1987年11月発売
日米政府による、人を、国を自在にコントロールできる霊石〈月のしずく〉を使っての陰謀。対するは日本を守るべく立ち上った闇に生きる旧き種族。蜂起の合図は〈55〉の数字だ。-高校生の惨殺死体が〈55〉の血文字と共に発見されたとき、緊張は一気に高まった。現代の語り部・紀和鏡、渾身の伝奇ミステリー。
天下泰平の宋の時代、泰平に狎れない型破りの好漢たちがいた。義を重んじて財を疎んじ、危うきを助けて困しめるを救う、天下に名だたる好漢、108人は腐敗政治を掃討すべく、梁山泊に集り、天下を騒がす。中国四大奇書の一つ、超人的で魅惑的な英雄譚。“ブルース・リー”が“ジャッキー・チェン”が躍る、柴錬水滸伝。
奥州独立の野望実現に邁進する伊達藩ー江戸幕府の命運をかけて阻止をはかる老中松平定信と中町奉行の面々。ついに幕府の奥州討征令が下る。緒戦で優位に立った六藩同盟は強力な火器で幕府軍を追い詰める。中町奉行の精鋭は、最後の挽回策に賭けて伊達の奥地へと潜行していく。奥州の野望は成るか?
恋多き乙女、星子サン。今回は、あこがれの清里へ、ひとり旅…のつもりが、またもやフィアンセ宙太の出現。その上殺人事件に巻き込まれるし、もうサイテイ。でもおかげで“いい男”マサルと出会えた。やっぱり日ごろの心がけね…と喜んでる場合じゃない。星子、殺人犯にされちゃうかも知れないのだ。よおし、無実を証明するためなら、例え火の中、男の中?いざ、真犯人さがしへ出陣よ!
金沢の街を暗闇の世界から解放する『目ざまし時計』が、あと半年しかもたないというのに、ウィスパー博士と交信するための無線機も壊れてしまった。耕平は金沢を離れ、東京へ向かう決意をする。そんな時、ニューヨークの国連本部にあるメイン・コンピューターのアリスより、《郁美は生きてる。郁美は帰ってきてる》という通信を受ける。「そんな馬鹿な」と耕平は呆然と立ちつくしてしまう。
麗子、冴、路乃、馨。一つ屋根に住む女3人と男1人の家の前に、赤ン坊が捨てられていた。慌てて貰い受けに来たのは浜田兄弟。これがなかなかのしたたか者だ。兄の方はかつて、妻があるのを隠して、冴とつき合っていた。そしてこともあろうに、こんどは麗子にプロポーズ。弟の方はというと、4人の弱み(学校に内緒で一緒に住んでいる)につけこみ、冴にヌード写真を撮らせろというのだ。
あたし(南子)は、漫画家大空虹子先生のところで、アシスタントのアルバイトをしている。事件は先生のお使いで行った先で起こったの。先生の担当編集さんが殺されていた。もうびっくり。密かに恋している清水先輩、いつもあたしの前に現れる遠藤クン、北野刑事、赤石刑事、そしてあたしの5人は、真犯人さがしに取り組んだ。犯人の目星はつかない。そんな時、続けて仕事仲間の雅美さんが…。
13歳の夏。深苗は招かれて沓沢家へやってきた。でも、いとこの聖美は部屋に閉じこもったままだし、おじも仕事で不在。広大な館は、死んだように沈んでいた。「へんね。まるで時間がとまってるみたい」そんなある日、館の裏庭で深苗は大地という少年に会った。その昔、ここは美しいバラ園だった、というのだ。いったい、どんな秘密が隠されてるの?少女の心は騒ぐが…。
は〜い。あたし、小原舞子。神月香津美センセイのメシスタントをしながらマンガ家をめざす17歳なの。同志兼BF(かな?)のトオルくんと、マンガ新人賞に応募中なんだ。そしてある日!週刊『シルヴィア』からTEL。わ〜お、あたしの応募作が佳作入選したんだって!その時は、トオルの気持ちも考えず、舞いあがってしまったのだけど…。好評『ラスト・シーンでほほえんで』の続編。
橘恭斗。あたしに真っ紅なバラの花束をくれた季節はぐれの転校生。寮友の紀子さんいわく「もしかして、あみりんにひと目惚れ?」橘くん、女の子たちに人気沸騰!でもバイトに明けくれるあたしには関係ない。あたし、橘くんから借金していた、200円。橘くんを探す。バスケットに興じる彼、メチャ上手い。取り囲む女の子たち。歓声、どよめき。そんな中で、あたし、橘くんのキスされていた!
