出版社 : ベストセラ-ズ
ガダルカナル島撤退以降も、ソロモン諸島の攻防は激化の一途をたどる。再び小沢中将の下、参謀長に返り咲いた森は、夜間部隊再建に乗り出す。勢いづく連合軍を迎え撃つには、機動部隊による漸減作戦しかない。幾度となく繰り返される海戦で、森の計画はそれなりの成果を収めていくが、艦隊の損害も徐々に無視できぬほど大きくなりつつあった。これまで森の夜間作戦に苦しめられてきたアメリカ側も、次第にそれに対応しうる力を身につけ始めていたのである。ついに、戦場は-日本の絶対国防圏-マリアナ諸島へと移った。マリアナへ迫りくるスプルーアンスの大艦隊。背水の日本海軍、そして森はいかなる戦いを挑むのか?“漆黒艦隊”史上、最大の激闘!感動の完結篇。
「タ、ターレット?櫓か?」土煙の中から姿を現わした巨大な櫓にドイツ兵は驚愕する。「や、やつら、火星人の兵器を手にしやがった!」オーストリア=ハンガリーの皇太子暗殺に始まった戦争の火花は、欧州にとどまらず、今や世界中に広がっていた。後世、世界大戦の名で呼ばれる戦はすべての規模で桁違いだった。むろん、兵器は言うに及ばずだ。それでもドイツ兵が見上げた兵器は、あまりにも異形であった。三本の脚で支えられた櫓。三脚とは別に金属の触手が無数にうごめく。十四年前、突如、地球に侵攻してきた火星人の兵器をイギリスは手にしていた。第一次世界大戦は一九一八年、ドイツの降伏によって終結する。が、それは混沌の時代の始まりでもあった…。
1942年3月1日、ルーズベルト米大統領は、驚くべきスピードで日本に対する宣戦布告を行なった。その衝撃は世界中に広がる。電光石火の早業に、日本は大混乱に陥った。強硬派と穏健派に分かれ、さらなる国内の混乱を呼ぶ。そのすべての元凶は41年6月、突如、世界を激震させたヒトラーの日本への亡命だった!42年2月、ヒトラーは帝国陸軍の幹部を巻き込み、自らの野望を果たすべくクーデターを画策するが、結局、東条英機らの活躍で、日本は危機を脱し、ヒトラーは焼死する…。しかし、ルーズベルトは戦争を欲していた!山本五十六は、長門の長官室で軍令部の無為無策に唇を噛みしめる。一方、キンメルは短期決戦を望む大統領の意向を受け、全力で決戦に挑む。マーシャル諸島沖、両軍の思惑をこえた激突の火蓋が、ここに切られる。
ハワイ沖で夜間攻撃により、太平洋艦隊を壊滅させた南雲艦隊-。次に待ったいたのは、牛刀をもって鶏を割くに等しい南方作戦だった。今や南雲艦隊の司令塔となった森参謀長は、自分なりの抵抗を試みる。が、インド洋で英東洋艦隊相手に夜間攻撃を敢行後、森は艦を下りることとなり、南雲艦隊は「漆黒」の名を返上してしまった。さらに優位性を失った機動部隊に、大いなる試練が待ち受けていた…。昭和17年夏、戦争の焦点は南太平洋の小さな島、ガダルカナルに移る。矢面に立つのは、歴戦の強者たちが揃うラバウル航空隊であった。本格的なアメリカ軍の反撃に、善戦もむなしく苦境に立たされる陸攻隊。次々と火を噴く一式陸攻を森は最前線で見上げる。新たなる策を持ってラバウルへ乗り込む航空決戦篇。著者渾身の第二弾。
1942年3月、台湾空襲に参加した極東米軍のB-17はあり得ないものを目撃した。単翼低翼で、機体は小さい。それは、メッサーシュミットBf109の勇姿!すべては、41年6月の「事件」から始まったのだった。世界を震撼させ、歴史の歯車を狂わせた「事件」…。陸軍大臣・東条英機はいらついていた。ドイツとの意思の疎通がはかれないのだ。駐独大使からも内容のある報告はなかった。ドイツ大使館に呼び立てられ、大使自らの出迎えを受けた東条に、正体不明の不安がこみ上げる。果たして東条を、そして日本の運命を左右するものとは?気鋭が斬新な発想で描く本格シミュレーション戦記。
1935年6月15日、アメリカ艦隊に盟友ハワイ王国が奇襲を受ける!覇王・織田信長-大日本帝国初代皇帝-の再来と呼ばれる第20代皇帝・織田光長は、大日本帝国連邦(織田国・伊達国・琉球国)最大の危機に際し、自らの出陣を決意した。敵は、共和主義連合-アメリカ合衆国、欧州大陸のイギリス連合共和国・ドイツ民主共和国、そして不穏な存在ロシア帝国…。世界を共和革命の嵐から守るべく帝国と同盟を結ぶのは、オランダ・イタリア・ポルトガルのヨーロッパ王国同盟。ミッドウェイで待機を続ける連邦艦隊に敵機接近の報が届く。ついに砲火を交える日米両艦隊、果たしてその命運は!?空前のスケールで描く、著者渾身、最強のシムシビライズ戦記。
