ジャンル : 外国の小説
二度と会えない愛しいひと。 彼の面影を胸に、この子たちと生きていく。 カリヴァ国王ディアマンディスの秘書カテリーナは、 長年恋い焦がれていた彼と、ある夜ついに結ばれた。 一夜の夢と知りながら。けれど思いがけず双子を身ごもり、 パニックに陥る。身分違いの恋が幸せな結末を迎えるはずがない。 愛するひとの子を守るため、カテリーナはひそかに国を出た。 だがアテネで独り暮らし始めた彼女のもとを訪ねてきたのは、 誰あろう、怒りの形相のディアマンディスだった! カテリーナを強引に連れ帰り、結婚を宣言。 愛を信じぬ冷酷な国王の、愛されぬ花嫁となるがーー。 ドキドキはらはらの圧倒的筆力! 日本デビュー作『路地裏で拾われたプリンセス』が大好評を博した、気鋭の作家ロレイン・ホール。過酷な運命に翻弄されて家族を失い、愛を渇望しながらも得られなかった国王が、幸福をつかむ感動作です。
彼なんて嫌いよ。 それとも……好きなの? 祖母の旅行のつき添いをすることになったロージー。 口やかましい祖母のお供をするのは気が重いが、 故郷であるスコットランド高地への列車の旅は楽しみだった。 だが途中、立ち寄ったホテルの裏庭で祖母が転んで足を痛め、 二人はやむをえずツアーを抜けてそのホテルにとどまることに。 往診に駆けつけたのは、ドクター・キャメロン。 医師としての腕や患者の扱いは見事なものだが、 無愛想な態度を見て、ロージーの胸は波立つ。 祖母に向けた彼の笑顔はとても魅力的なのに……。 中毒性の高い唯一無二の静かな作風で、時を経ても色褪せることなく読者を魅了し続ける、不滅の大スター作家ベティ・ニールズ。大人気設定の一つ、つれないドクターと奥手なヒロインの恋物語を、どうぞご堪能ください。
韓国のRIDIBOOKS 2018年BL小説大賞受賞作がついに日本上陸。 2進法の世界で生きるコンピュータ言語ネイティブの「チュ・サンウ」の日常に、 同じ大学でグラフィックデザインを学ぶ感覚で生きる先輩「チャン・ジェヨン」がウイルスのように侵入してきた。 サンウは人生を狂わすセマンティックエラー(文法的には正しくとも機能しないコンピュータ構文)を正すことができるのか……。 2進法のサンウの視点と総天然色のジェヨンの視点が織りなす、コミカルラブコメディ、遂に完結! 分冊版13話〜外伝を含む22話を収録。また、韓国語版書籍限定の「設定集」も特別収録。 【目次】 Yellow2、<1001>、Black、<1010>、外伝1 Exception 、外伝2 Propose 5.0 、外伝3 Hello, world! 外伝4 Crash to Desktop、外伝5 Syntax Error、設定集
これはヒーローではない、〈反乱者(レベルズ)たち〉の物語 神話は滅びることはない、伝説の少女が世界を救う── 2023年12月22日配信開始! 『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督! NETFLIX超大作SF映画 公式小説 2023年12月22日よりNETFLIXにて全世界一斉配信される壮大なSFファンタジー超大作「REBEL MOON 炎の子」を完全小説化。 製作・監督・脚本を務めるのは『300』『マン・オブ・スティール』『ウォッチメン』『アーミー・オブ・ザ・デッド』などで知られるザック・スナイダー監督。 同監督が数十年に亘って温めてきた企画が遂に映像化。黒澤明監督の名作『七人の侍』とジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』を彷彿とさせる世界観に全世界が注目している。 映像では描かれきれなかった、登場人物の内面や世界観を是非〈小説版〉で体験していただきたい。 〈あらすじ〉 宇宙の最果てにある小さな星。その片隅には人々が平和に暮らす集落があった。ある日、暴君バリサリウス率いる軍隊が侵攻し、人々を恐怖のどん底に落とし込む。この危機を救える唯一の希望は、村人たちにまぎれ秘かに暮らすある女性。彼女の名はコラ──謎の異邦人である。コラは圧政に立ち向かうべく共に戦う戦士を集めるため未知なる星へ旅立つ──。そこで出会ったのは、“悲しい過去を持つ燃え上がる剣を振るう剣士”“巨大な獣を手懐ける戦士”“絶望を胸に闘技場に立つ荒くれ将軍”などなど、〈団結〉とは無縁のクセだらけの問題児たち。果たして彼らは、それぞれの暗い過去を払拭し、銀河の自由を勝ち取れるのか?
