2010年6月発売
それぞれの理由で、殺人を犯した三人は少年院で邂逅を果たす。しかし、人殺しのレッテルを貼られた彼らにとって、そこは想像を絶する地獄であった…。苛烈ないじめを受ける久藤は、混乱の中で自らを律し続ける葛城の精神性に強い興味を持つ。やがて、少年院を出て社会復帰を遂げた三人には、さらなる地獄が待ち受けていた。
社会復帰後も失意の中にいた久藤は、友人水嶋の提案で、銀行強盗を計画し、神原と葛城にも協力を依頼する。三人は、神原の提案で少年院時代の知り合いである米山と黒沢にも協力を依頼する。三人の迷える魂の彷徨の果てにあるものとは?ミステリーで社会に一石を投じる著者の真骨頂と言える金字塔的傑作。
電話の向こうで親友が殺された。死に際に僕の住所を殺人者に告げて。その瞬間から僕は謎の集団に追われはじめた。逃げろ!だが妻はオフィスに血痕を残して消え、警察は無実の殺人で僕を追う。走れ、逃げろ、妻子を救え!平凡な営業マンの決死の疾走24時間。イギリスで売上40万部、サスペンス史上最速の体感速度を体験せよ。
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだったー。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
あらゆる学問を修めた亜玖夢博士が脳める衆生を救おうと開いた研究所には、社会のどん底でもがく相談者が今日も訪れる。多重債務にいじめ、マルチとどんな問題も経済理論で解決…のはずが突拍子もない処方と奇妙な助手の暴走で毎度とんでもないことに!?最先端の経済理論が身に付くブラック・コメディ。
京都で探偵事務所を営む「私」のもとに久々にやってきた仕事の依頼は、なんと誘拐事件の解決。もっとも誘拐されたのは家で飼われていたドーベルマンで、つまりは犬の捜索が仕事なのだった…。苦手な動物がらみの依頼ばかり次々に舞い込む探偵の困惑と奮闘を描いた傑作ユーモア・ハードボイルド五篇を収録。
手に取れば、そこに広がる「ホームレス」と「しっぽつき家族」のノンフィクション・ストーリー。 犬も猫も、そして人も、すべてに生きる権利がある 河川敷や公園に捨てられる犬や猫。飼い主から見放された動物たちだ。 そんな見捨てられた動物たちを自らの食事を抜いてまで世話をするホームレスたち。 その動物たちを無料で診察する女性獣医師。 彼女が見たのは、社会の片隅で肩を寄せ合い生きていく、動物と野宿者が直面する厳しい現実だった。 女性獣医師が動物医療の視点から現代社会のひずみを描き出す、渾身のドキュメント。 プロローグ 第一章 山谷ブルース 東京に生きる野宿仲間と動物たち たこつぼからドツボへー初めての隅田川医療相談会 ウサギ・マジックー荒川河川敷ウサギのやさしい魔法 はなちゃんとハッピーー隅田川テラスから見える風景 隅田川から信州へー野宿の女性と猫の引越し 「輪」からつながる「和」-荒川医療相談会 井上さんとイノウエくんー山谷の祭りの出来事 「コラム」犬が苦手! の名ドライバー 第二章 Love me tender 大阪・釜が崎の自由と不公平 川から海へー全国地域・寄せ場交流会 西成公園へー初めての大阪・釜が埼 不当なことは立ち向かってGO! -カタヤマさんの逮捕 人と犬が紡ぐものー残された犬たちと人間模様 事件後のジェシカおばさんー里親探しに奔走するボランティアたち 居酒屋「はな」のシアワセ術ー釜が埼に集う人たち 「コラム」ジョン熊五郎 第三章 Many rivers to cross 野宿仲間と越えていく壁 桜の中のお別れー信州のMさんの死 百年に一度のことをしようー若者たちの挑戦 なぜ暴力が起きるのかー動物虐待と野宿者襲撃 若い世代へ伝えたいー野宿問題の授業 ファミリー・アフェアー野宿からアパートへ やすらかに暮らしたいー生活保護と動物と 「コラム」ありがとう、鉄の道 第四章 People get ready 生きものみんなに明日が来るために 情報格差社会のなかでー知る権利と知らせる責任 トルエケが起こした奇跡ー助け合いの経済 誰かが何とかしてくれる?-無関心と関心のあいだで Five freedoms-最低限の自由の保障 違っているからいいー人間多様性 タコツボからクラーケンへー共感力と手をつなぐ社会 エピローグ 橋爪竹一郎「微笑して正義を行え」 藤原英司「命の尊厳」 大きな河の流れのほとりでーあとがきにかえてエピローグ あとがきにかえて
医師の夫との偽りの結婚生活に疑問を感じながらも、一歩を踏み出せずにいる沙和子。そんな時、出張先の香港で門倉と出会う。強く惹かれあうが、互いを縛りつけることのできない二人が行き着いたのは「年に一度だけ、同じ日に、同じ場所で」という約束。電話番号もメールアドレスも知らない二人の、愛の姿を描く。
三菱、第一銀行が合併ー’69年元日、歴史的スクープが読売新聞の一面を飾った。金融国際化を見越した両行頭取による合併工作に、非財閥系の第一マインドを消滅させてはならじと一人反対の姿勢を貫いた常務の島村。いきなりの左遷にも怖じることなく闘う姿に、組織と人間のあり方を問う記念碑的企業小説。
