小説むすび | 出版社 : 国書刊行会

出版社 : 国書刊行会

教師人生教師人生

教師としての赴任初日、教室で生徒が放り投げたサンドイッチが床に着地する。教師ーーこいつをどうする? 生徒たちーーこの新米教師、どう出るか? それを拾い上げて口にする。「うまい」生徒たちは喝采した。「すごいぜ、やるね」  保護者が書くべきところ、生徒が自分で書いて提出する嘘の欠席理由書。そこに「偉大なるアメリカの弁明」とでも言うべき溢れんばかりの見事な文章を見てとって考えついた。神の顕現、閃き。理由書を書く練習をする世界初の授業。生徒たちは一心不乱に取り組む。「もっと、もっと。もっと書いてもいい?」そして生まれた弁明の叙事詩。教育長に呼びつけられる。やっちまった。ところが「最高だよ。マコート君、あれこそ我々に必要な、地に足のついた教育だ」廊下でダンスを踊り、空を飛びたい気分だ。  創作の授業で新しい課題を思いつく。「明日は授業に料理本を持ってきてほしい」歴史上初めての、料理本のレシピを朗読する授業。デヴィッドがチキンの赤ワイン煮のレシピを読む。それはやがて楽器の演奏を伴ったリサイタルへと発展していき、クラスは活気に満ち溢れる。でも不安になる。僕たちは楽しむためにここにいるんじゃないぞ、先生よ。  創意工夫をこらし、試行錯誤を重ねた、斬新で野心的な授業の数々。『アンジェラの灰』でピューリッツァー賞を受賞したフランク・マコートが、多感なアメリカのティーンエージャーを相手に奮闘した30年の教師人生を、決して失うことのないユーモアに、悲喜こもごもを交えて綴った感動の名作。

ウィリアムが来た時ウィリアムが来た時

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2019年6月24日 発売

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ドイツ帝国に支配された架空のロンドンを舞台とした、 「短編の名手」サキによる、 本邦初訳ディストピア歴史IF群像劇! ドイツによる支配が始まってから数ヶ月。街には独英二ヶ国語の文字が並び、ドイツ風の名前の料理店やカフェが軒を連ね、バッキンガム宮殿にはドイツ国旗がはためき、ロンドンはすっかり様変わりした。 その頃社交界では、体制に迎合する者、上手く利用しようとする者、反対する者、関心を持たぬ者など、さまざまな思惑をもった人物たちが、それぞれ己のため、あるいは国のために活動していた。 有閑階級夫人のシシリー・ヨービルが華やかなパーティや催しごとを開く中、野心的な人々が敗戦下での地位を築くために政治劇を水面下で繰り広げる。一方、ドイツによる英国支配をより堅固なものにするべく、クワル卿なる怪人物が暗躍する。 そして、ある晴れた暖かい五月の午後のハイド・パーク。支配を象徴するかのように、高らかにファンファーレを響かせるパレードを従えたドイツ皇帝が、ついにその姿を現す── 第一章  鳴鳥と気圧計 第二章  帰国 第三章  メツゥキー・ツァール 第四章  立ち入るべからず(エス・イスト・フェルボーテン) 第五章  親類になる方法(ラール・デートル・クージン) 第六章  クワル卿 第七章  誘惑 第八章  初日公演 第九章  「記憶に残すべき」夜 第十章  よぎる考えと「礼拝(テ・デウム)」 第十一章 喫茶店 第十二章 旅の連れ 第十三章 トーリーウッド 第十四章 午後の大きな勝利 第十五章 巧みな商売人 第十六章 朝日 第十七章 今シーズンで一番のイベント 第十八章 言い訳が通じない死者たち 第十九章 小狐      訳者あとがき  深町悟

