1991年発売
口からでまかせ、ウソ八百の父親と、そんな父親を軽べつし、他人を信用せず平気でウソをつく息子。史上最悪な親子がきずなを取り戻せる日は来るのか?東芝日曜劇場小説化。
東京・新宿のネオン街で起った夜の女殺しに続いて、旅客機爆発墜落事件が発生…。捜査線上に浮かんだ、数年前の自殺事件。一見何の関係もないかに見えるこの二本の糸を、刑事の常道、運・根・勘と最先端の科学捜査力で解決に挑む、本格推理長編。
現代アメリカ女流作家ユードラ・ウェルティーの壮年期の最傑作。時は20世紀前葉、場所はアメリカ深南部ミシシッピ州モルガナの町で、愛に、芸術に、冒険に生きる男女の群像。だが彼らの目をくらます謎の黄金の林檎は神話の昔から輝き、耳に響く音楽は星座のかなでるものだった-。狭小な時と場所に生きる名もなき人びとの情熱の中に、人類の歴史と宇宙の星々にまで及ぶ壮大なイメージを展開させるウェルティー文学の真髄。
兄光琳とともに多くの歴史的傑作を残した美の哲学者、尾形乾山の世界が今あざやかに甦る。元禄の京都を去り、江戸、佐野で創作にうちこむ老匠の魂はなぜこれほどまでに燃え続けたのか。没後250年を記念して書き下ろした長編時代小説。
新たに、荒俣宏、川本三郎、北上次郎、北中正和、深町真理子のキング論、風間賢二の書き下しキング小伝、新資料を加えたキング研究書の決定版。
「あなたも学校の先生におなりで。素行不良で退学の学生さんは大半がそうですから」。学友の乱痴気パーティに巻きこまれ、あげくに放校処分をくらってしまったポール・ペニーフェザー君。わけ知り顔の門番の言葉におくられ、教職斡旋所の門をくぐるが…。かくして我らが主人公の多事多難な人生航路が始まる。絶妙のユーモア小説。
スペイン内戦で外人部隊に身を投じた日本人義勇兵ギジェルモ・サトウ。その足跡を追う特報部記者龍門二郎に仕組まれた戦慄の罠とペンダントの謎…非情の運命に翻弄される男と女の愛の相剋を描いて感動を呼ぶ冒険ミステリの巨編。
札幌駅に到着した「北斗星1号」から若き会社社長の惨殺体が発見された。被害者の丸山は死の直前に「犯人は、」とのみ血文字でメッセージを残していた。しかし唯一の容疑者はシロと断定され、警察も、告げるべき犯人名は存在しない、つまり0文字=自殺と考え始めた。ところが、あの短い血文字に意外な犯人名が。
東京-上野間3.6キロが完璧なアリバイを作った。2月12日、上野に9時49分に到着した札幌発「エルム82号」に大量の血液が発見され、9時33分に東京に着いた博多発「あさかぜ4号」に血液の持ち主が死体となっていた。着差13分、距離にして3.6キロ。犯人はどうやって日本の両端から発車する二つの列車に乗れたのか。
「鬼だ!鬼の仕業としか考えられん」-府中の古刹、真光山三界寺で発見されたバラバラ死体。その右手には、酒呑童子伝説にまつわる埋蔵金のありかを示す「鬼駒」と「鬼殺し」という棋譜が握られていた。被害者は坂田公時の子孫を自称し、さらに大江山で第2の殺人が起こり、怨念絵図が浮かびあがる。
現職警察官を体験した著者が完全に描き切った、一癖も二癖もある制服警官の世界。15年間に食らった停職が7回、飲んだくれで、キャリア・ウーマンの妻にも見放されたオリン・ボイドが送り込まれたのは、警察の収容所列島と呼ばれる第13分署。だがそこにはむき出しの人間たちのドラマがあったー。
10代将軍・家治の日光東照宮参詣費用20万両を、いかに捻出するか。この難事を克服した田沼意次は、次第に逼迫する幕府財政を立て直すため、新しい“事業”に着手する。だが意次の前には、反対勢力の厚い壁が…。賄賂の卸問屋といわれた田沼意次像を打ち破り、財政再建に懸けた老中の“志”を描く経済小説。