出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ティナはまだ、ニックの妻になったことを実感できずにいた。 彼の異母弟バシリ・レアンドロスさえ事故で亡くならなければ、 こんなおかしな事態にはならなかっただろう。 いま、ティナのおなかにはバシリの子がいる。その子に レアンドロスの姓を名乗らせ、安定した生活を与えるべきだと 強く説得され、大富豪ニックとの偽装結婚に踏み切ったのだ。 しかし、ティナはたちまち激しい後悔に苛まれ始める。 名目だけの妻なのに、どうして彼を愛してしまったんだろうと。 しかもティナには誰にも言えない、いとわしい“傷”があった。
12歳のとき、マーリンは父を亡くし、 大富豪スタンホープ一族に引き取られた。15歳のとき、 その子息ブレイズにキスをされて、愛し合うようになった。 そして17歳のとき、彼への想いは無残に打ち砕かれたのだ。 ブレイズのいとこに、泥棒の濡れ衣を着せられたうえに、 マーリンと関係があったと嘘をつかれ、 それがブレイズの逆鱗に触れた。ただの一言も信じてくれず、 執拗に苛まれる苦痛に耐えかねて、マーリンは彼から逃げ出した。 身ごもっているとブレイズに告げられないまま……。
ジュディ・ランハムーー映画スターの名前にぴったりね。 気ままな義姉のそのひとことが、すべての悲劇の始まりだった。 女優の義姉は、ジュディの名前を芸名にしてしまったのだ。 ある日、ジュディ宛に一通の手紙が届く。それは義姉への ギリシア人億万長者ビダスからのプロポーズの手紙だった。 理由なき求婚。義姉は彼に会ったことすらないという。 ところが、義姉の留守中に、ビダスがジュディを訪ねてきて、 応対したジュディを、自分のジュディと思い込んだ。そして…… ジュディは永遠に囚われた。彼が余命半年だとも知らずに。
ショーナは念願の社長秘書の仕事を手に入れた。給料も申し分ないうえに、住居まで提供されるというが、社長のマックスは鼻持ちならない色男で、こう警告したのだ。君の前任の秘書は僕に恋して仕事を失った、と。いくら雑誌で“結婚したい男性50人”に選ばれたとしても、私はこんなうぬぼれ屋になんか興味がないわ。そう思っていたショーナの自信は、だが、すぐに打ち砕かれた。提供される住居とは、会社の最上階の豪華なペントハウス。彼女はマックスと一つ屋根の下で暮らすことになったのだ。
二人が結婚しなければ、牧場を競売にかけるーー そうお互いのおじに遺言を残された、ジリアンとセオドア。 幼いころから知っているセオドアを慕ってはいたけれど、 ジリアンには彼との結婚を素直に喜べない事情があった。 彼女には、暴行されかけた過去があったのだ。しかも二度も。 一度目は15歳のときに。次は16歳のときに。 そのときのトラウマのせいで、どうしても男性を恐れてしまう。 しかも、犯人のひとりが出所し、過去を吹聴し始めたせいで、 セオドアにも白い目で見られている気がして……。
下半身不随だったデヴォンは、ある日、恐ろしい事実を知る。彼女の莫大な手術費用を捻出するため、父が横領したというのだ。父を救おうと、社長のグラントに慈悲を乞うも、彼は信じようとしない。どころか、デヴォンを放蕩娘と決めつけ、代償として、18歳の娘には酷すぎる愛人契約を申し付けた。「僕が飽きるまで、いいなりになるなら考えてもいい」とー。だが初めての夜、彼が一瞬、息をのんだのがわかった。傲慢な笑みを浮かべ、デヴォンの裸を月光に晒したグラントは、抉られたような深い手術傷を、彼女の腰に見つけたからだ。
シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。「見ざる、聞かざる、言わざる」になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す手口で、長年捜査を進める刑事ポーターも未だその尻尾を掴めずにいた。だが事態は急変するー四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ。しかも防犯カメラにより、ただの事故ではなく自殺と判明。所持品には四猿の日記が。日記を読み始めたポーターは、新たな歪んだゲームに呑まれていく…。
誰もがうらやむ美貌の持ち主でも、サハラには隠し通してきた傷があった。名家の主人と使用人のあいだに生まれた彼女は、その美しい容姿に目をつけた女主人に無理矢理引きとられ、気の向くときだけ“名家の令嬢”を演じさせられてきたのだ。大人になり、独立して、ようやく手に入れた平穏な日々も束の間、サハラは何者かに命を狙われ始める。過去の影に怯える彼女の前に現れたのは、最強ボディガードとして名高いブレンダンだった。優しくたくましい腕に24時間守られるうち、かたくなに生きてきたサハラの心は少しずつ解けていき…。
15歳のときに、淡い想いを抱いていた人に傷つけられて、アナベルは心を閉ざした。それ以来、誰にも愛されず、誰も愛せず、たった一人で生きてきた彼女のもとに、暗い目をした精悍な男性ラッシュが現れる。孤児院で育ち、里親の家で虐待され、不遇の人生を歩んできたという彼は、自分の素性を知りたくて、記憶の片隅に残っていたオルゴールを手に訪ねてきたのだ。確かにそのオルゴールは昔、アナベルの屋敷にあったものだ。その意味することを考えもせず、アナベルは彼に惹かれる。この恋心が大きな悲劇に繋がるとは夢にも思わずに。
こんなにも彩りに溢れた世界があるなんて、知らなかったーー 19世紀英国に舞い降りたシンデレラ・ストーリー! 煙突掃除人の娘ジェマイマはある日、余興のため貴族の結婚式に呼ばれた。上 流階級の人に囲まれ居心地悪く佇んでいたところ優しく声をかけてきたのが、 見目麗しいセルボーン伯爵ーー思わず胸ときめかせるジェマイマだが、もちろ ん彼は住む世界の違う人。もう二度と会うこともないだろうと思っていた数日 後、その伯爵がジェマイマの家を訪ね、あろうことか便宜結婚を申し込んでく る。聞けば亡父の遺言で花嫁を迎えないと遺産が手に入らないらしい。「結婚 してもきみはきみ、ぼくはぼくで暮らそう」思わぬ申し出にジェマイマは……。
ローレルはひとり、美しく悲劇的なローレライ伝説の地を訪れた。 ライン河畔の城には、祖母の元恋人である老男爵が住んでいる。 若き日のふたりは深く愛しあい、結婚を約束しながらも、 身分の差に引き裂かれて、ついに結ばれることはなかったという。 男爵に祖母の形見を贈り、最期まで愛していたと伝えたい。 庭にいた少年に声をかけ、導かれるまま城の中へ入っていくと、 ローレルそっくりの女性が描かれた肖像画が目に飛び込んできた。 これは昔の祖母……そのとき怒声が響いた。「なにをしている?」 振り向くと、古い写真で見た男爵に瓜二つの男性が立っていた。
書店経営者のフランチェスカはまたしても恋に失敗した。地味で冴えない私を愛してくれる人はいないのかもしれない…。打ちのめされた気持ちのまま出版社の催すパーティに赴くと、ある小国の眉目秀麗な王子が執筆した本が話題を独占している。講演を依頼しようと王子を捜しているとき、男に声をかけられた。話の流れで、王子が称号を振りかざしていると力説したフランチェスカに、男は興味を引かれたようだ。見知らぬ男にときめきながらも、彼女はその場を後にした。まさか、彼がコンラッド王子本人とは気づきもせずに。