風雲急!! 真田、生き残れるか!? ルドルフ・ヘスの命令の下、陸空からの最終攻撃が、恵理、舎念たちに迫る!! 運命が微笑むのは、敵か味方か!? 新人類委員会は、芳賀一族抹殺を狙って、最終攻撃の準備を進める。舎念、恵理、ザミルが重大な危機を予期する中、真田武男は特殊防諜班の任を解かれる。宿命の男たちが出雲に集結、最大にして最後の戦いが始まる。真田は恵理たちを守ることができるのか。シリーズ完結編。 風雲急!!真田、生き残れるか!? ルドルフ・ヘスの命令の下、陸空からの最終攻撃が、恵理、舎念たちに迫る!!運命が微笑むのは、敵か味方か!? 新人類委員会は、芳賀一族抹殺を狙って、最終攻撃の準備を進める。舎念、恵理、ザミルが重大な危機を予期する中、真田武男は特殊防諜班の任を解かれる。宿命の男たちが出雲に集結、最大にして最後の戦いが始まる。真田は恵理たちを守ることができるのか。シリーズ完結編。 ※この作品は1990年10月天山出版より刊行された『千年王国の聖戦士(メシア)』(新人類戦線シリーズ)を改題したものです。
作家としての苦悩のはじまりに“しょぼんとたたずむ”忘れ難い作品、「ゆうべの神様」。シングルマザーになる覚悟で離島の実家に帰った私を待っていたのは、恐ろしいほど変わらない風景と“壊れた”母親だった。-川端康成賞受賞作、「ロック母」など、十五年にわたる作家活動をあまさずとらえた傑作作品集。
明朝末期、度重なる戦と凶作、そして苛酷な税に喘ぐ民の負担は限界を超えていた。各地に反乱の烽火が続々と上がる。叛徒を率いる李巌と紅娘子は、四川で反乱勢力を指導する李自成に合流し、厳しい軍規を掲げて明朝打倒の先頭に躍り出た。さらに、明を狙う強大な女真族も南下を始め、時代は大転換へ向け動き出した。
おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏にー。おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。
その封印、解いてはならぬ! 将軍継嗣をめぐる最大の謎、家基急死事件。立花併右衛門は、定信すら知らぬ真相へーー 注目度第1位シリーズ 「この文庫書き下ろし時代小説がすごい!」(宝島社刊)第1位 立花家の一人娘瑞紀にもたらされた格違いの婿取り話。糸を引くのは奥右筆組頭を手駒にしたい松平定信か。苦悩しつつも立花併右衛門は、将軍継嗣(けいし)最大の謎、家基急死事件の驚くべき真相に迫っていた。そして定信憎しの一橋治済は、謀殺の命をついに冥府防人に下す。圧倒人気のシリーズ第6弾! 第一章 無言の恫喝 第二章 人身御供 第三章 世子の死 第四章 闇の眷属 第五章 罪の汚名
輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、“大蛇の剣”の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…。神々が地上を歩いていた古代の日本“豊葦原”を舞台に絢爛豪華に織り上げられた、日本のファンタジー最大の話題作。
初雪の降った霜月、初孫が生まれた勘兵衛。めでたく祖父となって三月が経った今日、人形を揃えんと勇んで向かった雛市で、仕事最中の老いた男に出会した。伝説の掏摸と呼ばれし初音の仙蔵が、なんと、手管を仕込んだ倅娘とぐるになっているではないか。仏の顔も三度までと、此度ばかりは見逃してやったものの、別れ際に物言いたげな仙蔵を質しもせず、後にしたのがいけなかった…。
小伝馬町の古着商たちから、最近開業した店が盗品を扱っている疑いがあるので、調べて欲しいとの訴えがあった。北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左は、裏に大がかりな組織があると睨み、探索を始める。同じ頃、手下の岡っ引き八十助のひとめ惚れした武家女が、鉄砲洲の大番屋に入れてくれと懇願してきて…。次々と起きる事件に、十左が疾る。
大学紛争が激化した一九六〇年代の終り、謎多き人生を過ごしてきた自動車整備工・雪森厚夫は、スケート場で出会った女子大生・池端和香子に恋心を抱く。T大紛争を巡る混乱の中で、心病む和香子は闘争の有効性に疑問を持ちながら、Y講堂にも出入りする。急接近した二人は六九年二月、冬の北海道への初の旅に出た。帰京した二人は、新幹線爆破事件の容疑者として逮捕される。予期せぬ罠にはめられた二人の孤独な闘いが始まる。
第一審で死刑と無期懲役の判決を受けた二人にとって、冤罪の汚名を雪ぐことは決して容易ではない。しかし青年弁護士阿久津は献身的な弁護活動で、二人のアリバイを立証しようとする。厚夫は、未決の死刑囚として拘置所で日々を過ごす。人生の長き時を閉ざされた監獄の中で過ごした意味とは何だったのか。厚夫は我が罪を問い続ける。そして二審判決はー。人間にとって魂の救済と愛の意味を問い続ける感動の長編小説。