出版社 : 平凡社
『おばけずき』に始まる平凡社ライブラリーの夏の定番“文豪怪異小品集”シリーズの記念すべき十冊目「特別篇」は、幻想童話ー文豪たちによるファンタジー名作集!泉鏡花「海戦の余波」、内田百〓「王様の背中」、宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」のほかこの分野の創作に長けた名匠たちが決まって生涯に数作、あたかも示し合わせたかのように書き残した名作を厳選し、一巻に集成した、かつてないアンソロジー。
明治末から昭和半ばにかけてそれ以前の男色ともそれ以後の男性同性愛とも一線を画し国家的暴力・家父長的暴力へのアンチテーゼとして生まれた少年愛の文学。確かに存在したその系譜を江戸川乱歩、川端康成、中井英夫ら男性作家一五人の作品で編み出すクィア・アンソロジー。
天然痘、コレラ、インフルエンザー突然襲いくる見えない恐怖。神罰論、環境説、帝国主義、性差別、戦争などと絡み合い、記憶と忘却の狭間で人類社会に大きな禍根を残してきた疫病を描き、コロナ・パンデミック後の世界を考える指針となる七編。
フォルモサとは、「台湾」を指す言葉。 ヨーロッパ各地を転々とし、1703年に渡英した著者のサルマナザールは、 自らフォルモサ人と称し、生まれ故郷のフォルモサと、支配国であった日本に関する書『フォルモサ』を著した。 本書は大評判となり、各国語に翻訳され当時の大ベストセラーに。 サルマナザールはフォルモサの権威としてオックスフォード大学で講演をするまでになり、 『フォルモサ』は、その後のヨーロッパのアジア認識にも大きな影響を及ぼすこととなった。 すべては彼の壮大な作り話であったにもかかわらずーー。 『ガリヴァー旅行記』にも影響を及ぼし、 風刺文学の祖にして、ファンタジー小説の傑作ともいわれる『フォルモサ』。 日本では『台湾誌』として、タイトルのみ知られてきた「世紀の奇書」、待望の本邦初訳
不良で、動物好きで、とてつもない飲んべえで、法螺吹きのでたらめ人間、でも自分に正直で、観察眼鋭く、筆の力は抜群で、威張っている奴を見ると、どうしてもからかいたくなるーそんなハシェクの魅力を一挙紹介。カフカ、チャペックと並ぶチェコの代表的人気作家の波乱万丈の実体験に基づくおもしろすぎる二七編。ヨゼフ・ラダの挿絵入り。
「人間たちが探しているものは、たった一輪のバラとか、ほんの少しの水のなかに、ちゃんと見つかるものなんだよ…」サン=テグジュペリが綴った、目には見えない、ほんとうに大切なもの。人生にそっと寄り添う53の言葉。
「損なわれた医師」「医療と暴力」「看護」「患者」「女性医師」「最期」「災害」-七つの主題別に、生と死、理想と現実の狭間を描く一四編を収録。医療と文学を繋ぎ、医療をめぐる様々な問題に向き合う医療人文学の視点から編まれた初のアンソロジー。
朝鮮近代文学の祖と言われるも、解放後「親日」と糾弾され消息不明となった李光洙。日本統治下の人々と社会をつぶさに描き、旧世界への危機感を喚起した傑作、ついに文庫化! 〔ムジョン〕は「無情」の韓国語読み
1832年、共和派市民が政府軍と死闘に。バリケードにはマリユスら主要登場人物たちが。感動のフィナーレは地下道を抜け出た主人公の天上的な死。全5巻完結。
七月革命後の混迷のパリを舞台に物語は核心部へ。コゼットとの愛を育みつつ反政府秘密結社員として活動を続けるマリユス、彼を慕うエポニーヌ、浮浪児ガヴローシュ……。(全5巻)
王党派貴族を祖父にもつ青年マリユス。社会主義に感化され恵まれた身分を捨てた彼は、公園で毎日出会う未知の少女コゼットに惹かれていく。運命の大転機となる出会い。(全5巻)
ヨーロッパ各地で独裁者が台頭し再び戦争の影が迫りつつあった一九三九年六月。イギリスの内奥に位置するオリヴァー家の屋敷ポインツ・ホールでは、年に一度の野外劇が上演されようとしていたー。一昼夜の出来事に、田園の日常と、時代の気配を見事に描き出したヴァージニア・ウルフの遺作、待望の新訳。