1991年発売
英雄戦士・矢沢高雄が、世界制覇を狙う魔女マヌー側についた!沢村ゆりと風祭凱チームは、南米リマで、蘇った矢沢と最後の対決に挑む。血と硝煙渦巻く大激闘がうち続く。だが、かの勇者の圧倒的な力の前に、仲間を次々に失ったゆりは、狂った矢沢を覚醒させるべく、ついに唯一無二の“手段”をー。
国際線パーサー松島真一のウラの稼業は世界を舞台のギャング団の一員。ボクサーあがりで腕っぷしは強く、犯罪の絵図を描くのも得意だが女好きが玉にキズ。最後の大仕事は不動産取り引きの十七億円強奪。ヤクザを相手に各国の荒くれ男たちとヘリとマシンガンで急襲、みごと成功して喜ぶ真一に思わぬ伏兵。
美貌の人妻・瀬戸溶子が突然消えた。が、ある夕刊の風景写真の中に彼女によく似た女が仙台の街を背景に映し出されていた。やがて杜の都・仙台と鳴子峡で連続殺人事件が発生。溶子の謎の正体とは。溶子を追う数人の怪しげな男たち。探偵役のカメラマンと女子大生が最後に見た恐怖の大どんでん返しとは?
歌麿の「幻の傑作」が発見された?美術界をゆるがすかもしれぬ事件に雑誌編集者の杉原は勇み立ち、研究家の塔馬双太郎の助力をたのむ。しかし、それは巧妙な贋作だった。そして思いがけず、歌麿は謎の絵師写楽でありえたことまで証明されて…。浮世絵ミステリの白眉といえる秀作。
足利義昭、羽柴秀吉、徳川家康、明智光秀…。陰謀の天正十年、それは起こった。名探偵・木下勝俊が暴く本能寺の謎。信長殺しの真犯人と、怪僧天海の闇に新視点を与える本格歴史時代小説。
ロスの田所葬儀所につとめる神奈柊二は、ある日、同じ宿の住人、星川金吾に死後のエンバーミング(遺体整復)を頼まれる。金吾は日系二世の老人で、柊二の恋人メアリーに食事の世話をしてもらっていた。ところが、数日後、金吾は謎の死をとげる。葬儀の準備のため、金吾の別れた妻や親友を訪ねるうちに、柊二の前に死者の重い過去が次第に明らかにされてくる…。
夏休みも終わりに近いある日、可奈は親友の麻衣子とテニスをしていたが、頭の中は、宿題のレポートのことでいっぱいだった。可奈は得意な歴史の分野で書くつもりでいる。その時、急に深い霧がかかつてきて、プレーは中止になった。クラブハウスを出て麻衣子と別れた可奈は、レポートのことを考えながら一人で歩いているうち、霧に包まれ、その中に溶け込んで行ってしまった…。やがて、川のほとりで目を覚まし可奈が見たものは、鎧兜に身を固めた戦国武将達の合戦シーンだった。
不思議な女性が伊世を呼んだ。呼ばれた彼女は遥かなときを遡り、北九州は末盧の国の王女に生まれ変わる。そこは古代、ヤマト時代。人々がこれから文明と戦乱に遭遇しようとしている時代だった。伊世を呼んだのが邪馬台国の女王ヒミコであることを彼女は知らない。伊世をめぐり、若々しい国造りへの情熱に燃える伊都のタケル、邪馬の軍団のノボル、海賊ハヤト他がいり乱れ、時代は激動にさらされてゆく。ヒミコが伊世を呼んだわけは?悠久の愛と波瀾の大ロマン、いま始まる。
アルフ暦249年、アルフ大陸は、7つの王国にわかれ、戦乱の日々が続いていた。その一つ山の王国ガド王は、アルフ大陸統一の野望にもえていた。ガド王の支配に屈しない大シャルの狩猟族は、騙し打ちのため大シャルの遺児シャルをはじめとする12歳の5人の少年少女を残し全滅した。5人は、ガド王の支配のもとで、魔術やさまざまの武芸を磨いた。15歳の年、双子の兄妹、シャルを憎むガディス王子とリラ姫のいたわりの間で、王への復讐を心に秘め、王の親衛隊士として戦いの日を迎えた。
