葉との出会いに飛び込んでゆく。言葉の力を賛美した小説。Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien(癒やしの小説賞)を受賞。