出版社 : ドワンゴ
「バスを停めてください。さもないと、ぶっ放しますよ?」歌手と女優を目指し、普段は異世界・並行世界での仕事に奔走する女子高生ユキノ・レイ。しかし、この日レイが握りしめるのはマイクではなく、リボルバー式の拳銃だった。並行世界の日本・アクアラインでバスジャックに乗り出したレイは、人質を取り、警察との交渉に応じるどころか、その様子を配信で中継し始める。突然の凶行に及んだレイは、全世界に一体何を語るのかー。(「世のため人のため」)他、全6話を収録。
「人食い鮫ヴォイド」が死の直前に産み落とした遺産ー“カナデ”がついにその姿を現した。カナデはサメとは思えない驚異的な知能と戦闘力で己の存在を狙うテロ組織『カリュブディス』の敵を次々と喰い殺していったが、人間の域を遥かに超えた強さを持つ女傭兵・イルヴァとの激闘の末に敗北する。瀕死の重傷を負い、海に流されたカナデ。しかし、流れ着いた先でのある少女との邂逅により、物語は一気に動き出す。己の正体は希望か災厄か。その答えを求め、最凶は捕食し進化するー。『デュラララ!!』『バッカーノ!』著者・成田良悟が放つ究極の“サメ”エンタテインメント小説、ついに完結!
安楽死が合法化されている2040年、神奈川県・江ノ島を望む“ラストリゾート”。この場所で死を願う人々と向き合う“人命幇助者”の東峰渚は、かつて自らも安楽死を望んでいた。だからこそ、寄り添える痛みがあると信じたい。あの時の自分を照らしてくれたような、誰かの希望の光になりたいと願っている。それがたとえ、最も許せない人であっても。生きる辛さ、その孤独に優しく寄り添う。SNSで話題を呼んだ『レゾンデートルの祈り』、待望の続編。
遙か銀河の彼方ー賞金首として悪名高いアモンと、その相棒でエルフの魔法使いエルは、欲望のまま宇宙を旅するギャラクシーギャング。願いを叶えるという秘宝「レリック」を盗み出した二人は、追手から逃げるため惑星ヴェノルの荒野を駆けていた。そこで出会ったのは、ギャングに追われる謎の美少女シーカ・ドルレオーネ。彼女は、銀河を支配する組織「アヴィド」のボス・ドルレオーネの娘だった。そんなシーカに特別ギラギラしたものを感じたアモンは、危険な香りを感じながらも近づくのだが…!?無茶と無媒を貫き通す弾丸ギャングスターが、欲望まみれの大騒動を引き起こす!
生まれてこの方、須磨軒人に安心できる場所はなかった。どこにいてもお化けに苛まれる。人に憑りつき、人を殺す“真っ黒なお化け”に。そのために友達もできず、お化けに対して理解を示そうともしない父親とも縁を切るはめに。しかし、結婚し、家族を持った軒人は、もう逃げるわけにはいかない。なぜ自分にばかりお化けが出てくるのか?父は本当にお化けが見えなかったのか?お化けとは一体何なのか?謎を抱えたまま、軒人はある霊能者を頼ることになるがー。
この世界では“カミ”に優れた歌と踊りー『舞奏』を奉じれば、どんな願いでも叶うという。六原三言には叶えたい願いがなかった。類まれなる才能に恵まれ、それ故に孤独でもあったが、ただ“カミ”のために舞奏を極められればそれで良かった。しかし、皋所縁はその違和感を見逃さない。探偵を辞め、とある願いを叶えるため必死に舞奏に喰らいついてきた皋は、三言のような人間を理解できなかったー。斜線堂有紀が挑む「ライフワーク」であり壮大な伝奇ミステリ。謎を秘めた青年達の才能と業、願いをめぐる物語が幕を開ける。
現代にも人間に化け、何食わぬ顔で社会に紛れ込み生活している「あやかし」たちがいる。幼い頃からそんな者たちが見えるおかげで、恋も仕事も失敗だらけの福来てまり。お人好しの彼女は、たった今も署さに苦しむ雪女へ氷水をかけ、誤解から仕事をクビになりたてほやほやだ。だが、捨てる人あれば拾うあやかしあり。途方に暮れるてまりの前に、幼馴染みの天狐・九曜が現れる。「お前のご主人様を忘れるな」-九曜が営む結婚相談所「月下楼」に拾われて働くことになったてまりだが、そのお客様とは一風変わったあやかしたちばかりで…!?読んで心も幸せに。ご縁を呼び込む令和のあやかし婚礼ストーリー。
光魔法を得意とする「光魔法のジェレミ」ことジェレマイヤ・エル・バルドは、優秀で努力家だが学生時代から何をやっても二番手だった。そのため、いつも自分を超えて一番の座にいる「闇魔法のヨアン」に張り合ってきたが、ヨアンには全く相手にされていないどころか名前も覚えられていない。ある日、ジェレミは客から依頼された呪い魔法の錬成に失敗して、目ん玉ひとつで手足は短め四つん這い(鳴き声は「ゲゲッ」)の、手乗りサイズのゲテモノになってしまう。元に戻る術もないジェレミが困り果てて力尽きていたところを、一方的にライバル視しているヨアンに拾われて、「ゲテモノのゲゲ」として一緒に暮らすことに。そんなある日、魔獣を操り悪事を働く悪い魔法使い、そして魔獣を含めたゲテモノが大好きなジャギラが“ゲゲ”を攫ってしまい…。
古代日本史における衝撃的な新説を説いた論文が盗まれたー。大学教授だった亡き父の最後の論文が誰かに盗まれたと疑いを持った篠宮奈流美は、消えた父の論文の手がかりを探すため生前父と交流のあった糸魚川の郷土史家・衿角家を訪ねた。学者並みの知識を持つ青年、児嶋陸を紹介された奈流美は、父から聞いていたヘビ、ハチ、ムカデ、そして出雲大社というキーワードから消えた論文の捜索の協力を陸に求める。果たして論文は本当に誰かに盗まれたのか、そして解き明かされる古代日本人たちが体感していた神秘とはー。
「私、雷に打たれたいんだよね」僕の隣で、千歳さんがそう呟いた。いつも制服の下にハイネックのシャツを着ている風変わりなクラスメイト。彼女に頼み込まれてこの夏、雷を“落とす”ための避雷針作りを手伝わされることに。何でもなかったはずの僕の日常が、彼女によって少しずつ彩られていく。きっと、千歳さんは何かを隠している。それでも千歳さんと一緒にいたくて、ずっとこんな日が続けばいいのにと思っていた。彼女の“ひび割れ”にも気づけないまま…。ゆっくりと進む恋と痛み。少年と少女が“心”を見つけるひと夏の物語。II Vクリエイターアワード“小説部門賞”受賞作。
「人食い鮫ヴォイド」。それが全ての始まりだったー。かつて248人もの命を奪う未曽有の獣害を引き起こした怪物は、若き天才研究者の紅矢倉雫によって退治された。10年後ー海上に作られた移動型海上研究都市「龍宮」では、科学技術研究や海洋実験が盛んに行われている。しかし、そこには恐ろしい“遺産”が隠されていてー。ある者はその存在に恐れを抱き、ある者はその存在を求め、またある者はその存在に希望の光を見出そうとしていた。その隠された“遺産”とは人類の希望か、それとも絶望か。
夢見る風俗嬢、童貞大学生、不妊の元主婦、ゲイを隠す夫、生きる希望を失くし集団自殺をした四人に訪れた奇跡ー。大阪の安アパート「詩名内荘」に住む四人の住人たちは、偶然にも時を同じくして取り返しのつかない“罪”を犯してしまう。生きる希望を失った四人は集団自殺を決行するが、何故か目を覚まし罪を犯す前に時が戻っていた。人生をやり直すチャンスを得た四人は、罪を犯さぬように行動するが、どこかで歯車が狂っていきー。犯罪×タイムループ×タイムリミットー閉塞感でがんじがらめのハイスピード群像劇。
「ねえ、秘密のアプリって知ってる?」いつものように教室の片隅にいると、楽しそうな女子たちの噂話が聞こえてきた。“過去を自由に変えられる”という夢のようなアプリ。みんな噂話だとわかっているけど「あったらどうする?」と話題が絶えない。もし僕だったらどんな過去を変えるだろう?きっと「僕を『普通』の人間にして下さい」こう願うかな…。次の日、いつものように登校するとー友人の三宮春乃が消えてしまっていた。何故だかみんな春乃のことを憶えてないようだ。まるで元からいなかったみたいに。「誰かが“アプリ”を使って、この世から春乃が存在した過去を消した?」-秘密のアプリは夢なんか与えない。その日から噂は現実となり、僕たちの『普通』は壊れていった。II Vクリエイターアワード小説部門“最優秀賞”受賞作。
リトラは英雄の魂を導いた経験が無いポンコツすぎる戦乙女。死にそうな英雄を見ると、つい助けてしまうお人好しで上司の大神オーディン(ツルペタ幼女)からは「不死者を倒すか、スカウトもできないならばオーバーイーツ担当(地上のスイーツグルメをオーディンに届けるパシリ)にするぞ」と言われ、降格させられそうな危機を迎えていた。そんな絶賛ピンチなリトラは、強い魔力を持っていながら何故かスカウトされなかった、殴る治癒術士ネクロと出会う。彼は冥界の女神ヘル(悪いお姉さん)によって「不死者」に転生させられてしまった不幸な英雄。死者を導く神が嫌いなツンデレ暴君のネクロとすったもんだがありまして(省略)、リトラは彼とコンビを組んで、世にはびこる悪の不死者を退治することに…!?ヴァルハラすぎる不死者と、ポンコツすぎる戦乙女の不死を巡る大冒険が今ここに始まっちゃう…みたいです!
「そのプロデューサーはクソ野郎だ」レイは、因幡が“クソ野郎”だと称する人気プロデューサーが新しく手掛ける新人アイドルグループの、デビュー前合宿に参加することに。雪深い地に建てられた豪華ホテルを改装した合宿所は、吹雪により外界から閉ざされた“クローズド・サークル”と化した。アイドル候補生たちの間に流れる不穏な雰囲気の中、候補生たちにとって招かれざる客であるレイの身に危険が迫るー!(「アイドルグループ候補者殺人事件 前編・後編」)他、全7話を収録。
タカヤは代々除霊師を輩出する有名な寺の跡取り息子。しかし、本人は除霊師のパートナーと言える使い魔も持たず、ある理由から除霊もできないポンコツ除霊師。ある日、「ゆうやけ公園」で白いモフモフのポメラニアン…もとい、狛犬の「しろがね」と出会い、使い魔を得たタカヤの人生は一変する(およそ、大変な方向で…)。これは未練を残した厄介で訳ありな幽霊たちを助けるため、新米除霊師と白いモフモフが奮闘する、泣いて笑えるハートフル“助”霊物語。
触れたモノの“色”にまつわる大切な記憶が視えてしまう少女・藤宮紅。その体質が原因で人付き合いがうまくいかず悩んでいた彼女は、心機一転、幼い頃に見た「思い出の和菓子」を訪ねて、いざ京都へ。そこで和菓子屋『静閑堂』の店主・大江樒と出会い、紅の人生は徐々に色づき始めていく。他界した妻が残した紺碧の謎、さる貴人に頼まれた奇妙な注文、すれ違いの祝い菓子など『静閑堂』では様々な想いと悩みを持つ者との出会いが待っていて…。
至福の島のエルフに「死」という概念はない。女神アナが創生した「リア・ファイル・システム」により転生を繰り返すだけである。それゆえ「哀しみ」は失われつつあり、あまつさえ大教主マクリールは他の感情すらも禁じるようになっていた。ハイブラゼル空軍隊長で高位エルフのルゥは、真銀製戦闘機“アンバール”を駆り、今日も敵国将軍を撃墜し「英雄」の名を知らしめた。だが、心の片隅では「畏れ」の感情を秘め、偽りの英雄を装っている。72回もの転生により失った記憶の断片に苛まれ、大教主の戒律に疑問を持ち始めていた。そんなある日、ルゥは感情豊かな少女ブリジッドと出会い、懐かしさにも似た不思議な感情を抱くのだが…。
魔空士アミンと相棒の魔包少女(エーテルキャット)ミーリアは、魔力で動く戦闘機・魔空艇で大空を駆ける自由気ままな暮らしを楽しんでいた。ある日、荒くれものの空賊を次々と撃ち墜とす『赤い亡霊』の噂を聞きつけたアミンたちは、仲間の敵討ちのため赤い亡霊と一戦交え、壮絶な死闘の末相打ちに。すさまじい操縦を見せた艇から姿を現したのは、フードを被った謎の美少女。この出会いからアミンたちは世界の命運を握る争いに巻き込まれることにー!