2006年4月発売
名前、肉体、そして魂。 すべてを葬り去りたい。 「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかった村野ミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しにいく。隣人のホモセクシャルの親友。義父の盲目の内妻。幼い頃から知っている老ヤクザ。周囲に災厄をまき散らすミロを誰もが命懸けで追い始めた。
「朴美愛(パクミエ)」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。偽ブランド品を手がける現地の男と即座に愛人契約を結ぶが、彼は自分の身代わりとなって撃たれ下半身の自由を失ってしまう。深い愛情で結びついた二人は復讐を決意した。覚醒剤、レイプ、殺人。善悪を超えて世界を圧倒する壮絶な魂の遍歴。(講談社文庫) 姦淫、強欲、そして殺人。 でも罰は絶対に受けない。 「朴美愛(パクミエ)」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。偽ブランド品を手がける現地の男と即座に愛人契約を結ぶが、彼は自分の身代わりとなって撃たれ下半身の自由を失ってしまう。深い愛情で結びついた二人は復讐を決意した。覚醒剤、レイプ、殺人。善悪を超えて世界を圧倒する壮絶な魂の遍歴。
アストリアスの手から奪還したフロリーだが、光団の中に潜んでいたゴーラの密偵によって再び、さらに今度はスーティとマリウスまで拉致されてしまう。追跡を開始したグインとリギアは、ボルボロス砦で、三人を連れた密偵の一味を発見、大立ち回りのすえ、彼らを閉じこめていた馬車もろとも仲間を取りもどし、轟然と走り去るのだった。その頃、中原の各国では、グインが行方をくらましたことによるさまざまな問題が…。
朝鮮の陰謀からこの国を守れ-柳生十兵衛をも凌駕する新陰流の遣い手にして、後水尾天皇の陰陽師・柳生友景と、朝鮮王率いる「征東行中書省」との凄惨極める妖術戦、そして朝鮮柳生との息を呑む剣戟が今、幕を開ける!隆慶一郎のスケールと山田風太郎の奔放さを併せ持った超新鋭が放つ、奇想天外/天衣無縫の最新作。
運命に翻弄され、愛の地獄でさまよう 女たちが見出すひとすじの光ーー 激しくも美しい、愛と再生の物語。 22年前に起こった不幸な出来事によって 父親を失った三姉妹。美しく成長した彼女たちは今、 それぞれの問題を抱えている。 彼女たちが愛の地獄でさまよい、もがき苦しみ、 心に傷を負う様を描きつつ、その運命を受け入れて 現実を強く生き抜こうと“再生”する姿を、 繊細かつ情熱的に描く。 監督ダニス・タノヴィッチ(『ノー・マンズ・ランド』)のロングメッセージつき
イヌイットの青年アガグックは堕落していく部族に我慢できず、白人毛皮商人を殺し、村を出る。今世紀初頭の先住民を描いたこの小説は、サスペンス、大自然との闘い、浸食される文化、生き残り、とカナダ文学の特徴的なテーマを既に満載している。
東京・銀座の瀟洒な施設「ヴィラ・エ・アロール」。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味。そこの経営者である来栖の「仕事や世間から解放された人々に、楽しく気ままに暮らしてもらおう」という方針から、施設には自由な雰囲気が溢れ、三角関係などの恋愛問題が絶えず起きるが…。「老い」の既成概念を打ち壊し、新たな生き方を示唆する衝撃作。
幕末動乱のとき、真剣なら無類の強さを発揮する天然理心流の道場主・近藤勇は、志を同じくする土方歳三、沖田総司らと江戸から京に上り新選組を結成、尊皇攘夷、倒幕を画策する長州や薩摩など西南雄藩の活動家と闘う。芹沢鴨一派との内部抗争を経て、京の池田屋に長州藩の過激派を襲い、天下にその名を轟かせるが…。幕府瓦解の前夜、一瞬の光芒を放った新選組。その局長、近藤勇の激闘の日々と隊士との交情を熱く描く傑作。
旧天城峠の崖下で老人の死体が発見された。男は「下司」と書かれた千社札を携え、毎年百の寺社巡りをしていたという。真相を追う浅見光彦は、直後に発生したアイドル・桜井夕紀の心中事件にも巻き込まれる。老人の不可解な千社参りの道程。夕紀が遺書の中で書き換えた「椿」という伝言…。浅見はさらに、伊豆の手鞠歌が暗示する謎に導かれ、二つの事件の意外な接点を見出すのだが。傑作旅情ミステリー。
19世紀末、エリート官僚太田豊太郎は、明治新政府の期待をになって先進国ドイツに派遣された。自由な気風みなぎる大都会ベルリンで、自我に目覚め孤立した豊太郎は、寂れた裏町で美しい踊り子エリスと出会う。やがて恋に落ちた二人に訪れる悲しい運命。鴎外自身の留学体験を基に書かれた浪漫派の名作『舞姫』が、分かり易い通釈、格調高い雅文体原文(総ルビ付)の両方で味わえ、鑑賞に役立つ図版・コラムも満載。