1999年発売
陰謀渦巻く政界の闇、甘美で危険な恋…。在原業平を主人公に、伴善男、藤原良房、天皇家の人々、小野小町ら多彩な登場人物が、読者を王朝絵巻の世界へひき込む。今こそ物語ろう、権力者たちの野望にみちた応天門炎上事件の疑惑の闇と、わが生涯の恋の秘めたる絵巻を。業平が仮面を脱いで語る、異色の長編小説。
白衣の聖天使の看護婦、紺色のエリート・スチュワーデス、怜悧なインテリ女医、青い果実のセーラー服、妖艶な墨染の尼僧…etc。清楚な制服の下に隠された豊満な肢体、白いつややかな肌、甘い熟れた匂いを晒され、官能の炎に身を焦がし、悶え喘ぐ女たち。そんな制服美女の奔放な性態を巨匠、新鋭の作家陣が書き下ろした充実の短編全10作。官能的なコスチュームに身を包んだ美女たちの愛欲物語を厳選セレクトした、好評シリーズ魅惑の新展開、堂々登場。
愛憎渦巻く家庭から私を救い出してくれた夫が、いま死につつある。その過程と交錯する、両親との過去。父の自殺。母との決裂。そしていま再び、怒濤のような悲しみのなか、差し伸べられた母の手…。その筆力で米文学界を騒然とさせた、驚異の女子高校生作家による珠玉の物語。
プルースト、ワイルド、ミュシャ…数々の芸術家をも魅了した、大女優サラ・ベルナール。彼女は「神秘の窓」と謳われたひとみと「黄金の声」で、「フェードル」から「椿姫」まであらゆる役をこなし、世紀末からベル・エポックまで長期にわたり、世界的な名声を欲しいままにした。人並みはずれた豪奢な生活、そして恋愛偏歴-スキャンダラスな伝説を身にまとい、不幸なき栄光の道をひたすら走りつづけた彼女の本当の素顔とは?サラの華麗な生涯にサガンの熱い夢を託した、架空の往復書簡による伝記ロマン。
世紀末ウィーンの華、グスタフ・マーラーの妻アルマ「絶対的ニンフ」と言われた彼女は、音楽・文学・建築・美術とあらゆる分野の芸術家たちを魅惑し、彼らの創造力を刺激しつづけた。天才音楽家マーラー、バウハウスの創設者グロピウス、劇作家・詩人のヴェルフェル、画聖クリムト、そして表現主義を代表する画家ココシュカ-彼らはアルマが存在したゆえに、その才能をみごとに開花させる。だが多くの芸術家の愛をほしいままにした彼女が、本当に求めていたものは、何か?フランスの元文化大臣、ジャーナリストのジルーが鮮烈に描く、美神アルマの苦悩と実像。
フランス革命で、ヴァレンス公爵は処刑。その衝撃から、愛人であった母も他界しセリッサは天崖孤独の境遇となる。そこで母の国イギリスへ戻ろうと決め、海峡横断の船でシェルドンに出会った。セリッサは、母とは別の生き方を望み裕福な貴族と結婚するという野心を抱く。その意図をシェルドンに明かし二人で計画を実行していくことになるがかれ自身にも、秘密の過去があった。決闘で、二度と故国の土を踏むまいと出国したので、ロンドンには戻れない。そこで、貴族の保養地であるバースへフランスの公爵令嬢を名のるセリッサの後見人として乗りこんでいくが…。
米国の名作ベストセラー児童文学「おばあちゃんの屋根裏部屋」シリーズのなかから選りすぐりの短編を集めたベストセレクション。定評ある中村妙子訳で大人向けの定本として贈るユーモアと信頼の珠玉の短編集。
俊はご近所一帯を仕切る高一のヤンキー…のハズだった。しかし、今では、天才少年として名をはせる小学生・清一郎の「奴隷」になりはてている。そんな俊の前に、清一郎とタメをはれる天才少年・イダニスが現れた。俊は、清一郎の「愛」から逃げるため、イダニスが作るさまざまなアイテムをためすが…!?大好評作『子供はなんでも知っている』続編。
目覚めてみたら、兄にキスされている!細い身体がコンプレックスだけど、黙っていれば精悍な顔だと自負している真悟は男、しかも実兄に寝込みを襲われてショック。でも、身体は気持ちいいことに逆らえない。そのうえ、兄・冬悟のライバルで取り巻きいっぱいの折原にまで惚れられて混乱気味。そんな時冬悟が部長をしている新聞部の事件に折原と一緒に自ら巻き込まれてしまい…-。恋する気持ちも事件もノンストップな書き下ろし。
「メアリー・バーゲンか…」透視能力者メアリーに追いつめられ、警察に射殺された殺人犯は、なぜ最期に彼女の名を呼んだのか?それは新たな大量殺人の前兆だった。その夜から襲いかかる、凄惨な幻想とポルターガイスト。そして、事件は彼女自身の忌まわしい過去さえもよみがえらせる!ベストセラー作家の原点となった傑作ホラー。
“消耗品扱いの要員”という言葉をご存じだろうか。女だてらに未踏惑星探査を任とするわたしもその一員。この25世紀、任務遂行中に不慮の死を遂げやすい惑星探査要員には、身体的に瑕疵をもち、損失をさほど惜しまれない人員があてられるのだ。そのわたしが、帰還率ゼロの危険な惑星メラクィンの探査を命ぜられた。ついに年貢の納めどきが来たかと思いきや…期待の俊英が放つ、謎と波瀾横溢するアドヴェンチャーSF。
任務から還った者のない惑星メラクィンへ決死の探査行に赴いたわたしは、実際の星を見て驚いた。それは地軸の傾きから大気組成まで、あらゆる点で地球によく似た惑星だったのだ。なぜここがそんなに危険なのか。そもそも、地球の近接宙域にこういう惑星がどうして存在しうるのか?疑問と怖れをいだいて地表に降下したわたしの前に現われたのは、ガラスの体をもつヒューマノイドだった!ゲーム感覚あふれる傑作冒険SF。
遙かな未来、太古の殺し屋種族チェンジーム人が残した攻撃機械やナノマシンによって、人類は絶滅の危機においこまれていた。なんとか生き延びて委員会星団で暮らしていた人々は、強力な指導力を持つジュピター・アポリナリオに率いられ、宇宙船ネセレス号に乗り、人類の理想の地であるという陥穽星をめざしたが…ローカス賞受賞作『極微機械ボーア・メイカー』の著者が未来世界を舞台に壮大かつ華麗に描きだす冒険SF。
かつて陥穽星に入植した人類は、謎の疫病のために全滅してしまった。生き残った植民者たちは惑星を封鎖し、宇宙エレベータの途中にある絹市で暮らしている。だがこの陥穽星に降り立ち、無事に戻ってきたジュピターは、陥穽星こそ理想の世界であると主張し、ネセレス号の人々や息子のロトを強引に宇宙エレベータに突入させるが…10年後、さまざまな難関をくぐりぬけ、陥穽星をめざすロトを待つものは?話題の冒険SF。