愛を失い、おなかの赤ちゃんも失った。 彼はこれ以上、私からなにを奪うの? 元恋人アレクシスが、父の会社を吸収した会社のトップだと知り、 ナタリアは悪夢を見ているのかと思った。 アレクシスが突然姿を消したせいで、私は生き地獄を味わった。 彼をさがす間に、私が流産してから5年がたつ。 私の愛とおなかの子を捨てた人の下で働くなんて、冗談じゃない! だが非情なアレクシスは、ナタリアに父の横領と不倫をつきつけ、 世間に公表されたくなければ、彼に従えと脅してきた。 母を誰よりも大切に思っている彼女に、選択肢はなかった。 かつて愛したアレクシスに、憎まれる日々が待っているとしても。 ハーレクイン・ロマンスを代表する作家の一人、ヘレン・ビアンチンが帰ってきました! 生涯をともにしたいと願った男性に捨てられたうえ、父の会社まで奪われ、ヒーローに服従するよう強要されるヒロイン。さらには、彼に愛された記憶にまで苦しめられ……。
灼熱の愛は儚く消えるーー 彼の最も輝ける日に。 「君を我がスイートへ連れていこうと考えている」 ザジニア国の美しき王太子ケダの熱い視線に、 臨時秘書のフェリシアは服をはぎ取られたような気分になった。 私の仕事は彼を反対勢力の画策から守り、王位継承に導くこと。 愛の営みなど、契約には含まれていない……。 だが、彼女がケダの強烈な魅力に屈するのは時間の問題だった。 無上の喜びの果てに小さな命を授かったフェリシアは、 ふさわしい花嫁を娶る身のケダを思い、彼のもとを黙って去った。 見返りのない愛に疲れ果て、深く傷ついた心を抱えて。 人気作家C・マリネッリの異国情緒溢れるロマンスをお届けします。特殊な環境で育ったがゆえに感情を排して生きてきたフェリシア。そんな彼女がなすすべもなく絡め取られた身分違いの愛のゆくえは……。美しき傲慢ヒーローの絶対的な存在感をお楽しみください!
シンデレラが舞踏会で踊った相手は 王子さまではなく、悪魔だった。 ミラノ社交界に君臨するラファエル・マストランティーノーー 祖母の死後、初めて対面した祖父の開いた花婿探しの舞踏会で、 巨大企業CEOが放つ圧倒的オーラに、ピアは釘付けになった。 祖父のお気に入りの花婿候補はしかし、黒い瞳を光らせ、 ピアを嘲ったのだ。「裕福な老人を欺いて良心は痛まないか?」 財産目当てと侮辱され、ピアは彼とは関わるまいと決めた。 だが、別の花婿候補の求婚を断った直後に祖父が倒れてしまい、 ピアは祖父のため、ラファエルと恋仲のふりをすることに。 悪魔のような彼の仕打ちに心乱される日が来るとも知らず……。 生き別れだった祖父が息子同然にかわいがってきたという億万長者ラファエル。けれど彼はその美しい外見とは裏腹に、堕天使さながらピアになぜか冷たく侮蔑的な言動をとるのでした。人気急上昇中のタラ・パミーが綴る、冷酷無比な大富豪に恋した乙女の物語。
実の母にさえ捨てられた私を、 ギリシア富豪が求めるわけもなく……。 幼くして母に捨てられ、父と世界各地を転々としてきたジョージー。 今は離れて暮らす父が、ギリシアで美しい島を見つけ、 農家を改装してゲストハウスを営むことにしたという。 だが喜びも束の間、不幸にも父は突然の病で帰らぬ人となってしまった。 天涯孤独のジョージーは亡き父の夢を叶えるため島に渡ったが、 すぐに底をついた資金を工面すべく、働きに出ざるをえなくなる。 リゾートホテルの重役秘書の仕事にありついたはよかったが、 上司となるルーカスは、弟が勝手に決めたことだと解雇を宣告した。 ジョージーがなおも懇願すると、彼は意味ありげに言い放った。 「きみを雇うわけにいかない。社内恋愛を禁止する社則を設けたんだ」 最近、秘書が弟と恋愛沙汰でもめて辞めてしまい、ルーカスは同じ轍は踏むまいとジョージーを追い払おうとします。けれど、やがて真面目一徹の自分とは対照的に天真爛漫な彼女に惹かれていきます。社内恋愛を禁じるのは、弟のためか、はたまた彼自身のため……?