海軍省教育局に出世の遅れた大佐がいた。彼の名は、森昌彦。相手が間違っているなら、たとえ上司であろうとひるまず意見する姿勢。みなに煙たがられてきた男に突然、第一航空艦隊参謀長のポストが用意された。山本五十六連合艦隊指令長官より立案を依頼されたハワイ真珠湾攻撃計画。GF航空参謀の源田実中佐が、森の類まれなる頭脳に賭けたためである。猛訓練中の赤城に着任した森は、航空に関しての経験ゼロにもかかわらず、早くも機動部隊の弱点に気づき、一つの結論にたどりついた。母艦部隊を夜間攻撃の専門部隊とすること-。さらに真珠湾の攻撃を奇襲ではなく、強襲にすることを提案した。新参謀長の奇抜な構想は山本らGF上層部に受け入れられるのか?そして、ハワイ作戦の行く方は…。著者、渾身の架空戦記、刊行開始。
海を望む高台にそびえる明青高校に通う浜崎葵は、ある日教室で聞いた声に胸が騒ぐのを感じた。その声の主は教育実習生の森澄也。実は葵には幼い頃に誘拐された過去があり、その際危ういところを救ってくれた青年の声に似ていたのだ。そんな時、葵は校舎の壁に浮かんだ不気味な染みの噂を耳にする。真相を探りに例の壁に向かうと、なぜかそこには澄也の姿が-謎の青年の声に恋した少年のせつないラブ・ストーリー。
小沢艦隊に撃破され漂流している米空母エセックス、ラングレー2を拿捕すべく急行する日本戦艦隊。待ち受ける米第七戦艦隊の精鋭。距離3万5000メートルでの壮絶な砲撃戦。最新鋭戦艦のアイオワが一斉射撃を開始する。負けじと大和の46センチ砲九門が火を噴く。見敵必戦を信条とする日本の闘将、宇垣とリーは一歩も退かない。弾撃つ響きは時には高く、時には低くマリアナ沖に鳴りわたる。史上最大の戦艦同士の激突戦は、その後一時間あまり続いた。日本戦艦隊はからくもアイオワ、サウスダコタを撃破するが、多数の命中弾を食らった大和は戦闘不能となり、戦線を離脱していく。日本の明日をかけた若鷲たちの最終決戦の行く方は?シリーズ完結篇。
21世紀初頭に起こった核戦争と、その影響で出現した「妖獣」により、人類はその数を大幅に減らし、種としての存続が危ぶまれていた。荒野となった地上に君臨する妖獣を捜索・攻撃する特殊部隊「アウローラ」は、人類の居場所を作るべく、休む間のない戦いの日々を過ごしていた。ある日、アウローラ隊隊長沖原は、独立を主張している都市「ラオディキア」の捜索を命じられる。沖原は、そこで、不吉な予言と、得体の知れない不気味な物体の動きを察知する。そして、ジェネシスと妖獣の存在に係わる秘密が、暴かれていく…。シリーズ最終話堂々の完結。
三人の男女が織りなす「純愛」と「エロス」。ジャンを深く愛しながらも、屈折した自己愛ゆえに極端なまでにその感情を抑制するクレール。彼女はその反動から年若い友人アンヌの美しい肉体をおもちゃのように弄ぶ。そんなクレールに対して絶対服従の姿勢をとりながら、いつしか禁断の快楽の影の支配者となるアンヌ。恋愛の深層心理を描ききった、果てしなく甘美な物語。
昭和19年10月、日本陸海軍の連合部隊がサイパン島の再奪還に成功する。同じころ本土では、講和のタイミングのラストチャンスを模索し、海軍大臣官邸に、海軍首脳と陸軍参謀本部の面々が集められていた。山口多聞中将の命と引き換えに手に入れたマッカーサーの身柄。彼の返還をきっかけに米大統領を交渉の席につかせるつもりであるが、マッカーサーの身一つでは圧倒的な優勢を誇るアメリカに対し、切り札にもならない。「アメリカが唯一我々と講和を結ぶ可能性があるとすれば…」米内海相の目が光り、逆転和平への驚くべき秘策が語られた。源田が伊藤の戦艦部隊を守るべく機動艦隊を遊弋させるサイパン沖。角田が米戦艦部隊へ連山の出撃命令を下した父島。闘将たちの最後の大舞台。その幕が切って落とされた。シリーズ大団円。
「仮にこの決戦で太平洋艦隊の戦艦群が大損害を受けても、連合艦隊の主力を相打ちで倒せば、国力に勝る米国側に勝算がある」キンメル司令長官の自信は、依然揺らぐことはなかった。一方、連合艦隊を率いる古賀峯一の小笠原沖で一大決戦に臨む決意は、キンメルと同様だった。ただし、古賀はキンメルが予想もしない奇策を多数用意し、艦隊決戦前に仕掛ける腹づもりだった。その第一弾、水上機母艦が米太平洋艦隊の針路上に遊弋する…。その頃、小沢治三郎率いる第一航空艦隊は、遠く離れたハワイ沖にあった。黎明時、艦戦・艦爆・艦攻からなる淵田美津雄が指揮する第一次攻撃隊が、オアフ島パールハーバー軍港へ向け飛び立つ…。日米両国の戦艦が真正面から戦いを挑む大海戦-壮絶なるクライマックス。
