2009年発売
言葉は「凶器」、声は「恐怖」-。それを知ってあたしは「1人」という道を選んだ…はず!?女子高に通う15歳の少女・ひなたと不良少年たちが織りなす、ちょっと過激で、ちょっとアブナいラブコメディ。魔法のiランどから生まれたケータイ小説。
毎朝新聞政治部記者、弓成亮太。政治家・官僚に食い込む力量は天下一品、自他共に認める特ダネ記者だ。昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材の中で、弓成はある密約が結ばれようとしていることに気づいた。熾烈なスクープ合戦の中、確証を求める弓成に蠱惑的な女性の影がー。
中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空とぶ青春小説。
南町奉行所の同心と火付け盗賊改方の同心が、そろって何者かに惨殺された。前代未聞の凶悪な辻斬り事件に奉行所は殺気立つ。そんな中、普段は「独活の大木」とさげすまれている昼行灯与力の田中丙丙に、幕府の上層部から密命が下った。かつて「鬼」と恐れられ、わけあって無能者の仮面を被っていた丙丙だが、同心殺しと密接に関わる謀略を暴くため、再び鬼となって立ち上がる!冤罪に泣いた町人、謎の黒幕集団、あやかしの如き剣客…立ちはだかる謎と陰謀を、丙丙の無外流剣術が一刀両断!最後まで飽きさせないノンストップ時代小説、 ここに開幕。
今より少しだけ未来の202X年。小学生の間では、ウェラブルコンピューター“電脳メガネ”が大流行していた。この“メガネ”をかけると、必殺技を手に入れたり、電脳ペットを飼ったり、子どもたちだけのとびきり刺激的な秘密の遊びをすることができるのだ。ただし、“メガネ”を楽しめる時間には限りがあって…。不穏な空気に包まれる大黒市で、“信者”たちによって「女王」として祭りあげられていくイサコー。裏で糸を引いているのは、大黒小学校の優等生、イイジマだった。彼女の狙いは何なのか!?そんな中、イサコの過去に関する噂がネット上をかけ巡り、その発信源である“三人組”のうちふたりが、何者かに“メガネ”を攻撃される。不安にさいなまれるヤサコは、イサコをとりもどすためのある計画を実行する。
男はもうここに戻ってくることはないだろうと女は思ったー。三年間、食事をともにした男との永遠の別離を描く「食卓」他、恋によって炙り出される男と女の孤独が、かなしさとせつなさを孕んでゆらめく十一篇。短篇よりも短い「掌篇小説」には、小さく切り取られているがゆえの微妙な宇宙が息づき、無限の時間へと読む者を誘う。長篇よりもいっそう濃密な闇と静謐な光を湛えた作品集。
産業革命以降、さまざまな商品で溢れかえる現代社会。経済バランスが崩れることが予想されるとしても、なお利益を追求する資本主義社会が抱える矛盾とは?なぜ不況が起こるのか?なぜ失業者が増え、貧富の格差が広がるのか…?『資本論』第1部をベースにした『まんがで読破資本論』の続編として第2部・第3部を漫画化。
春休みなのに…とぼやく三枝のバイト先に突然現れたのは、恋人で華僑の実業家・王。なんと部下の小野や楊も一緒の“社員旅行”のお誘いが…。そうして週末、連れていかれた先は北海道ー完全オフのスキー旅行…デンジャラスな日常を離れ、至れり尽くせりのサービスや料理…と浮かれ気分の三枝だったが…。やはりお騒がせカップル、またもや旅先で命を狙われるハメに…。剣呑ラバーズ激甘ハネムーンの顛末は…。
新人アナウンサーの蒼は、クイズ番組のロケ地エジプトで精悍な美貌をもつ豪族、サラディーンと激しい恋に堕ち、今はともに日本で暮らす仲となった。あれから三ケ月、今度は特番のため再び遺跡にやってきた蒼。取材の最中、暗号の書かれたパピルスを偶然手にして…。謎の紙片は、特殊部隊に属する恋人サラディーンと何かつながりが…?そんな折、蒼たちは砂嵐に巻き込まれ…。蜜色うるうるロマンスミステリー。
材木問屋の若旦那、栄次郎は、絵草紙の作者になりたいと死ぬほど願うあまり、自ら勘当や手鎖の刑を受け、果ては作りごとの心中を企むが…。ばかばかしいことに命を賭け、茶番によって真実に迫ろうとする、戯作者の業を描いて、ユーモラスな中に凄みの漂う直木賞受賞作。表題作のほか「江戸の夕立ち」を収録。
生誕100年を迎え、再び注目を集める無頼派作家、太宰治。その退廃的な作品群の中から、1947年に刊行され、何度も映像化された大ヒット作「斜陽」と、終戦の年から河北新報に連載された佳作「パンドラの匣」を収録した愛蔵版。破滅的とも称される作風で多くのファンを獲得する太宰文学の頂点の文庫化。
世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのかー。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。
自らの特殊能力ー男をひと目で見抜くーを生かし、東京で女ひとり闇のコンサルタントとして、裏社会を生き抜く女性・水原。その能力は、「地獄島」での彼女の壮絶な経験から得たものだった。だが、清算したはずの悪夢「地獄島」の過去が、再び、水原に襲い掛かる。水原の「生きる」ための戦いが始まった。
その音楽は神のものか、悪魔のものかーカレーの海辺でひとりの熱狂的なモーツァルティアンと出会った伽椰は、情事の果ての長い逃亡生活に終止符を打ち、日本へと舞い戻った。そこで待っていたのは、ケッヘル番号を会員番号とする会員制旅行代理店の奇妙なツアーであり、依頼人の失踪に始まる恐るべき復讐劇の幕開きだった。
ウィーンからプラハ、マンハイム、ベルリンへと、モーツァルトゆかりの土地へアマデウス旅行社のツアーは続き、復讐は重ねられる。モーツァルトしか弾かない美貌のピアニストとの恋が伽椰を更なる悲劇のうねりに巻きこんでいくのだがー過去と現在、複雑に入り乱れた愛と憎しみが生み出した絶望に差しこんだ一筋の光とは。
戦時中の大阪で小さな町工場を興した八谷泰造。財界重鎮の永野重雄を口説いたり、旧満鉄技術者をスカウトするなど、持ち前の大胆さと粘り腰の八谷は、難題を乗り越え、会社を発展させ、ついには世界的な石油化学工業会社「日本触媒」を築きあげたー伝説の経営者を描く経済小説の第一人者、高杉良の名作が文春文庫に初登場。
元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年…。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊。