ジャンル : 外国の小説
ダーシーはバーでウェイトレスとして働いていたある夜、特別なものを感じた男性客ジェフとめくるめく夜を過ごした。複雑な家庭で育ち、高校を中退して16歳で独り立ちした彼女は男性に対して警戒心が強く、ジェフとの一夜は自分でも予想外だった。さらに予想していなかったのは、小さな命を身ごもったこと。今、ダーシーはそれを伝えに、実業家である彼の会社へやってきた。だが、つわりに襲われた彼女を見て事態を察したジェフが冷淡に告げた。「ぼくの責任だから、厄介事は自分で片づけるよ」“厄介事”だなんて、父親になることを望んでいないということね?じつは彼には結婚を考えている女性がいるなど、彼女は知る由もなく…。
恋人が事業資金を得るために、ほかの女性と結婚するという。 それなのに、結婚したのちも愛人として 付き合いを続けたいと、押し切られかけている。 古い道徳観に縛られているクリスタベルにはそれが許せず、 恋人への復讐心から、初対面のアレックスと一夜を共にしてしまう。 熱くてたまらない、絡みつく指と指。初めての情熱ーー 翌日、混乱した感情に振り回され、彼女は彼から逃げるように去った。 豊かな自然をとどめた故郷の田舎町に戻り、心の傷を癒されて、 すべてを忘れかけたころ、なんの運命のいたずらか、 突然、心の安寧を乱すかのように、アレックスに再会し……。 クラシックな世界を描く正統派ロマンス作家R・ドナルド。HQセレクトから、1985年の名作を初リバイバルでお贈りします。
看護師のタバサは、平凡な顔立ちにひっつめ髪の25歳。意地悪な継母や美人の継妹リリスにいつもけなされ、自分の見かけのことはよくわかっていた。でも、勤務する整形外科の男性入院病棟では、優秀で面倒見がよいと人気だったから、気にしたことはなかった。オランダから来た医師、マリウス・ファン・ビークに出会うまでは。とてもハンサムで腕も立つ彼は、いつも優しく穏やかで、タバサは生まれて初めて、惹かれずにはいられなかった。だから、洋服やお化粧も一生懸命がんばってみたのに……。彼は、よりにもよってリリスとつき合っているらしいのだ!■不動の人気を誇る作家ベティ・ニールズの、初恋シンデレラ・ストーリーをお届けします。継母と継妹のあまりの意地悪さには読者も思わず絶句すること必至ですが、気丈に振る舞うタバサに訪れる驚きのラストに、心はさわやかに晴れ渡ることでしょう。
家政婦の娘はシンデレラになれない。 たとえ、王子様の子を宿しても。 貧しい家族の窮地を救うため、ポピーは夢をあきらめて、 母の奉公先の領主館で家政婦として働いていた。 だがある日、金目当てに母が領主館の醜聞を売り、 激怒した主のガエタノから、即刻立ち退きを命じられる。 ポピーは初恋の彼に許しを請うが、取りつく島もなかった。 すると翌日、ガエタノに呼び出され奇妙な要求を突きつけられる。 「きみの家族を救う代わりに、ぼくの偽の花嫁になるんだ」 そんな……。でも、これは期限付き。長くは続かない。 ポピーはやむにやまれずうなずくが、新婚初夜に純潔を捧げ……。 言わずと知れたハーレクイン・ロマンスの最重鎮リン・グレアムの作品をお贈りします。さえない容姿が原因で、御曹司ガエタノに淡い初恋の想いを打ち砕かれた過去を持つポピー。いま、美しく成長した醜いあひるの子を前にし、求婚してきたガエタノの思惑は……。
9歳年上の逞しい隣人カルに密かに恋する18歳のアメリアは、危険な任務で重傷を負った彼を世話するうちに絆を深めていった。だが気がかりなのは、カルに執心している名家の令嬢の存在だった。アメリアを敵視する令嬢は、不穏な言葉で彼女の胸をかき乱した。「カルはあなたと遊んでいるだけよ。今のうちに楽しんでおくことね」そんなある日、最愛の祖父が急逝して家も人手に渡ることになり、涙するアメリアを慰めてくれたのは、カルだった。その夜に彼と結ばれ、これからは幸せが訪れると思われた矢先、カルは急に冷たくなって、例の令嬢を連れて祖父の葬儀に現れた。あのふたりは親密な仲だったのだ。これは彼からの絶縁状ということ…。アメリアは失意のまま故郷を去ったーその身にカルの子を宿して。
