出版社 : 集英社
京都の大火災から逃れたあと「きっと訪ねてきてください」という沙奈子姫の言葉もむなしく、総司は姫との約束をはたせぬ日々を送っていた。長州藩と連合艦隊の戦いが行われる下関へ出掛けた総司たちは、怪しいフランス船を発見。だが、それは暗黒の力の罠だった。乗り込んでいった総司たちに、おかめ・ひょっとこ党が斬り掛かってくる。その時総司の目の前に、白頭巾の「司令」と呼ばれる男が姿を現した。そして幕末の混乱のなか、ついに星連の7人が、そろう時が来ようとしていた。
比類なき美貌と知性を合せ持つ宮廷1の貴公子、光源氏とさまざまな女人たちの恋物語。千年の時を超え読みつがれる華麗なる王朝絵巻「源氏物語」。とばりの奥深く秘められた、愛の恍惚と苦悩を、女人たち自身のモノローグで紡ぎ出す鮮烈な「瀬戸内源氏」の世界。本巻では理想の男性・光源氏の誕生。亡き母の面影を慕う源氏はついに父帝の女御と罪深い1夜の逢瀬を持つ。年上の女人に魅かれる青年の情熱。
右大臣の末娘で弘徽殿女御の妹、朧月夜の君は花の宴の夜、光源氏と出会い、恋に陥る。やがてこの帝の寵妃との大胆な密会が政敵右大臣方に発覚したことを知った源氏は、都落ちを決意する。2年余りの流謫の地・須磨で結ばれた明石上。美しく優雅に成長した紫上。悲しい恋の回想とともに果てる六条御息所…。愛の理想を追い求める源氏に恋した女人たちの、歓喜と憂愁に満ちた魂の叫び。
彼は学校へ行かなくなった。食事も1日に1度、すべての料理にあふれるほどトマトケチャップをかけ、皿まで真っ赤にして食べるー。そんな彼がやがて結婚し、子供をつくり、流行作家になった。妻や子供との日常生活に、ふと昔の自分の姿を思い出す。深い思索の中に苦いユーモアをちりばめた私小説。
自殺に失敗し、苦しむ弟。彼を殺して島送りにされる喜助に、罪はあるのかー。人間のもつ不可思議、尊厳を見つめた表題作。他「阿部一族」「山椒太夫」「寒山拾得」など。(解説・川村 湊/鑑賞・林 望)
オペラの夜、書斎、祭りの舞台…。婚約者と共に紀州・熊野山中の温泉に遊ぶ青年に、執拗に襲いかかる「蛇」のイメージ。差出人不明の謎の手紙、誘惑する姉。にがくも深いためらいを振り切り、気迫にみちた出発を告げるブラックな心理サスペンス。
東京競馬場でロールスロイスが炎上、車中から絵具で死に化粧をされた焼死体が…。被害者は六本木の西洋骨董店「カトレ・ガッツ」のオーナー・阿澄林成。府中・大国魂神社の祭礼の日に見つかったカタルニア国旗の謎?スペインと日本を舞台にした壮大な事件の真相は…。新境地を拓く新鋭の会心作。バルセロナ、パリ、日本を結ぶ謎と事件天才画家ピカソと幻の画家セバスチァン暴かれる歴史の闇。「青の時代」の隠されたドラマ。
下の城で開発中だった新兵器「火薬玉」が完成した。開発を担当していた立川剛之進たちは鼻高だか。だが、この火薬玉をめぐって、祢津の城内では大きく意見が対立することになった。近隣の領主と協力して国の安泰をはかってきた祢津だったが、火薬玉が大量に生産されれば、この乱世に覇をとなえることも可能なのだ。可奈は悩む、祢津のために喜ぶべきか。しかし、戦いになれば、大勢の民の命が失われてしまう。大きくゆれる可奈の心は、彼女にある能力を呼びおこすことになった。
かつてないほどの大災害や世界大戦の後、文明が崩壊した地球。そこでは、月に住むルナ人が生き残りの地球人を支配していた。予言によると、315年に一度巡ってくる三聖節の年に16歳を迎える地球人の少年の中に、ルナの強敵がいるという。今年がまさにその年。恐ろしい企みがあるとも知らず、多くの少年が機械都市ヒルデバランに集められる。都市見物を楽しみにやって来たリュウもその一人。まさか自分が予言された人物で、この先ルナとの壮絶な戦いが待っていようと知る由もなかった。
ある朝、一隻の宇宙船がペンギン村に不時着して、その中からニコチャン大王が部下を一人連れて降りてきた…。この本に登場するのは則巻千兵衛博士、ドクター・マシリト、鉄腕アトム、キン肉マン、サザエさんetc。ポップ小説の旗手が新しい文学に挑戦する破天荒な痛快ファンタジー。
学生時代につきあった女友達の酒場を20年後に訪ねてホロ苦い思いを味わう男の気持ち(百円ライター)。マニュアルなしには何もできない新入社員の真摯で初々しい恋心を讃える(借りたハンカチ)。義足をつけた娘とイタリア青年との交際を、ハラハラ見まもるコミカルな父親の姿(花束)。契約書、印鑑、ローソク、指輪。日常の中の「物」たちを通して鮮やかに浮かぶ、明るい無常感に満ちた21の人生の悲喜劇。
深遠の淵よりいでし『超魔』と、それを深遠に封ずる者『(よう)殺師』。人知れぬ闇の中で、2つの相反する存在の戦いはつづく。そして今、超魔の最後の切り札、頭主・若宮がめざめようとしている!薫の肉体を離れ、若宮が覚醒すれば、千剣破と竜樹の力をもってもあさえこむことはできない。若宮の狙いは、もちろん守護結界を破り、深遠の世界を解き放つこと。超魔が大挙して出現したら、人類は…?壊滅の危機に、千剣破が選択した最後の手段とは…?『超魔三部作』完結編登場。
攘夷過激派の長州藩が追放され、平隠な日々を取り戻したかに見える京の街。そんな時、「赤蜻蛉」と名のる盗賊団が、京都を荒らし回っていた。人斬り以蔵に襲われた赤蜻蛉の首領を救った総司は、首領の正体がお照だと知って、愕然とする。一方、京都制圧を画策する長州藩は、中山卿別邸を拠点に詮議を重ねていた。その陰に暗黒の力の存在を嗅ぎとった総司は、女装して中山邸を探る。ある時総司は、そこで美しい女性と出会った。中山卿の娘・沙奈子姫。それが運命の恋の始まりだった…。
中東の小国イズミール王国にある不思議な遺跡。突然に高い電磁エネルギーを発し始めたそのピラミッドの中では光の粒子が舞い、はるか上空には銀色に輝く奇妙な飛行物体が飛び交う。同じ頃、銀河系の外、140万光年のかなたに突如現れた光点が、このピラミッドと何か関係があるようだ。イギリス海軍も手を出し始め、みんなの不安が高まるなか、ただ1人、事情を知っているらしい天才科学者ファロンが、“明日になれば、すべてが開始される”という謎めいた言葉を発するのだった…。