“魔女”が死んだ。都市から離れた村で、外界と隔絶していた魔女。鉄格子のある家にこもり、誰も本当の名を知らない。村人から恐れられつつ、秘かに頼られてもいた。困窮する女たちの悩みを聞き、様々な薬をあたえ、堕胎の手助けをしていたのだ。莫大な遺産があるという噂もあった。魔女は殺された。暴力が吹き荒れるこの村の誰かに。魔女の家の前にいた男たちを目撃したジェセニア、その徒弟で麻薬常習者のルイスミとその悪友ブランド、売春宿を営むチャベラとその夫ムンラ、継父の性虐待から逃れてきた少女ノルマ…。村の人びとの言葉が導く、あまりに悲痛な真実とはー。荒々しくも詩的な言葉で暴力の根源に迫り、世界の文学界に強烈な衝撃をあたえたメキシコの新鋭の傑作。ブッカー国際賞最終候補、全米図書賞翻訳文学部門候補、文学ジャーナリスト賞(メキシコ)受賞、アンナ・ゼーガース賞(ドイツ)受賞、国際文学賞(ドイツ)受賞。
メアリ・ジキルと特異能力を持つ〈アテナ・クラブ〉の令嬢たちは何者かに誘拐されたシャーロック・ホームズとメイドのアリスを探し、ヴィクトリア女王を脅かす陰謀に巻き込まれる。その首謀者はモリアーティ教授!? 古典名作をもとにしたSFミステリ完結篇
【サマセット・モーム賞受賞作】 【ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞作】 そこは、現実と幻がいともたやすく交わる地。 妖精、巨人、精霊、魔犬…… 英国コーンウォールの豊かな伝説を下敷きにした、 ささやかでありながら忘れがたい12の物語 48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(「石の乙女たち」)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(「巨人の墓場」)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(「語り部(ドロール・テラー)の物語」)…… 妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。訳者あとがき=木下淳子 ■目次 「潜水鐘に乗って」 「石の乙女たち」 「緑のこびと」 「窓辺の灯り」 「カササギ」 「巨人の墓場」 「浜辺にて」 「精霊たちの家」 「願いがかなう木」 「ミセス・ティボリ」 「魔犬(ウィシット)」 「語り部(ドロール・テラー)の物語」
ユゴー研究の第一人者による長年の『レ・ミゼラブル』研究の集大成。刊行当時の一般読者の大反響とレアリスム小説家たちの酷評とのギャップから、執筆時の時代背景、著者ヴィクトル・ユゴーの思想、小説技法やプロット設定、舞台・映画など諸芸術へのアダプテーションまでを精緻に解き明かし、時代と国を越え人々が熱狂する『レ・ミゼラブル』の神髄に迫る。
願いが実現しないかぎり、願いは存在しつづける。テレヘンさんの《どうぶつ物語》最新刊! ホタルは太陽のように輝きたい。クマは二度とケーキを食べたくない。アリはリスと真剣に話したい。カメはカタツムリにやさしくされたい。フクロウは願いなんかもちたくないーー。63のどうぶつそれぞれに、まったくばらばらの奇妙で切実な願いがあり、その奇妙さがわたしたちの心を映しだす。大人気のシリーズ最新刊。
金の匂いを嗅ぎつけた人々を引き寄せる、大富豪の地所“ハッピー・クロフト”。殺人、盗難、変死が続発し、平和な土地に暗雲が立ち込める…。事件関係者が口にした“ビリー・ボーイ”とは何者なのか?美術評論家でもあったマシュー・ヘッドのデビュー作、80年の時を経た初邦訳。
静寂を好み、花々を愛(め)で、愛豚を慈しむ。都会の喧騒を嫌い、ブランディグズ城に帰ってきたエムズワース伯爵を待ち受ける災難。豚盗難計画や富豪令嬢の婚約問題など、次々と巻き起こる珍騒動を円満解決するためフレッド叔父さんが奮戦する。 ブランディングズ城の救世主 訳者あとがき 解説 二階堂黎人
18世紀初め、ロンドン大火後の首都再建計画の一環として市内各所に建設中の7つの教会に、異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、それから約250年後、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、有力な手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に吞み込まれていく。時を超えて反響しあう2つの物語の結末は……。円環する時間と重層する空間を通して魔都ロンドンを彷徨う都市迷宮小説。「『魔の聖堂』は機知に富んだ不気味な想像力の作品であり、複雑なプロットを有し、人類の堕落した本質に対する懸念が繰り返し執拗なまでに描き込まれている」(ジョイス・キャロル・オーツ)。デヴィッド・ボウイが愛読し、アラン・ムーア(『フロム・ヘル』)らに影響を与えた、ウィットブレッド賞、ガーディアン小説賞受賞作。
