2001年発売
本書は私辞典である。一般の辞典が言葉の客観的な(と思われる)意味を主観的に記述しているのに対し、この辞典は言葉の主観的な(と確信する)意味を客観的に述べているので、特に「私辞典」と名付けた。
多額の借金を身体で返済する身の上の綾瀬は、狩納に高額の洋服を大量に買い与えられ戸惑っていた。狩納に酷い仕打ちを受けながらも、不自由なく生活している綾瀬は、狩納へプレゼントを贈ろうと思うが、お金がなくて…。綾瀬が狩納のために必死にお金をかき集めるハートフル・ストーリー!書き下ろし作品では、身体での借金返済を取り止めてもらった綾瀬の元へ、石井鉄夫の母が現れ-。
自由で平和な理想郷を築く気宇壮大ロマン!カラ・キタイ(西遼)を建てた耶律大石の驚愕の秘史と、暗殺教団の長老ハサン・サッバーフにウマル・ハイヤームの謎。主人公・陶羽が体験するマニ教の奥義「桃源郷」発見の旅。新世紀を飾る名作と三国志から始まる「曹操-魏の曹一族」を併録。国家を超越、世界主義を択る。
「けっきょく輪廻なんだよなあ、いろんな自分の。…地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天道って、聞いたことあるだろ。じたばたしても、いろんな自分を結局は輪廻していく…」ロックで六道輪廻を突き抜けろ!精神を病みロックに没入する僧浄念が見た輝く世界。現役僧侶による衝撃の芥川賞受賞第一作。
江戸時代初期、二代将軍秀忠のご落胤として生まれた幸松は、信州高遠の保科家を継ぐ。やがて異母兄である三代将軍家光に引き立てられ、幕閣に於いて重きをなすに至る。会津へ転封となった後も、名利を求めず、傲ることなく、「足るを知る」こそ君主の道とした清しい生涯を、時に熱く、時に冷静に描く著者渾身の書。
警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。
西暦二〇〇〇年は、「アメリカ・ルネサンス」を代表する作家の一人、ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』一五〇周年に当たり、この名作が読みつがれてきたわが国でも、それを記念する様々な企画が試みられている。わが国のホーソーン研究者たちを擁する日本ナサニエル・ホーソーン協会でも、その全国大会で『緋文字』を読み直すシンポジウムが開かれ、また、その会員たちの総力を結集した記念論文集の出版にむけて、刊行委員会が設立され、『緋文字』を多角的に論ずる論文の投稿を会員たちに呼びかけ、この記念すべき年までにわが国における『緋文字』研究の到達し得たレベルを内外に示すことにした。そのようにして寄稿された論文は、刊行委員会の委員たちの間で慎重に査読され、その査読をふまえた討議を重ねて、選びぬかれた九篇の論文を集めたものが本書、記念論文集である。
ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。
晴海通り沿いで最も古い築地のKビルで新しい「ゲーム」が始まった。写楽の謎を縦糸に、愛の究極を横糸に織り上げられる超絶エロティック・ミステリー。ヤクザの作法、競馬のテラ銭、真剣賭麻雀から夜の銀座の値段まで、「業界」の秘密もリアルに描き尽くされる。
新宿二丁目で無認可だが最高にあったかい保育園を営む男・花咲慎一郎、通称ハナちゃん。慢性的に資金不足な園のため金になるヤバイ仕事も引き受ける探偵業も兼ねている。ガキを助け、家出娘を探すうちに巻きこまれた事件の真相は、あまりにも切なかった…。稀代のストーリーテラーが描く極上の探偵物語。
1876年、建国百年記念万国博に沸き立つフィラデルフィア。だが会場の警備に就いている警官マクリアリーは失意に沈んでいた。事件解決の失敗で刑事の職を追われたのだ。おまけに今夜は金持ちたちを歓楽街へ案内しなければならない。渋々夜の街へ出るマクリアリーだが、退廃と虚飾に彩られたそのツアーの最後に、まさか少女の惨殺体を発見することになるとは…刑事魂がマクリアリーの胸に甦った。だが、上層部は彼を捜査から遠ざけようとする。事件の裏に何かが潜んでいるのか?力感溢れる筆致で描かれ、MWA賞に輝いた歴史ミステリの傑作。
見開きほぼ全頁にわたって、240点に及ぶ写真・イラストを掲載、24頁の美しいカラー口絵を挿入。2000項目を越えるタイトル索引(邦訳書名入)、人名索引(原綴付)も充実。