出版社 : 集英社
党の修正により、となりの男に貸した帽子を除いて、すべての写真から消滅した男。一枚の写真も持たずに亡命したため、薄れ行く記憶とともに、自分の過去が消えてしまうのではないかと脅える女…。〈笑い〉と〈忘却〉というモチーフが、さまざまなエピソードを通して繰り返しヴァリエーションを奏でながら展開され、共鳴し合いながら、精緻なモザイクのように構成される物語。
上着を着て、懐中時計を持ったおかしなウサギを追って、穴の中へ入りこんだ。残酷なトランプの女王、おかしな猫…。ふしぎの国で体験する少女アリスの冒険。(解説・北村太郎/鑑賞・阿刀田 高)
パリのプールサイド。見知らぬ女性、たわむれの手の仕草、多彩な色どりの風船を恋人めがけて投げたかのような。それを目にした「私」の心に、「アニェス」という名前が浮かんだ…。詩、小説論、文明批判、哲学的省察、伝記的記述、異質のテクストが混交する中を、軽やかに駆け抜けていくポリフォニックな物語。存在の不滅、魂の永遠性を巡る、愛の変奏曲。
時は18世紀後半、江戸の町。今、世間を騒がせているのは、前代未聞の連続怪死事件。なんと死体の皮膚が透き通り、内臓が見えているのだ!そしてなぜか周囲に散乱する華紙…。奉行所も頭を抱えるこの事件に乗り出すは、丸メガネ愛くるしい同心の妹、渡来鞘香。女遊びに夢中の女装美少年“かげろう”こと景四郎を引き込み、渡来家の中間弥助を加えたこの奇人変人トリオが、江戸一のマルチ人間平賀源内の助けを借りながら犯人捜しを始めるのだが…。痛快時代コメディ全2話収録。
エッチでバクチ好きの型破り刑事・猫田恭平。ある日ひょっこり現れた霊感ザルの協力で、みごと事件解決の帰り、「北斗6号」の車中でバッタリ倒れた老人にでくわす。「わしが殺されたんだ」「…?」何だか変なジイさんだが、正体不明の敵に生命を狙われているらしい。センパイの五月刑事の命令で、サルくんとコンビを組むハメになった猫田は、しぶしぶ保護にあたるが…?
鈍川家の長男・真逸郎は、父を殺した白館貴思雄の報復に失敗し刑務所に入っている。異母弟・小次郎は抜群の頭脳と腕力に恵まれ、東大に進学、学生運動の渦中に身を投じながらも、父、兄の無念を晴らすべく白館に迫ってゆく。しかし、その過程で密かに思いを寄せる女性がいながら、白館の娘に挑発され、苦悩の学生時代を送る。そして、小次郎は遂に白館を襲う直前まで至るが、その時、白館の長女は…。
『浴室』の鮮烈なデヴューは、日本の読者に快いショックを与えた。続く『ムッシュー』は文学ファンをこえて、広く青年の愛情をかちとった。この『カメラ』の主人公なにを思ったか、自動車の教習所へ通い始めます。そして、その窓口に勤める女性と恋に落ち、いつのまにか、異国への旅に彼女を誘います。旅にでるたびに、なにかあるトゥーサンの主人公。今度はいったい、どんな事件が…?
1998年7月12日、オーストラリアの国立天文台では、銀河系の外、はるか140万光年のかなたに、異常な速さで地球から遠ざかっている不思議な光を発見した。同じころ中東の小国、イズミール王国でも、“ツイン・ピラミッド”と呼ばれる遺跡が突然に高い電磁エネルギーを発するという異変が起きていた。考古学者を中心にさっそく遺跡の調査が進められたが、一方、米国のCIAもまたこのエネルギーを手に入れようと画策していた。これら二つの無気味な異常現象の正体は、いったい何なのか。