1989年発売
レイプから助けてくれたはずの男の手が、いつしか女の白い肌にのびて…。美しい未亡人、赤垣美晴はレッド・ウイドウ相談室のカウンセラーだが、実は特別秘密捜査官。愛用の拳銃片手に官能的な肢体と明哲な頭脳で事件に挑む。エロティシズムとサスペンス渦巻く13編を収めた。大好評官能ミステリーシリーズ第4弾。
あたし、タンテイ学院を卒業、探偵事務所に勤めるセクシー・タンテイ。所長はS・ホームズばりの男前だけど女嫌いみたい。ところが恩師の学院長が殺された。さあ犯人をあげなくちゃ。とたん、女の尻を追う光輪坊ケイジ、忍法処女破りの白雲斎、名器を備えた人造美人研究家が現われて…。あたしの処女のほうはどうなるの?
「会長が頭を撃たれて即死!」の情報が吉備組の事務所を動転させた。吉備兼造はハワイから恋人を招き、東京見物の最中だった。襲撃者は宿敵槌田組の猛者たち。当然、復讐戦が練られたが、警察の監視は厳しい。すると槌田組長が前親分の墓参で熊本へ飛ぶという。吉備組の蒲田啓一は搭乗員の服で空港へ潜入!手に汗握る力作を精選。
波乱の半生を送り、ペリーの麻薬王にのし上がった男、カルロス・オルテガ。今、組織の暗殺団に追われ、逃亡の身である彼の手中には、重大な秘密が明かす日記があった…。一方、ボストンで新聞社を営むドーソンは、ドライブ中、死体を埋葬する男たちと遭遇、銃弾をうけ失神する。だが、翌日現場で発見された死体は唇と鼻を切りとられ、彼が目撃した白髪の男とは別人であった…。-南米とボストンを舞台に展開する麻薬軍団の恐るべき陰謀。
飛行機事故から九死に一生を得たカトリーナは久しぶりにニューヨークに戻ってきた。そこに突然、別れた夫のデイヴィッドが現われた。なぜあなたが…?そういえば墜落するときデイヴィーに会いたいと書いた覚えがある。でも、あれは初恋の人のこと。この横暴な前夫のことではないわ。売れない役者から、今やお昼のメロドラマの主人公として全米の恋人となったデイヴィッドはセクシーに眉を上げてみせた。
「こいつをしつけてほしいんだ」息子からプレゼントされた犬を連れケンネルを訪れたマットは、いたずらっぽく微笑んだ。ブロンドの髪にブルーの瞳のケンネルの経営者マージョは、不思議と彼に惹かれてゆく。しかし何度となく夫に裏切られ、やっと嬢と2人静かに暮らしていけるようになった彼女は、自分の心の揺らめきに戸惑うのだった。
父の勧める縁談は逃れようもない。一計を案じたヴイータは父に旅行をねだった。イタリア旅行と見せかけて、いとこのジェーンが住むシリアに向かうつもりなのだ。アラビアのシークと5度目の結婚生活をおくる恋多き女性ジェーンなら、きっと相談にのってくれるにちがいない…。もうすぐベイルート-そのとき、埠頭の群集の中でひときわ背の高い男性の姿が、ヴイータの目に飛び込んできた。
時はフランス革命のさなか、スペイン人の父とフランス人の母をもつ貴族の娘、マリサは身を守るために、スペインの修道院に身を寄せる。断頭台に消えた母を思い静かな祈りの日を送る彼女のもとに、突如、一通の手紙が舞い込む。マドリッドの父からだ。マリサには思いもよらなかった結婚の勧めだった。自分の選ぶべき道は…。惑うマリサの耳に、あろうことか、その婚約者ペドロの下品な声が聞こえてくる。マリサにとって、運命にただ身を委ねる生き方は耐え難かった。「フランスに帰ろう」マリサはジプシーに姿を変え、修道院を逃げ出すのだった。
