ジャンル : 外国の小説
ブッカー国際賞最終候補作 カラモもうひとつの視点賞受賞作 わたしの予想は、最高の形で裏切られました。 この物語を読んでいるあいだ、イネスはわたしの子どもだったし、 アリナはわたしの友人だったし、ドリスとニコラスはわたしの隣人だった。 「産む/産まない」の先にある人生とはこんなにも長く、 容易でなく、なんとかけがえのないものか。 やっぱりわたしはネッテルの作品がとても好きです。 大塚真祐子(文筆家・元書店員) わたし(ラウラ)とアリナは親友で、20代のころはお互いに「子どもは産まない」と誓い合った仲だった。その意志をかたくなに貫くラウラとは裏腹に、アリナは結婚し、やがて子ども(イネス)を身ごもる。そんななか、ラウラの暮らすアパートのベランダでは鳩が巣を作り、やがてラウラはアパートの隣に暮らす母子家庭の男の子ニコラスとだんだん交流を深めていく。やがてイネスが生まれるが、イネスには生まれついて重度の障害があり明日を生きる保証もない状態だった。 イネスの誕生とニコラスとの交流、ベランダに巣を作った鳩……、ラウラの心は揺れ動き、本人がそれまで思いもしなかった自らの気持ちに気づかされていく。イネスの生命や母という宿命、女として生きることの葛藤……。そして、物語は思わぬ形で最後を迎えることになる。
村上春樹、小川糸、群ようこ作品などの韓国語訳を手がける著者がつづる、翻訳した本や作家にまつわるエピソード、講演やインタビュー取材の裏側、娘と愛犬と過ごす日々、日本やヨーロッパへの旅……翻訳家として、人気エッセイストとして、シングルマザーとして生きる愉快な日常を描いたエッセイ集! 「ささやかで中毒性がある文章。 クォン・ナミのエッセイは本当に面白い!」 ーーチョン・セラン(小説家)さん、推薦! 【目次】 プロローグ たしかに事実だ 第1章 村上春樹さんに人生相談 村上春樹さんに人生相談/ノーベル文学賞とインタビュー/安西水丸さんのイラスト/村上春樹式ポジティブ思考/日本の編集者にもらった本/イ・ドンジンの赤い本屋/アメリカーノとフレッシュジュース/ビビりだけど怒ることもある/かもめ食堂の彼女/誤解を残したまま去らないで/この場を借りて励ましを 第2章 雑談です アップルとグーグル/人脈なのか、フォロー脈なのか/小川糸さんからのメール/彼女の詩集のタイトル/無知なのか、無礼なのか/異業種の人々の襲撃/退職後にかける言葉/片足を挟んでドアを閉める/こんがらがるタイトル/見間違い/雑談です 第3章 ナミさんは幸せですか? こんな子どもだった 1/こんな子どもだった 2/緊張で震えた初めての講演/翻訳するおばさん/もう認めよう/ナマケモノがのろまな理由/この人生、駄作ではなかった/ナミさんは幸せ?/同窓会に行かない理由/人生を脅かす更年期/スランプのヤツめ/私にとってもおなじみの午前3時 第4章 わが子の気持ちは翻訳できません 立場が逆転/あなたの母を卒業する/わが町のしつけ番長/21年ぶりに解凍された縁/アルバイトの先輩としてのアドバイス/愛するわんこ、ナム/そこまで泣くほどのことかな?/わが子の気持ちは翻訳できません/人間関係 第5章 新聞に私が載ったよ 私の運命がうらやましいだなんて/親孝行とディスの境界線/最初からそうすればよかった/母の話/新聞に私が載ったよ/恋しい父/おばあさんの恋/うっぷんをぶつけるときは/95歳が欲しいもの/嚙み合わない会話 第6章 ときには世の中を楽しみます 齢50にしてGUCKKASTEN の推し活をする/『ツバキ文具店』の鎌倉/大特価! 松山2泊3日の旅/もっと歳をとる前に1カ所でも/旅はタイミング/心を開くということ/東ヨーロッパ旅行での発見/またいつもの場所に戻って エピローグ 面倒だけど、幸せになってみようか 訳者あとがき
