1999年11月発売
妻にして愛人、官能的な継母。非現実、幻想、追憶と欲望の女性。美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチート。ラテンアメリカ文学の巨匠が描く巧緻を極めたエロティックな物語。
一戸建てを二人でシェア、料理さえ作れば家賃はタダ。そんなおいしい話を見逃す手はないー。というわけで、気はいいけれど変わり者のお嬢様・銀子さんの家に居候することになった私。しかし、引っ越し早々、幽霊は出るわ、ゴミ捨て場の死体騒動に巻き込まれるわ…なぜかトラブルが続発。郊外の平凡な住宅地を舞台に、愛すべき、ちょっと奇妙な隣人たちが起こす事件を描くミステリ短編集。
万引きで捕まった秋吉、横領が発覚した白洲。二人の不良警部補が罪のもみ消しと引き換えに命じられた、あるエリート公安警部の内偵。そして、大手DPEチェーンが“溺れる魚”から受けた奇妙な脅迫。その二つが結びついた時…。強烈な悪役、豪快なチェイス、痛烈などんでん返しが激突!まさに痛快、これぞ完璧なる娯楽小説。
同い年の従兄弟、秋良に対する想いをココロの奥深くにしまいこんだ歩未。野球部で活躍する秋良の姿をこっそり見る毎日だけど、思いはだんだん募ってきてきまう。彼の心のカンヅメは、いつになったら開けられる…!?ピュアなあなたに届けたい、勇のスイートラブメッセージ。
戦場に地獄を見た五体不満足の兵士。ホンダのバイクで爆走するウィリアム・バロウズ。妻(四十歳)のオナニー現場を見てしまった夫。変態KKK主義老人の愛人に惚れた青年。チェスをするとオカマ化するパパ…。生の現実の薄皮一枚向こうに透けてみえる醜悪で滑稽で陰惨でなまぐさい人間の本質。アメリカ随一の短編名人が腕をふるってじわじわ語る人生の悲喜劇、どすどす込み上げる黒い笑い!フォークナー賞作家の悲喜劇コレクション。
新宿御苑の桜の樹の下から、盲導犬が白骨死体を掘り出した。警視庁捜査一課の須原透刑事の通報で、慶和大学法医学教室の田代ゆり子が検死。死後三年の若い女性だが、白骨には赤い色素ヘンナが不気味に浮き出ていた。数日後、ゆり子は奥多摩湖で顔面だけ白骨化した若い女の水死体に遭遇、ついで、明治神宮・菖蒲園でまたも若い女の絞殺死体が…その顔面には、生体反応のある切り込みがあった。三体の異常な死体が意味するものは?ゆり子に仕掛けられる身の毛もよだつ猟奇の罠…。その陥穽に落ち込んだとき、彼女は真相を悟った!サイコホラーミステリーの名手が放つ異常犯罪傑作。
雷鳴轟く京の都を高台から見下ろすひとりの人物-その手には、完成年代及び著者ともに不詳の悪魔の書『陰陽大観』が携えられていた。その冒頭の一行は、“魔界は天に在らず、地に在らず、人の心に在り”。人の心に悪魔を運ぶことを使命と信じ、殺人者を生み出す快感に最大の生きがいを覚える狂気の伝道師QAZ。謎のコードネームを持つ人物が仕掛けた第一の大罪は、京都魔界伝説の地を舞台に、前代未聞のバラバラ殺人。人間の左手とぬいぐるみのサルの左手が、同じ場所から見つかった!悪魔の挑戦を受けて立つのは、東京から京都へ活動拠点を移したばかりの精神分析医・氷室想介。作者ライフワークの全百巻シリーズがいま始まった。
この生き地獄に投げこまれたらあなたはどうする?原因不明の疫病に襲われた山間の小藩。惨禍は惨禍を招き、人間たちは悪の限界をさらけだす。引き裂かれる正義と愛、跡に一輪の花は咲いたのか-!!暗黒のヒーロー、矢月繋による変格伝奇小説。