フランスに帰り、叔母エドマに保護され何不自由ない生活に明け暮れるマリサは、フランスの社交界でもその美しさで注目の的となった。命を助けてくれた貴公子フイリップに恋心をつのらせるマリサだったが、スペインから逃げる旅の途中で強引に体を奪った男ドミニックと再開し、無理やり結婚させられてしまう。そのドミニックも今は、マリサを独り残し航海に出かけている。孤独に追い打ちをかけるように辛い流産をしてしまうマリサは、警察長官フーシェの懇願に負け、ロンドンへと旅立つ。反ナポレオン派の情報をつかむために…。
亡き父の農園を訪ねて、ニューオリンズまできたマリサは、ドミニックと再会する。しかも、その傍には、美しい恋人までいる。仲睦まじいふたりの姿に、マリサは、しつこく言い寄るペドロの求婚を、つい受け入れてしまう。さらにマリサの心を傷つけたのは、かつて死んだと告げられていたドミニックとの子が生きているという事実だった。ドミニックは、子供に会いたいというマリサの願いを聞き入れ彼女をつれ出すと、責めたてるようにマリサを激しく抱き寄せる。フランス、イギリス、アメリカを舞台に革命の嵐に翻弄されるマリサの愛は-。
悪党どもから裏金を奪い、その首領をひそかに屠る、-それが“闇狩り軍団”だ。ある夜、闇狩り軍団行動隊長の影丸慎也は2人の部下とともに、世間を騒がせ黒い巨富を蓄えた実業家の隠し金を強奪した。そこへ、強奪金を狙う謎の黒覆面集団が出現した。この一味はその後、財界の重鎮を誘拐し、五大都市で軽機関銃を無差別に乱射するという狂気の事件を惹起した。その凶器は、ソ連製と思われた。敵は特殊部隊か…?影丸たち“処刑戦士”は、60億の身代金をせしめた犯人グループに迫った。その途端に襲いかかる外人武装団、謎のクーデターと、一連の事件には複雑なからくりが…!-これは今日の劇画か、明日の現実か?大型新人が贈る衝撃の“超活劇”の決定版。
小早川警視正は、リピーターによる政界汚職事件の鍵を握る人物で、代議士秘書の伊藤明の行方を追っていた。が、伊藤は心中死体となって発見され、捜査は暗礁に乗り上げた。一方、夏木梨香は親友の河井安里から、彼女と城ケ島でデートの約束をしたまま失踪した恋人友野主計の行方を探してほしいと依頼された。手掛かりは友野が残した、〈みすたくまか〉という謎の言葉。だが、その直後、安里は絞殺死体となって発見された。誰が、なぜ、彼女を殺したのか?小早川は、暗号マニアの友野が愛読していた北原白秋の詩〈片恋〉をヒントに〈みすたくまか〉の解読に挑むが…。政界汚職・伊藤の心中死に、友野失踪・安里絞撮事件の関連は?やがて事件は意外な展開を見せ始めた…。ミステリーの名手が贈る小早川警視正シリーズ第5弾。
7/1竹本美沙(17)大阪、7/16遠藤昌子(19)浜松、8/5佐倉真理(16)横浜…。ロックの超スターKAZUMAのコンサートに出掛けた少女たちが、次々に失踪した。真理の姉で雑誌記者の圭子は、単身捜索を開始したが、その直後、暴力団の売春組織が摘発され、美沙を含め10数人の少女が救出された。だが真理は?昌子はどこに?圭子は恋人の矢部吾郎と執拗に調査を続けるが、やがて友人の粕谷誠が何者かに殺害され、事件は意外な展開を見せ始めた…。はたして犯人は?少女たちの行方は?事件の真相は?気鋭の女流作家が魔性の世界をサスペンス豊かに描く書下ろし伝奇推理の異色傑作。
明治39年3月25日、米国の富豪ヘンリー・ジフの来日を機に中国の古美術に詳しい一人の老漢学者が失踪した。黒岩涙香の命によりシフの来日目的をさぐる「万朝報」の記者・天童晋介の前に陸軍参謀本部の影が…。シフと接触を図ろうとする功刀参謀本部少佐。そして参謀本部の裏文庫の地下に秘匿されている中国の古美術品の数々…。虹家コレクションとよばれるこの古美術品をめぐって次々におこる殺人事件。虹家コレクションとはいったい何か。その秘密とは…。中国の古美術の謎に挑む気鋭の長篇歴史ミステリー。