ジャンル : 外国の小説
ずっと想いを寄せていたトンホンが、恋人と別れた!大学進学を目前に控えたタイミングでチョンラティーは二歳上の幼馴染のトンホンと再会し、失恋で傷ついた彼の側にいることに。今後はずっと一緒にいたいから、絶対にゲイだとバレるわけにはいかない。寮の同室で暮らせるようになって、大学内でも“トンホンの弟”として一番近くにいられるけれど、片思いはどんどん欲深くなってトンホンを手に入れたいと思ってしまう。隣で眠るトンホンにキスをしてみたり葛藤しながらも幸福感を味わっていたが、ある夜、トンホンはなぜかチョンラティーの素肌に触れてきてー!?純情と欲情が入り交じる青春初恋BL人気作の日本語翻訳版!
「ある日のこと、オルロフはえんどう豆のピュレをいやというほど食べて死んだ。クルィロフはそのことを知って、やはり死んだ。スピリドノフは勝手に死んだ」 (「出来事(ケース)」より) 長くソ連では当局に禁止されていたものの、いまやロシアはもとより、欧米諸国でカルト的な人気を集めているダニイル・ハルムス。ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスは、そのミニマルな文体、意味と無意味の戯れ、ユーモアと不条理で、「ロシア文学」のイメージを颯爽と覆す。 代表作である生前未刊行の短篇集『出来事(ケース)』と、訳者がセレクトした短篇38篇からなる旧版に、新たに訳出した10篇〈アンコール・ハルムス〉を加えた増補版として待望の復刊。岸本佐知子氏推薦!
誰もが恐れる宇宙犯罪組織「アニキラシオン」若干20代のそのボスは生まれながら心臓が弱く信頼する部下たちの勧めで心臓移植手術に踏み切ることに…しかし、それが全ての災いの元だったのだ。少女型セクサロイドに義体化されたアニキラシオンのボス「セロン・C・レオネ」とその正体を知らないまま一攫千金を夢見る賞金稼ぎ「ビル・クライド」まったく噛み合わないコンビがそれぞれの目的のために宇宙をさまよい、そして闘いの渦に飲まれていく!?韓国の小説投稿サイトに掲載されるとたちまち人気を誇ったこの作品をローカライズ化!!そのジェットコースターのような軽快なストーリーに魅了されること間違いなし!!
"Think not that dreams appear to the dreamer only at night, the dream of this world of pain appears to us even by day." In this book, famed author Lafcadio Hearn presents 14 fascinating stories--including deathless ghosts and yokai, local folklore and haunted places, as well as Buddhist traditions. This edition includes a new foreword by Michael Dylan Foster which explains the book's importance as a Japanese cultural and literary classic. The Japanese have two kinds of ghosts in their folklore--the spirits of the dead and the spirits of the living. In Ghostly Japan examines both and, in the process, offers a fascinating window into Japan's supernatural and spiritual world. The 14 stories include: ・Fragment"--A young pilgrim encounters a mountain of skulls and is shown a terrible truth ・Ingwa-banashi"--On her deathbed, a dying wife bequeaths to her young rival a sinister and horrific gift ・A Passional Karma"--A spectral beauty transcends death to return for her handsome samurai lover ・Story of a Tengu"--A priest saves the life of a Yokai monk and is granted a wish, but the outcome is not as expected 霊の日本 英文版 再話作家の第一人者であるハーンが日本の霊を描く14編をまとめた短編集。
