出版社 : ポプラ社
「三千円の使いかた」「ランチ酒」の原田ひ香が描く、 本×ご飯×仕事を味わう、心に染みる長編小説。 東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時〜12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。 すべてをさらけださなくてもいい。 ちょうどよい距離感で、 美味しいご飯を食べながら、 語り合いたい夜がある。
なぜ人間は戦争を繰り返すのか? わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか? 雑誌『ニューヨーカー』で活躍した著者が、第二次世界大戦開戦時に戦争のない未来を願って描いた名著を、村上春樹の新訳で復刊。 戦争が起こってしまう「今」を生きるわたしたちに託された平和への願い。 大人から子どもまで読める、戦争を考える本。 【内容紹介】 第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。 【ニューヨーク・タイムズ紙絶賛!】 「戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である」 【村上春樹氏による訳者あとがきも収録】 世界では今でも、この現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら、当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。(「訳者あとがき」より抜粋)
もうわかってるの。自分がいやな人間だってことも、ダメな人間だってことも。自分のことをそんなふうに思っていた「泉」。祖母に預けられた小学生時代から、中学、高校、大人になるまで、変えられない自分がいた。生きていくこと、そのありのまま輝きがついに堰を切って溢れ出す。一人を見つめて描かれたみんなの人生の物語。
高校生の木島道歩は、尿路結石で入院していた病院で16歳の誕生日を迎えた。またみんなに馬鹿にされる…。そんな木島に同じ年頃の少女が声をかけてきた。「ねえ、君にお願いがあるんだ」-。不治の病とたたかう綿野、親のプレッシャーで暴走する矢野、ワケアリイケメンの斎藤ら、不遇の高校生たちが「生きる証」を打ち立てようと、嘲笑と裏切りを突き抜けて進んでいく。第11回ポプラ社小説新人賞受賞作。
“世界”の謎を解き、命を与えられた意味を知ったとき、ふわりと心がほどけ、温かな涙があふれる傑作! 読者から募集した物語をカンザキイオリが楽曲化! バーチャルシンガー・花譜が歌う「それを世界と言うんだね」を綾崎隼が描く。 ■プロフィール 著・綾崎隼(あやさき・しゅん) 1981年新潟県生まれ。2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(MW文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど人気シリーズほか多数刊行し、『死にたがりの君に贈る物語』(ポプラ社)ではベストオブけんご大賞を受賞。他著書に『ぼくらに嘘がひとつだけ』(文藝春秋)など。恋愛小説、ミステリ小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を得ている。 曲・カンザキイオリ 2014年、ボカロPとしてアーティスト活動を開始。数々の人気曲を発表し、「命に嫌われている。」で初の殿堂入りを果たす。2019年には1stアルバム「白紙」を発表。大人気バーチャルシンガー花譜の全楽曲の提供や映画、ゲームの主題歌など活躍の場を広げる。2020年、大ヒット曲「あの夏が飽和する。」を元にした同名小説で作家デビュー。2021年夏からセルフボーカル活動も本格始動。ボカロP、シンガーソングライター、小説家として唯一無二の存在感を放つ。 歌・花譜 類い稀なる歌声を持つ、神椿始まりのバーチャルシンガー。2018年、当時14歳にしてデビューし、素顔を明かさずに3Dモデリングされたアバターを使って活動を開始した。唯一無二の歌声と、メインコンポーザーであるカンザキイオリの多彩な楽曲が多くの世代の心に訴えかけ、現在YouTube総再生回数は2億回を超え、国内外に熱狂的なファンコミュニティを持つ。2022年には、バーチャルシンガー初となる日本武道館でのワンマンライブ「不可解参(狂)」を成功させた。次世代のアーティスト活動のスタンダードとしてバーチャルとリアルの垣根を越えるべく奮闘中。 イラスト・錦織敦史 アニメーター、演出家。1978年生まれ、鳥取県米子市出身。『天元突破グレンラガン』でキャラクターデザインを務めたのち『アイドルマスター』では初監督を務める。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』にも総作画監督・キャラクターデザイナーとして参加。
<内容紹介> すてきな芸術とおいしい料理 それだけあれば、明日も幸せ ・・・ イルミネーションに飾られた小さなサーカステントにキッチンカー、お腹がぐうと鳴るいい香り。それらに出会ったあなたは運がいい。 そこは期間限定で現れる幻のビストロ「つくし」。 猫を思わせるギャルソンとシロクマのようなコックが、抜群においしい料理で迎えてくれる場所だ。 キッチンカーの赴くままに店を開く「つくし」だが、きまっていつも芸術のある場所に現れる。ピアノの演奏が聞こえる野外劇場、絵画が飾られたマルシェ、映画が上映されている砂浜……。 おいしい料理と素敵な芸術は最高のマリアージュ。弱った心と体をふっくら満たしてくれるので、どうぞ夢のようなひと時を楽しんでお帰り下さい。 <著者プロフィール> 第1回おいしい文学賞(ポプラ社)にて最終候補。2020年『縁結びカツサンド』にてデビュー。他の著書にキリンビール公式note×ポプラ社とコラボした『うしろむき夕食店』など。
<内容紹介> 小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。同級生や大家さんとの会話を通じて、初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。 第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。読んだ後にきっと誰かを大切にできる、人と人との関わりの物語。 <著者プロフィール> 川上 佐都(かわかみ・さと) 今作で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビュー。