李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。 喪失と疎外、自責と愛などをテーマに、家族や介護、格差など同時代の社会問題を通して現代人の生を描く。 「言葉の届かない場所にあるはずの、人の心の複雑な薄闇に、李承雨は言葉で見事に光をあてる。精緻きわまりない八編。」--江國香織 「僕が感じてきたように、母も常に感じてきた、そうでなくてもいつか感じることになる深い後悔と罪悪感については思いが及ばなかった。喪失感と悲しみは時とともに和らぐが、後悔と罪悪感は時が経つほど濃くなることに、喪失感と悲しみはある出来事に対する自覚的な反応だが、後悔と罪悪感は自分の感情への無自覚な反応で、はるかにコントロールが難しいということに気づけなかった。」 母は僕を、もうこの世にいない兄の名前で呼ぶようになった。 夢を追い不器用に生きた兄と、堅実に歩む僕。兄弟と老いた母の愛の形を描いた李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。
「結局のところ物を書くというのは、よく知っている単語の中に、自分の悲しみを見つけること」 なくなったものの痕跡をたどり、孤独とともに創作する詩人イ・ジェニが綴るエッセイ集。 夜の闇に流れる、長く静かな時間に立ち上がる静謐な26編。 ある夜明けには涙のようにあふれる音楽について語り、またある夜明けには悲しみに満ちたプレイリストを思い出しながら詩を読む。 旅先で遭った不慮の事故、長いあいだ不眠症に悩まされたこと、ロックバンドで音楽に心酔していた二十代の頃のこと。 孤独とともに創作する詩人が、母の最期に立ち会い、イヨネスコやボードレールなど文人たちの足跡をたどり生まれた、詩と散文の境界を行き来するような言葉の記録。 ロングセラーエッセイ『詩と散策』(ハン・ジョンウォン)と並ぶ、“言葉の流れ”シリーズの代表作。 1 音楽もしくは孤独、あるいは愛と呼んでいた瞬間 チェチェクー花の別称 涙のようにあふれ出る音楽 誰かがあなたのために祈りを捧げる 文章は上から下へ降り注ぐ 跳躍する曲線があるから、私たちは メタリカフォーエバー その光が私のもとへやってくる 夢はどこから流れてきて、どこへ流れていくのか 事物に慣れた目だけが事物の不在を見る 回復期の歌 私の部屋の旅行ー天井と床のあいだで一週間 麻田ー繰り返し広がる 夜釣りのためのプレイリスト 眠れない夜のためのプレイリスト 2 再び明るむ夜明けのリズムから 未知の書き物 夢から来た手紙ー天上の音を歌うあなたへ 直前の軌跡 夜明けに詩を読むあなたに 暗闇の中から暗闇に向かって イメージは言語を必要とする 言葉が魂へ流れたら 紙の魂 白紙は削除された文章を抱いている 墓地を散策する人の手紙 瞬間の中から、瞬間に向かって 朝の木から夜明けの海まで 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき
命の果てまで彷徨う〈脚のない鳥〉は香港のスターか、慶州の老園芸学者か、もしくは自分なのか。主人公の一日を軸に、失われゆくものに執着する人間の性(さが)や自我を求めてさまよう姿が、静かな余韻をともなって描かれる。 「両足があるがゆえに存在の踏み台が必要な人間は、富や快楽、名誉や美をどこまでも追い求めるが時間は生きとし生けるものを肩に乗せ、消滅に向かってバンジージャンプする」(本書より) ◆『脚のない鳥』プレイリスト 小説内に登場する音楽を中心にしたプレイリストです
恋人のモアと一緒に日本のとある研究所を訪れた「僕」。 その目的は、病死後9年間冷凍保存されている、モアの夫を蘇らせるためだった。 3人の作家によるアンソロジー『愛、別れ、死に関するショートストリー』に収録された短編小説。 著者インタビューより 「ふと思ったんです。技術によってもたらされる生活の変化は数えきれないほどあるけれど、もっとも根本的なのは生命、つまり死と誕生の問題だと。もしそれが解決されたらいったい何が起こるだろう。その解決は、もしかすると解決ではないのかもしれない。そうして、何らかの形で復活が可能になったときに生じるジレンマやアイロニーについて書いてみようと思ったのです」 *著者インタビューは「クオンの本のたね」に掲載しています https://note.com/cuon_cuon/ 僕の彼女の彼氏 ピノキオになる ニホンダイラ・ライフ・エクステンション・ファウンデーション FM-2080 エターナル・ライフ 時間と精神の部屋 僕はどこにいるのか 訳者解説 プロフィール