我らの父祖の言葉は死につつある…… ともに覚醒せよ、皆、ともに覚醒せよ! 現在では牧歌的な風景や美しい海岸のイメージのある、 フランス北西部の半島に位置するブルターニュ。 そこには言語を強奪しようとするフランスからの支配に ペンで抵抗した文学者たちの歴史と、継承が危ぶまれる ブルトン語を守ろうとする人々の現在があった! ======== 【目次】 第一部 受難と抵抗 第一章 抗う人々の歴史 第二章 ブルトン語の受難 第二部 民族主義と文学的営為 第三章 『バルザス= ブレイス』の誕生と「バルザス= ブレイス論争」 第四章 ナショナリズムと国民(民族)文学の黎明 第五章 信仰と郷土愛に生きた詩人ブレイモール 第六章 社会参加の詩人カミーユ・ル・メルシエ・デルム 第七章 ブルトン語文学の創造を希求した作家ロパルス・エモン 第三部 戦後の言語放棄と言語復興運動 第八章 ブルトン語の危機 第九章 ブルターニュ地方の言語政策 第一部 受難と抵抗 第一章 抗う人々の歴史 第二章 ブルトン語の受難 第二部 民族主義と文学的営為 第三章 『バルザス= ブレイス』の誕生と「バルザス= ブレイス論争」 第四章 ナショナリズムと国民(民族)文学の黎明 第五章 信仰と郷土愛に生きた詩人ブレイモール 第六章 社会参加の詩人カミーユ・ル・メルシエ・デルム 第七章 ブルトン語文学の創造を希求した作家ロパルス・エモン 第三部 戦後の言語放棄と言語復興運動 第八章 ブルトン語の危機 第九章 ブルターニュ地方の言語政策
映画のように書き、小説のように撮る…… のちに世界有数の映像作家となった 映画監督イ・チャンドンによる傑作小説集 待望の日本語訳刊行! 映画監督として世界中にファンを持つ韓国の作家イ・チャンドンが、かつて小説家として発表し、「映像の世界への転換点となった」と自ら振り返る小説集、『鹿川は糞に塗れて(原題 『이창동 소설집 녹천에는 똥이 많다』)(1992)の邦訳。 収録される5作品はそれぞれ、朝鮮半島の南北分断、そこに生まれた独裁政治下の暴力、その後の経済発展がもたらした産業化や都市化に伴う諸問題などを背景にしている。すべての登場人物は、分断や社会矛盾の犠牲になって生きる「ごく普通の人びと」。 膨大な量のゴミで埋め立てられた地盤と労働者たちの排泄物の上に輝く経済発展、そしてそこに生まれた中間層の生活の構造を、作家イ・チャンドンは「糞に塗れている」と看破し、そこに生きる市民たちの悲喜交々の生を問う極上の物語を紡ぎ出す。 第25回韓国日報文学賞受賞 〔目次〕 本当の男 龍泉(ヨンチョン)ベンイ 運命について 鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて 星あかり あとがき 訳者あとがき
ドイツの古城、 妖精の森へようこそ 『フランケンシュタイン』「吸血鬼」を生んだーーそのきっかけの書。 幽霊の花嫁、妖精の女王、死の舞踏、魔法の鏡、七里靴…… 初期英国ゴシックがドイツの深い森の伝説と結びつき、中世を再発見しドイツ・ロマン派となり花開く。 1816年夏スイス・レマン湖畔ーー バイロン卿、ジョン・ポリドリ、のちのシェリー夫妻らが無聊をなぐさめるために思いついたのは、本書の仏語版『ファンタスマゴリアーナ』の朗読。 大いに震撼させられた4人は、一篇ずつ怪奇譚を書こうと思いつく……。 いわゆる「ディオダティ荘の怪奇談義」であるーー かくして、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』とポリドリ「吸血鬼」が生まれ、ゴシックの本場英国に逆輸入される。 『ファンタスマゴリアーナ』に収録された作品を中心に、ドイツ語原書から、オペラで名高い「魔弾の射手」など厳選の恐怖小説を加えた15篇。 グリム兄弟と同時代、E.T.A.ホフマンにも影響を与えた伝説の幽霊アンソロジーの全貌が明らかに。 美麗函入り。 