2010年発売
サンダル木の精霊フォーンのフォレストは、ある日友人の木靴木のフォーンが失踪してしまったことを知る。守護精霊を失った木靴木は、このままではおぞましいマンダニアの木と同じになってしまう!木を助けるには、新たな守護精霊になるフォーンを見つけるしかない。よき魔法使いハンフリーの助言に従い、フォレストは夢馬のインブリとともに、アイダ王女の頭のまわりをまわる不思議な世界ープテロへと旅立つが…。
解き放たれた“破壊”神が、人々を戦わせ世界を破滅に導いている。隠された貯蔵庫を探し求めるエレンドとヴィンは“西領”ファドレクス・シティの舞踏会で、街の支配者ヨーメンと対峙する。いっぽう“北領”のウルトーは、ケルシャーを崇拝する“同志市民”クェリオンが支配していた。貯蔵庫を探してこの街に来たセイズドとブリーズは、先に潜入していたスプークと合流するが?!さまざまな謎が明かされゆく怒涛の第二巻。
先の大戦の激戦地だった太陽系辺境の小惑星セドナには、今も膨大な数の遺骨が眠る。ゴロこと尾野碁呂空曹は、任務中の事故で脳に障害を負い、この星に赴任した。穏和な老人イーイーさん、旧型アンドロイドのクイミクと、たった3人でセドナに暮らし遺骨を収集する日々。ナノマシンの嵐で独自進化した生態系を持つこの星と、3人の鎮魂の祈りが深く共鳴するとき、ささやかな奇蹟が結晶するー俊英作家の癒しと再生の物語。
妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。
浅草の古びたアパートで発見された女の絞殺死体。被害者は大手旅行代理店のOLだが、夜になると街で男を誘っていたという。この事件に興味を抱いたノンフィクション作家が彼女の生い立ちを取材すると、その周辺に奇妙な事件が相次いで起きていたことが分かる。彼女を殺したのは誰か?その動機は?「騙りの魔術師」折原一が贈る究極のミステリー。
父親の解散宣言で家を失った僕は近所の公園で暮らし始める。自動販売機の下で小銭を探し、雨で体を洗う。そんな日々の中で知る人の温もり、見つけた夢。笑って泣ける芸人・麒麟田村裕の実話。
「どうしても夫と別れたい」。離婚を望み、決死の覚悟で駆け込み寺にやってきた女たち。けれどもその理由はどれもこれも一筋縄ではいかなくて…。夫婦の絆、名もなき人々の強さ、生きる喜びを謳いあげた遺作。
画廊勤めの風子の前に台風のように現れ、19歳の身体を心ごと奪った大岸豪介。不器用で情にもろい豪介に深く刻まれた風子の愛の記憶は、幼い娘を抱えスナック勤めをした洋子との暮らしを彼が選んだあとも甘く、苦しいほどに切ない。元妻を自殺で失った河野至高と風子が結ばれた20年後のいまも…。70年代フォークの調べにのせ、秘めた想いを、肉体の歓びへと解き放つ大人の愛の物語。
作田又三、二十四歳、すべてをなげうち、大阪を飛び出した。何の目的もあてもない。「どこかへ行きたかっただけだ。行く先などどこでもよかったのだ」昭和五十年代の東京を漂流した又三は、ついに北海道根室に立つ。緊迫する北方領土の海に跋扈する特攻船。又三の航海に暴風が吹き荒れる。はたして錨を下ろす「終着の港」にたどりつけるのか?16世紀の悪漢小説を現代の日本を舞台に甦らせた、途方もないエネルギーに満ちた物語。感動の最終章。
「光あれ」神の一言で世界ははじまった。天地創造ののち、神は男女一組の人間を造り上げた。 月日は流れ繁栄を極めた人間は次第に神の栄光を忘れ、傲慢になっていく。 そして神はついに人間を滅すことを決意する。 世界でもっとも多くの人に愛され続み継がれている宗教書・歴史書を漫画化。 『新約聖書』と併せてお読みください。
世界宗教とも呼ばれ、世界一の信者教を抱えるキリスト教の聖典のひとつ『新約聖書』。そこには、神の子イエス・キリスト(救世主)の生涯や、人々を「神の国」へと導くための、さまざまな言行と奇跡が記されており、キリスト教の教えの中軸として2000年以上もの間、世界中で読み継がれている。その世界最大の聖典を漫画化。
ノーベル文学賞の受賞に限りなく近いといわれたスペインの国民的作家ミゲル・デリーベスの「ナダル賞」受賞の長編! ミゲル・デリーベスは2010年3月12日、故郷バリャドリッドで亡くなった。スペイン国民はその死を悼み喪に服した。 本書は、デリーベスのデビュー作で、スペインの芥川賞とも言うべき「ナダル賞」受賞作品であり、デリーベスの生涯のテーマである「幼年時代への回想と死へのこだわり」が糸杉の影に託して色濃く投影された作品である。 第1部では孤児で育った主人公ペドロが同じく孤児の境遇にある12歳の親友を肺結核で失い、幼くしてすでに人生に深い虚無感を抱く過程が描かれる。 第2部では、少しでも俗世間を離れるべく船乗りの職業を選ぶのだが、ふとした機会に最愛の女性に巡り会う。人生を厭い、すべてに懐疑的なこれまでの生活を捨てて彼女の手を取り、希望の未来へ向けて歩み始めたばかりのところで身重の妻を交通事故であっけなく失ってしまった。ここに親友の死と最愛の妻の死とがひとつに重なって主人公を悲嘆のどん底へ突き落とすのだが、やがてそこから瞳をあげて明るい将来へ踏み出すまでの姿を描いている。
児童養護施設に入所した中学生の利雄を待っていたのは、同部屋の昌吉の鋭い目だったー辛い境遇から這い上がろうと焦る昌吉が恐ろしい事件を招く表題作ほか、養護施設で暮らす少年の切ない夢と残酷な現実が胸に迫る珠玉の三編。著者の実体験に材をとった、名作の凄みを湛える自伝的小説。
阿用の里に現れた鬼。噂を聞いた少年シコオは鬼退治を買って出る。宙に浮かぶ船との遭遇、因幡の国を目指せというお告げー。選ばれし仲間たちとともに試練を乗り越え、行き着いた先で彼らを待っていたものとは?そして鬼の正体とは?神話を大胆に解釈した、高橋克彦版「エキサイティング古事記」の誕生。
六本木のホテルで殺された人気女優の顔には鉄製の鍋、目黒のマンションで死体で発見された有名クラブのママの顔には紙製の釜が被せられていた。二人の共通項は三十代の美人で資産家、離婚歴そして派手な男付き合い。芸能界、政財界を巻き込んだ巨大スキャンダルには多すぎる容疑者が。十津川警部・「祭り」シリーズ第7弾。