出版社 : 早川書房
深い闇に包まれた夜の森の中で、忌わしき惨劇に見舞われた美しい少女ディー。それ以来、彼女の幼い心は、夜ごと訪れる悪夢に苛まれ続けていた。どこからか聞こえてくる“声”が「父親を殺せ」と囁くのだ。愛する娘の異変に気づいたブリーマーは、彼女の精神を支配しようとする邪悪な力と対決すべく、ついに銃を握ったが…。P・K・ディックの絶賛を浴びて登場した鬼才が、圧倒的な筆力で描破する恐怖と異常世界。
射殺した被害者の死体を、鋭利なナイフで十文字に切り裂く連続殺人犯。ラスヴェガスを恐怖に陥れた狡猾な殺人鬼は、元ニューヨーク市警の精神異常犯罪捜査官スタインに、不可解なメッセージを送りつけてきたー。「おまえが使命を果たすためにラスヴェガスへ来ないのなら、誘拐した少女の指を一本ずつ切断する」というのだ。さらなる凶行を阻止すべく、スタインは狂気に支配された多重人格の犯罪者との心理戦を開始した。
うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬をくれるという。だが、家捜しを始めたとたん、パトロール警官の二人組に踏み込まれた。その上、寝室からは死体が見つかり、私は当然殺人犯として追われるはめに。容疑を晴らし、再びプロの泥棒としての仕事をするためにも、自分の手で事件を解決しなくてはならない。マンハッタンの泥棒探偵バーニイ・ローデンバー、小粋に文庫初登場。
麻薬取引の現場を押さえようとした警官が殺された。一人はショットガンで、もう一人はパトカーごと谷底に突き落とされ無残な骸をさらしていた。警官たちは誰しも憤りで体が震えた。こんな田舎町にまで麻薬組織が手をのばしているとは。組織を陰で操る大物密売人を暴き出すため、検事事務所のピンチョン捜査官は捨身のおとり捜査を決意した。退職願望を持つ中年捜査官が難事件に立ち上がる姿を描く注目のシリーズ第三弾。
二人で過ごしたあの夜。思い出すたび胸がしめつけられる。朝になると彼女はいなかった…。恋人が去って以来、元ミュージシャンのクリックはアイダホで失意の日々を送っていた。バードウォッチングや釣りに心の安らぎを求めながら。ところが飛行機の墜落事故が田舎町の静寂を破り、クリックを再び錯綜した事件の渦中に巻き込んでいった。大自然を背景に失踪人捜しのプロの弧独な闘いを描くセンチメンタル・ハードボイルド。
100人の女子高生からバレンタイン・チョコをせしめておきながらなんにもお返しをしない男。こんな男に乙女たちの情無用の逆襲がはじまった…。「逆バレンタインの惨劇」、マッドサイエンティストの実験事故から時空がよじれ、ビッグママが支配するオモテ日本とリトルママが支配するウラ日本に日本がふたつになった。オモテ日本が生き残るため、リトルママを斃す刺客となった少女は…。「筋肉地帯」等、ギャグ4篇を収録。
臨時雇いとして、影でCIAの仕事に携わりつづけた一人の男が死んだ。彼の名はステディ・ヘインズ。ひっそりと生きた彼は、ひっそりと死んだ。アーリントン国立墓地で行われた葬儀に出席した会葬者は、政府からのまわし者をのぞけば、故人の息子と愛人と旧友のたった三人だけだった。だがステディの遺産は、その目立たない人生とは裏腹にCIAを震撼させた。彼は自分の関わった仕事の内容を暴露した回想録の原稿を息子に残していたのだ。CIAは回想録を握りつぶそうと動きはじめる。しかし、それを狙っているのはCIAだけではなかった。ステディの葬儀に出席した三人が馴染みの〈マックの店〉で旧交を温めた直後から、何者かが彼らの命を狙いはじめたのだ。ステディの息子で殺人課の元刑事グラニー・ヘインズは、殺人者への反撃を決意する。彼は〈マックの店〉を根拠地に仲間を集め、回想録の原稿を餌に復讐の罠を張るが…。予断を許さぬ巧みなストーリーテリングと粋な会話で並ぶ者なきロス・トーマスの、“巨匠屈指の傑作”と評された最新作。
