1988年発売
丸の内銀行、東京駅前支店に大変な美人がいる。中上川良子、銀行の創業者中上川弥太介翁の孫娘である。一般行員にはアンタッチャブルのこのお嬢様がなんと、関東ではもはやただ一つの賭場を取り仕切る二代目賭博師であった!美人賭博師が男たちをしり目に、次々と起こる難問題に立ち向かう好評“博徒シリーズ”第2弾。
決戦のときは来た!輪廻転生を繰り返し、千数百年に及ぶ呪いとの戦いを続けてきた姫と5鬼。果たして、完全なる勝利を得て富士に封印された仲間の霊を解放することができるのか。強敵に立ち向かう彼らの胸に、初戦での凄惨な敗北が蘇る…。興奮、驚愕、恐怖、官能…すべてが凝縮されて結集。
ーニューヨークの北東、ロングアイランド島の高級リゾート地、ハンプトン・ビーチに埋められていた男の死体。男の名はヴィクター・アンボイズ。郷土史家。アンボイズは、百年まえに消えたという島の土地権利書の秘密を握っていた。だが、地元の警察はインディアンの青年を犯人に仕立てて、事件の真相をもみ消そうと…。-ハーヴァード大学出身の異色警官シュワーツが、休暇を返上して事件に挑む。好評シリーズ第2弾。
天正10年(1582)6月、京都本能寺で、織田信長を倒した丹波国の領主明智光秀は、たちまち羽柴秀吉軍に敗れ、光秀は小栗栖村で落人狩りに襲われ落命した。光秀の重臣であった斎藤利三も捕えられ、京六条河原で処刑され、その首は晒首になった。利三の妻あんと4歳の娘ふくは、宗我部村の弥助とその甥の弥九郎に助けられ四国土佐へと逃れた。肥後24万石の大名に出世した小西行長の世話で13歳のふくは京の三条西実条の元へ預けられ、18歳に成長して稲葉正成の後添いの妻となった。ふくの波瀾に富む運命は好転し、二代将軍秀忠の嫡男竹千代の乳母に任命された。大奥髄一の権力者春日局の65年の生涯を描く話題の歴史時代長編作。
浅草寺境内で易を立てる評判の美人易者ギャル桃花堂桃花と『週刊スクープ』の事件記者岬大助の二人が湘南へドライブに出かけ、暴走族のバイクに囲まれ、乱闘となった。その暴走族はブラックスターと名乗り、占星術星命教教祖のお告げによって動いているという。暴走族と易者、彼らは一体どこでつながるのか?桃花の好奇心が頭をもたげた。事件から1週間ほど過ぎて、教祖の公文黒星が江ノ島の岸壁から海に突っ込んで死んだ。桃花と大助は黒星の妹と称する麗花の星命教2代目襲名披露パーティーに、信者を装ってまぎれ込んだ。2人がそこで目にしたものは…!?(運命星の女)-事件記者と女易者探偵のコンビが殺人事件の謎に挑む青春ミステリー連作全6話!
新政府の反対分子を一掃するには金が要る。が、いずれニセ札は発覚する。邪魔者は川路利良大警視ただひとり。明治9年8月、築地の伊藤邸で、長州の三巨頭が密談していた。そのとき、伊藤博文工部卿は不気味な笑いをたたえながらある男を思い浮かべた。旧幕臣不破亮之介,29歳。肥前鍋島に伝わる殺人流の極意“三年殺し”を体得した男…。明治12年、衆目を集めた藤田組ニセ札事件を背景に、剣鬼と化した男の非情の最期を描く、迫力時代小説。
戸沢敬二は白昼夢を見た。女高生とテレクラの電話で話したことが、彼の脳裏で再現されたのだ。「制服を脱がせて素っ裸にしてやる。それからフロ場で密着した腰をクネクネさせるアワ踊りだ。それから、それから…」戸沢敬二は宙を睨んでいた。(「テレクラの落し穴」より)欲望の捌け口を激しく求める男の眼には、もはや餌食となる女の肢体しか見えない。それが悲劇の始まりである。ベストセラー『生贄』『暴行』シリーズに続き、新たな視点で男の犯罪を赤裸々に描いた超弩級の新シリーズ、誕生。
正宗・吉光・義弘の三振りの宝刀に刻まれた謎の文字。御三家の命運を左右する黄金の埋蔵場所は…。尾張・紀州・水戸、そして幕府探索奉行の決死の戦いが繰り広げられていく…。息つく間もなく展開する気鋭の力作長篇!
かつて父とともに坑夫として働いていた炭坑を、22年ぶりに訪れた沖田隆明。そこで出会った末原和枝から、意外な事実を知らされる。沖田の父の死は、坑内事故ではなく、仕組まれた殺人だったというのだ。怒りに燃えて、沖田は復讐を開始する-凄絶なハード・アクション。
自由勤務を命じられたサラリーマン、一攫千金を狙うチンピラたち、玉の輿を夢見るデートガール…。現代の世相が生んだ孤独な人間たちが、愛憎の果てに行きついたところは…現代を鋭く抉る巨匠の本格長編推理。
本篇の主人公は、テレクラのオーナーである。彼は、自分の店を“人妻狩り”という自身の私的な趣味に生かし、日ごと夜ごと漁色を重ねて飽きぬのだが、世の中はどうやら、好色な男のまわりにこそ、美形の佳い女が集まるようである。だが、女は百人十色。不倫妻の性の趣向も千差万別である。本篇の主人公、津島恭は、現代の人妻たちのその多淫ぶりに、ベッドの中で呆れたり、戸惑ったりの連続なのである。
コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの異色の短篇集。“大人のための残酷な童話”として書かれたといわれる6つの短篇と中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を収める。
自分の頭蓋骨をとりだした男の話、患者に模した蝋人形で患部を治療する医者の話、賭ルーレットの数字をピタリと当てる男の話等々ナンセンスの中にアブノーマルなグロテスクさの満ちた短篇群。現代イタリア作家の中で最も評価することの難しい作家といわれる、異才マッシモ・ボンテンペルリの戦後初のまとまった短篇集。まことに奇妙キテレツ・痛快な一冊である。佐々木マキの挿画入りで贈る、文庫版オリジナル。
劇場内のボックス席で、バレエ団のワンマンオーナーが殺された。そして、殺害時の状況から犯行が可能な人物は一人に絞られた。その重要容疑者の父親から、息子の無実を証明するよう依頼されたマグナス・ゴールド。しかも今度はバレエ団がモスクワ公演に発つ前に、というデッドラインが設けられたのだ!新本格派の雄が、再び不可能犯罪に挑戦する。
ホークムーンの世界は変貌してしまった。今の歴史によれば、ロンドラ会戦から5年間、彼は狂気にとらわれていたという。ここには存在しない妻とふたりの子供もまた、狂気ゆえの幻想であった…。そんな彼のもとを、ある日カティンカと名乗る女性が訪れる。イッセルダの姿を求め、彼はカティンカとともに旅に出るが…?快調の三部作、第2巻。
1990年代、とある天文台が観測した謎の光点。それは地球に向けて接近する、一隻の巨大宇宙船だった。かくして人類は、初の地球外生命到来の瞬間を待ち構えるが…奇妙にも、異星船は地球からのメッセージになんの返答もよこさない。彼らは一体なにを目論んでいるのか?アメリカSF界きってのベストセラー・コンビが放つ、最新地球侵略SF大作!