出版社 : 講談社
「あんた邪魔なのよ。消えてくれる?」アイリ・ガラントは親友・エミリアに裏切られた。彼女はアイリの婚約者であり第三王子であるリチャードを寝取ったのだ。婚約破棄され、失意に沈むアイリに、さらなる悲劇が襲いかかる。面会したリチャードは何者かに刃物で刺されており、アイリにリチャード襲撃の“冤罪”が降りかかった。しかし、すべてはエミリアとリチャードの陰謀だったー。真実を知るアイリを消すために、元親友は暗殺者を送り込むが…。「死んだことにして俺の婚約者として生きるといい」暗殺者の正体は、国内最高の宮廷魔術師と名高いシン・アッシュロード辺境伯。シンはアイリに手を差し伸べ、彼女は彼の“偽装妻”として生きていくことに。これは、優しすぎる令嬢が自分だけの居場所を作っていく物語。
病弱だった前世の記憶を持つグレンヴィル伯爵家のヴィオラ。不自由だった前世を取り戻すために今世では人生を楽しみ尽くすつもりだったが、父親同士が親友だったという、王国を代表する大貴族フィールディング公爵家の長男との結婚を決められてしまう。氷の薔薇と謳われる美貌の次期公爵・アルバートとの結婚は自由を求めるヴィオラとしてはうれしくないが、病に伏した公爵の頼みは断れない。盛大な結婚式を終え、ろくに食事もとれないまま初夜を旦那様ーアルバートと迎えるはずが、3時間以上も待たされ、現れて早々に言われたのは「…あなたに、ひとつだけ言っておきたいことがある」「はい」「私があなたを愛することはない」「は?」そちらがそのつもりなら私も自由にやらせてもらいます!マイペースで楽しそうに過ごすヴィオラに、暗い雰囲気だった公爵家、そしてアルバートも少しずつ変わっていくが、彼がそうなったことには理由があってー!
湖山賞をかけて千瑛と競った展覧会から2年ー。大学3年生の霜介は進路に悩んでいた。次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つからない日々。そんな折、亡き母が勤めていた小学校から水墨画教室の依頼を受ける。子供たちとの出会いを通じて向き合う自分の過去と未来。そして、師匠・篠田湖山から託された「あるもの」とはー。無限の色彩を映す水墨画を通して葛藤と成長を描く感動長編。『線は、僕を描く』待望の続編!
函館にある医療刑務所分院に勤める矯正医官・金子由衣は、不摂生の塊のような妊婦・敏江を受け持つことになった。難産の末、重い障害を抱えた女児を出産した敏江はその数日後に死亡する。リスクだらけの身体なので、何が起きてもおかしくはなく、司法検視の結果も問題はなかった。しかし、その2週間後、「死にたい」が口癖の緑内障の受刑者・明美が死亡した。死因が敏江と似ていることから、院内に緊張が走る。自殺か?敏江の死と関係はあるのか?子どもは救いであり希望。母でいることは罰。
新宿歌舞伎町のドラッグストアのごみ置き場で、切断された右手が見つかった。如月塔子と門脇仁志は捜査に乗り出す。手はホストクラブのナンバー2のものだった。客とのトラブルかとの推測はしかし、超高層ビルのレストラン街でホストとは別人の切断された左手が見つかったことで覆される。同一犯による事件なのか?なんのために?欲望渦巻く街で、少ない手がかりから犯人を、真相を突き止めることはできるのかー。
自然への、生命への、生きづらさを抱えた者への「眼差し」。人と動植物、水と土と空気、社会が影響し合って成り立つこの世界を生き、過ぎ行く時間をそのままに描き出す。自然のまま、言葉の流れるまま、音楽に身を任せるように、耽溺し没入する。芥川賞受賞から6年、待望の受賞後第一作。
「すまなかった」新米修道女になった公爵令嬢サーラの前で頭を下げている男性ーかつて彼女の婚約者であった、王太子カーティスだ。聖女の生まれ変わりを自称する男爵令嬢エリーに夢中になったカーティスは、サーラに、婚約を破棄すると言い放った。突き付けられた罪状は、すべて冤罪だったけれどー。疲れ果てていたサーラは、それを受け入れた。激怒した両親に修道院に送られるも、これでようやく静かに暮らせると安堵するサーラ。それなのに、なぜかカーティスが修道院に現れて謝罪する。いまさらそんなことを言われても、復縁なんて絶対にありえません。「わたしのために何かしたいのなら、もう放っておいてください」そしてサーラは、修道院を離れ、隣町にある孤児院の手伝いをすることになる。そこで彼女は、どことなく優美な雰囲気を持った不思議な男性・ルースと出会い…!?
