1988年発売
「私」は40半ばすぎの中年私立探偵。自室で酒を呑みながらテレビを見て過ごす元新聞記者だ。別れた妻や、元女優で今は銀座のバーのママの美女なんかが独身の部屋を訪ねてくる。そんなある日、さる高名な画家の筆になる秘画が盗まれるという事件が持ち込まれた。春画に描かれた13人の美女を追う「私」と、次々訪れてくる不思議な女たち。秘画の行方を追う官能バイオレンスロマンの長篇。
納屋浩ー城南大学2年。酒に強く真赤なM・Gを乗り回すニヒリストで度胸抜群。松村俊夫ー浩の親友。大牧場主の息子で勉強以外なら天才的ヒラメキがある。綾小路和正ー伯爵家の4代目。殿様と仇名される程応揚な性格。女性にめがない。野間健太郎ー浩たちを教える城南大の俊才。型破りの性格でリーダー格。ほかに毒子こと悳子、新子を加えた面々は、財界の重鎮佐倉一郎のメモをめぐって奇怪な事件に巻き込まれたー。痛快な青春冒険小説。
城南大学2年の納屋浩は、ふとしたことから、大金持の娘の誘拐事件に巻き込まれてしまう。親友の綾小路和正、松村俊夫たちと、軟禁されているその娘を助けたがー。その後、娘の父・加納豪太郎が何者かに殺される。加納は戦中から悪辣な事業をやっており、麻薬密輸にも関わっていたようだった。個性豊かな若い男女が、事件解決に乗り出す、痛快青春小説。
1年以上もセックスを拒んだまま、妻は死んだ。妻の面影を追い続ける男は、たまらない孤独をふり払うために旅立った。そして、カプリ、夢に見た、妻そっくりの黒マントの女に出会った。妻との初めてのセックスを思い描きながら、男はその夜、女を待った…。現代最高の作家モラヴィアが描く究極の性の深淵。世界をスキャンダラスな話題に巻き込んだ期待の短篇集。
たった一枚の貼り紙が、死人をよみがえらせ、この小さな町オーカラに奇怪な事件を引き起こすことになった。「シー・バックルズは生きている」-おれの家の玄関に貼りつけられていた一行の文字はいったい何を意味しているのだろうか。おれは、ガース・ライランド。私立探偵じゃないが、この事件にクビを突っこむことになってしまった。
クリスマスイヴだというのに、全寮制の女子校に用心棒としてやってきた三毛猫ホームズ一行。ここで警備員をやっている、片山刑事の親友久保が1週間ほど旅に出るというので、仕方なく留守を引き受けたのだ。美人女子高生に囲まれて女性恐怖症の片山は緊張ぎみだが、石津刑事はシチューに旺盛な食欲を発揮してご満悦。ところがまたまた事件発生、久保が死体で発見されたのだ。さあ、3人と1匹がクリスマスプレゼントを片手に大活躍、全5編収録、ほんとうに忙しい一行です。
昭和20年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通し、「昭和」の転換点を見つめた作品集。突然のソ連参戦で宗谷海峡を封鎖された南樺太の一漁村の村人の、危険な脱出行を描く表題作。撃沈された沖縄からの学童疎開船・対馬丸に乗船していた一中学生の転変をたどる「他人の城」。東大寺の仏像疎開作業に従事する僧侶と囚人たちをめぐる「焔髪」など5編。
地上40メートルにそびえる華麗な帆船レストランの屋上で、白骨死体が見つかった。わずか3日間で白骨化してしまったのだ。死体の身元は判明しそうだったが事件は二転三転!著者と犯人が仕掛けた大きな罠とは何か?奇抜なシチュエーションと緻密な密室トリック!推理ファン必読の大型新人デビュー快作。
中国三代奇書を超える大伝奇ロマン。軍師に姜子牙(太公望)を得て紂王討伐の軍を興した周の文王は、征途なかばにして世を去った。子姫発が跡を嗣ぎ武王を名乗る。一方、都朝歌では、千年の狐狸精妲己(妲妃)に欺弄されて、紂王が自堕落な日々を過していた。しだいに民の間に怨嗟の声がつのり、諸侯は相次いで旗揚げ、武王を盟主と仰いで会盟の地孟津へと兵馬を進めるー。全3巻。
北の涯に建つ謎の館。誰も足を踏み入れぬ冷い地下室に私を閉じこめた重い石の扉。あの人を愛した罰で私は殺されるのだろうか。見えざる悪魔は第三の生贄に私を選んだのだろうか。私は必死に幻の電話のダイヤルを回しつづける。既視感覚に導かれて会いえた二人を襲う不可思議な事件を通して、精神世界の神秘と恐怖を描き出す超常ミステリー。
隼という名の犬を飼い、一人で狩りをしていた老猟師の家をある日巨熊が襲い、嫁や孫そして隼をもその鉄の爪にかけた。巨熊をはじめ、巨大な犬鷲、長大な牙を持つ猪の3大巨獣と老猟師の対決が迫るころ、1匹の白い紀州犬が迷い込み、老猟師は2代目“隼”と名付けた。老人と犬の哀しいまでの愛を描いて動物小説の巨匠の原点ともいえる処女長編。
コーディーたち4人が派遣されたのは独裁者デュバリエの私兵=トントンマクートの残党に支配された暗黒のハイチ共和国。恐怖政治の亡霊たちは、広大なケシ畑を奴隷たちに耕させ、アヘンから上がる巨額の金を資金源に恐るべき計画を着々と進めていた。いつまでも不正は許されない。正義の銃は火を吹いた!
ローラは、15歳で小学校の教師になり、はじめて家からはなれて暮らすことになった。下宿生活のつらい日々を送っていたローラを救ってくれたのは、週末になると迎えにきてくれるそりとアルマンゾだった。やがで、ローラは静かで豊かな愛をもったアルマンゾと、18歳で結婚するまでの黄金色の光に包まれた素敵な青春の日々を描く「大草原の小さな家」第7作。
国栖(くず)の紙漉きの娘よしの。今日は大阪の紙問屋“京極”へ嫁ぐ日。母と出奔した男の息子と結婚する!その重みを振り切るよう、よしのは母の姿へ叫んだ。「お母ちゃんを否定したところから、うちの女の人生は始まるんや」だが声は桜吹雪にむなしく消えていった。心のままに生きる母千香子。ひたむきな愛を求める娘よしの。傷ついた自尊心を癒せぬ姑菊江。愛憎の日々に生きる3人の女。朝の連続TVドラマ原作。
「えっ、宙太がグアムでお見合い?しかも、相手が殺人者?」いきなり、とんでもない話を聞かされた星子さん。愛は、いや、嫉妬は国境を越えて、常夏の島まで来たのはいいけれど、待ってたのは、コバルトブルーの海と真っ赤に染まった女の死体だった。トロピカルアイランドを舞台に繰り広げられるおぞましい事件と謎の数々。人気爆発、絶好調の山浦ミステリー、きわめつけの最新刊登場。