出版社 : 小学館
独立国家樹立を悲願に聖地マハバード奪還を目指すクルド人たち。日本人武器商人・ハジが旧ソ連で調達したカラシニコフ二万挺は、無事クルド人の元へ届けられるのか。一方、クルドの民を押さえこまなくてはならないイラン革命防衛隊は、内部の腐敗によりその機能が低下し始める。革命防衛隊を立ち直らせたいと理想に燃える青年・サミル・セイフは、まさかの裏切りに遭い窮地に追い込まれる。革命防衛隊の腐敗と、クルド人の武装蜂起。生き別れた姉とサミルの奇跡の邂逅、あらゆる伏線が一つになり、驚きの結末へと導かれる。船戸与一が描く一大叙事詩、下巻。
全米メディア絶賛、ジョー・ヒル待望の新作 ヴィクトリア・マックイーンは8歳のときから、父にもらった自転車ですでに無くなっているはずの〈近道橋〉をわたり、失せ物を見つけられるようになった。17歳のある日、母と喧嘩をして家を飛び出したヴィクはその自転車で〈橇の家(スレイ・ハウス)〉に辿り着く。そこにいたのは、〈NОS4A2(ノスフェラトゥ)〉のナンバープレートを付けたロールスロイス・レイスに乗る老人ーー吸血鬼(ノスフェラトゥ)ならぬ連続児童誘拐犯の、チャールズ・タレント・マンクスだった。 ブラム・ストーカー賞2013年度最優秀長編賞候補にノミネートされた、ベストセラー作家ジョー・ヒルのダークホラーが日本上陸。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ノスフェラトゥ」とは有名なドイツ映画のタイトルにもあるように、吸血鬼を指す言葉として欧米でよく使われています。 本作は、連続児童誘拐犯が乗る年代物のロールスロイスのナンバープレート「NOS4A2」を「ノスフェラトゥ」と読ませ、タイトルとしています。モダンホラーの旗手ジョー・ヒルが描く、現代アメリカの「吸血鬼」の恐怖をどうぞご堪能ください。
モダンホラーの旗手が描く話題沸騰の傑作! 連続児童誘拐犯のマンクスに殺されそうになった記憶に苦しめられ、重度のPTSDを患ったヴィクは、入院生活を経て病を克服し、幼い頃に休暇を過ごした湖の家で息子ウェインと水入らずの日々を送っていた。しかしそれもつかのま、ヴィクへの復讐に燃えるマンクスはウェインをさらい、ロールスロイス・レイスで彼の作り上げた王国〈クリスマスランド〉へ向かう。ヴィクは息子をとりもどすため、満身創痍の体でバイク・トライアンフを走らせるーー。 ベストセラー作家ジョー・ヒルが放つ、ダークホラーの傑作がここに完結! 解説は、ミステリ研究家の霜月蒼さん。 【編集担当からのおすすめ情報】 本作は2013年度ブラム・ストーカー賞最優秀長篇賞にもノミネートされ、米国でも大きな話題となっています。発表は2014年5月、ぜひご注目ください。
絶対に手の届かない憧れの先輩が私にキス! 憧れの柊先輩に告白して、あっさり振られてしまった女子高生の陽菜子。どんなに冷たい態度をとられても、やっぱり諦められない大好きな柊先輩…。そんなころ、気を利かせてくれた友だちの仕切りで、柊先輩と一緒に遊園地に行くことになった陽菜子は、観覧車の中で柊先輩に突然キスをされ激しく戸惑う。冷酷な態度から一変した柊先輩。私のこと、嫌いなわけじゃなかったの…? 切なくて甘い、ハートウォーミングな恋の行方は!?
ヤンキーお嬢様は恋愛禁止!? 財閥令嬢のふりをしてお金持ち学園に転入したヤンキー少女の美優は、学園の王子様と呼ばれる静流に一目惚れ!けれど、真のお嬢様に与えられるという『撫子賞』を目指す美優は、恋をするわけにはいかない……。おまけに、必死に隠していた“正体”を静流に知られてしまって!?