怪奇骨董翻訳箱怪奇骨董翻訳箱

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2019年6月24日 発売

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ドイツが生んだ怪奇・幻想・恐怖・耽美・諧謔・綺想文学の、いまだ知られざる傑作・怪作・奇作18編を収録。 ≪人形≫≪分身≫≪閉ざされた城にて≫≪悪魔の発明≫≪天国への階段≫≪妖人奇人館≫…… 6つの不可思議な匣が構成する空前にして絶後の大アンソロジー。ほとんど全編が本邦初訳!! I 人形  クワエウィース? フェルディナンド・ボルデヴェイク  伯林白昼夢 フリードリヒ・フレクサ  ホルネクの自動人形 カール・ハンス・シュトローブル II 分身  三本羽根 アレクサンダー・レルネット=ホレーニア  ある肖像画の話 ヘルマン・ヴォルフガング・ツァーン  コルベールの旅 ヘルマン・ウンガー III 閉ざされた城にて  トンブロウスカ城 ヨハネス・リヒャルト・ツアー・メーゲデ  ある世界の終わり  ヴォルフガング・ヒルデスハイマー  アハスエルス ハンス・ヘニー・ヤーン IV 悪魔の発明  恋人  カール・フォルメラー  迷路の庭  ラインハルト・レタウ  蘇生株式会社  ヴァルター・ラーテナウ    V 天国への階段  死後一時間目  マックス・ブロート  変貌   アレクサンダー・モーリッツ・フライ  美神の館・ 完結編  フランツ・ブライ VI 妖人奇人館  さまよえる幽霊船上の夜会(抄)  フリッツ・フォン・ヘルツマノフスキ=オルランド  人殺しのいない人殺し  ヘルベルト・ローゼンドルファー  ドン・ファブリツィオは齢二十四にして  ペーター・マーギンター 訳者あとがき

愛なんてセックスの書き間違い愛なんてセックスの書き間違い

アメリカSF界のレジェンド、カリスマSF作家 ハーラン・エリスンはSF以外の小説も凄い! 犯罪小説を中心に非SFジャンルの初期傑作を精選、 日本オリジナル編集・全篇本邦初訳でおくる 暴力とセックスと愛とジャズと狂気と孤独と快楽にあふれた エリスン・ワンダーランド! 「父さんのこと、殺す」痩せた少年の緑色の瞳は飢えたようだった……孤独な男と孤独な少年の出会いを痛切に描く「第四戒なし」、成功した作家が体験するサイケデリックな彷徨譚「パンキーとイェール大出の男たち」、閉ざされた空間に幽閉される恐怖を華麗な筆致で綴る「盲鳥よ、盲鳥よ、近寄ってくるな!」、〈ジルチ〉がある小説を書け!と命じられた新人作家の苦悩とは? 爆笑のポルノ小説「ジルチの女」、ギャング団潜入取材を元に書かれた「人殺しになった少年」、グルーヴィな筆致が炸裂するエリスン流ジャズ小説「クールに行こう」など、カリスマSF作家エリスンによる犯罪小説・ポルノ小説・ジャズ小説・ハードボイルドといった非SFジャンルの初期傑作を精選した日本オリジナル短篇集(全11篇、すべて本邦初訳)。 第四戒なし 孤独痛 ガキの遊びじゃない ラジオDJジャッキー ジェニーはおまえのものでもおれのものでもない クールに行こう ジルチの女 人殺しになった少年 盲鳥よ、盲鳥、近寄ってくるな! パンキーとイェール大出の男たち 教訓を呪い、知識を称える 解説 若島正