【目次】 まえがき フリードリヒ・ラウン 魔弾の射手 ヨハン・アウグスト・アーペル 先祖の肖像画 ヨハン・アウグスト・アーペル 髑髏 フリードリヒ・ラウン 死の花嫁 フリードリヒ・ラウン 幽冥界との交感 フリードリヒ・ラウン 亡き夫の霊 フリードリヒ・ラウン 灰色の客間ーー文字通り本当にあった話 ハインリヒ・クラウレン 黒の小部屋 ヨハン・アウグスト・アーペル 灰色の客間〔続〕 ハインリヒ・クラウレン 理想 フリードリヒ・ラウン 花嫁の宝飾 ヨハン・アウグスト・アーペル 逸話三篇 ヨハン・アウグスト・アーペル 一 幽霊の城 二 霊の呼ぶ声 三 死の舞踏 クララ・モンゴメリーーー聖**ゲの騎士の手稿より ヨハン・アウグスト・アーペル あとがき ヨハン・アウグスト・アーペル ✺ 附録 序文(フランス語版『ファンタスマゴリアーナ』) 序(英語版『死の物語集』) 訳者解説 まえがき フリードリヒ・ラウン 魔弾の射手 ヨハン・アウグスト・アーペル 先祖の肖像画 ヨハン・アウグスト・アーペル 髑髏 フリードリヒ・ラウン 死の花嫁 フリードリヒ・ラウン 幽冥界との交感 フリードリヒ・ラウン 亡き夫の霊 フリードリヒ・ラウン 灰色の客間ーー文字通り本当にあった話 ハインリヒ・クラウレン 黒の小部屋 ヨハン・アウグスト・アーペル 灰色の客間〔続〕 ハインリヒ・クラウレン 理想 フリードリヒ・ラウン 花嫁の宝飾 ヨハン・アウグスト・アーペル 逸話三篇 ヨハン・アウグスト・アーペル 一 幽霊の城 二 霊の呼ぶ声 三 死の舞踏 クララ・モンゴメリーーー聖**ゲの騎士の手稿より ヨハン・アウグスト・アーペル あとがき ヨハン・アウグスト・アーペル ✺ 附録 序文(フランス語版『ファンタスマゴリアーナ』) 序(英語版『死の物語集』) 訳者解説
リリーとアトラスが過去と向き合い、新たなスタートを切るまでの心の軌跡。『イット・エンズ・ウィズ・アス』待望の続篇!
次期国王と、しがないナニー。 実るはずもなかった身分違いの恋はーー!? 自分が養女と知ってショックを受けた小学校教師のケイトは、 すべて断ち切りたくて、遠い異国でナニーの職を得た。 雇い主の次期国王マルコは、黄金色の肌と黒く凜々しい眉、 セクシーな唇を持つ、彫刻のように美しい男性。 政略結婚した妻がお産で亡くなったあと、幼い娘と距離を取り、 戯れの恋に興じているという。雇い主、それもプレイボーイに 恋するなんて愚か者のすることよ。それでも彼に惹かれる気持ちは 止められず、ケイトはついにある夜、マルコに身を捧げた。 やがてマルコに求婚され、天にも昇る心地になるがーー。 「結婚は娘のためだ」マルコの言葉は冷たく耳に響いた。 政略結婚した不仲な両親のもとに育ち、愛など信じたことのない孤独な傲慢ヒーローと、実の両親だと信じていた人たちに裏切られ傷ついたヒロイン。読み書きに障害を持つヒーローの娘が恋のキューピッド役となる、キム・ローレンスの珠玉のダイバーシティ作品!
私は身分違いの招かれざる花嫁。 愛を望んではいけない。 カフェで働くポーシャは、貧しい青年の客に言い寄られ、 熱意にほだされて結婚の約束をした。ところが身ごもった直後、 彼とまったく連絡がつかなくなった。いったい何があったの? ふと手にした新聞の一面を見て、彼女は凍りついた。彼が事故死? しかも、じつはイタリア財閥の次男で、妻までいたなんて……。 秘密裏に出産したポーシャの前に、ある夜、美麗な紳士が現れる。 赤ん坊の伯父にあたるルチェンゾは、ポーシャ母子をイタリアへ 招くために来たのだと、蔑みに満ちた冷たい目で告げた。 本当は息子を奪いに来たのでしょう? この子は私が守るわ。 息子をしっかりと胸に抱き、ポーシャは覚悟を決めた。 今は亡き王道ロマンスの大家、ダイアナ・ハミルトンの珠玉作です。思いがけず大財閥の跡継ぎを身ごもり、密かにひとりで産み育てようとしていたヒロイン。彼女を金目当ての女と決めつけて冷淡に扱っていたヒーローから、不躾に愛のない求婚をされて……。
秘書のわたしがボスの子供を産む? しかも愛情はまったく抜きで! 「代理出産してくれる女性を早急に探してくれ」 胸がうずくほど魅力的なボスーールーク・ガルニエの突然の命令に、 秘書のヘイリーは言葉をなくした。 将来、会社の経営を任せられる後継者が必要になったという。 密かにボスを想い続けてきたヘイリーは、 ほかの女性がルークの子供を産むと考えただけで打ちのめされ、 入社5年目にして初めて早退し、翌日も会社を休んだ。 すると驚いたことに、ルークが家まで訪ねてきた。 彼は理想的な候補者を見つけたと言いながらヘイリーの手を取った。 「ヘイリー、ぼくの子供を産んでくれないか?」 子供を作るだけでなく、ベッドも共にしたいと言われ、ボスを愛しているヒロインは誘惑に負けてしまいます。けれど度重なる甘い蜜のような戯れに溺れる自分に打ちひしがれ……。寡作ながらも熱狂的な読者の多いキャシー・ディノスキーの名作をお見逃しなく!