六篇の短編連作で綴るドラマチックなラブストーリー。仙波莉子と京川俊は、絶対に出逢うはずのない二人だった。しかし、ある朝、太一の猫、タマがミルクをこぼしたことをきっかけに、いくつもの偶然が積み重なり、二人は恋に落ちる(「もしタマがミルクをこぼさなかったら…」)。風の強い日に、パンティが向かいのベランダに飛んでいったことが縁で、藍川奈都は入江敦広と出逢うことに(「パンティは風に乗ってー」)。運命の恋を信じたくなる恋物語が満載。全ての短編を読み終えた瞬間に気がつく衝撃の結末。
相棒史上、最高密度のミステリーを小説で! 東京から300km離れた絶海の孤島、鳳凰島。ある実業家が個人所有しているこの島では、元自衛隊員たちで組織されるグループが共同生活を送っていた。 ジャングルの中を駆け回り、実戦さながらの訓練を繰り広げる「民兵」集団の中で、ある日、死亡事故が発生。特命係の杉下右京と甲斐享に現地での調査が依頼される。実は2人が島に渡るのは、事故の調査だけではなく、この島で訓練をするグループには「妙な噂」があり、その真偽を確かめるためでもあった。 気の進まないまま島に上陸した2人だったが、右京はいつもの鋭い洞察力で島で起きた事故は殺人事件だという確信を持つ。外界から閉ざされた絶海の孤島、「巨大な密室」の中で解き明かされて行く事件の真相。しかし、2人の前には思いもよらぬ巨大な力が立ちはだかるのだった。 作品を重ねるごとにスケールアップする「相棒」劇場版。謎を追って、ジャングルを駆け回る特命係2人の活躍を、完全ノベライズ。 【編集担当からのおすすめ情報】 巨大なスケールで描く密室ミステリー。謎の裏にもうひとつのドラマが。
自殺幇助をする「神父」とは何者か…!? 警察組織において、テロや誘拐などの特殊事案を担当するSAT、SITに続く”第3のS”として作られた新部隊、NPS(警察庁特殊急襲捜査班)。その目的は、どんな凶悪犯でも殺さずに「確保」することだ。 NPSの突1として熱い理想に燃える神御蔵一號のもとに、あくまでも犯人の「制圧」を目指すSAT随一のスナイパー・蘇我伊織が異動してくる。そんな折、自殺者の傍からナイクラッド弾が見つかるという事件が続発する。浮上してきたのは、「神父」というハンドルネームの人物で……!? 同名の人気漫画のノベライズ第2弾! 【編集担当からのおすすめ情報】 向井理、綾野剛ほか出演の連続ドラマ『S-最後の警官ー』(全国TBS系列日曜劇場)も大人気。映画化決定でますます目が離せません!
昭和六十三年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のことを頼む」と墾願されていた。家庭を壊し、刑事という立場も顧みずして死の直前まで意識野にのぼらせ続けた女は、一方、寺本のことなどまったく意に介す様子を見せなかった。その後、巻き込まれるようにして蒲田は政財界の中枢をになう人物たちと会う羽目になり、詩子との不可思議な関係を目の当たりにする。そして平成元年を迎え、物語は動き出す。超弩級の悪女エンタテインメント文庫化!
