小説むすび | ジャンル : 外国の小説

ジャンル : 外国の小説

愛を宿したウエイトレス愛を宿したウエイトレス

わたしは日陰の愛人── けっしてシンデレラにはなれない。 ウエイトレスのダーシーは、イタリア富豪レンツォに見初められ、 誘惑に抗えず純潔を捧げて、彼の愛人になった。 太陽の下でデートすることもなく、逢瀬はベッドの上だけ。 やがて虚しさに耐えきれなくなったダーシーが別れを申し出ると、 レンツォはトスカーナの別荘に彼女を連れ出した。 初めて恋人同士のように過ごし、幸せの絶頂を味わった直後、 ダーシーはずっと秘密にしてきた出自を彼に咎められ、 ひどく侮辱されて、追い出されてしまう。 今になって、これほど身分違いを思い知らされるなんて。 途方に暮れる彼女は、身ごもっていることさえ気づかず……。 身重の体で働き続け、ついに過労で病院へ運ばれたヒロイン。そこに現れたヒーローから愛なき結婚を申し込まれ、子どものためにと受け入れますが……。大スター作家シャロン・ケンドリックがドラマティックに描く、感涙必至のシンデレラ・ロマンス!

声なき王の秘密の世継ぎ声なき王の秘密の世継ぎ

あなたに会いたくても、もう会えない……。 衝撃のロイヤル・シークレットベビー物語! さる王国で市民や兵士の治療にあたっていたレーガンは、帰国を前に、 以前から想いを寄せていた現地の医師ケイナンと一夜を共にした。 「僕の美しいレーガン。君を決して忘れない」 別れ際にかけられた彼の言葉を胸に、レーガンは帰国の途についた。 しかし、その後ほどなくして、彼女はケイナンの死を知った……。 1年後。レーガンはあの夜に授かったケイナンの子を産み育てていた。 ある日、勤務先に医学生の実習指導をする医師が新しく来ることが決まり、 手話で話すというその医師の補佐を、レーガンがすることになる。 初めての顔合わせで、彼女は驚きのあまり卒倒しかけたーーケイナン! 彼は生きていた! 私を美しいと言ってくれたあの声は失われていても。 運命的な再会を果たしたレーガンはさらなる驚きの事実を知ることに。なんと、ケイナンは王国の新国王であることが明らかになるのです! すなわちそれは、生後3カ月の息子がじつは世継ぎだった  ということを意味し……。期待の新星の鮮烈な日本デビュー作!

禁じられた結婚禁じられた結婚

お金や命令では私は動かされない。 でも恋心が、私を揺るがす……。 こんな身近に、私の異父妹がいたなんて! 母に捨てられ、里親の家を転々として育ったローナにとって、 父親違いでも血を分けた妹は大切な家族。彼女の心は浮き立った。 だが今や富豪の妻となった母が、ローナと妹が親しくしているのを知り、 ローナに過去を暴露されることを恐れて悪知恵を働かせるーー 姉妹の仲を裂くよう、富豪の息子で油田王のミッチをそそのかしたのだ。 ローナは突然現れたミッチから高額の小切手を叩きつけられたうえ、 仕事も辞めてどこか遠くへ去るよう恫喝され、ショックで気を失った。 驚いたことに、目覚めるとミッチの腕の中にいて、優しい声を聞いた。 「動くんじゃない。僕に任せて、ダーリン」 耐え忍ぶヒロインを描かせたら第一級のS・フォックスによる義兄妹ロマンス。自分には養子に出した娘などいないと、存在すら否定した母に深く傷つけられたローナ。そしてローナが嘘つきだと信じるミッチ。そんな二人がどのように恋に落ちるのか、ご注目ください!

カサノヴァの素顔カサノヴァの素顔

ファンに選ばれたベストヒーローが再び! 一途に愛されたい女性必読の、不朽の名作。 ある日、ミッシェルのもとに、結婚式の招待状が送られてきた。 差出人はなんと、彼女の10年来の恋人! いつのまに別の女性と? いきなりの仕打ちに泣き崩れたミッシェルを慰めてくれたのは、 学生時代からの友人で大富豪のタイラーだった。 昔からプレイボーイとして名を馳せ、有能で容姿端麗で完璧すぎる彼に かえって反発を感じて、喧嘩ばかりしていたのに。 彼のおかげで少し元気の出たミッシェルは、ある計画を思いつく。 タイラーに頼んで、一緒に結婚式に出席してもらおうーー 私のとびきりすてきな新しい恋人のふりをして! 見せかけのはずが、本当に彼の虜になってしまうとも知らずに。 大好評企画《不朽のファン・セレクション》より、2001年下半期ベストヒーロー賞第2位に輝いた作品をお贈りします。女性なら誰もが好きになってしまうような完璧すぎるヒーローが登場! 物語のテンポの良さでは右に出る者がいないミランダ・リーの名作です。