愛するものを失うことはつらい。ましてそれが、聡明で思いやり深く、誰からも愛される15歳の少年ならなおさら。ベストセラー作家のデイヴィッドは、ある日、息子のマットが庭で苦しんでいる姿を目撃する。マットの体は病魔に冒されていた。病名はユーイング肉腫。珍しい種類の癌だ。何度も襲う苦痛に耐えながら、マットは最新の治療法に身を委ねる。だが、闘病むなしく、命の炎はわずか半年で燃えつきた。その翌晩、父デイヴィッドは不思議な現象を体験する。悲しみにくれる彼の部屋を無数の蛍が飛びかっていたのだ…。「ランボー・シリーズ」で有名なベストセラー作家が、みずからの体験をもとに親子の強い絆を描く感動作。
キャロラインは最愛の夫とふたりの子供にかこまれ、なに不自由のない生活をおくっていた。だが、19年前の出来事が脳裏から去ることはけっしてなかった。当時5歳だった娘のヘイリーが誘拐され、必死の捜査にもかかわらず、惨殺体となって発見されたのである。犯人が逮捕されぬまま月日はたち、キャロラインはつらい記憶を胸にしまいこんで、新しい家庭を築いた。キャロラインの身辺で奇妙なことが起きはじめたのは、生きていればヘイリーが24歳になる誕生日のことだった。死んだはずのヘイリーの声がどこからともなく聞こえてきたり、墓に黒い蘭の花束が供えられたりしたのだ。さらには、ヘイリーと一緒に消えたはずのピエロの人形が自宅に忽然とあらわれた。19年前の誘拐犯がふたたびもどってきたというのだろうか?息詰まるようなサスペンスと意外な展開で全米書評子から絶賛をあびた大型新人のデビュー作、ついに登場。
大同団結をなしとげた天の川とアンドロメダ。だがその平和も長くは続かなかった。爆発星雲の名残と思われていた宇宙アメーバが、銀河団の存続に脅威となりかねない存在だと判明したのである。だが、詳細も対策も不明。その正体を見きわめ、危機を打開する切り札、それが銀河史上空前のオーラの持ち主にして、卓越した紋章学者の〈癒し手〉ヘラルドだった。アンソニイ畢生の銀河劇〈クラスター〉三部作の壮麗なる完結篇。
最果ての島国ペリヴォーで、ガリオンたちはとうとう〈もはや存在しない場所〉のありかを示す地図を手に入れた。さっそくペリヴォーを出発した一行は、地図を頼りに対決の場所をめざした。運命の時は間近。ガリオンの息子は救われるのか?最後の戦いで命を落とすと予言に謳われたのはいったいだれか?そして、世界を支配することになるのは光か闇か?5年の歳月をかけて書き上げられた壮大なシリーズ、ついに完結。
鑑定ミスのため、自分の妻子を含む1億2千万人もの人たちを殺してしまった惑星鑑定士セイタロは失意の旅に出た。そして行きついたのが、惑星キー・ラーゴ。この無人のはずの星には、少女がひとり、ロボットや原住生物のタマゴ熊といっしょに暮らしていた。だが楽園のようなこの星にも、私欲にかられた惑星鑑定士による乱開発という破壊の手が迫っている。セイタロは少女のため、美しい星を守ろうとするが…。傑作SF長篇。
世界各地で、次々と行方不明になる老人たちーナチス・ドイツの残虐なテロ政策〈夜と霧〉が甦ったのか?暗い過去を背負い、イスラエルに隠遁していた元CIA工作員ソールは、モサド要員だった義父の失踪を知り、探索を開始した。同じ頃、砂模で贖罪の生活を送っていた暗殺者ドルーは、ローマ教皇庁の秘密諜報組織〈石の結社〉から、消えた枢機卿の捜索を命じられた。それぞれの事件を追う2人は、奥深い謀略の渦中へ。
行方不明になった義父を発見する手がかりを求めてアルプス山中の寒村を訪れたソールは、聖識者とおぼしき男たちに襲撃された。一方、ローマの暗黒街で情報を収集していたドルーの前には、超一流の国際的暗殺者が現れた。やがて宿命的に出会ったソールとドルーは、複雑に絡み合った諜略の糸を解きほぐし、手をたずさえて〈夜と霧〉の陰謀と対決する。映画「ランボー」の原作者が放つ、最高にスリリングな冒険アクション。
十字軍遠征のため、騎士トヴィウス卿は南へと旅立った。留守を守るのは、奥方と幼い息子。好奇心あふれる年頃の少年は、禁じられている森へ入り、初代トヴィウス卿が悪漢を処刑した〈首くくりの木〉を七頭竜にみたて切りかかった。触れてはならない木を切った少年は、魔物に連れさられ、魔王の城にとじ込められてしまったが…。本格ファンタジイの名手が中世ヨーロッパを舞台に描く、魔法と恋と冒険にみちた書き下し長篇。