奴らに虐げられるな 1985年に発表された近未来小説『侍女の物語』と、2019年の続編『誓願』。 男性優位の独裁国家を描く暗澹たるディストピア文学が、なぜ今日、フェミニスト・プロテスト文化の象徴として耳目を集めるのか。 女性の身体と連帯、歴史と記憶、声と語り、エコロジー、セクシュアリティ/ジェンダー、ケア…… 現実世界の諸相を束ねて生み出された物語世界に、現在そして未来を生き抜くための希望を探る。 序ーー2023年、『侍女の物語』のアクチュアリティを問う 加藤めぐみ 『侍女の物語』はフェミニスト・ディストピアか? マーガレット・アトウッド(西あゆみ訳) 1 ギレアデ共和国のリアル ビッグ・シスターとシスターフッドーーアトウッド『誓願』における「弱い」独裁者 奥畑豊 [付論]アメリカ・カナダの〈地下女性鉄道〉--逃亡の協力者と緩衝地帯マップ 安保夏絵 社会生物学者リンプキンの謀略ーー『侍女の物語』『誓願』におけるミツバチと生政治 加藤めぐみ 勇気をこめて振り返るーー抵抗の記念碑としての『誓願』の石像たち 三村尚央 アトウッドのエコ・ディストピアーー『侍女の物語』から『マッドアダム』まで 中村麻美 [コラム]性別二元論というディストピアーー『侍女の物語』関連作品を読む 中村麻美 2 女性の身体/連帯 ケアの目覚めーー『侍女の物語』から『誓願』へ 小川公代 未来に託す身体のメッセージーー『フランケンシュタイン』、『侍女の物語』、『誓願』を繫ぐ声・身体・命 生駒夏美 「これまでに愛したのはあなただけ」--レズビアン・ロマンスとして読む『侍女の物語』と『誓願』 渡部桃子 フェミニストSFとしての『侍女の物語』 小谷真理 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』においてセリーナ、モイラ、ジューンのマザーフッドと代理出産が問うこと 高村峰生 [コラム]ジューン/オブフレッドのレジスタンス 石倉綾乃 [付論]日本のフェミニストSF文学はなぜ、最初からディストピア的色彩が強かったのか シュテファン・ヴューラー あとがき 中村麻美
妖精の王女にかけられた呪いは 十八歳の誕生日に 人間の医者によって解かれるだろう おとぎばなしさながらに 妖精の王女と結ばれた若い医者の運命は? 表題作他10編を収録 ガーディアン賞、エドガー賞受賞の著者が紡ぐ生と死、 人間と人外の不思議な世界 医師と不思議な少女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の奇妙な絆を描いた「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハープと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第三弾。 ■目次 「ロブの飼い主」 「携帯用エレファント」 「よこしまな伯爵夫人に音楽を」 「ハープと自転車のためのソナタ」 「冷たい炎」 「足の悪い王」 「最後の標本」 「ひみつの壁」 「お城の人々」 「ワトキン、コンマ」
さあちょっとの間アメリカ人のふりをしてみよう。 お次は日本人のふり。二世のふりをしてみよう、 帰米のふりをしてみよう。三世のふりをしてみよう。 ======== 前編は「三世」で日系収容を知らない「失われた世代」である三世たちの姿を描き、後編の「多感」ではオースティンの七つの小説の構造を日系社会に落とし込みパロディにした二部構成の短編集。ヤマシタは、日系収容という「過去」を確かめつつ「三世」としての自分の立ち位置をどのように描いているのか? マジック・リアリズムの騎手による集団的記憶の軌跡! ====== 【目次】 1 三世 風呂 歯科医と歯科衛生士 紳士協定 ボンベイ・ジン ボルヘスとわたし キティのキス 小春日和 結腸・内視鏡 コン・マリマツ 三世レシピ LA/ガーデナ特製年表 2 多感 しかたがない&もったいない 義理と我慢 モントレー・パーク エミ 日系ゴシック パースエイジアン オマキさん あとがきー三世ジェインネット 謝辞 訳者解説 1 三世 風呂 歯科医と歯科衛生士 紳士協定 ボンベイ・ジン ボルヘスとわたし キティのキス 小春日和 結腸・内視鏡 コン・マリマツ 三世レシピ LA/ガーデナ特製年表 2 多感 しかたがない&もったいない 義理と我慢 モントレー・パーク エミ 日系ゴシック パースエイジアン オマキさん あとがきー三世ジェインネット 謝辞 訳者解説