高級クラブのインテリママは実は組長の情婦だった。バーテンの三迫は組長にママの浮気を監視する番犬になれと命ぜられ、ママと寝起きを共にすることになる。そこから話は始まる。青年を殺人地獄に陥した女の真実とは!勝目ハードボイルドの渾身作。
由也は恋人の鷹野が以前つきあっていたと噂される明良と同じクラスになって落ち込み気味。だが、鷹野の幼い頃の友達だという新入生の野瀬がやたらと鷹野に付き纏い、お節介な明良が怒りを爆発させたことから由也と明良の息は合うように。しかし、鷹野と明良の恋人・藤島は野瀬の裏の顔に気づかない。鷹野と由也、藤島と明良のカップルは野瀬が引き起こす騒動で波瀾あり!?今度も胸騒ぎがとまらない。
サラリーマンに痴漢されるなんて…。これが、新米サラリーマンの慎吾の唯一の悩みだ。慎吾は、仕事のミスも気にしないのん気者。それに、営業で幼なじみの邦彦がいつもフォローしてくれる。取引先の社長に押し倒された日も、邦彦はいち早く駆けつけ、優しくなぐさめてくれたのだが…。この夜から慎吾は、更にディープな悩みを抱えることになったのだ。
警視庁捜査一課強行班の樋口顕警部補は東京・荻窪で起きたデートクラブの支配人の刺殺事件を追っていた。目撃者によると、事件後、現場から逃走する少女の姿があったという。捜査本部はその少女「リオ」に容疑を深めるが、樋口は直感から潔白を信じる。だが、「リオ」の周囲で第二の殺人が…。刑事たちの奮闘をリアルに描いた長編本格警察小説。
第一部-陪審。ある殺人事件を裁くために選ばれた十二人の陪審員。彼らのなかには誰にも知られてはいけない秘密を持つ者もいる。そんな陪審員たちの職業や経歴、思想などが浮き彫りにされ、各々が短篇小説を読むような面白さとなっている。第二部-事件。莫大な遺産を相続した十一歳の少年と後見人の叔母。孤独な少年が唯一愛する一匹の兎をめぐり、二人は静かなる闘いを繰り広げ、やがて異様きわまる殺人事件へと…第三部-審理と評決。証言ごとに揺れ動く陪審員の心の動きをメーターの針で図示。様々な思惑を秘めた十二人の評決は。
ひとつ頼みがある。力いっぱい俺を殴ってくれータイラーの一言がすべての始まりだった。映写技師の仕事をする彼との出会いは、平凡な会社員として暮らしてきたぼくの生活を一変させた。週末の夜、密かに素手の格闘を楽しむうち、二人で作ったファイト・クラブはみるみるその規模を拡大し、過激な暴力は果てしなくエスカレートしてゆく。その行く手に待ち受けていたものは?熱い注目を浴びる、全米大ヒット映画の原作。
ジャーナリズム学科の女学生マギーが課題として選んだのは、過去の未解決事件三件の再調査レポート。だが調査に着手した矢先、彼女は他殺死体で発見される。死体が放置されていたのは「恋人たちの小道」、1988年の殺人事件の現場だったーマギーを指導していたヘンリー・Oは独自の捜査を開始する。過去と現在、交錯する謎の深淵に潜む衝撃の新事実とは。
わたしは耳が不自由。だけど言葉を話せるし、読唇術などを駆使して女性新聞記者として多忙な毎日を送っている。そんなわたしのもとに前町長の未亡人が訪れ、行方不明の妹を捜す広告を依頼してきた。だがその夜、広告は突然キャンセル、翌朝、彼女は死体で発見された。保安官は自殺と見るが、死体のポーズが気になるわたしは密かに調査を始めるー研ぎ澄まされた感性で事件を追うコナーの活躍を描くマカヴィティ賞受賞作