小説の音を聴け 100年にわたって読み継がれる フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』に鳴り響く、 「世界のジャズ史」≒ガーシュイン『ラプソディー・イン・ブルー」! ジャズに通暁したアメリカ文学者だから読み解ける ジャズ・エイジを象徴する小説と音楽。 あの音はまだ鳴り響いている! ==== 1 『グレート・ギャツビー』と 『ラプソディー・イン・ブルー』 『グレート・ギャツビー』出版一〇〇周年の年に 2「世界のジャズ史」が引き起こした衝撃 万華鏡的音楽/ どんな突飛なことも起こりうる時代/文学的サウンドトラック/捉えどころのない音楽/『トリマルキオ』版では/大きなセンセーション/不協和音を受け入れる/パーティー・エイジの本質/アメリカの鼓動/どの時代にも通用する弾力性 3 ジャズ・エイジを象徴する小説と音楽 トスサラダ的色彩/黄色とブルー/捉えどころのない人物と捉えがたい韻律/アメリカの歌/灰の谷とT・J・エクルバーグ博士の看板/一九二二年/ホール=ミルズ事件 4 ジャズとブルースと『グレート・ギャツビー』 消えゆくものを残す/午前三時という境界線/夜に育まれる想像力/ギャツビーの夢の神髄とビート/アメリカの歴史物語/助手席の視点/デイジーの声/ジャズ・エイジとブルース/ブルースのメロディーを感じ取る 5 「世界のジャズ史」から「ビール・ストリート・ブルース」へ アメリカン・スピリットの原典/ラグタイム/白い音楽と対峙する黒い音楽/ジャズと裏社会/文化的な「ずれ」/ジャズ・エイジの「ずれ」の正体/ニックの感じた「ずれ」/社会的な「ずれ」と個人的な「ずれ」/ 「世界のジャズ史」から「ビール・ストリート・ブルース」へ 6 『ラプソディー・イン・ブルー』という有機的統一体 アメリカそのものの音楽『ラプソディー・イン・ブルー』/ 音楽の力の可能性/ジャズ・エイジの到来を感じる/狂乱の時代/「高尚な文化(ハイ・ブラウ」と「通俗的文化(ロウ・ブラウ)」/メルティング・ポットの音楽/ロウブラウ文化はハイブラウには到達できない/アメリカの統一と統合 7 音符と文章で表されたジャズ・エイジ ルイジアナの沼地地域/ジャズにこめた理想的社会/ジャズの鼓動/ジャズ・エイジの言葉を聴く/オランダの船乗りたちの夢/アメリカの壮大な理念をとどめるために 8 あの音はまだ鳴り響いている! 人生の儚さと永遠の美/アメリカの記 参考文献 定点を持つということ --あとがきに代えてーー
「社内のクリスマスの飾りを残らず撤去せよ」 秘書が恋したのは、クリスマス嫌いの大富豪。 母亡きあと、苦しい家計をやりくりしながら幼い妹を養ってきたフローラ。 クリスマス前のある日、出勤すると、オフィスが妙にがらんとしていた。 クリスマスツリーはある。でも上司の私物がすべて消えている。 そこへ太っちょの上司の代わりに、冷ややかな青い瞳に漆黒の髪を持つ 逞しい長身の男性が現れた。つい見とれたその人物は、イタリアの大富豪 ヴィト・モンティチェロ。親会社のオーナーだったのだ! 上司のくびを指示したのも彼だった。フローラは震え上がったが、 ヴィトは野暮ったい服装の彼女を不機嫌そうに一瞥するや、秘書に抜擢。 出張への同行を指示された。ただし、「そんなみすぼらしい格好をやめて、 オーナーの秘書らしいファッションで来るように」という条件付きで。 当日、男性の視線を浴びながら空港へ向かった彼女を見てヴィトはーー? いつも昼休みは本を読んで過ごす目立たない存在だった地味秘書フローラは、ヴィトの秘書になったとたん、オフィスの人気者に! 住む世界の違いすぎる非の打ちどころのないゴージャスな上司にひと目で恋した彼女に、クリスマスの奇跡は訪れるのでしょうか?