『愛すれど君は遠く』生死の境を彷徨い、意識朦朧としたサラが目を開けると、大きな人影がー孤高の男、マッケンジー・ホーク。行方不明になった兄を救えるのは彼しかいないと、サラは命がけで厳寒の雪道をひた走ってきたのだ。「わたしの名前はサラ。助けて…お願い」彼女は低体温症で瀕死のところを救ってくれたホークを、美しい天使のように感じて安堵しながら、また眠りに落ちた。だが、元CIA局員の彼はあり余る財産はあれど、人を信じる心は持ち合わせていなかった。彼女が目覚めたら、こう告げるしかないー帰ってくれ、と。『もう一つのクリスマス』魅力的な同僚医師ダンとの将来をかつて密かに考えていたセイラは今、彼の子を妊娠していた。でもそれは切ないことに、不妊症の妹の代理母としてにすぎなかった。セイラの知らぬ間に妹がダンを誘惑して、結婚してしまったのだ。ダンとはもう結ばれることはないと頭ではわかっていても、いまだに彼への想いを断ち切ることができずにいた。そんなある日、セイラは車にはねられそうになり、重傷を負う。ダンが私の身を案じてくれるのは、おなかの赤ちゃんが大切だから。それ以外の気持ちがあるなんて、望むべくもない…。
エマは里親を転々とし、誰にも愛されずに苦労しながら成長した。だからイタリア富豪ニコとも、いつかは別れると覚悟して結婚した。しかし、彼との別れは意外なものだった。結婚後1週間で、彼は飛行機事故により帰らぬ人となってしまったのだ。エマは涙にくれたが、たちまち生活に困窮するようになって、やむにやまれず親切な男性とのプラトニックな結婚を決意する。ところが結婚式当日、亡くなったはずの夫ニコが教会に現れて叫んだ。「異議あり!」怒りの形相とともに彼は花嫁のエマに詰め寄ってきた。実は、彼女にはどうしても結婚しなければならない理由があった。おなかに宿った命ーニコの子供を産んで育てるために。
パーティでシャンパンを飲みすぎて前後不覚に陥った21歳のリリー。翌朝目覚めると、なんと見知らぬベッドの上にいた!バスルームでシャワーを浴びているのは、昨夜知り合った、精悍な顔だちをした年上男性パトリックだ。ああ、なんてことを!リリーは恥ずかしさから別れも告げず、あわてて自宅に逃げ帰った。そこで、はからずもパトリックの素性を知ることになる。彼は、リリーの父が経営する会社の取引銀行の頭取だった。あいにく父の会社は今、財政問題を抱えていて、彼に弱みを握られていた。その夜、彼女の家にパトリックが現れ、脅しまがいの驚くべき提案をした。「僕と結婚するんだ。さもないと、お父さんの会社は…」
信じた男に裏切られ、シングルマザーとなったステファニーは、 4歳になった最愛の娘を育てながら、仕事に打ち込んでいた。 美しく仕事熱心な彼女に求愛者は絶えなかったが、 ステファニーの心に刻まれた男性不信の傷は深かった。 そんなある日、彼女は新しい顧客、ラウル・ラニエと出会う。 莫大な富を持つ若きフランス人実業家は、恐ろしく尊大だった。 娘との時間がなくなるほど遅くまで働かせたうえ、 夜はパーティに同伴するよう要求したのだ。まるで愛人のように。 一瞬でも彼をハンサムだと思った自分が信じられないーー ステファニーは、鼓動が速いのは怒りのせいだと思おうとした。 『愛は脅迫に似て』のミシェルとサンドリン夫妻を覚えていらっしゃいますか? 今作のラウルは、ミシェルの兄。HQロマンスから刊行された初版時、〈パリから来た恋人〉として話題を呼んだ2部作です。ミシェル夫妻ももちろん登場していますよ。
亡き母に代わり、重い心臓病を患う父の世話をしてきたステイシアは、幼い頃から隣の大牧場の長男タナーを慕ってきたが相手にされなかった。ところが彼女が19歳のとき、片想いの恋に転機が訪れる。父の遺言を機に、タナーとステイシアは結婚することになったのだ。さもないとタナーのビジネスに悪影響が及ぶからという理由だったが。しぶしぶ形だけの結婚を選んだ彼はしかし、欲望に負けて妻を抱いた。そしてそんな自分を嫌悪し、新妻を置いてギリシアへ旅立ってしまった。独り取り残されたステイシアは、やがておなかに命が宿ったことを知る。タナーが帰ってきてこのことを知っても、きっと喜ばないでしょうね。だが、妊娠を歓迎されないより不幸な運命が、彼女を待ち受けていたー