小説むすび | 出版社 : 田畑書店

出版社 : 田畑書店

タイヤル・バライ 本当の人タイヤル・バライ 本当の人

幽霊の対話は異なる時空を行き来しながら、この物語は進んでいく。死者たちの語らいに私たちは何を見るのかーー民族の核心にある文化を直視し植民統治下に命を落としていった霊魂を救済する、台湾原住民文学の秀作。 『タイヤル・バライ 本当の人』では、多くの歴史事件によって、この世界で起こった様々な変化を暗喩しています。作品は、オットフ(幽霊)の眼を通して、タイヤル族が現実世界で味わった怪異現象や荒唐無稽な出来事について語っています。植民統治下で起こったタイヤル族の世代間の認識の変化をたどり、タイヤル族がどのようにして自分たちの心の核心である文化を直視したかを振りかえることで、不公平な扱いの中で命を落としていった霊魂が安らぎを得られ、タイヤル族は真摯に自分に向き合えるのです。台湾原住民族を理解するための一冊として、日本の皆さまにこの『タイヤル・バライ 本当の人』を読んでいただきたいと思います。(トマス・ハヤン「日本の読者の皆さまへ」より) 日本の読者の皆さまへ トマス・ハヤン(李永松) 【台湾原住民文学 一 六族分布図】 【作品舞台地図】 凡例 主な登場人物 一部 猟人ワタン 二部 飛行士ワタン 【作品の理解のために】死者のまなざし 孫大川(パァラバン・ダナパン) 【解説】「百年の孤独」── タイヤル族大嵙崁溪の哀愁 下村作次郎

都市残酷都市残酷

山で生きてきた。国家など不要だった。都市の残酷に呑みこまれても、猟人の魂は生き延びる。記憶はいつも創造と壊滅の間でつなわたり。だから物語は書かれなくてはならない。 ワリス・ノカンの文章が、全球化社会に対する抵抗の線を引く。-- 管啓次郎 台湾原住民文学の旗手が描く、都市化された台湾の悲しみ。原住民の誇らしい魂が、都市化の波に呑まれ悲鳴を上げる台湾の現実。真の台湾を知るには避けて通ることのできない作品集。 目次 序 日本の読者の皆さんに ワリス・ノカン 作品舞台地図/凡例 第一部──記憶柔和   弔い   最初の狩猟   長い年月のあとのある夕暮れ   タロコ風雲録   悲しい一日   独裁者の涙   野ゆりの秘密   女王の蔑視   失われたジグソーパズル   死神がいつも影のごとく寄りそう 第二部──都市残酷   奥の手   中秋の前   夜の行動   タクシー   小さなバス停の冬   この、もの悲しい雨   希洛の一日   銅像が引きおこした災い   私の小説「先生の休日」   ムハイス   コウモリと厚唇の愉快な時間 第三部──山野漂泊   虹を見たか   タイワンマス   人と離れてひとり暮らす叛逆者、ビハオ・グラス   父   初出一覧  訳者あとがき 下村作次郎

ラガーマンとふたつの川ラガーマンとふたつの川

出版社

田畑書店

発売日

2021年10月21日 発売

明治生まれの元祖ラガーマン・倉山伊左男は、家業である日本橋の麻袋問屋を継いで、やり手のビジネスマンとして中国東北部などに出張を繰り返していた。 時は大東亜戦争の最中。現地で日本軍・731部隊を知った伊佐男は、そのあまりに非人道的な存在にショックを受け、脳溢血で倒れてしまう。 駆けつけた妻や部下に助けられて帰国、そこから倉山家にとっての真の戦後が始まった……著者の親族の実体験に材をとり、戦争の悲惨と真のスポーツマンシップの有りよう、また戦後を生き抜いた「ある家族の肖像」を描いた自伝的長編大河小説 第一章 隅田川のほとりから 第二章 皇太子誕生、さらに誕生 第三章 好景気とともに 第四章 大連山縣通り 第五章 大東亞戰争 第六章 惜別 第七章 新社長として 第八章 スンガリーのほとり 第九章 ああ 我が社のマータイ 第十章 鴨緑江を越えて 第十一章 最後の連絡船 第十二章 鎌倉長谷の家 第十三章 敗戦 その八月 第十四章 冬の別れ 第十五章 和田塚の家 第十六章 芸術のため、とは 第十七章 日暮しの声遠く 第十八章 東京オリンピック 家系図と登場人物 あとがき 参考文献

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