そろそろFLFOのプレイヤーとして本格的にRPをしてみようと考えたアナスタシアこと月代琴音は、幽世の宰相やRPマスターであるモヒカンに相談して回る。アナスタシアといえば、「外なるもの」としての人外要素と「幽世の支配者」としての権力者、姫要素。そこから彼女が導き出したRPの答えとは?そうこうしているうちに第四回公式イベント『ハロウィンパーティーー神聖と冒涜の混じり合う夜』開催当日に!アナスタシアもまた、お馴染みの面々とユニオンを組んでイベントに挑む!フルダイブ型VRMMORPG「フリーライフファンタジーオンライン」-通称FLFOの世界をマイペースに楽しむリアル金髪お嬢様JK・琴音のゲームライフ、町中を舞台とする公式イベント開催の第9巻!
世に紛れて善をなす、それが我らーKKRの目指す道!カオル恭子レイコ、三人そろえば何も恐くない!とはいえ、女神の御加護を感じさせるフリーの巫女を世間が放っておく訳もなく、正体を隠しているはずが名声はとどろくばかり。その名はついにカオルとの再会を待ち望んでいた人々にも知れ渡りー!?なんだか大事になりそうだけど、おとなしく(当社比)しながら生き延びます!
僕の名は井ノ崎真。前世の名前は分からない。一般人として現代日本で一生を終えたはず。なのに、気が付いたら、ダンジョンが存在するゲーム的世界の日本で小学生になっていた。意味が分からないでしょ?僕もだ。あれよあれよとダンジョン学園に編入することになったけど、僕にはどうも“超越者”と呼ばれる、普通のダンジョン探索者が持ち得ないチート級能力が備わっているらしい。鷹尾芽郁という侍ガールとペアでダンジョン探索をすることになったけど、僕がこの世界でしなきゃいけないことって一体何なんだろう。まぁダンジョンに呼ばれている気がするので、とりあえず深層を目指すよ。
本作は、音声と小説を融合させた誰も経験したことのない「体験型ミステリ」です。小説を読み進めると、作中の様々なタイミングで「二次元コード」が登場します。そのコードを読み取り、音声を再生してください。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれる「音」です。真相を「聞いている」のはあなただけー。音声×小説が世界を広げる。まったく新しいミステリ、誕生。
あの日、遺書を残して先生は死んだ。僕の人生において、極めて稀で、最も危険な恋。「愛してほしい」よりも強い感情。それは「嫌われたくない」という執着。アタロー、夏夜、先生、椎子。支配、逃避、希望、愛の果てに4人が見たものは。
遠雷轟く嵐の夜ーメソアメリカの神が降臨する!?カリカリカリ…ロンドンの骨董店「アルカ」の地下倉庫で異音がした。店主のユウリ・フォーダムは「いわくつきのモノ」が眠る倉庫へ様子を見に行き、音のする木箱を手にした際に、爆発のような衝撃波で深手を負ってしまう。同じ頃、ユウリが運ばれた病院で、ひとりの男が目覚めていた。「これより、わが望みを果たすべく動き出さんー」
寛永七年ー。事の始まりは備前岡山藩で発生した殺人事件。主君の寵愛を受ける小姓を斬殺し逃亡した河合又五郎は江戸に逃れ旗本・兼松又四郎に匿われた。一方、江戸の長屋に暮らす浪人・市岡誠一郎。用心棒などで糊口を凌ぐ日々の中「腕の立つ剣客を求めている」という呼びかけで、とある旗本の屋敷を訪れる。
暗い夜のことだった。検事である僕・印藤累は、夜道に立ち尽くす幽霊の存在に気づく。同時に、僕の前に現れたのは「案内人」を自称する青年・架橋昴。訳あって現世に縛られた幽霊を救うため、ある場所に導いているという。それこそが「深夜法律事務所」-変わり者の弁護士・深夜朱莉が真夜中にだけ、幽霊のためだけに営業する、死者と生者をつなぐ場所だった。