出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
まさか、妊娠するなんて…。秘書のエリーはニューヨークの街中で途方に暮れていた。6時間後に結婚式を挙げるというのに、おなかの子の父親は花婿ではないのだ。この事実を子どもの父親にー傲慢でセクシーなボス、大富豪ディオゴに知らせるべきかしら?エリーは震える足を奮い立たせて、ディオゴの前に立った。だが、彼はエリーの話に耳を傾けるどころか、彼女が結婚すると知ってなじり、警備員を呼んで追い払わせたのだ。数時間後、ディオゴは真相に気づいてエリーを捜すが、彼女はすでにオフィスを去り、花嫁として教会にいた。
アリアドネは海を臨むホテルのバルコニーに佇み、悲嘆に暮れていた。両親の死後、幼い私を引き取って23歳の今まで育ててくれたおじ夫妻。二人の愛情を疑ったことなど一度もなかった。それなのに…おじの薦めで旅行に出かける直前、自分が見知らぬギリシア人富豪と結婚する運命だと知らされたのだ。花嫁をお金で買うなんて、どんな気味の悪い人なのだろう?おじの残酷な仕打ち以上に、未来の花婿との対面の瞬間に彼女は怯えた。滞在先のホテルにアリアドネを迎えに来たセバスチャン・ニコストは、思いもよらないことに、若く精悍で端整な顔立ちの男性だった。だが、その黒い瞳は氷のように冷たく…?!
アイヴィは物心ついたときから、自分勝手な姉に振りまわされてきた。美しい長女だけを溺愛していた亡き父が、遺産のすべてを姉に遺したため、今では経済的にも苦しい日々を強いられている。そんなアイヴィの心の拠りどころは、親友のメリーだ。ある日、メリーの家に泊まったアイヴィは、真夜中のバスルームでメリーの兄スチュアートと鉢合わせてしまう。アイヴィは彼が苦手だった。そばにいるとなぜか落ち着かなくなる。しかも彼は、アイヴィが姉と同じく奔放で遊び好きだと思いこみ、辛辣な態度で接してくるのだ。だが、その夜の彼はいつもと少し違った。不可解なまなざしを向けてきたかと思うと、突然、アイヴィにキスをした。
リネットの父は、美しい娘を洗練された淑女にするために、没落貴族の娘を教育係としてあてがい、厳しくしつけさせた。たしかにマナーやセンスは身についたけれど、こんな生活は苦痛…本来は読書好きでおとなしいリネットの心は沈んでいた。そんなある日、リネットは寄宿学校時代の親友から兄を紹介される。ルイス・エステベス・パラディ侯爵はフランスとスペインの混血で、極楽島の海賊と呼ばれ、結婚を忌み嫌う社交界のスターだという。彼女は親友ともども、ルイスが所有する極楽島へ招待されるが、途中、彼は一行から離れ、リネットを秘密の小島に連れ出す。隠れて休むときに使うというその島で、彼は夜を過ごそうと誘い…。
生まれながらに不思議な力を持つアリは、その力を隠そうとするせいで、孤独でひどく内気な娘に育った。24歳になったいまは高校でひっそりと教師をしているが、ある日、落第させられたことを逆恨みする生徒に襲われ、身を守ろうと必死になるあまり、無意識に“力”を使ってしまった。そのせいでアリの力は周囲に知れ渡ることとなり、しかも何者かに両親が拉致される羽目に。藁にもすがる思いでアリが助けを求めたのは、一流警備会社の経営者ボー・デヴェロー。魔の手が迫るなか、寡黙で雄々しいボーだけがアリには頼みの綱で…。『星夜とあなたに守られて』続編!
パーティで思いがけない人物を見かけ、アビーはひどく狼狽した。中東の国の王子ラシードが、いったいなぜここにいるのだろう。3年前、彼と運命的な出会いを果たし、アビーはすぐに結婚した。しかし幸せは束の間だった。周囲から彼に愛人がいると聞かされ、アビーは深く傷ついて宮殿を去ったのだった。二度と会いたくない。彼女はこっそりパーティを抜け出した。ところが外へ出たとたん、暗がりで行く手をさえぎった者がいる。アビーを射すくめる鋭い瞳。獲物を狙う砂漠の鷹のような……。ラシード。私を裏切っておいて、今さらなんの用があるの?