彼がほかの女性を愛していると知りながら、 私は花嫁になったーーおなかの子のために。 人生でいちばん緊張した顔で、クレアは贅沢なソファに座っていた。 数カ月前、彼女は偶然出会ったレイフに惹かれ、純潔を捧げた。 でもまさか、彼が異国の王子だったなんて。 彼女は勇気を振り絞って、レイフに妊娠したと告白した。 誠実で高潔な彼の対応は早かった。赤ん坊を嫡出子にするために クレアに結婚を申しこみ、身重の彼女をなにかと気づかってくれた。 中絶を望まれるとばかり思っていたので、クレアはほっとした。 王子の花嫁なんて恐れ多いけれど、赤ちゃんのためにがんばろう。 しかしレイフの次の言葉で、彼女の前向きな気持ちは打ち砕かれた。 「君と結婚はするが、僕には長年思いを寄せている人がいる」 HQロマンスはおかげさまで3800号を迎えました。大切な読者のみなさまに感謝をこめてリン・グレアムの作品をお届けいたします。巻頭には作家からのメッセージも収録。ヒーローと彼が愛する女性、夫を愛してしまったヒロインの切ない三角関係の行方は……。
誰にも知られず、15年。 大富豪が心に秘めた究極の愛。 1年半前に、子爵だった夫と息子を不慮の事故で亡くしたビクトリア。 ある日、爵位を継いだ義理の弟からディナーに招待され、 彼女はかつて自分が家族と幸せに暮らした子爵の館を訪れた。 そこで現子爵夫人が跡継ぎを懐妊したことを知り、 心からの祝福の気持ちと、胸が張り裂けそうなほどの喪失感が交錯した。 複雑な胸中から思わず中座した彼女を追いかけてきたのは、 15年来の友人で大富豪のフィンだった。 彼に励まされるうち、やがて一線を越えてしまうが、 ビクトリアの心はいまだ亡き夫への想いに揺れていた。 そのとき、おなかの中に小さな命がめばえたことなど知る由もなく……。 幸せであるほど、それを失ったときの悲しみは深いもの。愛する家族を失い、自分だけ幸せになってはいけないーーそんな思いがビクトリアの新たな恋に踏み出す勇気をはばむ、切なくも美しい物語をお贈りします。『子爵がくれたガラスの靴』(I-2747)の関連作。
ジュリエットは仕事先での思いがけない再会に、息をのんだ。10年前の魅力もそのままに現れた敏腕医師、フィンー彼女がよく知りながらもずっと避けてきた男性。18歳でジュリエットが兄の親友だったフィンの子を身ごもったとき、彼は責任をとるために彼女との結婚を決めた。ところが、不幸にも結婚式の2週間前に流産してしまうと、彼は子供のために結婚しようとしていただけだと信じるジュリエットは、愛されぬ花嫁になりたくないと、逃げ出したのだった。いま、愛するフィンを前にしてよみがえってきたつらい記憶が、ジュリエットの胸を容赦なくえぐって…。
もしもこの子を奪われたら、 どうやって生きていけばいいかわからない。 母亡き幼いトビーを我が子のように大切に育てているリリー。 そろそろ高い教育を受けさせてやりたいと考えていたとき、 異国から戻ってきたばかりのハンサムなレオ・デヴェローと知り合う。 レオがトビーの家庭教師をしてくれることになったのを機に、 リリーは彼に友情を、いや、それ以上の好意を抱き始めた。 一方、レオには秘密があったーー7年前、美しい女性と恋に落ち、 父には言わずに結婚したが、すぐに引き裂かれて異国へ追いやられた。 そして最近になって、じつは息子が生まれていたことを知ったのだ! トビーが本当に我が子かどうかを確かめるために、 レオはテイン公爵という身分を隠して、ここへやってきたのだった……。 共感できるヒロインが魅力のシンデレラ・リージェンシーを描く、話題の作家サラ・マロリー! レオはトビーが我が子とわかった時点で、リリーに荷造りを命じます。しかし、愛しいトビーを奪われては生きていけないと、彼女は夜陰に紛れて逃亡し……。
