出版社 : 国書刊行会
死後に同一人物であることが明かされた二人の作家、フィオナ・マクラウドとウィリアム・シャープ。蘇生するケルトの息吹、悲哀と慈愛のロマンス、哲学的な思索の旅…神秘のヴェールに包まれた伝説の作家の知られざる名作幻想小説20篇。
20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、「ユリシーズ」と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される、クロウリーの代表的著作である。
アーサー王伝説を踏まえたファンタジー「幻影の盾」。SPレコードにまつわる怪異をえがいた「サラサーテの盤」。妖しい幽霊屋敷を舞台にした都市幻想小説「白血球」。超現実主義的手法で夢の世界を克明に記述した「夢の中での日常」。他全48編。
20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、『ユリシーズ』と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される、クロウリーの代表的著作である。麻薬文学の系譜に燦然と名を刻む名著。
アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた!妄想か、現実か?その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女はーそして読者もー現実と虚構の区別がつかなくなり…ネビュラ賞作家ビジョップによる異形のモダン・ホラーにして怒涛のメタ・ホラー・エンターテインメント!巻末に“30年後の作者あとがき”を収録。(1984年作)
施設に収容されたメアリー・ルイーズの耳には、今もロシアの小説を朗読する青年の声が聞こえているー夫がいながら生涯秘められた恋の記憶に生きる女の物語「ツルゲーネフを読む声」。ミラノへ向かう列車内で爆弾テロに遭った小説家ミセス・デラハンティは同じ被害者の老人と青年と少女を自宅に招き共同生活を始める。やがて彼女は心に傷を負った人々の中に驚くべき真相を見いだしていく…「ウンブリアのわたしの家」。ともに熟年の女性を主人公にした、深い感銘と静かな衝撃をもたらす傑作中篇2作を収録。
「汝の意志するところを行なえ。これこそ法のすべてとならん」-“中毒”の鎖を断ち切り、囚われた心を解き放つために。ある夜、運命的に出会った若き恋人たち。意識変容と至高の愛をめざした、麻薬の山への登攀が、いま始まる。20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、『ユリシーズ』と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される。クロウリーの代表的著作である
優雅の化身とあがめられる美貌の御息所と高徳の老僧の恋の物語「志賀寺上人の恋」。死後の霊とのかかわりを描く「死者の書」。妖しいラヴレターが次々と波瀾を巻き起す恐怖小説「人生恐怖図」。金魚と老作家の会話でできた超現実的な小説「蜜のあはれ」。他全31編。
生誕130年を迎えた、ポーランド随一の狂気的恐怖小説家ステファン・グラビンスキによる怪奇幻想作品集。“火”をテーマとする短篇小説と、自伝的エッセイ、インタビューを収録。目眩めく紅蓮色の怪夢、病み憑きの陶酔と惑乱の書。
南太平洋タヒチの浜辺にたむろする三人の食いつめた男たち。大学出のヘリック、商船の元船長デイヴィス、ロンドン下町育ちのヒュイッシュー不運という絆で結ばれた三人は天然痘の発生で欠員が出た帆船の乗組員に雇われる。どん底からの脱出を願う彼らは、船を盗んで南米へ逃げ、積荷を売りさばこうと企むが、嵐に遭遇して早くも計画に暗雲が。さらにこの船には彼らの知らない秘密が隠されていた…。『宝島』の文豪スティーヴンスンが南太平洋の雄大な自然を背景に描く、冒険者たちの苦闘と葛藤の物語。本邦初訳。