あなたと瓜二つの娘の存在に、 どうか気づいてくれますように。 親友を窮地から救うため、急遽フィレンツェを訪れたローズ。 だがそこに親友の姿はなく、代わりに彼女を待っていたのは、 実業家ダンテだった。じつは4年前、ローズは彼と出会ったとたん 激しい恋に落ち、そのまま薔薇色の未来を夢見て一夜を共にした。 なのにダンテは夜明け前に姿を消し、無情にもその後、婚約者と 結婚してしまったのだ。私を弄んで捨てた不実なプレイボーイ── 久しぶりに再会した彼が、別人のように世話を焼いてくれる姿を 横目で見ながら、ローズの心中は複雑だった。 彼に打ち明けるべきかしら? あなたには可愛い娘がいるのよ。 あの夜、あなたが授けてくれた宝物を、私は大切に守ってきたのと。 今も衰えない人気の実力派キャサリン・ジョージが描く、王道のシークレットベビー・ロマンス! ヒーローが黙って姿を消さざるをえなかった本当の理由を知ったヒロイン。彼の気持ちに共感し、寄り添おうとしますが、また彼がいなくなりそうで怖くて……。
すべてを奪った悪魔からの贈りもの。 それは、おなかに宿った小さな命。 亡くなった継父の遺言書を見て、ジニーは愕然とした。 全財産は実の息子アンドレに遺され、彼女と妹と母は一夜にして 無一文になった。相続人として現れたアンドレはハンサムだが 傲慢な富豪で、母の泣き言にも、駄々をこねる妹にも耳を貸さない。 それでいてジニーには、値踏みするような熱い視線を向けるのだ。 そんな折、ジニーはアンドレの部屋から出てくる妹を目撃する。 妹に手を出すなんて! かっとした彼女はアンドレに詰め寄るが、 逆に誘惑されてベッドを共にしてしまう。なんて愚かなことを……。 罪の意識に苛まれるジニーを嘲笑うように、アンドレが言った。 「きみは妊娠したはずだ。僕の城へ一緒に来てもらおう」 ハーレクイン・ロマンスの黎明期から第一線で走り続けたサラ・クレイヴン。クラシックな香りが漂う王道ロマンスをお楽しみください。悪魔のような相続人に振り回され、気づけば彼に心を奪われ、身ごもってしまったヒロイン。驚きの展開から目が離せません!
記憶のベールの向こうにいたのは、 あなただったなんて……。 夫によって6年間も自宅に閉じ込められてきたイザベラ。 6年前に起きた火事で重傷を負った彼女には、それ以前の記憶がない。 ある日、夫の仕事仲間の悪党が家に押し入ってきて、 イザベラは5歳の愛娘を連れて命からがら逃げ出したーー 悪党に亡き者にされた夫を目撃したあとで。 一方、秘密工作員ジェイクは、麻薬組織の幹部が殺され、 行方不明になったその妻イザベラと娘を捜す任務に就いた。 首尾よくイザベラ母娘を見つけ、追ってきた悪党から助け出して驚いた。 6年前、FBI捜査官だった頃に爆発事故で死んだ相棒で恋人のアビー! いや、他人の空似か? だが彼女の娘は僕と同じエメラルド色の瞳……。 原書がAmazonの読者レビューで非常に高く評価されている本作は、息もつかせぬ展開の記憶喪失&シークレットベビー・ロマンス! さすがはNYタイムズとUSAトゥデイのベストセラー作家と唸らされる、絶対に読まないともったいない秀逸作です!
