1998年発売
中国・戦国時代、秦の常勝将軍・白起はなぜ大量虐殺者として歴史に悪名を残したのか…。乱世を一筋に駆けぬけた剛直な武将の悲運の生涯を、権謀術策渦まく赤裸々な人間模様のなかに鮮烈雄渾に織りあげた、大河歴史ロマンの精華。
大艦巨砲か航空主兵か。海軍内で両派の対立が続く昭和十六年秋、一隻の巡洋戦艦が竣工する。艦名は妙義。その建造目的は、連合艦隊司令長官山本五十六にも知らされていなかった。一方山本は、密かに空母主体の大航空艦隊構想を抱く。両派の思惑を背に、南雲機動部隊は遙か真珠湾に向け出撃した。
愛の悲喜劇を完璧な筆致で描く英国不倫小説の極致!それは恋なのか、臓腑をえぐる欲望なのか?ロレンス、ジョイスなど20世紀を代表する作家を世に送り出した名編集者にして英国モダニズムの巨人、本邦初登場。
オイルスター社の超大型タンカー、ゾロアスター号は、到着を目前にして操船不能に陥り、ゴールデンゲート橋の橋脚に激突した。この事故でタンカーの原油百万バレルがサンフランシスコ湾内に流出しはじめた。オイルスター社はただちに原油回収作業を開始し、自功保護団体のボランティアたちも必死で活動するが、ほとんど効果はあがらない。マスコミは対応の遅いオイルスター社を非難しだしたが…話題のバイオ・サスペンス。
サンフランシスコ湾内に流出した原油のために、ラッコやアシカ、カモメなど湾内の生物がつぎつぎと死んでいく。早急な解決策を求めるオイルスター社は、開発したばかりの原油を食べる微生物プロメテウスを使うことにした。ところが、この微生物が原油だけでなく、ガソリンやプラスチックなどあらゆる石油製品を分解しはじめたのだ。世界を破滅の危機に陥れた微生物がもたらした恐るべき運命を描く、バイオ・サスペンス。
ノール国の王女ヘジは、唯一神として君臨する強大な河の神の支配から逃れようと、都からの脱出に成功した。そこには、彼女の思念による呼びかけに応えて、はるばるやってきた北の部族の青年ペルカルの助けがあった。一行は大河の神の力の及ばぬ、西の砂漠をめざす。だが、大河の神によってよみがえらされた暗殺者が、彼らの後を追ってせまりつつあった。期待の俊英が描く傑作ファンタジイ。『水の都の王女』の続篇登場
ヘジは裡に秘めた能力から呪い師としての訓練をうけはじめ、その実力をめきめきと上げていった。一方ペルカルは、このままでは世界中の神が大河の神に呑みこまれてしまう、という大鴉の神のことばを信じ、大河の神の息の根をとめるために、その源をめざす。だがそれを阻止しようと、よみがえった暗殺者をはじめとする、大河の神の手のものによる妨害が次々と一行に襲いかかる。壮麗なる異世界ファンタジイの傑作巨篇。
エリザベス女王が使用人の死体を発見するなんてー居合わせたメイドのわたしは、事の真相を密かに探るよう命じられた。死んだ男は、つい先日も女王の居室近くにいたという。なぜそんな畏れおおい所にいたのか?やがて宮殿で働く者たちの秘密が明らかに…女王陛下の小粋なメイド探偵ジェインの活躍を描く、カナダ推理作家協会賞最優秀処女長篇賞受賞作。
わたしを捨て、若い女性を選んだ彼の弁護を引き受けるなんて。連邦職員を買収した罪に問われた元恋人マットが、わたしに助けを求めてきた。彼はマフィアに関わる弁護士で敵も多い。初の大きな裁判に臨む緊張のなか、わたしは検察側の証人が麻薬取引に関わっている事実を知る。が、その証拠を握る男が他殺体で発見される。理性と感情の間で揺れる弁護士キャスの心情を情感溢れる筆致で描くアメリカ探偵作家クラブ賞候補作。
ニューヨークのスカイラインに、数え切れぬほどのクレーンが聳え立っている。この街は、かつてない建設ブームに沸いているのだ。飛び交う巨額の金。街を駆けめぐる狂躁。やがて、アイルランド系の犯罪組織が、さらなる金を求めて蠢きはじめる。街の空気がさらに澱み、黒くなっていく。暴力と流血の予感に、FBIが動き出す-この街で、ある兄弟の絆が、試練の時を迎えようとしていた。兄である元ボクサーのパディは、悪の道へと足を踏み込み、いまは組織に雇われている。弟のビリーは、弁護士を目指して大学で勉学に励んでいる。百八十度違う人生を歩む二人は、やがて暴力と強欲の抗争に巻き込まれ、互いに死力を尽くすことになる。血の絆を、守るために。