『疑われた無垢』難しい手術の末、ついに歩けるようになったデヴォン。だがある日、恐ろしい事実を知る。娘の莫大な手術費を捻出するため、父が会社の金を横領して告訴されるというのだ!父を救おうと社長のグラントに慈悲を乞うも、デヴォンの脚が不自由だったことを知らないグラントは、彼女を放蕩娘と決めつけて傲慢な愛人契約を提案した。「僕が飽きるまでそばにいるなら、考え直してもいい」と。しかし初めての夜、デヴォンの素肌が月光に晒された瞬間、グラントは息をのんだーえぐられたような深い手術痕を、彼女の腰に見つけて。『家政婦でも愛人でもなく』「母じゃなく、私がお金を盗んだの」白血病を患い、癒えたばかりのラヴェンナは、自分のために母が犯した罪をかぶり、大富豪ジョナス・デヴソンに訴えないでほしいと願い出た。するとジョナスは、改修予定のデヴソン屋敷でラヴェンナが家政婦として働くならという条件を出してきた。一人で大きな館の掃除など無理だろうけれど、彼女は母を守るためにその条件をのむことに。予想以上に傷んでいた屋敷で、ラヴェンナは病み上がりの体に鞭打って、懸命に働いた。まさか、冷静沈着なジョナスに熱く迫られる日がくるとも思わずに。
20世紀初頭のニューヨーク。裕福な家庭で育った美貌の娘リリー・バートは、父の破産後もなお、華やかな社交界で生き抜くために、良縁を求めて悪戦苦闘する。耳に痛いことも言ってくれる友人の男性セルデンに心惹かれながらも、彼との結婚は考えられない。上流階級にひそむ悪意と嫉妬、運命のいたずらによって、リリーの人生は少しずつ、転落へと向かってゆく。『無垢の時代』『イーサン・フロム』など近年新訳の出版が相次いでいるイーディス・ウォートンの出世作、待望の新訳。 解説:小林久美子(アメリカ文学者、京都大学准教授) 装釘:宗利淳一
統制から改革開放へと舵を切って沸き立つ中国。官を退き起業家となって、巨万の富と地位を築き上げる「新興貴族」。いま、頭角を現した一人の男が、それゆえに命の危険にさらされる。男は難を逃れるべくチョモランマへと向かうが、追手も迫る。首都北京と世界最高峰の地でうずまく陰謀の数々……。男はついに、標高八七五〇メートルの地で死を待つことになるのだが……。自身3度もチョモランマの頂上に立った著者による描写が圧巻! 第一日 迫りくる大難/第二日 うち重なる禍/第三日 窮地の狼/エピローグ
【概要】 魑魅魍魎、夢幻泡影、奇々怪々! 幽霊譚から変身物語、異界訪問からファム・ファタルまで、六朝より中国に脈々と受け継がれてきた超現実的な怪奇・幻想小説の代表作26篇を収録。 【目次】 六朝 王女の贈り物 おんぶ幽霊 桃花源 地獄の沙汰も「腕輪」次第 常春の異界 白粉を売る女 籠のなかの小宇宙 唐代 枕中記 美女になった狐 離魂記 宋代 居酒屋の娘 徐信の妻 伊陽の古瓶 京娘の墓 明代 牡丹灯籠 死が二人を分かつとも 白娘子 永えに雷峰塔に鎮めらるること 清代 無双の牡丹 菊を育てる姉弟 義牛の復讐 胡求 鬼の球と為りしこと 鳳凰山 崩れしこと 不思議な恋人たち 人形の怪 欲望の悪夢 少女軽業師の恋 あとがき 初出一覧 六朝 王女の贈り物 おんぶ幽霊 桃花源 地獄の沙汰も「腕輪」次第 常春の異界 白粉を売る女 籠のなかの小宇宙 唐代 枕中記 美女になった狐 離魂記 宋代 居酒屋の娘 徐信の妻 伊陽の古瓶 京娘の墓 明代 牡丹灯籠 死が二人を分かつとも 白娘子 永えに雷峰塔に鎮めらるること 清代 無双の牡丹 菊を育てる姉弟 義牛の復讐 胡求 鬼の球と為りしこと 鳳凰山 崩れしこと 不思議な恋人たち 人形の怪 欲望の悪夢 少女軽業師の恋 あとがき 初出一覧
大学女子寮で学生が惨殺された。犯人を目撃したパメラのもとに、国の反対側からティナが会いに来た。ティナは4年前に失踪した恋人を捜しているという。彼女たちが手を取り合い、調査をしていくと、警察も気づかなかった、巨大な連続殺人事件が浮かび上がる!