時は戦国時代。関ケ原の合戦に勝利したものの、まだ徳川は豊臣と対立を続けていた。家康は5千挺の新式銃を手に入れるため、四男頼宗とその忠臣前田大五郎をスペインに派遣した。英国船プリンスオレンジ号に乗った頼宗たちは、刺客や嵐の危険にあいながらも、スペイン・カジス港に上陸した。初めて踏む異国の地。14歳の頼宗の心は、期待と不安で大きく揺れるが、武士の誇りと自分の使命は忘れるはずもない。だがその前に新たな苦難が…。壮大なスケールで描く冒険小説。
「そんなに喧嘩するのなら別れろよ!」息子のジョンが道子の叫びを聞いて部屋から飛び出して来た。ユダヤ人の夫アル47歳、道子45歳、ケンと12歳の息子ジョンの4人家族。何から何まで妻を頼る夫に、堪忍袋の緒が切れて、道子の眼が三角になり、面長な顔が怒りで上気した。そんな時、老母おととが大阪から、このロスアンジェルスにやって来るという。家庭内国際紛争をユーラスに描く長篇小説。
ヴィクトリア・プライドは、数少ない障害競馬の実力派女性騎手。だが、夫に、故意に負けるよう強要され、二度までは言うことをきいたヴィクトリアも、ゴールド・カップだけは負けられなかった。優勝した彼女に向けられる謎の脅迫電話と夫の暴力。そして夫は行方不明となり、黒焦げ死体となって発見された。姿無き脅迫者の魔手はヴィクトリアにも迫る。競馬ミステリ第三弾。
タッカー・ルーミス。熱い野心をもつディベロッパー。ウェストベイの街じゅうが一目おくハードで危険な男。リスクが大きく誰もが尻込みした土地を、高級住宅地に変え、大立者のひとりとなった。そのルーミスの次の狙いはバーナード島。だが、自然保護のため、島は国立公園に指定された。事態を思わぬ方向へ動き出す。地元の不動産業者ウェイド・ローリーは、自分たちが不正な陰謀に巻き込まれていることに気づくが、危機はもう忍びよってきていた…。水と緑と自然豊かな南部の街を舞台に、開発を巡って対立する男たちの欲望。米国ミステリ界の巨匠マクドナルドが、90年代のキーワード「環境」を先取りし、大胆な構想で描いた遺作。
ドイツ空軍のヘルマン・ゴルトシュタイン軍曹は、腕ききのパイロットだった。彼は16機を撃墜した者に与えられる〈ブルー・マックス勲章〉をめざし、愛機フォッカーを駆って次々に敵機を葬っていった。しかし、16機を撃墜した彼に勲章は与えられなかった。ヘルマンがユダヤ人だからというのがその理由だった…。間もなく第1次大戦は終り、彼はドイツをあとに、アメリカに旅立つ。
アメリカに渡ったヘルマン・ゴルトシュタインは、ハーマン・ゴールドと名を変え、曲技飛行隊に入って活躍した。だが、野望を抱く彼は、メキシコからの酒の密輸で元手を稼ぎ、航空郵便事業を始める。ハーマンは順調に事業を伸ばし、ついには航空機の製造に乗り出していく…。航空機産業がまだ離陸したばかりのアメリカを舞台に、ひとりの男の大空に賭ける夢と情熱を描き大河小説。
1956年4月、ソ連共産党第一書記ニキタ・フルシチョフは初の英国訪問を実現しようとしていた。しかし英国側警備責任者に任じられたクリストファー・クレイトンとジャマイマ・ジェームスの前に、恐ろしい事実が明らかになった。白系ロシア人による暗殺計画が着々と進行しているのだ。フルシチョフを殺させるな!必死の警備作戦が始まった。忠実に基づく迫真のサスペンス長編。