領主に末裔ながら、現在は貧しい暮らしをするクロスビー家。一人娘のレオノーラは若い娘らしい華やかな生活とは無縁で、ばあやと一緒に、家政能力のない両親の世話をしている。あるとき村の老医師が倒れ、新しい医師ガルブレイスがやってきた。先日、みっともなく転んだところを助けてくれた彼との再会に、恥ずかしいような、嬉しいような思いがレオノーラの胸に湧いた。その感情がいったいなんなのか、自分でもわからなかったけれど…。そんなある日、レオノーラがつらい出来事に見舞われて必死に涙をこらえていると、ドクター・ガルブレイスが言った。「誰かの肩にすがって泣きたいときは、いつでも声をかけてくれ」
情熱を分かち合った夜。 彼の冷たさを知った朝……。 ジェシーはある日突然、交通事故で無二の親友を失った。 喪失感のなか、孤児になった赤ん坊の養育を遺言で託されたことを知る。 それには大富豪のアランと一緒に、という条件がついていた。 アランとは親友同士が結婚した縁で知り合ったものの、 彼の一族がジェシーとその姉妹の会社を買収したことで、 もともとよくなかった関係はこじれにこじれている。 でも、傲慢で大嫌いな彼のことが、脳裏から離れないのは……なぜ? 慣れない赤ん坊の世話を協力しておこなううちに、 いつしかジェシーはアランに身も心もゆだねていた。 ほどなく、冷徹な彼に裏切られることになるとも思わずにーー チャンドラー三姉妹と美しき一族の男たちが愛の火花を散らす物語をお届けします。本作の主人公は次女ジェシーとその好敵手アラン。嫌い、嫌い、だけど本当は好き……ようやく素直になれたとたん、彼女は冷たく突き放されます。『大富豪の隠された天使』の関連作!
広報部で働くモリーはこの4年、上司のジャックに片思いをしていたが、 ただの部下としか見られず、切ない気持ちを胸の奥に隠してきた。 頭では密かに、彼の花嫁になった姿を思い描きながら……。 会社でパーティが開かれたある日のこと、 モリーは憧れのジャックからダンスに誘われ、 うっとりしながら彼に身を預けた。 そのとき、周囲で突然起きた喧嘩に巻きこまれ、 モリーは転んで頭を強く打ってしまう。 大事をとってジャックの家に運ばれるが、目覚めたとき、 彼女は信じきっていたーー自分はジャックの妻なのだ、と。 けなげなヒロインと大富豪の波瀾の恋を描く、“切ないシンデレラ”企画の第2弾! 片思い中のモリーは、大好きなボスのお嫁さんになりたいと自分に暗示をかけすぎたあまり、事故で記憶の取り違えを……。なんともほほえましい記憶喪失騒動をお楽しみください!
ホテルのバーで働くアナは、ひとりの男性客に目を引かれた。 ハンサムな顔を曇らせ、ひどく悲しげな様子だ。 どうしても放っておけず話しかけると、 ダンと名乗った男性は自分のスイートルームに彼女を誘った。 アナは迷った末に彼の悲しみを癒やそうと決め、情熱の一夜をともにした。 5年後、ホテルの副支配人となったアナに、オーナー夫妻は告げた。 経営難を乗り切るために投資家の援助を受ける、と。 投資家との顔合わせの日、アナは相手を見て驚愕した。 ダンテと紹介されたその男性こそ、あの一夜限りの彼ーー アナの4歳になる娘の父親だったから。 アナが5年前に熱い一夜をともにした相手はイタリア出身の大富豪ダンテでした。衝撃の再会を果たした夜、強引に部屋へやってきた彼に娘の存在を知られ、義務感からだけの結婚を申し込まれますが……。M・コックスの胸が切なくなる再会物語をお楽しみください。