金四郎が掴んだ花魁の死の真相と切ない思い 吉原日本堤の外に広がる田んぼで、稲本屋の花魁・雛菊が刀で斬られて亡くなっていた。見つけたのは、昨夜雛菊と話を交わしていた、18才の遠山金四郎だった。金四郎は、実は旗本家の跡継ぎだったが、複雑な家族関係から遠山家を継ぐことは当分無く、家を出て歌舞伎の森田座で笛方をしていた。 金四郎は、旧知の狂歌師・大田南畝、浮世絵師の歌川国貞とともに、彼女がだれに殺されたのかを探り始める。調べを進めていくと、雛菊があるときから店に来る男たちに心中を持ちかけていたことを知る。 彼女は、なぜ心中を望むようになったのか。 金四郎は、いつしか雛菊の暗い心のうちに踏み込んでいく。そして、彼女に関わっていた男たちも、いろいろなものを抱えて生きていることに気づき、簡単には変えられない世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。 雛菊の死を巡る謎は意外な真実が待ち受けており、全編サスペンスに溢れた優れたミステリーにもなっている。 第11回小学館文庫小説賞の受賞作。文庫化にあたり、「恋の手本となりにけり」から題名を変更し、著者が大幅に加筆しました。 【編集担当からのおすすめ情報】 この作品のきっかけとなったのは、著者の永井さんが新聞記者時代に受け取った1通のファクスだったといいます。「身元不明の変死体発見」と書かれたその事件に、とてもショックを受けたそうですが、結局記事になることもなく消えていきました。そんな人たちのことを考えた著者が、時代を江戸時代に置き換えて書き上げたのが、この作品です。
「太った探偵」が活躍するシリーズ第5弾 ギリシャの高名な詩人サントスは、その作品が高く評価されるものの、詩集の売れ行きは芳しくなく細々と生活していた。彼の娘レダがまだ幼い頃に、妻は娘を残して他の詩人と駆け落ちしており、サントスはレダと二人で暮らしていた。そんなある日、サントスはオリーブを喉に詰まらせあっけなく死んでしまう。残された遺書には「自分がふたたび日の光を浴びるまで、誰も何も受け取ることは許されない」と書かれていた。 そして4年後。ギリシャ正教の慣習による改葬の儀の日、掘り返された棺に入っていたのは、なんと豚の骨だった。遺族への遺産相続の手続きもできず、困り果てたサントスのエージェントから真相究明を依頼された「太った探偵」ヘルメスは、やがて意外な事実に突き当たる…。 神々の国ギリシャを舞台に、謎深き「太った探偵」ヘルメスの活躍がますます冴える好評シリーズ第5弾。
高校教師・藤原孜のもとに、担任している女子生徒五人から、自殺予告メールが届いた。一通目「先生にみんなで最後にメールしようよって言い出したのは、ナツキだったと思う。先生は、これから全員の遺書めいたメールを受信します」、二通目「全員のメールを読んだ後に、一人だけ、たった一人だけに返信するんです」、三通目「顔見れば分かる。みんな選ばれたいって思ってる」、四通目「私は殺される。これは私を殺す為の、彼女達が考えた完全犯罪なんです」、五通目「先生、お願い、私に返信してください」。殺すのは誰で、死ぬのは誰か?悪夢のようなラスト!
元料理人の僕は、奇妙な仕事を紹介される。それは、古い屋敷で、一人暮らしの高齢のマダムのために毎晩一杯のスープを作ること。報酬は破格だった。屋敷で、僕はマダムの孫娘である風変わりな美少女・千和に出会う。両親を事故で失くした千和は心を閉ざしていたが、母の遺した料理本を愛読し、古今東西の料理について膨大な知識をもっていた。一方、僕は、幼い頃に別れた母と最後に食べた「想い出のスープ」を探していてー。料理本マニアの少女×元料理人の僕。屋敷に封印された“悲しみの記憶”を解く鍵は、一杯のスープ。現役料理人が描く希望と再生の物語。
誰もが避けて通ることのできない「老い」、そしてその先にある「死」に対して、延命に軸足を置いた現在の医学的なアプローチだけでは、きちんと向き合うことに限界が出てきているのではないだろうか。高齢者という大きな括りでカテゴライズすることは、かえって彼らから目を背けていることに繋がらないだろうかー。そんな思いを抱きながら、逝ってしまった父、そして義父の人となりについて、作者は、慈愛に満ちた眼差しで実に丹念に描き尽くす。読後、あたかも彼らを自分の近しい人のように感じ、悼む気持ちを覚えてしまう三つの作品集。