子供は望めないと告白したら、 私はまた捨てられてしまう? 看護師のモリーは職場に突然現れた医師を見て息をのんだ。 5年前に私を手ひどく振り、以前の恋人と復縁して結婚したルーク! 妻を亡くして、この地へ戻ってきたと聞いていたけれど、 まさか同じ病院に復職するなんて信じられない! 彼に捨てられたというのに、再会を喜んでいる自分がいることも。 ルークと再会するときは幸せに光り輝いていようと決めていた。 けれど、彼と別れたあとに結婚した人とは、つい先ごろ離婚したばかり。 理由は、どうしても子供を授かれなかったから……。 そのことは言えないまま、モリーはルークに再び身を捧げたーー このまま夢中になって、また裏切られるのが怖くてたまらないのに。 モリーは子を望めないことを秘密にしているため、妻の忘れ形見である幼い双子の子育て中のルークが口にする何気ないせりふにも傷ついてしまいます。やっぱり彼に話すべきなのか? 悩むモリーの身に小さな奇跡は起こるのでしょうか? 感涙必至の名作です。
誰だろう、彼の好きな人って。 考えると胸がちくりと痛い……。 父と母が旅行中に交通事故で亡くなった、ですって……? 看護師長のクロティルドは突然の悲報に、思わずへたり込んだ。 そんな彼女を心配して実家まで送ってくれたのは、 この3年間、同じ病院で共に働いているドクター・サッカリー。 その後も彼は、深い悲しみに沈むクロティルドを励まし、 身寄りのない彼女の面倒を何くれとなく見てくれた。 悩みを聞くためと言って食事にも誘ってもらい、 クロティルドはドクター・サッカリーとの距離が縮まることを喜んだ。 だが職場での彼はただの仕事仲間に逆戻りで、寂しく思う。 しかも、彼には職場に結婚を決めた相手がいると聞いて胸を痛め……。 世界のベティ・ニールズファンの中には、オランダを旅行する際にベティの小説を旅の案内書として持参する人もいるという逸話があります。かつてHQイマージュの記念号に選ばれた本書は、ロンドンからオランダのライデンへの愛の旅路が描かれた名作です!
「きみの純潔の値段はいくらだ?」 大富豪は、恋も知らぬ無垢な聖母を嘲った。 孤児として生き、親の愛を知らないジェマイマ。 亡き双子の姉が代理母として産んだ赤ん坊を、ひとりで育てている。 この子は、私にとって唯一の家族ーーなのに田舎町での静かな暮らしは、 ある日、父親を名乗る冷酷なイタリア人大富豪ルチアーノに壊された。 「金だけ受けとり子供を連れ去るとは……きみはとんだ詐欺師だ」 美しい琥珀色の瞳が軽蔑をたたえて光る。 なんと亡き姉はジェマイマの名をかたって出産し、姿を消したらしい。 でも……真実を告げれば、この子を奪われてしまう! ジェマイマは愛する甥と離れたくない一心で、 母親になりすまし、シチリアにある彼の屋敷へ同行するがーー? 赤ん坊を奪われるのが怖くて、真実を言いだせないジェマイマ。一方、彼女を姉と思いこんでいるルチアーノは、金目当ての奔放な女性と勘違いし、本当は品行方正なジェマイマに容赦なく誘惑を仕掛けます。ついにジェマイマが無垢な体を捧げた夜ーー!?
巻末に特別付録 大人気サラ・モーガン 全作品リスト本邦初公開! 英国の豪華な作家陣が描くクリスマス・ロマンスを3編集めました。巻末には、本邦初公開となるサラ・モーガンの全作品リストを特別掲載! 寒い季節にぴったりの心温まる物語をお楽しみください。
どうか、この愛が実りますように。 聖なる季節に贈る、感動のクリスマス短編集! 北米ロマンス界の巨匠ダイアナ・パーマーのウィンター・ロマンスをはじめ、もう二度と戻ることのないはずだった夫婦愛の復活物語や、不遇すぎる令嬢と牧師の清らかな恋物語を収録したクリスマス短編集です! 読後感のよい名作ぞろいで、感動を味わえます。