死者の饗宴死者の饗宴

20世紀英国怪奇文学における幻の鬼才、 知られざる異能の物語作家、ジョン・メトカーフ。 不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた 怪異談・幽霊物語・超自然小説の傑作を集成する 本邦初の短篇集がついに登場! 〈要注意! 錯乱と妄想、腐敗と穢れに満ちた世界に触れたくなければ、本書を読んではいけない……〉横山茂雄 その刹那、わたしの眼に映った息子の顔に浮かんでいた恍惚の表情は美しかったが、同時に年老いてもいた……少年と彼に取り憑いた正体不明の存在〈あれ〉との顛末を妖しく語り、読者の想像を超える衝撃的な結末を迎える代表作中篇「死者の饗宴」のほか、〈サトレジ号でたぶん1898年だった〉という謎の言葉と不気味な子供に翻弄される男を描く狂気に満ちた怪異談「ブレナーの息子」、ビルマの神秘な力を持つ宝石と護符をめぐる奇妙な物語「煙をあげる脚」など、知られざる英国怪奇文学の名手による異形のホラー・ストーリー、幽霊物語、超自然小説を厳選した全8篇。 悪夢のジャック 煙をあげる脚 悪い土地 永代保有 時限信管 ブレナーの息子 ふたりの提督 死者の饗宴 解説 横山茂雄

JRJR

11歳の少年JRが巨大コングロマリットを立ち上げて株式市場に参入、世界経済に大波乱を巻き起こすーー!?  ミステリ作家・殊能将之も熱讃した、世界文学史上の超弩級最高傑作×爆笑必至の金融ブラックコメディがついに奇跡的邦訳!! 第27回全米図書賞受賞作。 *** ロングアイランドのとある公立学校に通う少年JR・ヴァンサントは、若干11歳にして金儲けに興味津々、いつも頭の中はビジネスチャンスのことばかり。 ある時JRは、軍需余剰品売買の情報を得て、自身のクラス・6年J組名義で勝手に銀行口座を開設、わずかな資金で要領よく海軍放出のピクニック用フォークを大量に陸軍へ売却し、大儲けに成功した。また一方で、社会見学の時間にクラスのお金でたった1株を買っただけのケーブル会社の社則違反を見つけ出し、株主として損害賠償を請求、さらなる大金をせしめる。 こうして得た資金を元手に潰れかけの紡績会社を買収し、企業経営に乗り出したJRは、音楽家志望の教師バストを代理人としてこき使いながら、わらしべ長者的に投資規模を拡大。いくつもの中小企業を雪だるま式に乗っ取り、「JR社ファミリー」なる企業グループを瞬く間に築き上げる。マッチポンプ方式でグループ内の連携を強化し事業を軌道に乗せ、満を持してアメリカ株式市場に参入。 かくしてアメリカンドリームを体現するがごとく成功の道を突き進むかに見えたJR社ファミリーだったが、間もなくJR自身の手に負えなくなり、市場を貪欲に飲み尽くす巨大コングロマリットと化し大暴走、数多の企業や人々を巻き込み、世界経済に大波乱を巻き起こすーー! 舞台地図 登場人物一覧 JR 訳注 訳者あとがき

さらば、シェヘラザードさらば、シェヘラザード

「厖大なウェストレイク作品の中にかなり変な作品があるらしい」 「ミステリではなく普通小説、いやポルノ小説、しかもメタフィクション!?」 ……謎が謎を呼ぶ、伝説の作品がついに登場! 〈悪党パーカー〉シリーズや数々のコメディ・ミステリで知られる 巨匠ウェストレイクによる爆笑の半自伝的実験小説。 〈ウェストレイク全作品の中でも大傑作に属する、私小説にしてメタメタフィクション!〉若島正 ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない(そして小説は延々と1章25ページが繰り返される!)。ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもよらないトラブルに巻き込まれることになる……リチャード・スターク名義の〈悪党パーカー〉シリーズや〈泥棒ドートマンダー〉シリーズでおなじみのコメディ・ミステリの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説がついに邦訳!(1970年作)

