1998年7月発売
小悪魔な魅力でまわりを振り回す、入社二年目の日野郁也。郁也は最近、ハンサムだけど無口で怖そーな男・真田鷹彦が気になるのだが、真田は郁也の美貌にも見向きもしない。周囲の人間とちょっと違う真田に、郁也はますます興味が湧いてきて…。この正反対のふたりの距離はどうなるの。
嵐が吹き荒れた晩の翌朝、海岸に突如、身長100メートルはあろうかという巨人が現れた。前代未聞の怪事件、自衛隊が出動する大騒ぎとなる。ところが、巨人とコミュニケーションがはかれることが判明した。官僚たちは管轄官庁を押しつけあい、政治家は金儲けにならないかと算盤をはじきはじめる。いったいこの怪物は、どこからやってきて何をしようとしているのか。
「俺はこの人のためとあれば命を棄てても惜しくなかぞ。」-西郷隆盛の人柄に惹かれた中村半次郎ーのちの桐野利秋は、得意の示現流の腕に冴えを見せ、「人斬り半次郎」の異名をとるようになった…。維新に賭ける志に生きた薩摩武士の若き日の情熱と颯爽たる生き方を描く。
西郷隆盛の下野とともに陸軍少将を辞して、故郷薩摩で私学校幹部になる一方、農地の開墾にあたっていた桐野だったが、時代の奔流は彼を西南戦争という舞台へ押し出していった…。新事実と解釈によって、青雲の志に生きた全く新しい桐野像を描く意欲作。
深夜の首都高で、吉川国夫の車は大型車に引っかけられ炎上。国夫は死亡した。そして、大型車はそのまま行方を晦ました…。国夫の恋人でシンガーソングライターの堀河優美は、彼の遺品の中から一枚の楽譜を発見する。“SHADOW GAME”と名付けられたその曲は、完成度の高いバラードで、優美は彼の思い出にこの曲の使用を決意した。だが、作曲者は誰なのか…。事故から国夫の足跡を遡り始めた優美は、彼に楽譜を渡した人物もまた、謎の事故死をとげていたことを知るー。一枚の楽譜に秘められた謎とは!?冒険小説の名手が綴る力作長編。
何をやってもダメなときは、神様がくれた長い休暇だと思おう。結婚式当日、花婿に逃げられた南は、彼のルームメイトの落ちこぼれピアニスト・瀬名と奇妙な共同生活を始める。人気ドラマ完全ノベライズ版。
門脇浩一郎に会ったのが間違いのもとだった。僕はポルノ作家だが、無頼の小説家を名乗るこの男と意気投合して、自分の家にある土蔵を貸すことになった。やってきた門脇浩一郎は、土蔵に女を引っ張り込み、酷く猥褻な行為を、僕に覗かせるのだ。しかも、この男は巨根だった。二十センチはあるように見えるモノが、テラテラとピンク色に輝き、ぱんぱんに膨らんで、膣口をミリミリと押しわけて、もぐりこんでいった。
1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし、隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行をー。キングが絶賛する伝説の名作。
楽園を与えられながらもすべてに満足できなかった男-それが一連の事件を引き起こした白骨死体の生前の姿だった。男は11年間、ナヴァホ族の霊山シップロックの山頂に横たわっていた。訪問者はカラスだけ。死体はついばまれ白骨となり、登山用具があたりに散らばっていた。奇妙な事件が相次いで発生しはじめたのは、その男が地上に降りた直後だった。静かな長い年月は突如として終わりを告げる。リープホーン元警部補は白骨死体と狙撃事件の関連性、古い記憶…白人失踪事件が絡んでいるはずだと、捜査内情をチーから聞きだそうとする。相次ぐ事件に関連性など、単なるこじつけだと疑心を消せないチー警部補代理は、婚約者のジャネットが必要以上に事件に関心を示すことに気づき、捜査に身を投げだしていく-が、そこに待ち構えていたのは遺産相続、鉱山開発などの裏に潜む人間の欲望、愛欲、そして最も信じたくはなかった白人化したジャネットの姿だった。Vita brevis「人生は短い」-そんな警句を残して男は自ら落ちゆく道を歩んでいった…。
孤児院の少女時代、歌手を経て、帽子デザイナーとして出発した“モードの女神”。シャネルには驚くべき愛の悲劇が隠されていた…。シャネル“謎”の青春時代と生涯最愛の男との愛を鮮烈に描く。
29歳のタクシードライバー野上雄貴は、GCS幼児教育センターから幹部候補生としての入社要請を受け、不審を覚える。センターの母体となった教育システムの創始者・近松吾郎が、愛人に生ませた子が野上だった。野上自身、0歳のときから「金のゆりかご」と呼ばれる装置で育てられ、一時は天才少年としてマスコミでももてはやされたが、やがて限界の露呈とともに切り捨てられたのだ。彼が、9年前に起こったセンターの4人の子供が次々と精神に錯乱をきたした事件を追ううち、事件の鍵を握ると思われる一人の少年の母親・漆山梨佳が行方をくらます。
一人暮らしの女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生!四人の被害者は、いずれもバスローブやパジャマ姿といった格好で殺されていた。さらに死亡推定時刻は、すべて午後二時から三時の間。白昼堂々の犯行だった。なぜ犯人は、女性一人が軽装でくつろぐ部屋に入れたのか?なぜ犯行が、いつも午後の同じ時刻なのか?事件を担当した十津川警部や亀井刑事は、宅配業者や郵便配達員などを虱つぶしにあたるが、「午後の悪魔」と呼ばれる犯人は、ある意外なところに潜入して…!?大都会・東京に潜む孤独を活写した力作推理四編を収録。好評、十津川警部シリーズ第六弾。