『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』などで人気を博し、数々の賞を受賞してきた実力派作家の最新短編集! 手をのばし、すれ違う、 二人に差しこむひとすじの光。 人間関係の感情の機微を卓抜した力で描くチェ・ウニョン。 〈書くこと〉を使命とする強い意志。問い直される女性への差別。 【収録作】 大学で研究者を目指す私と女性講師を描く、表題作/基地村での女性殺害問題と校内誌編集部を描く、「役割」/雇用形態の異なる二人の車中での会話を描いた、「一年」/DV問題を扱った、「返信」/「夫と妻と子ども」という「一般家族」を超えた繋がりを描く、「種まき」「伯母さんへ」「消える、消えない」 2018年から2023年までに書かれた中短編全7編。 === 「欠乏感を抱きしめ、それを必要以上に憎んだり、哀れんだりすることもなく、ただ一日一日を生きていく。悲しければ悲しいのだと、腹が立てば腹が立っているのだと、愛していれば愛しているのだと気づき、自分を見守り続ける。私は今、そういう作業をしているところなのだと思う。 小説を書いていて失われた記憶がよみがえるとき、私よりも深い場所にいる自分が伝えようとしている言葉に耳を澄ます。」 (「作家の言葉」より) === 「著者の作品に登場する主人公はほとんどが女性で、ストーリーもフェミニズムの観点から描かれたものが多い。(中略)前半は憧れる側と憧れられる側、後半の「種まき」「伯母さんへ」「消える、消えない」は面倒をみる側とみられる側に焦点を当てており、韓国語版の解説を書いた文芸評論家は、この三作を〈ケア三部作〉と称している。」 (「訳者あとがき」より) === 書店員、絶賛! 泣きそうだ、と思う瞬間がいくつかあった。 しかし、それは涙腺を緩ませはしなかった。 もっと心の奥底の震えが、そう錯覚させていた。 この震えの感覚を上手く言葉にできないことがもどかしい。 人と人の交流が、あるラインを超えたときに起こる摩擦が心に響いてくる。 チェ・ウニョンは、そのライン際にある渚を物語として形にしている。 ひいては返す波のように、捉えどころのなく動く他者との境界。 その一線に触れたときに起こる名もなき感情。 誰もが経験したことのあるそれを、誰もが読むだけで体験できる物語として、 仕上げること。素晴らしい作家の仕事だと思えた。 ───フタバ図書・萩原健太さん 私にとって本作は、 人の細やかな感情が幾重にも折り重なっている、 やわらなか光の結晶を集めたような短編集でした。 また、… ほんのかすかな光でも 役割 一年 返信 種まき 伯母さんへ 消える、消えない 作家の言葉 日本の読者の皆さんへ 訳者あとがき
第15回チャンビ青少年文学賞受賞作 貧しい中学生の男の子ジョンインが、黒猫に扮した悪魔「ヘレル」と過ごす不思議な一週間の物語。 ジョンインは両親のいない中学3年生。おばあちゃんと暮らしている。修学旅行費の家庭通知を受け取り“行けない”修学旅行に“行かない”選択をするジョンインを、クラスメイトのテジュたちが貧乏人だとからかう。 そんな彼らを避けて学校裏庭にあるゴミ捨て場でしゃがみ込んでいたジョンインは、不思議な黒猫に出会う。家までついてきたその黒猫は、休暇中に地獄から韓国に来ていた悪魔のヘレルだった。ジョンインの魂が食べたくてあの手この手で「欲」に気づかせようとする悪魔ヘレルは、「もしも」と願えば何でも叶えてあげると言い寄ってくる。
★★★王谷晶さん(『ババヤガの夜』ダガー賞受賞) 絶賛! 掃除魔と散らかし魔、フリーランスと会社員、そして女と女。 共同生活って、異なるスキルとジョブを持つ者同士でパーティを組む冒険だ。 人と人が共に暮らしていく、そんな当たり前のことが こんなにも眩しく、愉しく、羨ましい。 こんな女たちの生活が、本当に珍しくもない ふつうのことになるといいのに……! ★★★ニューヨークタイムズも注目! キム・ハナ、ファン・ソヌは家族の概念を再定義する。 『女ふたり、暮らしています。』は韓国でベストセラーとなり、 週一度のポッドキャスト「女ふたり、トークしています。」は数十万人のリスナーを結集させ、 結婚という枠組みを超えた同居形態を維持しながら 伝統的な家族構成に挑戦する韓国人、特に女性たちに声を与えている。 ーーーーーーー シングルでも結婚でもない新しい家族の形で 日韓をざわつかせたベストセラーが帰ってきた! 気の合う友人を「人生のパートナー」として 暮らす二人の日々を描いた、 温かくもユニークな名文に心打たれるエッセイ。 愛猫との別れについて書いた「ゴロを見送る」 ほか48Pを追加した決定版!