これから親友の結婚披露宴がホテルで盛大に執り行われる。借り物のドレスに身を包んだエマは、不安と闘っていた。じつは彼女は妊娠していた。おなかの子の父親は、ブラジル随一のホテル王、ルーク・マルセロス──まさかこんな場所で彼と再会する羽目になるなんて!ルークとはロンドンで夢のような一夜を過ごしたが、愛人になるよう迫られ、エマは傷心のまま姿を消したのだった。でも、やっぱり黙ったままではいけないわ。はっきりと告げなければ。この子は私が一人で立派に育てると。
それは、6歳のサマラにとってむごすぎる現実だった。彼女の父が統治するジャハールと隣国のカドラが争い、父は死亡。サマラと母はすんでのところで国外に逃れた。その後、逃避行の途中で母も亡くなり、彼女は天涯孤独となった。21歳になったサマラはいま、カドラの宮殿に密かに忍び込み、国王フェランへ復讐する機会を狙っていた。仇を討てば、天国の父と母は褒めてくれるだろうか?だがすぐにサマラは捕らえられ、フェランから意外な言葉を聞く。「君を利用する方法を思いついた。僕の婚約者として公表する」
一家の破産を救うため、父の言うなりで婚約したエヴァは、今夜、豪華な婚約披露宴の主役を務めながらも心は塞いでいた。宴もたけなわの頃、突如夜空から1機のヘリが降り立った。ザッケオ・ジョルダーノ! エヴァは思わず目を疑った。元婚約者の彼はある事件を起こして、投獄されたはず。どよめく招待客を前に、ザッケオは顔色一つ変えず言い放った。「僕は君の父親に嵌められて投獄された。今度は君に父親の罪を償うため、僕の妻になってもらう」言葉を失ったエヴァを抱き抱え、ザッケオは会場から飛び去った。
5カ月前に父が亡くなり、天涯孤独の身となったクレアは、知人を頼って湖水地方に移り住み、何とか乗馬学校に職を得た。ところが、生徒の伯父と揉めて、解雇の憂き目を見る。相手が悪かった。大地主で地元の誰もが敬う支配者サイモン。クレアは横暴なサイモンを恨んだものの、意外にも彼は解雇させるつもりなどなかったと詫びる。「無職なら、僕が面倒を見ている姪の養育係になってほしい」クレアは喜んで、さっそく住み込みで働き始めたが、彼のあまりの過干渉と姪への無理解に、怒りを抑えきれず……。
リリーの家の玄関先に生後まもない赤ん坊が置き去りにされた。今は疎遠で居場所もわからない異父姉が産んだ子とわかったものの、あまりに突然のことに、リリーは呆然と立ち尽くした。改装中のこの家では、まともに育児なんてできないのに!すると偶然にもそこへ親友の兄ニックが訪ねてきて、彼女の窮状を見かねて一緒に赤ん坊を病院へ連れていってくれた。それがきっかけとなり、親友が思いがけない解決策を提案するーー兄は大企業の重役で不在がちだから、彼の家で育児をすればいい、と。そんな成り行きで始まった二人と赤ん坊の同居生活だったが、
若くして重い病に冒されたゾーイにとって、治療費を出してくれた基金の創設者ヴァッソは命の恩人だった。火事で両親を失い、退院後の行く当てがない彼女のもとに、ギリシアで働かないかとヴァッソから誘いがかかる。有能な実業家で、思いやり深いうえにハンサムな彼に、ゾーイは胸の高鳴りをおぼえずにいられなかった。でも、いつ病が再発するかわからない私が、同じ病で父親を亡くした彼を愛していいはずがない。厳しい現実に打ちのめされ、ゾーイは身を引く決心をするが…。
父の死後、横暴な兄との暮らしが始まって2年。ペニーは遺産を横取りされ、唯一の楽しみである読書も禁じられていた。兄から離れるには、誰かと結婚するしかないのかしら?お金などなくて構わない。田舎に住んで本さえ読めるなら……。頼るあてもないまま、思いあまって家を出たペニーだったが、旅の途中、彼女が乗る馬車の前にふらりと黒い影が現れた。危うく轢きそうになったその美しい男性アダムは酒に酔っており、彼を助けたペニーを天使と呼び、上機嫌にふるまっている。そればかりか、彼女が思いきって結婚を持ちかけると快諾し、許可証に驚く