妻にはぜひ慎ましい女性を選ぼうーー まさに彼女とは正反対の。 しおれた花束を手に、クラリサはメイドのお古を着て広場に立っていた。 舞踏会の夜、不良貴族に臆病者呼ばわりされて黙っていられず、 花売り娘になれるか否かという賭けに応じてしまったのだ。 レディが一人で夜の暗がりに立つなど危険すぎることも忘れて。 案の定、通りがかりの粗暴な大男に路地裏へ引きずり込まれ、 絶体絶命と思われたそのとき、長身の救世主が颯爽と現れた。 彼の正体は、訳あって花嫁探しをしている不機嫌な子爵、シンジン! 先ほどの舞踏会でクラリサに向かって、妻に求める条件を満たさないーー 慎みがなく、率直さも、節度もないと言い放った男性だ。 ああ! こんな惨めな姿を、誰よりも見られたくなかった相手なのに……。 華やかなリージェンシーの旗手、ジュリア・ジャスティスの名作をお届けいたします。顔を合わせるたび、クラリサはシンジンに背を向けられてきました。けれども暴漢から救われたのを機に、ほかの貴族とは異なる彼に強く惹かれ始めている自分に気づいて……。
この胸の震えは、いったい何? 傲慢な大富豪への恐怖? それとも……。 11年前、タニアは若気の至りで予期せぬ妊娠をし、独りで出産した。 娘のために都会を離れてチェシャーの小さな町に引っ越した今、 念願の子供靴専門店を開き、新生活を始めようとしているところだ。 身寄りのない母と子だけの生活は苦しかった……。でもこれからは、 大事な一人娘に古着以外の服だって買ってあげられるかもしれない。 そこへ、町の有力者で大富豪のジェイムズが現れ、不穏な言葉を放った。 「義弟に手を出すのはやめろ。さもないと、あらゆる手段で店を妨害する」 いったい何のこと? 完全な言いがかりだわ! 身に覚えがないというタニアの抗議に耳も貸さず、 24時間以内に返事をしろと言い置いて、ジェイムズは去っていった。 冷たい瞳の大富豪ジェイムズは、腹違いの妹とその夫の間をタニアが引き裂こうとしていると思い、怒りのあまり彼女を脅迫します。一方、タニアも彼の脅迫には絶対に屈しないと宣言して……。惹かれ合う男女ならではの激しい火花が散る、P・ジョーダンの名作!
踊れないシンデレラは逃げ出したーー 白馬の王子に恋してしまうのが怖くて。 幼いときに親と死に別れたレイナは、若くして結婚と離婚を経験し、 二度と不実で傲慢な男性にはかかわらないと心に誓っていた。 あるとき、親友の結婚披露宴のためにギリシアを訪れ、 街で美神を彷彿とさせる黒髪の男性とぶつかりそうになった。 ほんの一瞬だったのに、彼の顔はレイナのまぶたの裏に焼きついた。 翌日、披露宴で花婿付添人を見た彼女は思わず息をのんだーー昨日の彼! その正体は、ギリシア屈指の大富豪アキス・ジアノポウロスだった。 宴の後、ホテルまでリムジンで送ってくれた彼に胸を高鳴らせる一方、 レイナの心は沈んだ。また恋に落ちて傷つくのは、耐えられない……。 恋心を戒めると、レイナは名も告げずに彼のもとから逃げ出した! ギリシア語を話せない名もなきヒロインのゆくえを、懸命に捜し始めるヒーロー。その姿はさながら、消えたシンデレラを追いかける王子様のようで……。