娘を守りたい母、そんな母を疎ましく想う娘、どこにでもある母娘の光景。だがある事故をきっかけに、二人の生活は一変する。 テキサス州に住む主婦モーガンは、17歳のときにクララを妊娠し、高校を中退して子育てに専念してきた。夫や娘を愛しているけれど、一人の女性としては自分の人生に虚しさを感じている。そんな折、夫のクリスが交通事故にあい帰らぬ人となってしまう。 クリスとモーガンの娘、クララは16歳の高校生で、将来は女優になるのが夢だ。 同じ高校の上級生、ミラーは映像制作に興味を持っていて、映像関係の大学に進学を希望していた。そんな二人が協力して映画を製作することになった……。 全米ベストセラー作家、コリーン・フーヴァーが贈る、ドラマチックな家族の愛と再生の物語。
モーガンとクリスの娘クララは十六歳になっている。 ある日、クララは車で学校から帰る途中、道端に上級生のミラーの姿を見つけた。何をしているんだろう……これまでミラーとは話したこともない。何があったわけでもないのに、ミラーが自分を避けている気がするし、彼にシェルビーという年上のガールフレンドがいることは知っている。一度はそのまま行きすぎたものの、うだる暑さの中で放置はできず、クララはミラーのところまで戻った。聞けば、ミラーは市の境を示す標識を移動させている最中だという。家の近くにあるピザ屋が市を越えてデリバリーをしないから、毎日少しずつ、標識を移動させ、自分の家を配達区域に含めようという計画らしい。突拍子もない発想にクララは唖然としたが、結局、移動を手伝い、彼を家まで送った。驚いたことに、ミラーは街はずれのボロ家で祖父と暮らしていた。クールなイメージのミラーが、甲斐甲斐しく祖父を気遣う様子に、クララは興味を掻き立てられた。帰り道、インスタに、ミラーのフォローを知らせるメッセージが届き、嬉しくなったクララは叔母に電話をした。 モーガンの三十四歳の誕生日。グラント家では毎年、家族の誕生日には皆が集まってパーティーを開く。お祝いにジェニーとジョナもやってきた。ジョナは十七年前、突然姿を消したが、去年、父親の葬儀で帰省したとき、再会したジェニーと一夜限りの関係を持ち、ジェニーが妊娠した。ジョナは結婚を決意、この街に戻ってきて、クララの高校で歴史の教師になった。ジェニーは息子が生まれて二ヵ月になった今、翌日からクリスのつとめる病院で看護師として働くことになっていた。
ピュリツァー賞最終候補作品 一五二八年、スペインの征服者(征服者にルビ:コンキスタドール)であるナルバエス率いる探検隊は、現在の米国フロリダ州と思われる場所に上陸、インディオの村で金塊を発見したことから欲に駆られ、金の出所と思われる都を探し始める。 モロッコ出身の黒人奴隷ムスタファは、かつては商売に励んでいたが破産してしまい、自らを奴隷として売り、探検隊に同行していた。探検隊は病気、物資不足、人肉食、部族の襲撃などで壊滅し、生存者は散り散りになる。ムスタファは友好的なインディオから言語と習慣を学び、旅を続ける。ムスタファは恐怖に怯えつつも、生存者の四人がすべてを失ったことで、自由平等になったと感じていた。生存者は医学的な知識によって、さまざまな部族の伝説となり、四人とも部族の女と結婚する。一同は一緒に旅をし、異なる部族を治療し、多くの信奉者を得るようになった。やがて彼らは仲間のカスティーリャ人と出会い、ヌエバ・エスパーニャに連れてこられる。それはムスタファにとって再び奴隷になることを意味した……。 モロッコ出身の作家が、実在する報告書を元に実在した奴隷の視点から冒険を再構築した傑作長篇。