わたしが養女だったなんて……。クリスティーナは打ちのめされた。イタリア貴族の血を引く彼女は、生後まもなく母を亡くし、祖母の計らいによって、ある条件付きで叔母夫妻に託されたのだという。それは“マルケージ伯爵の花嫁になること”先日、湖で出会った傲慢な紳士ーー初対面の私に無遠慮な視線を浴びせ、生意気な娘だと侮辱してきた。彼こそがマルケージ伯爵だったのだ。嫌いな相手なら結婚は無理強いしないと養父母は優しく言った。でも、これまで何不自由なく暮らせたのは、祖母からの養育費のおかげ。受け取った額はあまりにも莫大で、養父
イメージコンサルタントのセラフィアは、華やかなパーティ会場で、皇太子ガブリエルと面会した。一般人との結婚を決めた兄に代わり王位継承者となったのは、悪名高きプレイボーイの弟、ガブリエル。その彼を戴冠式までに“理想のプリンス”に変身させることーーそれがセラフィアへの依頼だった。優雅な身ごなしで近づいてくる黒いスーツ姿のガブリエルは、野生の獣さながらの危険な美しさを放っている。ガブリエルの熱い視線が肌を這うのを感じて、頬を染めたセラフィアを彼は不敵な笑みを浮かべ挑発してきて……?
姉が遺した生後4カ月の赤ん坊を育てているミアは、ある日、世界的な建築家で大富豪のアダム・チェイスの屋敷を訪ねた。一夜の過ちで彼の子を妊娠した姉が、人知れず赤ん坊を産んだあと命を落としたことを告げるために。だが、アダムはなぜか海辺の豪邸で世捨て人同然の生活を送り、話す機会すらない。海で泳ぐのが日課らしいという情報を頼りに、ミアは浜辺で出会いの機会を待つことにした。やがて現れた神々しいほど美しい男性ーーアダムに近寄ったとき、ミアは割れた瓶のかけらで足を切り、優しく介抱してもらった。思いがけずデートに誘われ、ミ
「逃避行は地中海で」リン・レイ・ハリス/シャーロットはかつて地中海の国の皇太子ルカとの身分違いの恋を引き裂かれた。10年ぶりに彼と再会し孤島の別荘で至高の時を過ごすも、彼には婚約者がいた!「砂漠の一夜の代償」メイシー・イエーツ/許嫁の砂漠の首長タージに恋していながら、愛なき結婚がいやで逃げ出したアンジェリーナ。3年後、偶然再会した彼の誘惑に抗えずに純潔を捧げ、妊娠する。「ボスは放蕩社長」スーザン・マレリー
ビアンカのそばにはいつもアダムがいた。2人は幼稚園からの幼なじみで、大人になった今も、ビアンカが何か困ったことに巻き込まれるたび、アダムは的確な助言をくれたり、泣く肩を貸してくれたりする。あるとき、ビアンカはまたしても困った事態を招いてしまう。故郷の母親を喜ばせようと、つい結婚したと嘘をついてしまったのだ。母が訪ねてくる間だけ、アダムに夫のふりをしてもらおうーー。ところが、いつも優しいアダムが初めて彼女の頼みをはねつけた。そして、見たこともない冷たい男の顔をして言ったのだ。「夫のふりをするのなら、本物らし
26歳のエミイは、伯父の旅行会社でバスガイドをしている。若くして愛する人を次々に亡くしてきた彼女は、一生、恋愛も結婚もしないと固く誓っていた。そんなある夜、エミイは伯父の家でルーク・タナーを紹介される。10歳以上も年上の彼は、ハンサムな敏腕実業家で、高級ホテルチェーンを所有する、経済界の大物とのことだった。伯父の顔を潰すまいと、エミイは笑顔を絶やさなかったが、心の内では、どうか早くパーティが終わってほしいと思っていた。彼女は知る由もなかった。ルークの心がとうに決まっていたことを。翌日から始まる怒涛の誘惑からは、もはや逃げるすべはないことを。