絆、再生、挑戦…圧倒的爽快感の人間ドラマ 芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。 弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…? 偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。 【編集担当からのおすすめ情報】 もともと乗馬が趣味で馬が大好きな著者がみっちりと一年間かけて取材したからこそ可能になった臨場感溢れる競馬描写、馬好きだからこそ書ける馬への愛情溢れる目線…。 競馬にまったく興味がない人も、競馬好きも大満足の面白さ。そして何よりも、不器用で傷つきながらも懸命に生きる人間への、人生へのまっすぐな愛情が爽やかな感動を呼ぶヒューマンドラマの大傑作です。 読後の圧倒的爽快感を是非体感してみてください。 小説の力を感じるはずです。 プロローグ 4 1 卒業 6 2 出発 17 3 厩舎 28 4 追憶 49 5 初戦 64 6 特別 78 7 秘密 90 8 真相 108 9 苦戦 124 10 決意 136 11 運命 154 12 夜空 167 13 調教 174 14 能試 189 15 認定 206 16 遠征 223 17 女王 244 18 反動 261 19 傷痕 282 20 挑戦 304 21 桜花 336 エピローグ 355
「五二物(質草)」に紛れ込んだ幻の宝石ーシン、ヒロ、ケイタの三人は、その石があるという高級質店「K」に忍び込み、一儲けしようと企む。だが、その質屋のオーナーは、違法薬物を常用し、また、たびたび暴力事件を起こすなどヤクザ顔負けの危険人物だ。一方、五年前、違法薬物の過剰摂取で娘を亡くした刑事の君島総一郎は、睡眠薬自殺として「処理」された事件の真相を、県警本部の木戸誠とともに執拗に探っていた。その途上、「K」にたどり着く。シリーズ60万部突破『偏差値70の野球部』の著者による、ノンストップ犯罪ノベル!書き下ろし映画化原作。
桂助のもとに人気絵師・喜代麿が訪れる。喜代麿が探しているという“呉服橋のお美”が、銘茶問屋芳田屋の娘・美鈴であることがわかり、それをきっかけに桂助のもとを訪れることになった美鈴。女手がなくなり、鋼次とふたりで慌ただしい日々を送っていた“いしゃ・は・くち”の手伝いに美鈴は通うようになる。当初は、名前を偽り装いも変えていた美鈴に、鋼次は厳しい目を向けていた。桂助は、彼女の回りで起きたいくつかの事件を解決していくうちに、美鈴の思いに気付くのだった。新たな恋の行方を描いて新展開のシリーズ第十三弾!
警察庁特殊急襲捜査班、通称NPS始動! 警察組織においてテロや人質立てこもり事件等の特殊事案を担当するSAT、SITに続く”第3のS”として誕生した通称NPS(警察庁特殊急襲捜査班)。既存の”S”と異なるのは、犯人を生きたまま「確保」することを目的とする点だ。 神御蔵一號(かみくら・いちご)は、プロボクサーを引退後、23歳で警察官になった異色の経歴の持ち主で、発足間もないNPSの突1(突入第一班)にスカウトされる。高い運動神経と瞬発力を誇るが、周囲の状況や危険を顧みずに現場に飛び込んでいく向こう見ずな一面がある。 蘇我伊織(そが・いおり)は、「神業」と言われる狙撃力をもつSAT随一のスナイパー。神御蔵とは対照的に、洞察力に優れ、冷静沈着な性格だ。 「俺はすべてを護ると決めたんだ。被害者の命も、加害者の命も、そしてこの国の治安もーー。己が命を盾として、分け隔てなくすべてを護る。そのために俺たちはここにいる。それがNPSだ」 ”すべてを護る”ことを理想とする神御蔵と、あくまでも”制圧”を目指す蘇我ーー相反する考えをもつ二人の男の物語が始まる。 大人気漫画『S-最後の警官ー』を完全ノベライズ! 【編集担当からのおすすめ情報】 原作は『海猿』や『DOG POLICE』を手がけた小森陽一氏。警察を舞台にした骨太のエンターテインメント作品です。