2002年発売
こうやって人は、恋に落ちていくのだ。大好きだった。けれど、淋しくてたまらなかった。もっと愛されたかった。二人でしあわせになりたかった。かぎりなく優しく、かぎりなくせつない、6篇の恋愛小説。
困ったときに電話一本で駆けつけてくれる便利屋会社『なんでもボーイ』に勤める千京太。都内のマンション『カーサ・マロニエ』に住む3人の美女と仕事を通して知り合ううちに淫靡な世界に足を踏み入れていく。童貞の若き欲情をその秘園で受け止める美貌のOL。恥ずかしい格好で写真を撮られて、悶え狂う妖艶な若妻。淫らな欲望器官で肛門を塞がれて肉地獄を味わう処女…3人の淫女が織りなすめくるめく官能の世界。
古い考えと笑いたければ、笑え!九州に生まれ、上京し北海道に移り住むまでの、40年の軌跡を振り返りながら、30年前の情熱にあふれた若き日、未熟さから別れてしまった恋人を思いやる男の純情をつづる。時の流れの中で、失われつつある九州男児の思いと生き様は、今を生きる男たちへの熱い青春のメッセージ。
わたし、法律を教えるエリート大学教授。弟は落ちこぼれのやっかい者、薬物中毒患者。おやじから呼びだされ、兄弟で実家に戻ったところ、おやじはソファの上で死んでいた。三百万ドルもの現金を残して!おやじの生涯の収入をはるかに上回る額である。清貧を貫き、聖人君子のような判事だったおやじがなぜこんな途方もない額を残すことができたのだ!?これはおかしい!何かある!いまだに南北戦争の勝敗にこだわる南部人気質と“おカネが命”の現代人気質を照射したシニカル・サスペンス。最後のどんでん返しは意味深。NYタイムズ連続4週間第1位。
わたし、法律を教えるエリート大学教授。弟は落ちこぼれのやっかい者、薬物中毒患者。おやじから呼びだされ、兄弟で実家に戻ったところ、おやじはソファの上で死んでいた。三百万ドルもの現金を残して!おやじの生涯の収入をはるかに上回る額である。清貧を貫き、聖人君子のような判事だったおやじがなぜこんな途方もない額を残すことができたのだ!?これはおかしい!何かある!いまだに南北戦争の勝敗にこだわる南部人気質と“おカネが命”の現代人気質を照射したシニカル・サスペンス。最後のどんでん返しは意味深。NYタイムズ連続4週間第1位。
第十三章 決心の顚末 第十四章 伯母さんは決心する 第十五章 新たな門出をする 第十六章 いろいろな意味でぼくは新米 第十七章 巡り合わせ 第十八章 青春のあの頃 第十九章 まわりを見渡し、ぼくは発見する 第二十章 スティアフォースの家庭 第二十一章 ちびのエミリー 第二十二章 懐かしい地に新しい人たち 第二十三章 ミスター・ディックの言葉が裏づけられ、ぼくの就職も決まる 第二十四章 生まれてはじめての放蕩三昧 注
恋人が起こした事件の罪を被って二年の刑に服したアーニーが出所したとたん迎えにきた恋人は射殺され、彼が信頼していた男も彼の目前で殺される。彼が次に訪ねた男もまたわずかな隙に射殺された。自らが何故か罠にはめられたことを知ったアーニーは、真相を探るべくしゃにむにギャングの仕掛けた包囲網に飛び込んだ!ハメット、デイリ、チャンドラーと並ぶハードボイルド派の伝説的名作を、気鋭の翻訳で贈る、ファン待望の一冊。
特別なことじゃない。あり得ない話でもない。もしかすると、これは「彼女」の昨日を描いたものかもしれない。スチュワーデス、幼稚園教諭、ビール会社営業職、商社OL-。流される日々の中で澱のように積み重なる、誰にも言えないホンネのキモチ。あなたの隣の「彼女たち」を紡いだ、四つのストーリー。
ミステリに庶民的な明るさとユーモアを初めて導入した仁木悦子の、少年・少女を探偵としたユニークな本格推理小説集。母の連れ子、教育ママに悩む少女と親友、野球コンビの同級生など、性格や境遇は違っても、子供たちの澄んだ眼は真犯人を逃がさない!意外なヒントから謎を解いていく彼らの名推理は、大人たちが忘れ去った星空のようにキラメいている。
小説編集の桜井透也は、担当作家の穂高櫂とプライベートで親密な関係にある。憧れの作家と恋愛をしていること自体、透也にとっては信じられない上に、仕事の立場で、肉体関係をもっている相手にどう接していいのか戸惑っていた。そんな時、透也は新人作家の担当になる。新鮮な気持ちで仕事に夢中になる透也だが、その分、穂高に会う時間がなくなり…。甘く切ないラブSTORY。
長野県中野市の小内八幡神社、その名に惹かれて立ち寄ったフリーカメラマンの小内美由紀は、全国の八幡神社を巡礼している飯島という老人に出会う。だが、不可解な言葉を残して美由紀と別れた老人は、秋田県で死体となって発見された。浅見光彦は、日本各地の美しい風景と混乱の戦後史の中に、この元文部官僚の軌跡をたどることになるが…。この国のありかたを問う著者が壮大な思いをこめて紡ぐ巨編。
殺された飯島が八幡神社を巡った理由はなんだったのか?事件を追う浅見光彦は老人の閉ざされた半生と癒えることのない戦争の傷痕に胸を痛める。愛するものと信ずべきもののために殉じた人々が、若者たちに託した戦後半世紀の誓い。それが、美由紀と婚約者の松浦に思いもかけぬ悲劇をもたらすことになろうとは…。松浦の赴任地である高知県に飛んだ浅見を最大の試練が待ち受ける。