駆け出しの総会屋・九島喬司は相棒の神永孝哉、軍師格の山室幸三らと、大物総会屋になることを夢見ていた。しかし、昭和41〜42年ころは、一部の元老総会屋が株主総会をとりしきっており、九島らは顔と名前を売る機会を狙っていた。そんな折、日運総会に殴りこみをかけ、大成功を収める。大物にのし上がった九島だが、そこには旧勢力の逆襲が待っていた…。
夜の都会の片隅で、今日も男と女が酒に酔い、人生を語り、恋におちる。-妻が帰省中の男に恋愛ゲームを仕掛けてきた女が残したすき間風のような感触(「夜のうらない」)。やっと自分の店を構えた男の日常にふとすべりこんできた謎の美少女との淡い交流(「夜のグリコ」)。妻が雇った興信女の女探偵と、調査された男との皮肉な絡み合い(「夜の探偵」)等、ナイトピープルが綾なす九つの掌編。
21歳の奔放な社長令嬢淳子は、父の小切手を無断で使ってしまったために、北海道で謹慎生活を送ることになった。ある夜、3発の銃声が響き、一人の青年が逃げ込んで来る。淳子は何故かこの殺人犯を匿い、二人の間にはやがて奇妙な感情が芽生えていくのだが…。からまつの自然林に囲まれた別荘地を舞台に若い娘の揺れ動く複雑な心理を描き出した異色の長編サスペンス・ロマン。
漂着してきた男たちが暮らす南の島。その南の島の「夏の日海岸」に「生き甲斐海流」が運んできた小さな箱。箱の中から出てきたのは、木彫りの人形とプリズム、そして水を吸ってすっかり脹んだ1冊のノートだった。そのノートの中に書かれていた恐ろしい事実とは?表題作の「雨がやんだら」をはじめ不思議な味わいで描く椎名誠のスーパー・フィクション9編を収録。
「やさしい言葉を並べりゃいいのかよ。愛してるとかよ。俺は信じねえよ。つまらねえとも思う。俺の気持があって、おまえの気持がある。それだけだろう」髪の長い夜の女は「逃げて」と言った。いつも部屋にいる女は「なぜ?」と言った。昼は作業着、夜はセルッティのスーツに身を固める哲二の中で、獣は育つ。危険な作家・北方謙三が炸裂させる白熱の青春ハードボイルド長編。
3人の腐乱死体を乗せた飛行船が、海辺に不時着した。飛行船の目的が、450年前の秘宝を探すことにあったことを知ったダーク・ピットは、キューバ海域に沈んだその宝を自ら探す決意を固め、行動を開始する。いっぽう、アメリカの月面植民地計画を察知したソ連は、これを阻止すべく、武装した精鋭戦闘隊を月面に送り込む方針を決定。世界はスターウォーズの危機にさらされる…。
月面植民地計画を進めるアメリカのスタッフを相手に、月を血に染める銃撃戦を展開したソ連は、アメリカ寄りの姿勢を鮮明にしたキューバのカストロ首相兄弟の暗殺を計画。キューバの島に設けられたソ連の秘密軍事施設に対する破壊工作を試み、ラドラダの秘宝を追い求めていたピットは、世界の揺るがすこの陰謀を阻止するという任務を、期せずして担うことになったのだが…。
ユダヤ系の巨大財閥クラウネンゴールド家の養女として育てられたデボラ。一族の長サミュエルは、後継者たるべき息子レスリーの経営能力を疑い、この孫娘に莫大な遺産を相続させて銀行家として育てようと決意した。しかし、サミュエルの死後、レスリーの策略によって、デボラはその権利を奪われてしまう。怒りと悲しみに包まれたデボラは復讐に燃え、英国からニューヨークへ渡った。