ジャンル : 外国の小説
父親の遺言が明かされると、ユーフィーミアは衝撃を受けた。父には借金があり、家族の愛する家が抵当に入っているというのだ。悩んだ末、ユーフィーミアは家を貸すことにした。家賃収入を抵当の支払いに充てれば、大切な家を手放さずにすむ。だが、ようやく見つかった借り手は、思いもよらない人物だった。なんと、父親の最後の治療をめぐって激しく対立したオランダ人医師、ドクター・ファン・ディードレイク。傲慢で無礼な彼とかかわるのはひどく不愉快だが、契約さえ交わしてしまえば、顔を合わせることもないだろう。ユーフィーミアのそんな期待は、ほどなく裏切られる……。
恋人から暴力を受けたスカイは、幼い弟たちを連れ、着の身着のままで逃げ出した。けれど、車が故障してどこにも行けなくなってしまうーどうすればいいの?車を修理するお金もなければ、連絡できる人もいない。困りきったところを助けてくれたのが、ハンサムなイタリア富豪エンツォだった。琥珀色の瞳をした黒髪で長身の彼は、スタッフに怪我を診させ、スカイにハウスキーパーの仕事を提案。エンツォの屋敷に住みこみで働くことになったスカイは、彼に「偽の恋人役を演じてくれないか?」と頼まれて…!?
高級なアートギャラリーで働くニコラには秘密があった。夜はふしだらな姿でナイトクラブのウェイトレスをしているのだ。もちろんそれには理由がある。じつは彼女は父親の顔を知らず、母親にも見捨てられ、学校に通う余裕すらなく弟を養っていた。ある日、ニコラはクラブでギャラリーの顧客、富豪アレッシオと偶然でくわした。問われるまま困窮している事情を明かすが、思いがけない提案をされる。“僕の母親の誕生日パーティに同伴してくれたら、高額の報酬を支払おう”と。人生最高のご褒美。でも私にできるの?ニコラの心は揺れた。
結婚や妊娠を望む相手とはつき合わない。 5年前、彼はそう言って去っていった……。 夫の葬儀の日、クリスティンはアナトールの訪問を受けた。 夫の甥で、一族が率いる企業帝国のCEO、そしてーー元恋人。 彼は私に、伯父を結婚の罠にかけた金目当ての女と、 容赦ない言葉を浴びせるに違いない。 けれど5年前、余命僅かな彼の伯父と結婚したのは、 生まれてくる子に、家と家族を与えるため。 アナトールに捨てられたあと妊娠を知って、 途方にくれていたとき、形だけの結婚を提案されたから。 でも、その事実はアナトールには知られたくない……絶対に。 母の看病で恋に無縁だったヒロインは、恋におちた大富豪との夢のような日々から一転、どん底へ。やがて訪れた皮肉な再会は……。健気なヒロインと傲慢なヒーローのジェットコースター・ロマンスの名手、J・ジェイムズが綴る珠玉のシークレットベビー物語!
「妻としてきみを雇いたい」偶然出会った男性の言葉に、ジャニーンは目をまるくした。彼の名はマックスーロンドンから来たハンサムで裕福な実業家だ。復縁を執拗に求める不実な元妻を追い払うため、ジャニーンに新しい妻のふりをしてほしいのだという。報酬として提示されたのは、途方もない大金だ。ジャニーンが経済的に困っていることを知ったマックスは、臨時の妻役として彼女に白羽の矢を立てたらしい。悩んだあげく、ジャニーンはマックスの提案を受け入れた。愛を信じない男性への報われぬ想いに苦しむはめになるとも知らず。
ーもしも誰かを殺すとなったらどんな手段を選ぶか、陪審員たちはコーヒーカップを片手に語り合う。無実を叫ぶ新聞記者に下された非情の死刑判決。彼を裁いた陪審員が人里離れた山荘で次々と無惨な死を遂げる…。閉鎖空間での連続殺人を描く本格ミステリ!
貧困家庭に育ち、義父から虐待を受けている高校生ビリーは、劣悪な環境から逃れるため、プロのアメフト選手になろうともがいていた。だがシーズンが始まるまさにその日、自宅で義父の死体が発見される。容疑は、前日に義父と喧嘩していたビリーに向くが……。
作家ルーシー・バートンの前夫ウィリアムは、71歳にして人生の荒波に翻弄されている。彼の亡母ゆかりの土地を訪ねる旅に同行することになったルーシーは、結婚生活を振り返りながら、これまでの人生に思いをめぐらせる。『私の名前はルーシー・バートン』姉妹篇
生粋の都会っ子である十三歳の少年、リバー・マクリーンは父親の命令で、楽しかるべき夏休みの五日間を、ブリティッシュコロンビア沿岸のグレート・ベア熱帯雨林で過ごす羽目になる。 『森にさす光の中で』は、北米大陸に現存する最後の熱帯雨林であり、地球で最も美しい野生動物生息地の一つと称される地帯を巡る冒険物語である。 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
ヴィクトリア時代の「ハムエッグ」の驚くべき作り方、炭酸水製造器って何? ほんとうは何を食べていたの? といった食生活の真相からクラス別の収入と生活の違い、下宿屋、パブの利用法から教育事情も、「ホームズと一緒に」調べてみました。2014年3月刊の新装版。
──母の包丁の音、いまも心にこだまする言葉。 〈 すべての記憶が、わたしを支えている〉 韓国文学のトップランナーによる、切なくて、痛くて、おかしな8つの物語。 ーーーーーーーーー 自分をいつも守ってくれた豪快な母。 何もかもがうまくいかなかった、クリスマスの夜の苦さ。 就職難の中で手に入れたささやかな「城」 への闖入者。 死んでしまった母親との、本当の別れ。 大人になろうとする主人公たちの大切な記憶を鮮やかに紡ぐ、作家の自伝的要素も散りばめられた瑞々しい短編小説集。 ■日本の読者のみなさんへ ■堂々たる生活 ■唾がたまる ■クリスマス特選 ■子午線を通過するとき ■包丁の跡 ■祈り ■四角い場所 ■フライデータレコーダ ■作家の言葉 ■訳者あとがき
記憶と鎮魂のファミリー・ヒストリー 第2次世界大戦をきっかけにドイツからカナダへ移住した家族を描く連作短編集。静かで平和に見える一族の生と死が詩情豊かに語られる。点景としてのオリンピック、断片としての家族の歴史。 ーーレニ・リーフェンシュタールが編集したあとの映像から、この話を語ることはできないだろう。何マイルにも及ぶサブプロットや暗示的な映像が切り刻まれて黒いリボンに何度もまとめられ、忘れ去られた。 ーーぼくたち家族の才能は永遠のものだと思っていた。 装釘 宗利淳一 1 結婚式 2 オリンピア 3 ゴーレム 4 ルビー 5 荒天 6 スペイン 7 マドリード上水道 謝辞 訳者あとがき
息子は父に、父は母に、母は息子に殺意を抱く。「すばらしい中国のはなしを語る」という政治キャンペーンを逆手にとり、改革開放から取り残された家族の「声」を再構成した奇妙な物語。現代中国の闇を撃ち、発禁がつづく巨匠による最新作。
第41回 日本SF大賞 特別賞を受賞した立原透耶編纂の中華SFアンソロジーがついに発売。 『時のきざはし 現代中華SF傑作選』に続き、掲載作家は『三体』の著者劉慈欣と並び称される、王晋康や韓松、何夕といったベテランをはじめ、梁清散、陳楸帆、宝樹など、中堅・新人の全15人。陸秋槎氏の新作「杞憂」の初邦訳作品をはじめ、20年前にこのコロナ禍を予言したかのような「死神の口づけ」(潭楷)ほか、SFから幻想譚まで豊富な内容で、表題作「宇宙の果ての本屋」(江波)は本好きなら誰もが感動する一編となっている。
書かないことで文学を生き抜いた詩人、白石(ペクソク) 北朝鮮で詩人としての道を断たれた白石の後半生を、現代韓国文学を代表する作家がよみがえらせた長篇作。 許筠文学作家賞受賞作 「あなた、もう死んだ人。 その冬の谷間であなたも凍りつき、あなたの歌も凍りついた。 でも、春に私はたしかに聞いた。あなたの歌をーー」 望んだけれど叶わなかったこと、 最後の瞬間にどうしても選択できなかったこと、 夜な夜な思い出されることは、ことごとく物語になり小説になる。 「夜は昼のように、昼は夜のように。水は火のように、火は水のように。 悪が善になり、善は悪になる。 その廃墟を見つめること、それが詩人のすることーー」 伝説の天才詩人、白石が筆を折るまでの七年間 一九五七年と一九五八年の間 創作不振の作家たちのための自白委員会 私たちがこの世の果てだと思っていたところ 無我に向かう公務旅行 七年の最後
【英国SF協会賞YA部門受賞】 呪いを解く力をもつ少年と、 かつて呪いにかけられていた少女 呪いを、謎を解きながら旅をする 『嘘の木』の著者が描く唯一無二の世界 〈原野(ワイルズ)〉と呼ばれる沼の森を抱える国ラディスでは、〈小さな仲間〉という生き物がもたらす呪いが人々に大きな影響を与えていた。15歳の少年ケレンは、呪いの糸をほどいて取り除くほどき屋だ。ケレンの相棒は同じく15歳のネトル。彼女はまま母に呪いをかけられ鳥にかえられていたが、ケレンに助けられて以来彼を手伝っている。二人は呪いに悩む人々の依頼を解決し、さまざまな謎を解き明かしながら、原野に分け入り旅をするが……。 英国SF協会賞YA部門受賞。『嘘の木』の著者が唯一無二の世界を描く傑作ファンタジイ。