出版社 : 中央公論新社
欧州で始まった戦争は日本を巻き込み、アメリカの参戦を誘い、ついに昭和一五年七月、日米間に戦端が開かれた。苦闘の末に米太平洋艦隊を撃破した連合艦隊は西太平洋を制圧、ニューギニア、ラバウルへと前進する。海上戦力が激減した米軍は航空兵力を集中し対抗。連合艦隊は新型航空機による飛行場攻撃および補給線寸断作戦を実施、戦線は膠着状態となった。反撃を目論む米艦隊の攻撃目標はラバウルかニューギニアか?山本五十六は新鋭戦艦「大和」「武蔵」の投入を決断する。
この美しい毒は、なぜこの世に存在するのか。昭和13年、北海道東部の山奥で自然水銀の湧く巨大鉱山が発見された。水銀と共に生きる一族の青年・榊アシヤ。鉱業所所長の息子・那須野源一。戦争の混乱、失踪と殺人、水俣の公害問題…赤い岩を巡り、二人の青年の運命は翻弄されていく。
東京都北区に住む彫刻家の自宅から「妖精」が誘拐された!?ブロンズの少女像が忽然と消えてしまったというのだ。同じ頃、荒川河川敷で絞殺死体が見つかる。浅見光彦は、一見何の繋がりもない二つの事件に、同じ四桁の数字が関係していることを発見する。事件解決の鍵と思われたが、ある一族の「呪い」や少女像のモデル探しが絡み事態はさらに錯綜するー。地元・北区で起きた難事件に名探偵が挑む!
中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは、主戦場を尖閣諸島魚釣島へと移し、激戦が繰り広げられた。土門康平率いる“サイレント・コア”部隊は台湾軍と共同作戦を取りながら、米軍の協力を得て、中国軍を島から撤退させることに成功する。その頃、成田空港に降り立った人民解放軍の秘密部隊が、ベトナム人技能実習生グループを装って、「超限戦」の作戦を開始。日本をブラックアウトさせた。中国の狙いは、日本同様ブラックアウトした台湾への侵攻。人民解放軍の大艦隊がついに台湾へと迫る。待望の“第二部”いよいよ開幕!
東京の宝石店外商員・北野敬の死体が城崎温泉を通る円山川で発見された。しかし宝石店社長は北野という社員は会社にはいないという。さらに、一年前には鳥取の三朝と島根の玉造で、北野から愛人のために宝石を買おうとしていた地元の名士が、代金支払いの直前に相次いで不審死していた事が分かる…。北野という男は一体何者だったのか?山陰の温泉町で起こる連続殺人に、十津川警部の推理は!?
58歳の主婦・澄子は、横暴な夫・孝男との生活に苦しんでいた。田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫に従うしかない澄子を変えたのは、離婚して自分らしく生きる元同級生との再会だった。勇気を振り絞って離婚を決意するも、財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和など、困難が山積。澄子は人生を取り戻せるのか?平凡な主婦による不屈の離婚達成物語
大隈重信、新しい国家・日本は、この男の登場を待っていた。名君と謳われた九州佐賀藩主・鍋島直正(閑叟)に見いだされ、歴史舞台に躍り出た大隈重信。動乱の幕末明治を駆け抜け、日本を近代国家へと導いた男の波瀾万丈の生涯を描いた歴史巨篇!この国の未来のために奔走した人々は、薩長土だけにあらず!
日本の未来を拓いた男、大隈重信。その波瀾万丈の生涯。「日本」という新しい国家のために邁進する大隈重信。国会開設、政党政治移行、内閣総理大臣就任、早稲田大学創立ー。数多の事績を残し、幕末、明治、大正と時代を駆け抜けた巨人の生涯を描く!信念のためには、突き落とされても、何度でも這い上がる!
英仏との戦争に突入した日本に、米国も宣戦を布告する。マリアナ諸島において米太平洋艦隊と連合艦隊は激突、講和への道筋は遠のくばかりであった。戦線の拡大を望まぬ山本五十六はトラック諸島を根拠地として守りを固めるも、米国は長距離爆撃機を繰り出し攻撃を続ける。空爆を封じるためラバウル進攻命令が軍令部より下り、主力戦艦を欠いた連合艦隊は空母を結集した機動部隊を編成。米太平洋艦隊も空母を中心とした艦隊を送り出した。ここに、史上最大の海空戦が開始される!
服飾職人フランクルが婚礼衣裳の注文を受け王宮に赴くと、肝心の姫ぎみは行方不明。ようやく面会かなった時は、結婚式まであとひと月?苦悩しまくる職人が選ぶ最高の婚礼衣裳とは…。「公式ガイドブック1〜3」に掲載された三中篇「王女誕生までの七日間」「鷹は翔んでいく」「国王の女難」に、シェラ視点の書きおろし作「男の修行」他を加えた外伝集。
昭和二十五年(1950年)、静岡県二俣町で一家殺害事件が発生した。のちに死刑判決が覆った日本史上初の冤罪事件・二俣事件である。捜査を取り仕切ったのは、数々の殺人事件を解決に導いてきた名刑事・赤松完治。だが赤松は、裏で悪質な取調による自白強要を常態化し、「拷問王」と呼ばれていた。今もなお審理が続く袴田事件に至るまで、警察と司法が手を組んで行った犯人捏造の実態。正義を信じた者たちが勝ち取った、感動の逆転無罪。そして事件を追い続けた著者だけが辿り着いた真犯人の正体とは?この国の深い闇に迫る、事実に基づく衝撃作。
町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。 その後、私は、母に捨てられたーー。 ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。 それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。 この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになってーー。
世間を騒がせたフィッツジェラルドの直筆原稿盗難事件から数年後、カミーノ・アイランドの名物書店店主ブルース・ケーブルは相も変わらず精力的に店を切り盛りしている。あのときブルースを追い詰めたマーサーは新作小説を発表。夏のブック・ツアーの締めくくりに「ベイ・ブックス」を訪れる予定だ。そんなとき、巨大ハリケーンの接近で全島民に避難命令が出され、暴風の中で遺体となった島在住の作家が発見された。地元警察の動きは鈍く、友人の死に不審を抱くブルースと書店の夏期アルバイトのニックは独自に捜査に乗り出すー。
昭和、平成、令和ーー時代は変わっても、実家から送られてくる小包の中身は変わらない!? 業者から買った野菜を「実家から」と偽る女性、父が毎年受け取っていた小包の謎、そして、母から届いた最後の荷物ーー。 実家から届く様々な《想い》を、是非、開封してください。
「あの味っこさ会えて、いかった」 青森県南部の葵岳登山口にあるレストラン。そのシェフ・登磨には亡き祖母との思い出の味があった。それを思い出させてくれたのは、意外な人物で……。
テロ・グループがMERS変異ウイルスを蔓延させた豪華客船“ヘブン・オン・アース”。アメリカの作戦によりテロリストは一掃されたが、乗船していた“サイレント・コア”原田拓海一尉の血液検査で意外な結果が出る。その頃、中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは九日目を迎えていた。解放軍はこれまで数度のミサイル攻撃を仕掛けていたが、海上自衛隊のイージス護衛艦がこれを迎撃、飽和攻撃を撃退した。台湾軍とともに防戦に徹する日本、いたずらに死者を増やす中国軍。しかし、尖閣諸島をめぐる状勢は新たな局面を迎えようとしていた。