公爵の花嫁になれない家庭教師公爵の花嫁になれない家庭教師

どれほど彼を愛していても、 私は公爵夫人にはなれない……。 住み込みの家庭教師アビーは、公爵ランズドーン卿に反感を持った。 娘を社交界に出したい彼女の雇い主が、遠縁の彼に後ろ盾を請うたのだが、 彼の顔には貴族特有の礼儀正しい無関心が浮かんでいるのだ。 社交界でも最上流の彼には、貧しい家の事情なんてどうでもいいのね! 一方のランズドーン卿は、時代遅れの地味な姿をした家庭教師の 歯に衣着せぬ物言いに面食らっていた。 貧しい遠縁の娘を社交界デビューさせるなど面倒きわまりない。 いや、しかし待てよ。いいことを思いついた。 彼は社交界デビューの手助けをすることをアビーの雇い主に告げた。 「ただし、一つ条件が……アビーにも社交界デビューをしてもらいたい」 社交嫌いのアビーはランズドーン卿の突飛な提案をしぶしぶのむことに。初めは彼の高慢さに反発していたアビーも、気づけば彼の瞳に表れた知性や情熱、そして左頬に浮かぶえくぼに胸をときめかせるようになっていて……。必読のシンデレラ・リージェンシー!

忘れられた婚約者忘れられた婚約者

身寄りなき不遇なお針子がまさか、 子爵の“亡き婚約者”だったとは……。 6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。 今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。 ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、 食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。 そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに 黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。 あれは誰だったの? なぜだか胸騒ぎが止まらない……。  数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、 激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる! 「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」 身に覚えのないことを言われて戸惑うほかなかったメアリー。その後、不幸にも彼女は雇い主から解雇され、ロンドンの外へ追いやられてしまいます。無一文で放り出され、路頭に迷った彼女の前に現れたのは、またしてもマシソン卿で……。珠玉の記憶喪失ロマンス!

いつも心は旅の途中いつも心は旅の途中

韓国の100万部超の大ベストセラー、ついに刊行!! 世界を旅する愛の詩人イ・ビョンリュルは、140か国以上、多くの都市をめぐりました。 著者がカメラを抱えて旅したノルウェー、メキシコ、日本、イタリア、イギリス、フランス、インド、中国、ベトナム、カンボジア、ペルー、ブラジル…目に焼き付けた風景を文章と写真で綴ります。 これはあなたのものがたり。 ー100万人が共感した、愛と孤独と旅のあれこれ。  読んで、世界をぐるっと旅する不思議なエッセイ。 自由を謳歌、気ままに歩く一人旅。 心躍る出会いにワクワク。 おどろくようなハプニングの数々。 そして、同時に大きな孤独も感じるのです。 旅することは、孤独になること。 旅することは、愛する誰かを思うこと。 どんな人生も旅のようなもの。 人はいつでも、孤独や不安におそわれながら、愛する誰かを想い、そして歩いていく。 愛に迷ったとき、生きる意味を知りたいとき…… この本を開いてください。 きっとあなたの心に寄り添う、あなたのものがたりが見つかります。

『ダーバヴィル家のテス』とヤヌスの神話『ダーバヴィル家のテス』とヤヌスの神話

発売日

2024年8月28日 発売

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『テス』に隠された双面神ヤヌスー。 19世紀のイギリス文学を代表する小説の一つトマス・ハーディ作「ダーバヴィル家のテス」。 ーヒロイン・テスの悲劇的な一生を描いた本作は、なぜか「門」や「出入口」などへの言及が多い。 テスの運命を翻弄する二人の男の名前、クレアとアレックは、よく見ると一字違いのアナグラム(字句の入れ替え)。 ーこれらは何を意味するのか?  筆者はそこにローマ神話の双面の門神ヤヌスの隠れた存在を見抜き、ヤヌスを鍵にして物語を読み解いていく。 ギリシア・ローマ神話や聖書や、シェイクスピアやミルトンなど、西欧文化史を彩る多様な成果を縦横に駆使しながら、入念に織り上げたテクスチュアから立ち現れてくる、秘められた花にも似たテスのドラマをご覧ください。 [目次] 『ダーバヴィル家のテス』梗概ーー未読の方々のために 序章 コードとしてのローマ建国伝説とヤヌスの神話 (1)『テス』と西欧文化史 (2)『縛られたプロメテウス』から『アエネイス』、『ルークリースの凌辱』へ (3)『金枝篇』とヤヌスの神話 第1章 名前の〈二重性〉とアイデンティティ (1)ヤヌスとしてのクレアとアレック (2)「自身(セルフ)」をめぐる関係性の劇とアイデンティティ 第2章 アレックによるアイデンティティの分裂とヤヌスの影 (1)冥界の地獄タルタロスへ (2)冥界からの帰還を願って 第3章 クレアによるアイデンティティの分裂とヤヌスの影 (1)冥界の楽園エリュシオンの野へ (2)ふたたびタルタロスへ 第4章 悲劇の構造としてのヤヌス (1)プルトの王国にて (2)〈青鷺〉の町アルデアにて 第5章 復讐の政治学と魂の救済 (1)〈命名〉によるアイデンティティの支配と復讐 (2)ヤヌスの神話と楽園喪失・回復神話による〈戯れ〉と〈救済〉 注 引用文献(参照文献を含む) あとがき 電子版に寄せて──ヤヌスは顕現する 著者紹介

黒い蜻蛉黒い蜻蛉

『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本ーー一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていた「ラフカディオ・ハーン」は、諸国遍歴のすえに日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会う。日本人「小泉八雲」となった彼の人生は、ヤゴが羽化してトンボとなって飛び立つがごとく変わっていくーー。アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。 本書は、アイルランド出身の脚本家、ジーン・パスリー氏が 2021 年に刊行した長編小説、“Black Dragonfly”の日本語翻訳版。 主人公は「雪女」「耳なし芳一」「ろくろ首」など、日本に古くから伝わる民話・伝承を再話した『怪談』を出版し、日本の文化を世界に紹介した人物、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。物語はハーンの幼少期からはじまり、アイルランド人とギリシャ人の血をひく彼は、その出自や外見、幼いころに両親と生き別れた経験などから、つねに劣等感と孤独感を抱えていた。世界各地を経巡ったハーンが新たな居場所を求めて渡ったのが、明治期の日本だった。仏教や神道、精霊信仰、先祖崇拝といった日本の精神文化に触れるハーン。松江への旅、英語教師として学生たちと過ごす日々、元士族の娘・小泉セツとの結婚、息子一雄の誕生、日本への帰化と改名ーー。〈日本〉との出会いによって、その人生と人生観は大きく変わっていく。 小泉八雲の生涯を描いた唯一の邦訳小説である本書は、史実と仮構を織り交ぜることで、一人の人間としての小泉八雲を浮き彫りにする。母への思慕や過去の後悔、自己存在への葛藤を抱えながらも、人生の歩みを進めていくハーンの人生が、「〈自分〉を引き受けて生きていくとはどういうことか」を、わたしたちに投げかける。 翻訳は、『さかさ町』『イワンの馬鹿』『キプリング童話集』など、児童文学の翻訳をおもに手掛ける小宮由氏が担い、50 余年のハーンの生涯に寄り添って訳出。小泉八雲没後 120 年、『怪談』出版 120 年の節目である 2024 年、『黒い蜻蛉ーー小説 小泉八雲ーー』として発刊する。

とるに足りない細部とるに足りない細部

1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。 この作品の「細部」に宿っているものは、私の精神世界を激しく揺さぶり、皮膚の内側を震えさせる。この本の中の言葉の粒子に引き摺り込まれ、永遠に忘れられない体験になり今も私を切り刻んでいる。 ーー村田沙耶香氏(作家) かき消された声、かき消された瞬間と共にあるために、この小説は血を流している。 ーー西加奈子氏(作家) *2023年、本作はドイツの文学賞であるリベラトゥール賞を受賞。しかし同年10月、イスラエルによるガザへの攻撃が激化するなか、フランクフルト・ブックフェアで開催予定だった授賞式は同賞の主催団体リトプロムによって中止され、ブックフェアは「イスラエル側に完全に連帯する」との声明を出した。この決定に対しては、作家や出版関係者を中心に、世界中から抗議の声が上がっている。

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