友人との再会から、青年医師ステファンは、煉瓦塀に周囲をかこまれ、丘の頂に屹立する、ビェジーニェツのとある病院に勤務することになる。そこ、「主の変容病院」では、奇怪な精神と嗜好を有する医師と患者たちが日々を営んでいた。彼らに翻弄されるステファンだったが、やがて病院は突如姿を現したナチスによって占拠されてしまう。次々と連行される患者たちを前にステファンの懊悩はなおいっそう深まっていき…レムの処女長篇『主の変容病院』のほか、ナチスによるユダヤ人大虐殺を扱った架空の歴史書の書評『挑発』や『二一世紀叢書』など、メタフィクショナルな中短篇5篇を収録。
ノスタルジーと夢魔を宿す遙かなるメルヘン群。ある日一郎君のところに届いたふしぎな手紙「どんぐりと山猫」。金色の輪の少年が導く死の世界「金の輪」。不条理なリンチの慣わしがある奇妙奇天烈な村の物語「鬼涙村」。憎むべき論敵・蛸博士への復讐がたくらまれるナンセンス物語「風博士」。他全59編。
明日を信じ、悩み、もがき、苦しみ、幕末という激動期を、疾風のごとく駆け抜け、二十七歳という若さで天命をまっとうした、幕末の風雲児・高杉晋作の短くも波瀾に満ちた生涯を活写したノンフィクション小説。
未知の惑星ルラールから来た“第九歌劇団”は素晴らしい演目を披露したあと、忽然と姿を消した…オペラの後援者デイム・イサベル・グレイスはその失踪の謎を解決するため、地球の歌劇団をひきいて様々な惑星をめぐる宇宙ツアーに乗り出すことを計画する。イサベル・グレイスならびに歌劇団の面々とともに宇宙船ポイボス号に乗り込んだのは、“第九歌劇団”を招いた団長にして宇宙船船長アドルフ・ゴンダー、音楽学者バーナード・ビッケル、イサベルの甥のロジャー・ウール、そして謎めいた美女マドック・ロズウィン。かくして波瀾万丈のスペース・オペラが開幕するー彼らを待ち受けるのは大成功か大失敗か大騒動か!?皆様予想どおりのヴァンス的展開となる傑作長篇と、ヴァンスを愛しつづけた名翻訳者・浅倉久志が選び抜いて訳した珠玉の中短篇四作を集成。
「ランプに明かりが灯る」-1629年、美貌のイギリス人リュート奏者ピーター・クレアがデンマーク王クレスチャン4世の宮廷楽団に招かれ、コペンハーゲンのローセンボー城に到着する。王はリュート奏者に親友ブロアの面影を重ねて寵愛する。一方、王の妻キアステンは王への不満をつのらせ愛人との官能の日々を送っている。やがてピーターはキアステンの侍女エミリアと恋に落ちる。しかし二人には数多の試練が待っていた…デンマーク、イングランド、アイルランドと各地をまたがる複数の物語が、絡み合う旋律となって壮大な音楽が奏でられる。極上の歴史小説にして恋愛小説、優美な音楽小説にてして青春小説でもある英国ベストセラー、ついに翻訳刊行!
不貞が発覚しコペンハーゲンから追放となった王の妻キアステンは侍女のエミリアとともに母エレンの城に移り住み、無謀ともいうべき策略を思いめぐらす。「勇気を出すのよ」という亡き母の言葉を胸に抱きながら、弟マークスとの日々を懸命に生きるエミリア。彼女の継母マウダリーナはティルスン家の男たちを支配し、一家を破滅に導いていた。一方、ピーターはかつての恋人オフィンガル伯爵夫人と再会し、夫人に誘惑されながらもエミリアへの思いを募らせる。そして失意のクレスチャン王のもとに現れる新しい存在とは?運命に翻弄される人々の人に果たして静寂の春は訪れるのかー濃密な物語性と精緻な語りで、最後の最後まで驚きの展開がつづく歴史ロマン大作!
大都会のビルディングのはざまで起こる妖しい月光の犯罪「目羅博士の不思議な犯罪」。ナンセンス童話劇「楽しき夏の夜」。夢を培養する理想郷を見つけた男の物語「夢見る部屋」。“薄板界”という異世界の消息を伝える「薄い街」。他全32編。
湖の畔に建つ不可思議な別荘…その美しい奴隷たちが主人の奇妙な生活を語り出す「天鵞絨の夢」。メデューズ号の残酷悲惨な事件を描いたノンフィクション・ノベル「海難記」。美貌の兄弟の心中を主題にした耽美的物語「過去世」。宙に浮かぶ三島由紀夫の首と著者が対話を交わす「冬の旅」。他全34編。