1995年発売
舞台は南洋の島。地球に生命が誕生して間もない頃のお話。ヒトと魚の間に生まれた少年マウイは、不思議な力で次々と奇跡を起こす。やがてヒトでいることに飽きたらなくなったマウイは、神になろうとするが…。神話的な世界に繰り広げられる愛と再生の絵物語。
3歳の幼女が殺された。その腹部には抽象的な顔が描かれ、世間は“悪魔教団”の仕業と決めつける。容疑者として逮捕されたのは、幼女の母の恋人。彼は、宇宙からの来訪者をかたく信じるグループの一員だった。幼児虐待調査官ボウ・ブラドリーは、予感めいた確信で真犯人が別にいることを悟るが、彼女の言葉に耳を傾ける者はいない。大人気シリーズ待望の第2弾。
大物実業家ダインの私邸で発見されたフランス国宝級の骨董品は盗品だった。元英国特殊空挺部隊(SAS)に所属していたジャコーに事件の穏便な解決が依頼された。事件そのものは単純に見えた。だが、ダインの周辺からきなくさいにおいがつきまとって離れない。彼はいったい何者なのか。そんなとき、ジャコーの愛車フェラーリが爆破された。次々と襲いかかる危機、そして殺人…。事件にからむ中国人秘密結社、国会議員までをも巻き込む事件の真相は。ヴェテラン、ケネス・ロイス会心のハードボイルド。
バニング・ジェーンライト。アドルフ・ヒトラーのために、ポルノグラフィーを書く男。「ふたつの」世界を旅する男。彼の口から、果てしない迷路のような物語、呪われた愛をめぐる“もうひとつの二十世紀”の物語が、いま語りだされる…。数多の絶賛を浴びながら、現代アメリカ文学界に慧星のごとく登場したスティーヴ・エリクソンの傑作長篇。
都市国家ギルスの商人・ウトからサーラピークまでの護衛を請負った傭兵ラガシュ。彼の若さと整った外見は、酒場で嘲笑の的となることが多いが、傭兵仲間からは“ひとたび剣を抜けば、必す刃を血で濡らす男”と恐れられていた。ギルスを発って3日目の夜、一行は野盗に襲われた。ラガシュは大剣を振った。頭蓋骨を割り、喉を裂き、側頭部を砕き、腹を抉り、野盗を斬り伏せる…。剣にかける男の官能アクションファンタジー。
豪華フェリー「しーふらわー号」から転落行方不明になった男と現場にいた謎の男。二年後、その謎の男が自殺をとげた事が航海士・堀ノ内に不審をいだかせた。彼は親友で名探偵として活躍している浅見光彦にこの二つの事件を相談した。事件の鍵が高知の平家落人の里にあると突きとめ高知の「隠れ里」に向かった浅見の前に現われた美少女・佐和。彼女に魅せられ恋心を感じる浅見。だがその佐和にも恐怖の魔手が…。浅見の恋と名推理。
迫りくるファシズムと戦争の跫音を逃れ、故郷への道を急ぐ男の脳裡には、少年の日、秘密の池で見つけた巨大な魚の影がおどる。-しかし、何もかも〈ピカピカ、ツヤツヤ、スマート〉なこの時代に、変り果てた町で見たものは…一人の中年サラリーマンのささやかなオデッセイを通して鮮やかに描かれる、〈普通の人〉の生の軌跡。1930年代に早くも、20世紀末の状況を的確に予見していたオーウェルの傑作長篇小説。
変調社主催の文学賞賞金500万円をあてに、究極の中華料理ツアーを企画する南蝶氏だが-豪華絢爛、抱腹絶倒の世界が織り成す「東瀛の客」、麺なしでは生きられないメンクイの丘君が、美女にゆかりの麺の霊に取り憑かれる「麺妖」、豚足の食べっぷりを白髯の老人に見込まれたなんでふ氏が遭遇する奇妙な世界「猪脚精」、他に「華夏第一楼」「老酒の瓶」「餃子地獄」「画中餅」など、いずれも現実と幻想の世界があやしく交錯する、食通と呑んべえ必読の中華料理小説。
安城沙季は画家を目指す26歳。アルバイトとして中学の臨時美術教師を引き受けた。新しい学校に赴任した直後、先輩美術教師・柴田が石膏の落下によって頭を打った。翌日、沙季も窓ガラスが割れてひたいを切り、入院。その夜、沙季が霊安室の階で奇妙な白衣の男を見た直後、同じく入院中の柴田の容態が急変し、死亡する。病院にまつわるジンクスが招く怪現象の真相は…。
わたしは塔に閉じ込められていた。主婦という鎖を身にまとい、まるでグリム童話のラプンツェルのように…。汐美28歳。主婦歴6年、子なし、夫不在。この本の中にあなたはいますか。
バブル経済が崩壊し、国内が混乱すると予言した極秘のレポートが作成された。それを受け取った内閣情報調査室は、治安強化を求める世論の喚起を目的に、ある組織を使って各地でテロ事件を頻発させる。それを阻止するため、一人の捜査官が首相官邸に呼ばれ、動き始めた…。危機迫る、情報サスペンス小説。
日本海に臨む海東市にある白楊学院の日高院長は竜堂兄弟の亡き祖父の友人だった。その院長からある日、SOS信号を受けた四兄弟は、二学期の始まりから学園を救うため出撃した。謎の転校生・終と余は巨悪たちの集う仮面パーティに潜り込み、大暴れ。怒りの四兄弟がそろってドラゴンに変身するのはいつか。
自前の会社が倒産して以来、いささか人生に退屈していたぼくの前に突然、拇指サイズの小人が出現した。小人は悪友のハリイ・ガーバーで、自分が時空支配装置を発明したことを告げるために未来からやってきたのだという。これで世界はぼくらのもの、と喜んだまではよかったが、時間と空間をもてあそぶうち、危険な寄生頭脳をこの世に招き入れてしまった。鬼才ラッカーの奔放なアイデアが大爆発する、ポップなSF狂騒曲。