1992年6月発売
父の遺した名剣「月光」を手に、修業を続ける志楽。最初の熱情が薄れゆくころ、妖やしい魅力を放つ美少女剣士・風見梓と立ち会う。“女”を意識して志楽は勝てない。長い放蕩生活の後、決着をつけるため再び梓に挑む。そこは、名刀「日輪」を志楽から奪った明智光秀が、今まさに攻め入らんとする「本能寺」だった。怒涛の第4巻。
満月の夜、白いマンションに住む美人が次々に殺される。僕は、悲鳴のあった部屋に飛びこみ、死体を発見したとたん、マンションの住人に目撃され、追われる身となった。しかし、疑いを晴らすために犯人探しに乗り出した僕が気になるのは、満月の夜、欲望が膨らみ記憶を失う僕自身のこと。期待の作家の傑作推理。
タイムスリップした過去は、あの3億円事件の直前だった。犯人からカローラを奪うことは可能か?レトロも魅力の「3億の郷愁」に、作家になる覚悟を決め上京した青年のドタバタを描いて懐しい「灰色のノートから1 2」と新たに書き下ろした「作品から見る私の少年・青年時代」を加えた異色小説集。
ぼくの体に、何かとんでもない変化が起きている。東京全都を嘔吐させるような異臭がぼくの体から漂い始めた。原因はわからない。気弱なぼくを信じてくれる人はたった1人。コンピュータを自在に操る天才少年たちも仲間だ。八方ふさがりの迷路の中で、今、ぼくのとてつもない青春の冒険が拳をふり上げる。
翻訳家・野中は妻と娘と別れ、1人きままに暮らしている。だが親友が突然死に、若い智子との恋にも終止符が打たれた。野中には、彼のことはプー横丁の住人、トラのティガーと呼ぶ娘・塁子たちが住む海辺の街にしか帰るところはないのだろうか。童話の世界を主低音にして現代の家庭を描く異色の連作長編。
コンピューターにウィルスを侵入させて防空識別圏を大混乱に陥れ、その隙に747ジャンボジェットに満載したコカインをコロンビアからアメリカに運び込むー。会社を乗っ取られた天才プログラマー、ダリウス・ホイットニーに悪魔が囁いたとき、恐怖のドラマが始まった。興奮の長編ハイテクサスペンス。
ぼくの名前はショウジショウイチ。劇団二十一世紀少年の奴隷だ。奴隷というのは、劇団の中でも最下層の役者を指す。その呼び名の通り、先輩の役者にドヤされてこき使われ、しかも公演の時は端役どころか装置の転換くらいしかやらせてもらえない…。劇団の中に生きる奇妙で哀しい人々の姿をやさしく描く。
敗戦直後のカラフト、密告におびえながら街の底に隠れひそむ男たちをいやす無垢な魂の出現。人間を結びつけるものを凝視した人間の文学。敵前逃亡者の絶望と異形の愛のかたち。書下ろし長篇小説。
深遠の淵よりいでし『超魔』と、それを深遠に封ずる者『(よう)殺師』。人知れぬ闇の中で、2つの相反する存在の戦いはつづく。そして今、超魔の最後の切り札、頭主・若宮がめざめようとしている!薫の肉体を離れ、若宮が覚醒すれば、千剣破と竜樹の力をもってもあさえこむことはできない。若宮の狙いは、もちろん守護結界を破り、深遠の世界を解き放つこと。超魔が大挙して出現したら、人類は…?壊滅の危機に、千剣破が選択した最後の手段とは…?『超魔三部作』完結編登場。
攘夷過激派の長州藩が追放され、平隠な日々を取り戻したかに見える京の街。そんな時、「赤蜻蛉」と名のる盗賊団が、京都を荒らし回っていた。人斬り以蔵に襲われた赤蜻蛉の首領を救った総司は、首領の正体がお照だと知って、愕然とする。一方、京都制圧を画策する長州藩は、中山卿別邸を拠点に詮議を重ねていた。その陰に暗黒の力の存在を嗅ぎとった総司は、女装して中山邸を探る。ある時総司は、そこで美しい女性と出会った。中山卿の娘・沙奈子姫。それが運命の恋の始まりだった…。
中東の小国イズミール王国にある不思議な遺跡。突然に高い電磁エネルギーを発し始めたそのピラミッドの中では光の粒子が舞い、はるか上空には銀色に輝く奇妙な飛行物体が飛び交う。同じ頃、銀河系の外、140万光年のかなたに突如現れた光点が、このピラミッドと何か関係があるようだ。イギリス海軍も手を出し始め、みんなの不安が高まるなか、ただ1人、事情を知っているらしい天才科学者ファロンが、“明日になれば、すべてが開始される”という謎めいた言葉を発するのだった…。
同姓同名であったために、誤配された一通の封筒。若きインテリ総会屋井田有生は、封筒を受け取ってから、奇妙な事件に巻き込まれてしまう。配達人は殺され、本来の受取り人は自殺をしてしまった。真相究明のため、井田は友人とともに封筒を開くと、中から凶弾に倒れた世界的に有名なミュージシャンの歌が録音されたテープが出てきた。そして、綾乃と名乗る謎の女が現われて…。長編サスペンス。