2007年発売
吉原の遊女・朝霧は、特別に美しくはないけれど、持ち前の愛嬌と身体の“ある特徴”のおかげでそこそこの人気者。決して幸せではないがさしたる不幸もなく、あと数年で年季を終えて吉原を出て行くはずだった。その男に出会うまでは…生まれて初めて男を愛した朝霧の悲恋を描く受賞作ほか、遊女たちの叶わぬ恋を綴った官能純愛絵巻。第5回R-18文学賞大賞&読者賞ダブル受賞の大型新人が放つ、驚愕のデビュー作。
あたしは明日、風俗嬢になる。一年後には何になっているだろう。せつない気持ちが爆発する、官能度200%の恋愛小説。第4回「R-18文学賞」大賞受賞作を収録したデビュー作。
ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で「消えて」いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていた。そして、ついに恐れていた事態が。父フョードルが殺された!犯人は誰なのか。
二人の制服警官が悪徳宗教団体の裏金運搬車を襲撃!しかし、彼らは本物の警官ではなかった。鑑識、盗聴、銃撃など、本職顔負けの技を持つ警察愛好家サークルの一員だったのだ。ただ警察が好きなだけの善良なオタクたちがなぜ強盗を!?現金奪取は成功するが、直後に仲間の息子が誘拐される。カルト教団の逆襲と闇金組織の暗躍、そして謎の誘拐犯…。事態は混迷を深め、騒動は思惑を超えて拡大した。本格ミステリ界注目の気鋭が描くノンストップ・エンターテインメント快作誕生。
「アガルタの秘宝・双魔玉は超古代の破壊兵器だ」。今、明かされる衝撃の事実。それは世界の破滅を狙う魔人の手に落ちた。南米の密林奥地で、その力を起動せんと秘儀が始まる。悪魔の陰謀を阻止すべく、冒険児・伊集院従吾は、一九二四年、異端の変人学者、危険な金髪美女と爆弾娘とともに、大アマゾニアへ。折りしも、因縁の米海兵隊の猛者、赤軍の剛腕将校も同地へ潜入した。強敵・鉄仮面の教授、そして少年に憑依した暗闇公爵を倒せるのか?緑の魔境へ、従吾、最後の大冒険。
神経を病んだ作家が静養のために訪れた津軽温川温泉。水楢・桧葉林に囲まれたこの地を散策しここで生きてきた人々と交わる日々。雄大な北の自然を求めて下北へ。青森・十和田湖・酸ヶ湯温泉へ。自分をとりもどす力となった愛とは。
1968年6月5日、アメリカの希望ロバート・F・ケネディ暗殺。事件16時間前、LAアンバサダー・ホテルには様々な想いの22人の人間たちがいた…。あの歴史的な夜を描く“希望”の物語のために、映画史上最高のキャストが集結。超問題作を完全小説化!事件の背景を多角的に解説。
戦後の窮乏生活が遠のき、古来の慎ましさと新しい欲望が錯綜する昭和30年代ー。高度成長直前の時代の熱は、地道な庶民の気持ちをも変えていく。浮気・出世欲・カルト宗教・金儲けにはまり、やがて三面記事の紙面を賑わす殺人事件へ。武蔵野の自然や駅前の街並みなど旧き良きニッポンの風景の中で堕ちていく男女をテーマにした短編を厳選。オウム事件を予言するような怪ミステリーを含む5編を収録する。
地方。小さな町。閉鎖的なあの空気。班。体育館の裏。制服。渡り廊下。放課後。痛いほどリアルに甦るまっしぐらな日々-。給湯室。会議。パーテーション。異動。消し去れない痛みを胸に隠す大人達へ贈る、かつてなかったピュアロマン。恋とは、「堕ちる」もの。
フォルクローレ・デュオを組む、とてつもなく食えない僕ら。ある冬の日、病院での仕事の依頼が入る。そこには特別な観客が待っていた。ふと訪れる日常の一瞬の奇跡が、世界をやさしく包みこむ、十の物語。
二〇〇七年、国内大分裂によって政権存続の危機に直面した中国共産党が、ついに台湾侵攻を決断した。作戦名「身構える虎」。このままいけば米中最終戦争に発展し、東アジアは壊滅する。作戦発動を阻止するために立ち上がったのはプロの戦争請負人。大国相手にわずか五十人の傭兵部隊が一大作戦を仕掛ける!圧倒的なスケールとリアリズムで描く、超一級エンターテインメント。
互いの人生が一度きりのものであることを思うと、拒めなかった-。恋人殿村への思いを激しく抱きつつ、光子はその人生に殿村と同様に深く匕首を刺し込んで来る文学作品の主人公を辿る旅へと立つ。作品は梅崎春生の「幻化」。鹿児島から、熊本、阿蘇へ。火の国を歩く光子が見たものは…。恋愛と文学の炎を重ねる長編小説。
ホーキング博士に、自分の足で歩いてもらいたい!無名の天才発明家・機敷埜風天は、壮大な夢を実現すべく、脳波を直接受信して動作をサポートする介護支援機器「BF」を開発していた。しかし、引っ越してきた横嶋町は、二組のやくざが抗争を繰り返す、超危険地域だったのだ…!想像力がエスカレートしていく痛快スラプスティック長編。人気作家・梶尾真治、待望の最新作。
少年は少女に何があってもおまえを守ってやると告白したが、ある事件に巻き込まれた彼女を守ってやることができなかった。19年後、二人は再会した。ストーリーテリングの才が骨太の物語に結実した、著者の最高傑作。