<内容紹介> ミステリ小説みたいな事件なんて、現実にはそうそう起きたりしない。 殺人事件の犯人はだいたい怪しい人間だし、犯行現場の指紋を偽装するヤツなんてめったにいない。世に起きる事件の98%は一般的な事件であり、優秀な日本の警察によって早急に解決されていく。 だが、しかし。 2%はそうではない。 この平和な日本でも起きるのだ。密室殺人が。怪盗による犯行予告が。 そうしたやっかいな事件は並の警察官では歯が立たない。いわゆる「名探偵」の力が必要だが、毎回民間人に協力を仰ぐのも警察の名折れである。それならば警察組織にしてしまえばいい! こうして生まれたのが、警察庁特殊例外事案専従捜査課ーー略称「特専課」--通称「探偵課」。 探偵課に所属するのは民間の名探偵たち。名探偵の例にもれず全員クセがすごい、というか全員めんどくさい。事件が起きると召集され、ずかずかと現場に現れて華麗に解決する。なお報酬は歩合制である。 そんな愉快な探偵課に配属になったのは、警察庁に入庁したばかりの新人・木島。 中途半端な密室、あやふやな予告状、見立てっぽい殺人事件。次々と巻き起こるヘンテコな事件に天を仰ぎながら、クセツヨ探偵とともに今日も立ち向かう。 <プロフィール> 1962年静岡県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年、『競作 五十円玉二十枚の謎』への投稿を経て翌94年、『日曜の夜は出たくない』で本格的な作家デビューを飾る。2001年、『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞。『星降り山荘の殺人』で第50回日本推理作家協会賞(長編部門)候補。「桜の森の七分咲きの下」で第55回日本推理作家協会賞(短編部門)候補
<選考員満場一致! 第11回ポプラ社小説新人賞受賞作> 「たとえそのつぎ目が不格好でも、 つながっていられればそれでいいと思っていた。」 惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。 しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていたーー。 傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた三人が、 懸命に明日を紡いでいくための物語。
傷を負った孤独な少年が出会ったのは、 日本で唯一といえる女性の刀鍛冶だったーー。 胸に熱き炎が宿る、感動の青春小説! ーーー 「何のために刀作っちょう?」 主人公の沙コテツに、級友の土屋はあっけらかんとこうたずねる。 これは、問われたコテツ自身の疑問でもあるが、同時に作者の問いかけでもあるのだろう。そして、私の疑問でもあった。 「鉄には鉄のなりたい姿があっだわ」師匠はそう言う。刀になりたい鉄があるとするならば、そのように姿を整えてやることは、職人の止むにやまれぬ使命なのだろうか。自然のあり様は、人間にとって正しいことばかりとは限らない。 物語では使命を担った職人たちが、さまざまな傷や事情を抱えながらも、懸命に伝統をつなげていく。その姿に、人が生きていくということの困難と尊さを感じずにはいられない。 本著は刀を作る職人たちの葛藤を感じつつも、爽やかに読みきることができる。それは、作者の丁寧で力のある筆致に「ペンは剣より強し」という言葉の灯りを感じることができたからだと思う。 --まはら三桃(小説家) 【STORY】 突然火事にあい、火傷を負った東京の男子高校生・コテツ。 天涯孤独となった彼は、島根に住む遠縁の剱田かがりという老婦に引き取られることに。 かがりは、現代日本において唯一と言われる女性の刀鍛冶で、寡黙だが瞳に燃え盛る炎を持つ刀匠だった。 自暴自棄になり言われるまま島根にやってきたコテツだが、転校初日、己の火傷を見るクラスメイトの視線に耐えられず、学校へいけなくなる。 部屋にひきこもるコテツに、かがりは「学校へはいかなくてもいいが、そのかわり仕事を手伝え」と言う。 かがりの弟子であるコウやカンナに教わりながら手伝いをするうちに、徐々に作刀に興味を持ち始めるコテツ。 現代日本において、刀をつくる意味とはなにか? かがりや兄弟子たちと関わり、悩みながらも、鉄を打ち、その熱に溶かされ、コテツは自らの心の形も変えていくーー。 伝統工芸の美しさ、厳しさ、そして脈々と受け継がれていくものとは。 少年の成長を瑞々しく綴る、胸が熱くなる青春小説。 装画:たらちねジョン
2023年本屋大賞ノミネート!! 似ているようでまったく違う、 新しい一日を懸命に生きるあなたへ。 最後に仕掛けられた驚きの事実と 読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、 『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』 『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。 長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。 つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。 月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいくーー。
出版界で大注目の新鋭・岩井圭也が、子どもたちを取り巻く現状と未来を描き出す、感動のヒューマンドラマ。 僕は、あの頃の僕を救えているだろうか。 過去の経験を通して、付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の仕事に就いたオボロ。彼に舞い込む依頼の先では、簡単には心を開かない、声を上げる方法すら分からない子どもたちが、心の叫びを胸に押し込め生き延びていた。オボロは、彼らの心に向き合い寄り添う中で、彼らとともに人生を模索していくーー。
本作はエモい。爆エモい。うそ偽りのないエモさだ。 なぜならここには、ちいさくて、だいじな、 わたしたちひとりひとりのこころの断面が、 みっちりと詰め込まれているから。 ーー少年アヤ氏(「web asta*」2022年8月8日より) 本作の根底にあるのは、やりたいことはやっちまえというエネルギーだ ーーブレイディみかこ氏(「web asta*」2022年8月8日より) 誰もとりこぼすまいとミラーボールで物語を照らす 吉川トリコが、私にとってのプロムクィーンだ ーー柚木麻子氏 家族仲がしっくりいかず、生き方に迷う主婦。 16歳になる直前まで自分が在日韓国人だと知らなかった姉妹。 ゲイであることに葛藤する男子高生。 血の繋がった子どもを持てなかった母親。 卒業式の日にプロムを開催すべく奮闘するモーレツ女子高生たちーー ままならない日常に悩み惑う人たちの踏み出す一歩が、 あなたの背中をそっと押してくれる。 『余命一年、男をかう』で大注目の著者が贈る、 明日もがんばる元気をくれる連作短編集。
本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。 「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。 お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。 そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」 旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出したー。 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅!
本に挟まれた暗号。 謎解きに挑む姉妹。 忘れらない夏が始まる。 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこと。「役立たたない」ことが好きなライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きなキヨ。性格も対照的で、クラスでは決して交わることのなかった二人だが、夏休みの間、ひょんなことから、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとはーー。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。
未来屋小説大賞&高校生が選ぶ掛川文学賞、ノミネート! 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が 14歳の少女の「世界」を描く、心揺さぶる長編小説。 この物語は、かき消されてきた小さな声に力を与えている。 その声に私たちが耳を澄ますことから、全ては始まるのだ。 ーー西加奈子氏 私たちはもう呪いから解放されていいんだ。 2人の少女を抱きしめながら、私も一緒に泣きたくなった。 ーー長濱ねる氏 今、この時代にブレイディさんは必要とされていて、 この物語は、ブレイディさんにしか、つくれない。 ーーヨシタケシンスケ氏 自分が失いかけていたものを 取り戻したような気持ちになった。 一人でも多くの人に読んでほしい。 ーーバービー氏 自分だけの美しいものを見つける長い旅が 人生となっていくのだろう。 読後、子ども時代の自分を抱きしめて 「頑張れ」と声をかけたくなった。 ーー中江有里氏 一気に読んだ。 言葉さえあればわたしたちはつながれる。 苦しみは分かちあえるし未来も切りひらける。 ーー中脇初枝氏 自分を守るためにも自分を変えなければいけない局面が 誰にもあって、その時、とにかく動揺してしまう。 でも、この小説が肯定してくれる。 ーー武田砂鉄氏 ◎ブレイディみかこ氏からのメッセージ 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。 ◎STORY 私たちの世界は、ここから始まる。 寒い冬の朝、14歳のミアは、短くなった制服のスカートを穿き、図書館の前に立っていた。そこで出合ったのは、カネコフミコの自伝。フミコは「別の世界」を見ることができる稀有な人だったという。本を夢中で読み進めるうち、ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられた。一方、学校では自分の重い現実を誰にも話してはいけないと思っていた。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、彼女の「世界」は少しずつ変わり始めるーー。
テレビ局に籍を置き、ドキュメンタリー番組の制作を手がける美貴。ある日、高齢者施設で不審死が相次いでいるとの週刊誌の記事が目に留まる。その後、主要メディアや官邸に犯行声明が届く。書面には「何も生み出さない高齢者は『社会悪』だ」などと書かかれていた。取材を進める美貴は、偶然の出来事から悟と名乗る青年とかかわるようになる。悟の生きてきた道程を知った美貴は、この国が抱える深い闇の存在に強い衝撃を受けるー。
全寮制男子高で起こった、不可解な殺人事件。 同室の迷コンビが挑む、青春ミステリー! 全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。 昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。 あすなろ館の住人の一人・兎川雛太(とがわ・ひなた)が2年に進級した始業式前日、新たな入居者がやってきた。今年度から学院に編入してきた鷹宮絵愛(たかみや・エチカ)。彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。奇しくも同室になった二人は、最初は反発するも次第にお互いを知っていくーー。 しかし、ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。現場の状況から、犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけである。 転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるがーー!? 予想外の結末に驚愕する! 注目の若手作家がおくる、学園ミステリ。
<内容紹介> 24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。 花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめーー