1988年発売
名門の御曹司との結婚を間近に控え、幸福の絶頂にあったトレイシー・ホイットニーにかかってきた1本の電話。急いで帰郷した彼女を持ち受けていたのは、極悪人どもが仕組んだ非道極まる陥穽だった…。息もつかせぬスピーディな展開で読者を完全にトリコにしてしまうアメリカの超ベストセラー作家シドニィ・シェルダンの傑作、堂々の登場。
“余は偉大なる落伍者となって歴史のなかによみがえる”雪の国新潟の教室の机に彫って上京し、あえて、孤独な自己鍛練の世界に彷徨する、“精神の巨人”坂口安吾の繊細にして豪放、聖にして俗の、ダイナミックな自伝世界。 ●女占師の前にて ●おみな ●孤独閑談 他
養父たちを焦土で奮われた苛烈な体験を忘れることなく、ニセの“安寧・平穏”をきびしく峻拒する野性の魂。名作『火垂るの墓』の原点を、さらに抉りかえす、持続する“挑戦の精神”。野坂昭如の文学を代表する“もう一つの”秀作。
10歳の沙江子を襲った性の暴力。性は愛しあうためにあるのなら、なぜそれが暴と共に襲いかかるのか。思春期を迎えても、彼女には愛と性の接点が見出せない。愛されたい、でも支配されたくない。“植物の性”を夢見る孤独な心は癒されるのか。すばる文学賞受賞の著者が描く、性と愛の世界。
ドイツを旅行する、お馴じみの一行。ある夜、古城ホテルに泊まったのだが、正体不明の〈幽霊クラブ〉やら殺人事件が発生! ドイツより愛と恐怖をこめて贈る、絶好調、人気シリーズ。
東大のみを目標にしていたごく普通の少年が、一通の手紙をきっかけにして、放送作家、作詞家と、サクセスの道を突き進んで行く。ニューヨークから秋元康が贈る、初の書下ろし自伝的小説。
敗戦直後の荒廃した世情のなかで、深い倦怠と疲労に自身の老いを自覚する信吾。老妻や息子夫婦と起居をともにしながら孤独を感じさせられる家庭にあって、外に女をもつ長男の嫁菊子に対する信吾の哀憐の情は、いつしかほのかな恋にも似た感情に変わってゆく。その微妙な心のひだをとらえた戦後川端文学の傑作。
まえがき 第 一 章 到 着 三十四号室 レストランで 第 二 章 洗礼盤と二つの姿の祖父のこと ティーナッペル家で。そして、ハンス・カストルプの倫理状態について 第 三 章 謹厳なしかめっつら 朝 食 からかい。臨終の聖体拝受。たちきられた上きげん 悪魔(Satana) 頭脳明快 一言失言 もちろん、女さ! アルビンさん 悪魔(Satana)ぶしつけな進言をする 第 四 章 必要な買いもの 時間感覚についての余談 フランス語の会話をこころみる 政治的にうさんくさい! ヒ ッ ペ 分 析 疑問と考察 食事中の談話 昂じる不安。二人の祖父のこととたそがれの船あそびについて 体 温 計 第 五 章 永遠のスープと突然の明るさ 「ああ、見える!」 自 由 水銀の気まぐれ 百科辞典 フマニオーラ 探 究 亡者の踊り ワルプルギスの夜 訳 注
第 六 章 変 化 さらに一人 神の国とうさんな救済 激怒。そして、もっとたまらないこと 攻撃失敗 精神的修錬(operationes spirituales) 雪 兵士として、それもりっぱな 第 七 章 海べの散歩 ペーペルコルン氏(Mynheer Peeperkorn) トゥエンティー・ワン(vingt et un) ペーペルコルン氏(つづき) ペーペルコルン氏(むすび) 無感覚という名の悪魔 楽音の泉 ひどくうさんなこと ヒステリー蔓延 青天の霹靂 解 説 トーマス・マン略年譜 あとがき 訳 注
凄まじい超能力を持つ竜堂四兄弟に安息の日は訪れないのか。黒い権力者たちは「竜」の出現に驚く大衆を煽って野望むきだしにする。そして美貌とプライドを炎に焼かれたレディLの復讐心。最強の敵の登場。追いつめられた兄弟の中でも三男坊・終の怒りは激しいーノベルス界空前の人気シリーズ、強烈第3弾。
ナターリアの黒髪が美しいリガの街に揺れるたび、若き瀬尾の心は激しく騒いだ。しかし文化交流使節団の一人が「誘拐」されて事態は一変する。四年前の神戸殺人事件と四十数年前の満州での「出来事」が歴史の闇から浮かびあがってきた時、明らかになる真相とは-衝撃のラストショット、旅情味あふれる長編推理。
みちのくへ旅立った西行法師の真の目的は、「暗花十二拳」の謎にいどむことだった。西行こそは、秘伝「明月五拳」の極意を体得した至上の拳法家だったのだ。雷拳、風拳、鬼拳…次々と現れる暗花十二拳との死闘の果てにたどりついたのは、和歌地獄、そして闇王!大型新人が放つ超迫力のデビュー快作。