新潟県と山形県の境界にある飯豊連峰の山荘で二人の男が向かいあって談笑していた。一人は、山荘の所有者である伝説的存在の天才相場師・山口省三。もう一人は、東大法学部の気鋭の助教授・中河英輔。この中河は、昭和陸軍最高の戦略家といわれる石原莞爾のただ一人の「孫」であった。二人の間の話題は、戦前の日本を破局に追い込んだ最大の原因をめぐってだった…。平成13年12月8日、特別国会が召集された国会議事堂に40名の武装集団が突入、たちまちにして議場の制圧に成功した。それは中河英輔をリーダーとする「クーデター」であり、体制変革をめざす「維新政権」の誕生だった。壮大なスケールで新世紀における日本の在り方を問う「世界最終戦争」新シリーズ開幕。
貪欲なセックスに食傷気味な俺が出会ったのは転校生の瑞穂。お嬢様で何も知らないウブなところが最高だ。周りは狼みたいな奴らだし俺が守ってやらないと。陰で見守る俺が見たものは…。「はあっ、あふぅ」。教師に犯され無心に腰を振る瑞穂の姿だった!!無知な面してヨガってやがる。幻滅した俺は、老人介護と騙し変態ジジイに犯させる事を思い付いた。上手くいったはいいが、やりすぎてジジイがぽっくり逝っちまった!やばい予感。一体俺達はどうなっちまうんだ。
「追え、者ども、逃がすでない。柴田の首はまだぞ!」「退くな、押しとどまれ。兵数では変わらぬぞ。柴田の闘志を見せい!」真上にあった日は、山々を茜色に染めながら長い影法師を作っている。天正六年(1578)三月三十日申の刻。朝の霧中で始まった上杉五万、織田六万による九頭龍川の戦いもそろそろ終盤を迎えつつあった。上杉勢の猛攻に敗走した織田勢はちりぢりに逃げまどい、大将柴田勝家は五層九重の天守を誇る牙城、北ノ庄に籠城すべく、無念の退却を決めた。「乱杭を打て、逆茂木をくくれ。火縄の火をたやすでない」煌々と篝火が焚かれる城内では上杉勢を迎え撃つ準備がなされていく。勝家は天守最上層から外の様子を眺めては、末期の酒を傾けていた。“越後の龍”こと、上杉謙信との決戦の時が目前に迫りつつある-。信長父子の必勝戦策-血戦、賤ヶ岳。
世界最強の名をほしいままにする米第58機動部隊がマリアナへ近づく。昭和19年6月11日、第303航空隊は紫電改を駆って、グラマンを撃破すべく、テニアン島を飛び立った。来襲した敵機を見事に撃破した“空の艦隊”戦闘機群であったが、米攻撃隊によるマリアナ空襲は今日のみでは終わらない。明日は必ずや温存していた強力な戦闘機を繰り出してくる。テニアン地下司令室で、第一航空艦隊の情報参謀中島中佐と、航空参謀の淵田は額を寄せ合い、対応策を練る。一方、レキシントン2では司令官ミッチャー少将と同参謀長のバーク大佐が、優位に迎撃戦を進める日本軍に対して罠を仕掛けるべく、談合を続けていた。日本の航空戦力を無力化する作戦とは…。燃ゆるマリアナ上空-死力を尽くす大航空戦。
高校生の未来時生は、ネット犯罪に対処するハッカー「スライダー」の電子戦に偶然関わってしまう。電子戦でハッカーの才能を発揮する時生。その日を境にスライダーとなった時生はハッキングプログラム「DAISENRYAKU」を武器に犯罪者に挑む。鮮やかに犯罪を解決していく時生だが、彼を取り巻く事件の裏には冷ややかに自分を見つめる黒幕が存在していた。時生の封印された記憶、そして自分と一連の事件との関わり。自身の過去を取り戻すため、時生の戦いが今、始まる。
開戦から三カ月、キンメル司令長官率いる米太平洋艦隊と連合艦隊が、マリアナ沖で激突した。両軍は消耗戦を強いられ、結局、南洋諸島海域では、依然として帝国海軍が戦略的優位を維持することができた。その頃、日本では海軍から陸軍に対し、フィリピンの早期占領の要望が出された。しかし、マッカーサー率いる米軍守備隊が立て籠るコレヒドール島は難攻不落の要塞だった…。一方、太平洋では、小笠原諸島の硫黄島を地下要塞と化す大規模な土木工事が着々と進行していた。南洋諸島と日本全土を結ぶ空路上にあるこの島が、次なる決戦の舞台だった。米空母を飛び立った攻撃隊を発見。硫黄島に空襲警報が鳴り響く。