1993年4月発売
二十三も年上の夫に満たされない日々をすごす二十七歳のアツコは、一夜のときめきを求めて街に出て、さまざまなタイプの男たちと不倫の夜を重ねるが、彼女の愛の終着駅は…。熟れた人妻の大胆な不倫模様を描く官能長編ロマン。
闇の中で大きく目を開けて、目の前の光景を想像した。二メートルを超える太った雌の大蛇が、ゆっくりととぐろを解いている。骨まで凍りつき、身体に氷の芯ができたようだ。部屋は不気味なほど静かだった。-悲惨な死を遂げた父の謎を追う美人犬訓練士キャサリンの身に危難が…。アガサ賞受賞の傑作。
伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?40余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。奇跡の楽壇復帰を仕掛けたのは、スイス在住の島村夕子であった。しかし、ベストセラーを続けるCDに疑惑の影が。美に憑かれた女のゆくところ、謎また謎。最終章に衝撃的ラストが待ちかまえる音楽ミステリー。
真紀子ー5月17日。恵子ー18日。小百合ー21日。3人の女性たちの誕生日は5月の第3週に集まっていた。月曜日、3人の女性たちに渡すべきプレゼントに関して、アイディアがひらめいた。彼の決定的な思いつきとは…?都会に住む男と女の光と影を、透明なタッチで描く独特の恋愛小説集。
全く違ったタイプの四人の女性が同じマンションに引っ越していっしょに暮らし始めた。いつも既婚男性との恋に生きる真琴。一人の男を思い続ける麻子。夫と別れてキャリアの道を歩む江美。離婚歴のある、五歳の男の子の父親にプロポーズされた史子。波乱に満ちた四人の女性の共同生活がたどる愛の行方は…?
二十五歳という年齢は、青春の夕暮れに浮かぶ迷子のお月様のようね…。七年越しの恋にピリオドを打ち、大阪に舞い戻ったさつき。新しい職場、新しい仲間、新しい夢、そしてふるえるような恋の予感。それは、青春のフィナーレを鮮やかに彩る、せつないドラマのはじまりだった。
わたしはけしてセンチメンタルな人間じゃない。けれど、精神を病んだ人たちのための施設を建設したいと訴えるボランティアの女性の言葉には、心を打つものがあった。市民財団の所長としてわたしは協力を約束するが、その矢先、建設に反対する住民が惨殺されてしまった。このままでは計画が頓挫してしまう。施設の実現のためにも、ぜひとも犯人を探さなければ。おてんばなブロンド娘ジェニーの活躍を描くシリーズ第4弾。
ジョージ王朝様式の家々が緑の丘のあいだに優美に波打つ伝統の町、バース。その近郊の湖に女の全裸死体が浮かんだ。昔気質のピーター・ダイヤモンド警視はこれこそおれの事件だと意気込んだが、有力な情報もなく、捜査は難航する。三週間後、妻の失踪を知ったというバース大学のグレゴリー・ジャックマン教授が名乗り出てきた。しかし、ダイヤモンド警視は、やがてその強引な捜査がもとで辞職に追いこまれてしまう。英国ミステリ界の鬼才が初めて現代のフーダニットに挑戦し、無骨な刑事の捜査ぶりを情趣豊かに綴る、ファン待望の大作。アンソニー賞最優秀長篇賞受賞。
上原厚子は愕然とした。それは27年間の人生で初めての衝撃だった。虎の子の貯金2000万円が押し入れから消えていたのだ。盗んだのは木野昌広。証券会社のセールスマン、彼女の財テクの相談役だった。が、やっと追いついめた木野はすでにカネは持っていなかった。そして揉み合っているうちに彼を殺してしまった厚子。その厚子の手に意外や2000万が。
慶長5年、豊臣・徳川「天下わけ目の関ケ原」は東軍・徳川に凱歌があがった。豊臣の将・石田三成は加茂の河原に首をさらされ、小西行長はしかし、京の遊廓に美女を求めたー。何故か?敗けても夢は咲かせたいのだ。この戦いは、数多の豪傑・怪士を渦にまきこんだ。その「豪傑繚乱」の道なき道を岩見重太郎は辿った…。茶々を偲びつつ。