最後に鴉がやってくる最後に鴉がやってくる

死にゆく者はあらゆる種類の鳥が飛ぶのを見るだろうーー 自身のパルチザン体験や故郷の生活風景を描いた 〈文学の魔術師〉カルヴィーノの輝かしき原点となる 第一短篇集、待望の刊行! 森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは……緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する〈文学の魔術師〉が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション! シリーズ〈短篇小説の快楽〉全5巻完結 ある日の午後、アダムが 裸の枝に訪れた夜明け 父から子へ 荒れ地の男  地主の目 なまくら息子たち 羊飼いとの昼食 バニャスコ兄弟 養蜂箱のある家 血とおなじもの  ベーヴェラ村の飢え 司令部へ 最後に鴉がやってくる 三人のうち一人はまだ生きている 地雷原 食堂で見かけた男女 ドルと年増の娼婦たち 犬のように眠る  十一月の願いごと 裁判官の絞首刑  海に機雷を仕掛けたのは誰?  工場のめんどり  計理課の夜  解説 イタロ・カルヴィーノの出発地ーーリヴィエラとパルチザンの森  堤康徳 訳者あとがき

新編・日本幻想文学集成 9新編・日本幻想文学集成 9

森鷗外の系譜、テーベ百門の大都とその精神を継承する作家たち。 地下墳墓のミイラに前世の無限連鎖を見出す「木乃伊」。応仁の乱の乱世に材をとった歴史小説「雪の宿り」。妖術により不老不死となった芸妓の綺譚「喜寿童女」。巧緻な文体で純なる魂の美をえがくキリシタン物「きりしとほろ上人伝」。怪談会を舞台にした「百物語」。他全63編。 全巻完結! 中島敦  矢川澄子編 狐 憑 木乃伊 山月記 文字禍 名人伝 悟浄出世 悟浄歎異 盈 虚 牛 人 弟 子 李 陵 幸 福 遍 歴 解 説 中島敦における歌のわかれ 神西清  池内紀編 夜の鳥 ハビアン説法 わが心の女 雪の宿り 化 粧 三つの挿話 水に沈むロメオとユリヤ 死児変相 ジェイン・グレイ遺文 青いポアン 解 説 もう一つの原作 石川淳  池内紀編 瓜喰ひの僧正 山 桜 ころび仙人 鉄 枴 しぐれ歌人 無尽燈 焼跡のイエス 曽呂利咄 かくしごと 怪異石仏供養 喜寿童女 二人権兵衛 無 明 解 説 ガラス玉演戯 芥川龍之介  橋本治編 葬儀記 田端日記 きりしとほろ上人伝 じゆりあの・吉助 藪の中 トロツコ 毛利先生 舞踏会 庭 彼 あの頃の自分の事 蜘蛛の糸 地獄変 裏 畠 葱 わが散文詩 東京田端 解 説 殺された作家の肖像 森鷗外  須永朝彦編 蛇 流 行 百物語 不思議な鏡 鼠 坂 寒山拾得 椙原品 寿阿弥の手紙 うたかたの記 空 車 秋夕夢 解 説 小説といふものは何をどんな風に書いても好いものだ

麻薬常用者の日記〔新版〕 3煉獄篇麻薬常用者の日記〔新版〕 3煉獄篇

「汝の意志するところを行なえ。これこそ法のすべてとならん」-- 〈中毒〉の鎖を断ち切り、囚われた心を解き放つために。 太陽が、大空が、海が、大地が、言語を絶した秘蹟に加わる。 煉獄の山の頂点で二人に訪れる福音、そして人生の謎に対する答えとは。 20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、アレイスター・クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、『ユリシーズ』と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される、クロウリーの代表的著作である。 ド・クインシー『阿片吸引者の告白』、ボードレール『人工楽園』、コクトー『阿片』、ハクスリー『知覚の扉』、バロウズ『裸のランチ』、ウェルシュ『トレインスポッティング』等、麻薬文学の系譜に燦然と名を刻む名著。 アレイスター・クロウリーの没後70年を記念する待望の改訳新装版。 ※本書は1987年刊、『アレイスター・クロウリー著作集 第三巻』「麻薬常用者の日記」の改訳新装版です。 第一章 キング・レイマスの介入  第二章 応急手当 第三章 天の声 第四章 安全地帯 第五章 テレピラスにて 第六章 真の意志 第七章 意志下の愛 新版 訳者あとがき 解説 滝本誠

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