寄せては返す、波と幻。 コーンウォールの海辺を舞台に 現実と幻想が静かに混ざりあう、 13の忘れがたき短編 サマセット・モーム賞受賞作 『潜水鐘に乗って』に続く 珠玉の第二短編集 巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。 海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。解説=石井千湖 ■収録作品 「空っぽの家」 「アンテナ」 「すぐの未来に」 「帰郷」 「出て行け」 「ソルトハウス」 「漂着物、または見捨てられたものたち」 「波乗り」 「嵐の日」 「死者たちの年」 「ケーブル」 「海辺のうた」 「漂流するクラゲたち」
老書店員と少女が織りなす現代のメルヒェン 本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。 老舗の書店〈市壁門堂〉に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の名前(ミスター・ダーシー、エフィ・ブリースト、⾧靴下夫人、朗読者、ファウスト博士など)で呼び、自らの暮らす旧市街を本の世界に見立て、そこで自足している。 ある日突然、シャシャと名乗る女の子がカールの前に現れる。ひょんなことからカールの本の配達に同行するようになり、顧客たちの生活に立ち入り、カールと客との関係をかき乱していく…… 歩いて本を配達するふたりの珍道中と、曲者揃いの客たちとの交流、そして思いがけない結末を迎えた後はほのぼのとした読後感に包まれる。読書と文学へのオマージュといえる、いわば現代のメルヒェンのような作品。 二〇二〇年の刊行後、ドイツで一年以上にわたりベストセラーの上位を占め、六十万部を記録した。現在、三十五か国で翻訳されている。 第一章 独立の民 第二章 異邦人 第三章 赤と黒 第四章 大いなる遺産 第五章 言葉 第六章 未知への痕跡 第七章 夜の果てへの旅 謝辞/訳者あとがき
あなたに言えない3つの秘密。 病気のこと、子供のこと、そして愛。 イギリスの田舎町にイタリア富豪ドラコがやってきたとき、 ジェーンは驚愕した。児童養護施設で育った彼女は、 生活費を稼ぐために3つの仕事を掛け持ちしていた4年前、 ドラコに見初められ、夢見心地でプロポーズを受けた。 しかし病気が見つかり、結婚式当日に彼から逃げ出したのだった。 恥をかかされたドラコが怒り、私を許せないのは当然だ。 ジェーンは申し訳ない思いとともに彼を忘れていない自分に気づいた。 今の疲れた顔ではドラコは私だとわからないかもしれないけれど。 その背中では赤ん坊がすやすや眠っていた……。 ヒロインは美しいトスカーナの大邸宅でイタリア富豪ヒーローの魅力にあらがえず、ふたたびベッドをともにします。“不肖の花嫁”の汚名をぬぐえないまま……。USAトゥデイのベストセラー作家K・ローレンスの切なくドラマチックなロマンスをご堪能ください!
仇敵との結婚は、家族を救うため? いいえ、心に嘘はつけない。 リンナはギリシア富豪アサン・アカキオスに依頼され、 彼の別荘で結婚式の料理を担当することになった。 じつはリンナはアカキオス父子を憎んでいた。彼女の父親を 辱め、破滅させたからだ。それでも料理は彼女の人生そのもの。 拒む理由はなかった。ところが式の直前、アサンは花嫁を彼の父に 奪われてしまう。リンナはそのとき初めて、この結婚が契約結婚で、 以前から父子が反目し合っていたと知った。そしてアサンから、 驚くべき提案を告げられた。「代わりにきみが花嫁になればいい」 彼女の家族の汚名をそそぎ、借金も肩代わりするからといって。 私が悪魔の花嫁に? なぜかリンナの胸は密かにときめいて……。 幼いころは家族ぐるみの付き合いもあったヒーローとヒロイン。互いに抱いていた淡い恋心も、いつしか運命の荒波に翻弄され、思わぬ展開に。2023年に日本デビューを果たしたロレイン・ホール。愛らしいヒロイン像と圧倒的筆力で要注目の作家です!
薔薇の罠にかかった惨めな私を、 いつかあなたは愛してくれるの? スージーのみすぼらしい部屋に、目も覚めるほどハンサムな男性が 100本の薔薇を抱えてやってきた。「金目当ての女性はお断り。 結婚にも興味はない。だが、なぜかきみに興味がある」 セルジオ・ブージ──世界的企業を率いる大富豪の彼とは、 2週間前にレストランで出会い、熱く誘惑されたものの、 財産狙いの下品な女だと決めつけられ、追い返されたのだった。 今さら何を言っているの? 失礼すぎるわ。スージーは怒ったが、 彼の魅力に抗えず、愛のない秘密の関係を受け入れてしまう。 2カ月後、スージーは思いがけずセルジオの子を身ごもった。 彼の義務感からの求婚に喜びは一瞬で消え、虚しさが募って……。 冷たい家庭に育ったヒロインが何より求めているのは、愛し愛されること。夫となったヒーローに片想いしたままの結婚生活にピリオドを打とうとしたとき、奇跡が起きて……。キャシー・ウィリアムズが描く、心を揺さぶる切ない名作ロマンスです。
けっして結ばれない 身分違いの王の子を宿してーー。 レイラが亡き母から受け継いだパリの香水店に、ある日、 黒髪のハンサムな威厳ある男性客が訪れた。金融界の大物にして サン・クロワの王、プレイボーイとして有名なアリックスだ。 獲物を狙うような彼の熱い視線に、レイラは困惑した。 母を捨てた父と同じ裕福な美貌の男性には絶対心を許してはだめ。 だが翌日から始まったアリックスの誘惑ーー 高価なドレス、ディナー、プライベートジェットでのベネチア旅行。 一夜だけなら夢を見てもいいの? レイラはついに彼に身を委ねた。 やがて思いがけない妊娠に気づき……。 愛人をとっかえひっかえする愛を知らないヒーローが、誰も愛さない理由を知ったヒロインは……? ハーレクイン・ロマンスの不動の人気作家アビー・グリーンの、とびきりドラマティックでゴージャス、そしてロマンティックな気分を味わえる逸作です!
命より大切な息子が、 白血病だなんて……! 生花店を営みながら10歳の息子ニックと暮らすマロリーは、ある日、 息子が白血病と診断され、無慈悲な運命に胸が潰れそうになった。 すがる思いで治療を受けに病院を訪れた際、 主治医の名を知ったマロリーは卒倒しかけたーーケント・バーガー! この11年間ずっと忘れようと努めてきた、息子の実の父親の名前だった。 ケントとは11年前の夏に惹かれ合って結ばれ、ニックを身ごもった。 だが、学会のためミラノのホテルに滞在中のケントに電話すると、 彼はすでにチェックアウトし、しかも女性と一緒だったと知らされた……。 でも今、真実は明かせない。話して担当を降りられたら困るのだ。 ニックの命を救うには、優秀なケントの腕が絶対に必要なのだから! 大人気のシークレットベビー・ロマンス! 創作コンテストで数々の受賞歴を誇る実力派作家ローナ・マイケルズが本邦初登場。マロリーはケントと息子が似ているので、周囲に、誰よりケントに親子関係を気づかれないか不安でたまらず……。珠玉の感動物語です。