出版社 : 鳥影社
分かたれた魂は必ずめぐり逢い共振する そこに幻日の虹が現れ、凪の水面が七色にゆれるとき、 アヤの真実、永久に続く奇譚な伝承がひもとかれる。 たとえ人生が負け戦であっても僕は最後まで戦いたい。(ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ) ありのままの自分をとりもどしたい。ただそれだけ。(ドリス・レッシング) 虹と凪の彩 うつつの出来ごと 幻日のような応え 愛について話したこと マヒメと虹の羽衣 あとがき
200年の時を超えて甦るーグリム兄弟の壮大なる企て! 民族と歴史の襞に分け入る試行 完全新訳による585篇と関連地図を収録 グリム兄弟によって企図されたこの試みには、大きく分けて土地と結びついた伝説を集めた【上巻】と歴史と結びついた伝説を集めた【下巻】の中に585篇に及ぶ膨大な伝説が集められている。個別には、小人、巨人、山の精、家の精、水妖、魔女、妖精、王子、夢魔、竜、人狼、滅んだ城等にまつわる多種多彩な伝説が全篇にちりばめられている。
ゲーテが苦しんだ理性と感性との葛藤。そこから『親和力』は生まれた。いまだ謎とされるこの作品に込められた理念解明への試み。
昭和22年、過酷な極東シベリアの収容所から日本に辿り着いた体験を、一兵士の視点から描いた実話にもとづく物語。アメリカ軍占領下の日本に主人公は大きな衝撃を受ける。
日本国へ契丹人が攻め寄せてくる! 東丹国使船に乗って来た渤海国の妃の茉莉花が、契丹来寇の緊急事態を告げて来た。 醍醐天皇の朝廷は右大臣忠平が専横を振るい、相次ぐ疫病や道真の怨霊に苦しんでいた。 茉莉花を助ける将門と純友。 日本は果たして、契丹の侵入から逃れられるだろうか? 窓から見下ろす城内の街路で、勝ち誇った契丹兵が暴虐の限りを尽くしていた。血に飢えた兵士が若い女を捕まえ、彼女が抱いていた赤ん坊を路上へ激しく叩きつけた。赤子のけたたましい泣き声に女の悲痛な叫び声が重なる……。茉莉花の瞼にあの時の光景がまざまざと甦ってきた。私は日本国の施政者へ契丹来寇の情報を伝えなければならない。 渤海国の悲劇はこの国でも、他人ごとではないのだ。 謎の東丹国使 断腕太后 千角鹿伝説
待望の続刊 活写される人と世 充実の中盤 「リズムよく読める」「想像力が刺激される」と話題の上巻につづき四大奇書さいごの未踏峰、いよいよその頂へ 衣服、食物、男女、宗教…。微細にわたる圧倒的な描写を渾身の筆で受け止めた充実の訳文と、読みごたえある訳注。 生活感情をあざやかに追体験させる作者のするどい眼差し。
作品の舞台は福島県双葉町。原発事故で世界的に有名な土地だ。そこには十年経っても未だに帰還できない人々がいる。あの恐怖と惨事の中で生まれた人々の生活と人生を描いたのがこの小説だが、現実に起こった悲惨さを凌駕する作品を書くのはなかなかに難しい。だがこの小説は作家の才能と創造力がいかんなく発揮され、みごとに原爆の悲劇を捉えている。
品川台場、韮山反射炉、日本初の西洋式帆船を造り、西洋の科学技術導入に尽力した江川太郎左衛門。江戸三大道場のひとつ練兵館道場主で尊王攘夷派の剣客斎藤弥九郎。-幕府保守派の妨害と闘いながら、迫りくる西洋帝国主義と対峙し、激動の時代を切り開いた男たちの物語。ふたりの奮闘を描く、迫真の歴史小説!
自由のために生き抜いた革命的詩人像。フランス革命は彼とその仲間たちをどう衝き動かしたのか?本書は、現代と過去を自由に往き来し、やがて狂気の道を辿るこの魅力的な詩人の人生を描ききり、読書の喜びへと誘う。
過去からの光は背後から射すのだから、きっと背中を押すのだろう。…38年間共に生きてきた夫がある日突然倒れ、別れの日までの9か月間、ついに言葉をかわすこともかなわなかった体験から生まれた、5つの短編。
風の戯れ、波の戯れ、生死の戯れ…… 思わぬ災禍と失恋の苦痛を乗りこえ、それをネクストステージへの引き金とすべくもがく青年の姿がコロナ禍の今に重なる表題作。人生航路で出会う「魔」の味が苦く深い、熟達の筆致が光る短篇集。